道路運送車両法 第90条(自動車特定整備事業者の義務)
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自動車特定整備事業者は、特定整備を行う場合においては、当該自動車の特定整備に係る部分が保安基準に適合するようにしなければならない。
この条文の基本情報
自動車特定整備事業者の義務とは何ですか?
定義自動車特定整備事業者の義務とは、道路運送車両法第90条に定められた規定で、「自動車特定整備事業者は、特定整備を行う場合においては、当該自動車の特定整備に係る部分が保安基準に適合するようにしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路運送車両法第90条(自動車特定整備事業者の義務)は、日本の道路運送車両法に含まれる条文です。
- 道路運送車両法第90条の条文原文は「自動車特定整備事業者は、特定整備を行う場合においては、当該自動車の特定整備に係る部分が保安基準に適合するようにしなければならない。」で始まります。
- 道路運送車両法第90条は第六章に置かれています。
- 道路運送車両法の公布日は昭和26年6月1日です。
- 道路運送車両法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 道路運送車両法第90条の前の条は道路運送車両法第89条です。
- 道路運送車両法第90条の次の条は道路運送車両法第91条です。
- 道路運送車両法第90条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第90条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185 - 本サイト収録
道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第90条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0000000185/90
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路運送車両法90条は、自動車特定整備事業者に対し、特定整備を行った部分を保安基準に適合させる義務を課す。義務は車全体ではなく作業した部分に限られる。
Q · 整備工場に修理を頼んだら、工場は車のどこまで安全に責任を持つの?
作業した部分だけ、保安基準に適合させる義務を負う
道路運送車両法90条により、自動車特定整備事業者は特定整備を行う場合、その特定整備に係る部分を保安基準に適合させなければなりません。義務は車全体ではなく作業した部分に限られます。令和元年改正(2020年4月施行)で、前方カメラやレーダーの取り外し・調整(エーミング)も電子制御装置整備として特定整備に加わりました。作業範囲の特定には特定整備記録簿(91条)が重要な証拠になります。
解説
フロントガラス一枚の交換が、国の認証を要する「整備」になった。令和元年(2019年)改正(2020年4月施行)で「分解整備」は「特定整備」に改められ、自動ブレーキ用カメラやレーダーの取り外し・調整(エーミング)も対象に加わった。本条は、特定整備を行う事業者に対し、「手を入れた部分」を保安基準(国が定める車の安全性能の最低ライン)に適合させる義務を課す。ここで押さえておきたいのは範囲の限定である。整備工場が負うのは車全体の安全保証ではなく、自分が作業した部分の適合保証だ。だからこそ、あなたが修理を頼むときに確かめるべき点ははっきりしている。その工場は該当する種類の認証を持っているか。作業後に特定整備記録簿(整備内容を記録する法定の書類)を交付するか。カメラ周りを触ったならエーミングをやったか。この三点を確認した人と黙って鍵を渡した人とでは、事故が起きた後に持てる証拠がまったく違う。
法的な位置づけ
道路運送車両法第90条は、地方運輸局長の認証を受けた自動車特定整備事業者に対し、特定整備を行う際、当該自動車のうち特定整備に係る部分を道路運送車両の保安基準に適合させる義務を課す規定である。義務の対象は車両全体ではなく、事業者が作業した部分に限定される。
手順
- 1.見積もり段階で認証の種類を確認する 工場に掲示された認証標識を確認し、「電子制御装置整備」の認証があるかを尋ねる。前方カメラ・レーダー付きの車でガラスやバンパーを交換するなら、この認証の有無が作業の適法性を左右する
- 2.エーミングが見積もりに含まれているか確認する センサーの脱着を伴う作業では、エーミング(照準の再調整)が見積もりに含まれているかを確認する。極端に安い見積もりはエーミング抜きの可能性がある
- 3.引き取り前に特定整備記録簿と作業写真を受け取る 支払いの場で特定整備記録簿の写し、交換部品、作業写真、エーミング結果データの提供を求める。引き取り後より支払い前のほうが入手しやすい
- 4.不具合発生時は第三者の工場で点検し記録する 修理後に不具合や事故が起きたら車を保全し、別の認証工場で作業部分を点検して記録を残す。そのうえで元の工場に説明を求め、必要に応じて地方運輸局に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1特定整備とは何ですか?
従来の分解整備に、自動ブレーキ用カメラやレーダーの取り外し・調整などの電子制御装置整備を加えた整備の総称です。令和元年改正で導入されました。
Q2エーミングとは何ですか?
前方カメラやミリ波レーダーなどのセンサーの向き・照準を正しく調整し直す作業です。センサーを脱着した後に必要になる場合が多く、電子制御装置整備にあたりえます。
Q3特定整備の認証がない工場で修理すると違法?
特定整備を事業として行うには地方運輸局長の認証が必要です(78条)。無認証で特定整備を請け負うことは法令違反となりえます。オーナー側が処罰される規定ではありません。
Q4特定整備記録簿はもらえますか?
事業者は特定整備をしたとき記録簿を作成し、依頼者に交付する義務があります(91条)。受け取れない場合は、引き取り前に交付を求めるのが確実です。
Q5修理後の不具合は整備工場の責任?
作業した部分が保安基準に適合していなければ、本条の義務違反が工場の過失を示す有力な根拠になります。作業範囲外の不具合まで当然に責任を負うわけではありません。
Q6保安基準とは何ですか?
国が定める自動車の構造・装置の安全性や環境性能の最低基準です。道路運送車両の保安基準(省令)と細目告示で具体的に定められています。
Q7整備工場が義務違反したらどうなる?
民事上の賠償責任とは別に、地方運輸局長による事業停止や認証取消しなどの行政処分の対象になりえます(93条、現行規定は要確認)。
Q8特定整備の記録簿の保存期間はいつまで?
施行規則上、特定整備記録簿の保存期間は2年とされています。最新の改正状況は e-Gov 法令検索で確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1町の整備工場とディーラー、法律上の責任に差ってあるんですか?
特定整備を行うなら、どちらも地方運輸局長の認証が必要で(第78条)、作業部分を保安基準に適合させる義務(本条)も同じです。規模は関係ありません。実務のポイント:工場の入口などに認証の標識が掲示されており、そこに「電子制御装置整備」の記載があるかで対応範囲が分かります。整備士の腕より先に、まずその掲示を確認するのがプロの選び方です
Q2フロントガラス交換だけなのに、エーミング代を追加で請求されました。ぼったくりですか?
前方カメラ付きの車では、ガラス交換でカメラを脱着した後、照準を合わせ直すエーミングが必要になる場合が多く、その作業は電子制御装置整備(特定整備)にあたりえます。必要な作業の対価なので不当とは限りません。実務のポイント:逆に安すぎる見積もりのほうが要注意。エーミング抜きの価格かもしれず、その場合は交換後に自動ブレーキの照準がずれたまま走ることになります
Q3修理後に事故ったら、工場の責任を証明するのは自分なんですか?
民事で賠償を求めるなら、原則として請求する側が義務違反・損害・因果関係を立証します(民法709条・415条)。本条の保安基準適合義務は、工場の注意義務違反を示す強い根拠になります。実務のポイント:勝負を決めるのは、事故後すぐに第三者の工場で点検を受け「作業部分」の不適合を記録できるかどうか。元の工場に再点検させると、証拠が整えられてしまうおそれがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「車検を通した工場なら、車全体の安全に責任を持ってくれる」と考えがちである。しかし本条の義務は「特定整備に係る部分」、つまり作業した箇所に限られる。作業していない部分が壊れても、本条違反を問うのは難しい。何をどこまで作業したかを記録簿で特定するのが、責任を追及するときの出発点になる
- ガラス交換やバンパー交換は「部品を付け替えるだけ」と見られてきた。ところが先進運転支援装置付きの車では、同じ作業でもカメラ・レーダーの取り外しや調整を伴えば電子制御装置整備(特定整備)になる。作業後の見た目が完璧でも、自動ブレーキの照準がずれていれば保安基準の問題になりうる。影響の大きさを多くの人が知らない
- オーナーから見れば整備は民間同士の「サービス契約」だが、法律から見れば国の認証制度に組み込まれた公的な安全義務である。違反すれば、事業者は民事の賠償とは別に、地方運輸局長から事業停止や認証の取消しといった行政処分(役所が事業者に直接下す不利益な決定)を受けうる(第93条、現行効力を要確認)。客との示談が済めば終わる話ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 90条:特定整備を行う際の作業部分の保安基準適合義務 | 78条:特定整備事業を営むための認証制度 91条:特定整備記録簿の作成・交付義務 |
| 義務の性質 | 整備結果の品質(作業部分の適合) | 事業参入の資格(認証の取得) 作業内容の記録と開示 |
| オーナーにとっての意味 | 作業部分の不適合は工場の義務違反の根拠になる | 工場選びの基準(認証の種類を確認) 作業範囲を特定する証拠になる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では役務提供者一般に安全確保義務を課す消費者保護法が中心で、日本のような整備作業部分への保安基準適合義務を明文化した規定の有無は要確認
韓国は自動車管理法で自動車整備業の登録制を採り、整備事業者の遵守事項を定める。具体的な条番号は要確認
中国は交通運輸部の部門規章で自動車整備業の資格・品質管理を規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 飛び石でヒビが入ったフロントガラスを、格安のガラス専門店で交換した。その車にはガラス越しの前方カメラが付いている。交換後にエーミングをしていなければ、自動ブレーキが数十センチずれた位置を「見て」いるかもしれない。警告灯が点かないこともある
- もし修理後一か月で、ブレーキ作業をした箇所が原因の事故が起きたら、責任は誰が負う? 作業部分が保安基準に適合していなかったと立証されれば、工場の義務違反が過失判断の有力な材料になる。記録簿の有無が最初の分かれ目になる
- あなたは板金塗装の工場を経営している。バンパー交換のついでに、奥のミリ波レーダーを外して付け直した。電子制御装置整備の認証がなければ、その作業自体が無認証の特定整備になりうる
- 中古車を買った翌週、納車前整備の中身を聞いても販売店は「ちゃんとやりました」としか答えない。記録簿を見せてほしいと頼むべきだ
- 事故から修理工場へ車を出して3日後、保険会社から「修理内容の明細を1週間以内に」と連絡が来た。工場の記録簿と作業写真を今のうちにもらっておかないと、後で過剰請求や手抜きを疑われても反論する材料がない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 修理後に不具合や事故が起きたら、まず車をそのまま保全し、別の認証工場か指定工場で点検を受けて原因を記録する2. 修理した工場に特定整備記録簿(第91条)の写し、作業内容、交換部品の提出を求める3. 作業部分の保安基準不適合が疑われる場合は、管轄の地方運輸局(運輸支局)に相談・情報提供する4. 損害は民法415条(契約責任)または709条(不法行為)で請求、内容証明で期限を区切る
訴えられた側:1. 当該作業が特定整備に当たるか、自社の認証の種類(分解整備・電子制御装置整備)が合っているかを即座に確認2. 記録簿・作業写真・エーミング結果のデータを保全し、作業範囲外の不具合でないかを切り分ける3. 不適合があった場合は再整備を速やかに申し出る。行政処分のリスクは事後の対応で左右されうる4. 賠償請求には、作業範囲・因果関係・過失相殺(民法418条・722条2項)の観点から反論を組む
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、整備契約上の請求は一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)、事故による人身損害は不法行為として損害と加害者を知った時から5年(民法724条の2)が適用される。請負の契約不適合は、不適合を知った時から1年以内の通知が必要(民法637条)。特定整備記録簿の保存期間は施行規則で2年とされている(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)公布、令和2年(2020年)4月施行 「自動車分解整備事業者」「分解整備」を「自動車特定整備事業者」「特定整備」に改正。自動運行装置や先進運転支援装置の取り外し・調整を行う電子制御装置整備が対象に加わった(改正回数の全体は要人的検証)
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 改正:「分解整備」を「特定整備」に、「自動車分解整備事業者」を「自動車特定整備事業者」に改め、先進運転支援装置等の電子制御装置整備を対象に追加。令和2年(2020年)4月施行
- 道路運送車両法 第49条特定整備の定義(現行効力を要確認)
- 道路運送車両法 第78条特定整備事業の認証制度
- 道路運送車両法 第91条特定整備記録簿の作成・交付義務
- 道路運送車両法 第93条義務違反時の事業停止・認証取消(現行効力を要確認)
- 道路運送車両法 第41条保安基準の対象となる装置
- 民法 第415条整備契約の債務不履行責任
- 民法 第709条整備不良事故の不法行為責任
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