要点道路交通法 111 条は、公安委員会が交通規制の適正化のために行う交通調査を定め、警察官は必要な限度で車両を一時停止させ通行経路を質問できるが、不協力への罰則はない。
Q · 夜道で警察に止められて「どこから来てどこへ行くのか」と聞かれたら、答えないといけないの?
交通調査なら回答は任意で、断っても道交法に罰則はない
道路交通法 111 条 2 項の交通調査であれば、通行の経路に関する質問に答えるかどうかは任意で、応じないこと自体を処罰する規定は同法にありません。停止の求めも「調査をするため必要な限度において、一時」に限られ、合理的な理由のない長時間の足止めは権限の逸脱となり得ます。ただし目の前の停止が危険防止の措置(同法 67 条)、整備不良車両の検査(同法 63 条)、警察官職務執行法 2 条の職務質問である場合は義務の重さが変わるため、まず何の権限による停止かを確認することが出発点になります。
深夜の幹線道路で、赤い誘導灯を振る警察官に路肩へ寄せられ、『どちらから来て、どちらへ向かっていますか』と聞かれる。多くの運転者は心臓が跳ね、何か違反したのかと身構える。だが道路交通法 111 条 2 項が定めているのは、犯罪捜査でも一斉検問でもない。公安委員会が交通規制を適正にするため、通行経路を調べる『交通調査』だ。ここで握っておくべき核心が一つある。条文の文言は『停止することを求め』『質問することができる』であって『命じる』ではない。しかも道交法の罰則は、この調査への不協力を処罰していない(他の停止義務条文と決定的に異なる)。つまり法的性質は任意の協力要請に近い。ただし実務では、目の前の停止が 111 条の調査なのか、危険防止のための強制停止なのか、警職法の職務質問なのかを瞬時に見分けるのは難しく、拒否がかえって疑いを招く場面もあると指摘されている。何の権限で止めているのかを問う一言が、あなたの立場を変える。
道路交通法 111 条は、公安委員会が行う道路交通調査の権限を定める規定である。1 項は交通量・通行経路その他必要な事項の調査を都道府県警察の警察官に行わせる権限、2 項は調査に必要な限度における車両等の一時停止の求めと通行経路の質問、3 項は調査結果に意見を付して道路管理者又は関係行政庁へ通知する手続を規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
公安委員会が交通規制の適正を図るため、都道府県警察の警察官に交通量や通行経路などの調査を行わせる権限を定めた規定です。2 項では調査のための一時停止と経路質問を認めています。
道交法 111 条 2 項が、調査に必要な限度で車両等の一時停止を求め、通行の経路を質問する権限を警察官に与えているためです。違反を疑われているとは限りません。
111 条の調査への不協力を処罰する規定は道交法に置かれていません。ただし危険防止の措置(67 条)や整備不良車両の検査(63 条)は性質が異なるため、まず根拠の確認が必要です。
2 項が認めるのは「当該車両等の通行の経路」についての質問です。積荷の中身や同乗者の素性など経路以外に及ぶ質問は、調査に必要な限度を超える疑いがあります。
条文は「一時」停止を求められるとするのみで具体的な時間を定めていません。必要な限度を超える長時間の足止めは権限逸脱となり得るため、時刻を記録しておくと有効です。
公安委員会が集約し、必要があると認めるときは道路管理者や関係行政庁に意見を付けて通知します(111 条 3 項)。信号や規制の見直しの基礎資料になります。
別物です。111 条の調査は交通規制の適正化のためのデータ収集であり、犯罪捜査を目的とする検問とは根拠も目的も異なります。外見が似ているため根拠を尋ねて切り分けます。
聞いて構いません。足止めが不合理に長い場合や質問が経路以外に及ぶ場合、氏名・所属・時刻の記録が公安委員会への苦情申出や国家賠償請求の材料になります。
道交法 111 条の交通調査であれば、経路の質問に答えるのは任意で、断っても同法に罰則はありません。ただし相手が飲酒や無免許を疑って止めた場合は話が別です。業界裏話ヒント:現場で『何の調査ですか』と一言確認するだけで、警察官は根拠を口にせざるを得ず、任意か強制かが切り分けられる。多くの人はこれを聞かず、任意の場面でも義務だと思い込んで従っている
111 条 1 項の調査結果は公安委員会が集約し、必要があれば道路管理者や関係行政庁へ意見を付けて通知します(同条 3 項)。信号や規制の見直しの基礎データになります。業界裏話ヒント:あなたの経路情報は交通量統計の一粒として使う建前ですが、『調査に必要な限度』を超えて個人を特定的に記録する運用は 2 項の趣旨を逸脱する。細かく個人情報を聞かれたら、それは調査の範囲外だと押し返してよい
あり得ます。外見上、111 条の調査停止、危険防止のための停止、警職法 2 条の職務質問は見分けがつきにくく、どの権限かで応じる義務が変わります。業界裏話ヒント:弁護士がまず確認するのは『どの法的根拠か』。根拠が曖昧なまま任意同行や長時間の足止めに応じると、後で『任意だった』と整理され不利になる。根拠と時刻をメモする習慣が、後日の唯一の武器になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 停止の目的 | 111 条:交通規制の適正化のためのデータ収集(交通量・通行経路の調査) | — |
| 応じる義務の重さ | 111 条:不協力を処罰する規定は道交法になく、任意の協力要請に近い | — |
| 質問・確認できる範囲 | 111 条:条文が明示するのは「当該車両等の通行の経路」に限られる | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。