道路交通法 第117条の4
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- 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
- 一第五十一条の三(車両移動保管関係事務の委託)第二項、第五十一条の十二(放置車両確認機関)第六項、第五十一条の十五(放置違反金関係事務の委託)第二項又は第百八条(免許関係事務の委託)第二項の規定に違反した者
- 二第七十一条(運転者の遵守事項)第五号の五の規定に違反し、よつて道路における交通の危険を生じさせた者
- 三第八十九条(免許の申請等)第一項、第百一条(免許証等の更新の申請及び定期検査)第一項若しくは第百一条の二(更新期間前における免許証等の更新の申請及び適性検査)第一項の質問票に虚偽の記載をして提出し、又は第百一条の五(免許を受けた者に対する報告徴収)若しくは第百七条の三の二(国際運転免許証等を所持する者に対する報告徴収)の規定による公安委員会の求めがあつた場合において虚偽の報告をした者
- 2.第七十五条の十八(特定自動運行計画等の遵守)の規定に違反したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第117条の4は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第117条の4の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 道路交通法第117条の4は第八章 罰則に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第117条の4の前の条は道路交通法第117条の3の2です。
- 道路交通法第117条の4の次の条は道路交通法第117条の5です。
- 道路交通法第117条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第117条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第117条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/117_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法117条の6は、運転中の携帯電話使用等により道路における交通の危険を生じさせた者を、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処すると定める。保持のみの場合より重い。
Q · 運転中にスマホを見ていただけで、刑務所に入ることなんてあるんですか?
ながら運転で危険を生じさせると一年以下の拘禁刑もありえます
道路交通法117条の6は、同法71条5号の5(携帯電話使用等の禁止)に違反して道路における交通の危険を生じさせた者を、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処すると定めます。単に携帯電話を保持していただけであれば118条(六月以下の懲役又は十万円以下の罰金)の範囲にとどまり、多くは反則金で処理されます。分岐点は事故の有無ではなく、他の車や歩行者に急ブレーキ・急ハンドルを強いるなど、現実に交通の危険が生じたかどうかです。本条は同時に、免許の質問票への虚偽記載、公安委員会の報告徴収に対する虚偽報告、特定自動運行計画の遵守義務違反も同じ法定刑で処罰します。
解説
赤信号で止まっている間にLINEを返す、これはセーフ。だが動き出した車の中でスマホの画面を注視した瞬間、あなたは道路交通法71条5号の5の線を踏んでいる。そして、それが原因で自転車とぶつかりそうになった、歩行者が慌ててよけた、その「道路における交通の危険を生じさせた」瞬間、罰は一気に跳ね上がる。117条の6が定めるのは、ながら運転で交通の危険を生じさせた者への一年以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金だ。ただ持っていただけの場合(118条、六月以下)とは桁が違う。事故が起きたかどうかではなく、危険を生じさせたかどうかで刑事事件になる、ここが多くの人の盲点だ。しかもこの条文は、それだけを罰する条文ではない。免許の質問票に持病を偽って書いた者、公安委員会の報告要求に嘘をついた者、そしてレベル4自動運転の運行計画に違反した事業者まで、性質の異なる違反を一本の罰則に束ねている。あなたが踏みうる線は、たいてい最初の一つ、手の中のスマホだ。
法的な位置づけ
道路交通法117条の6は、性質の異なる複数の義務違反に共通の法定刑を定める罰則規定である。携帯電話使用等の禁止に違反して道路における交通の危険を生じさせた行為、免許の申請・更新時の質問票への虚偽記載、公安委員会の報告徴収に対する虚偽報告、および特定自動運行計画の遵守義務違反について、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金を定める。
手順
- 1.運転前にスマホを物理的に届かない場所へ置く エンジンをかける前に、スマホを助手席の奥やグローブボックスなど、走行中に手が届かない場所へ移す。ナビの目的地設定は発進前に完了させ、走行中の再設定はしない。この一手間だけで本条の入口をほぼ塞げる
- 2.疑われたら任意提出をその場で即答しない 事故処理の現場でスマホの使用履歴やドライブレコーダーの任意提出を求められても、即答する義務はない。弁護士に相談してから判断する旨を落ち着いて伝える。現場での説明が「危険を生じさせた」認定の材料になる点を意識する
- 3.争点を「保持どまりか、危険を生じさせたか」に整理する 実況見分調書の記載、ドライブレコーダー映像、相手方の動き(急ブレーキ・急ハンドルの有無)を突き合わせ、危険が現実に生じたといえるかを整理する。危険が認められなければ118条(保持)の枠にとどまる可能性を主張する
- 4.略式手続で終えるか正式裁判で争うかを決める 罰金の略式命令に応じるか、正式裁判で争うかを、前科の有無・免許の行政処分・仕事への影響を踏まえて弁護士と決める。刑事が不起訴でも行政処分は別軌道で進むため、意見の聴取手続への対応も同時に準備する
よくある質問 AI による整理
Q1ながら運転とは何ですか?
道路交通法71条5号の5が禁じる、走行中に携帯電話等を保持して通話したり、画像表示部分を注視する行為です。停止中は対象外ですが、動き出した瞬間から規制が及びます。
Q2ながら運転の罰則はどのくらいですか?
交通の危険を生じさせた場合は117条の6で一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金。保持のみなら118条で六月以下の懲役又は十万円以下の罰金にとどまります。
Q3信号待ちでスマホを見るのは違反ですか?
停止中の操作は71条5号の5の対象外です。ただし停止状態が解けて動き出した時点から規制が及ぶため、発進前に手放しておく必要があります。
Q4スマホホルダーに固定していれば合法ですか?
保持していなくても、走行中に画面を注視すれば71条5号の5違反です。ホルダー固定は「保持」を免れるだけで、注視による危険までは免責されません。
Q5交通の危険を生じさせたとはどういう意味ですか?
衝突や負傷の発生は必要ありません。他の車両や歩行者が急ブレーキ・急ハンドルを強いられるなど、現実に危険な状態が生じれば足りると解されています。
Q6ながら運転は青キップで済みますか?
危険を生じさせた場合は反則行為から除かれ、赤キップとして最初から刑事手続に乗ります。保持のみであれば反則金による処理が通例です。
Q7拘禁刑とは何ですか?
懲役と禁錮を一本化した刑名で、令和4年改正刑法により令和7年6月1日から施行されました。本条の刑名もこれに合わせて改められています。
Q8特定自動運行とは何ですか?
運転者が乗車しないレベル4相当の自動運行で、公安委員会の許可と運行計画の遵守が必要です。75条の18に違反した者は本条2項で処罰されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1スマホを触ってただけで、本当に懲役になることあるんですか?
「触っていただけ」で交通の危険が生じていなければ、道路交通法118条の保持の罪(六月以下の懲役又は十万円以下の罰金)の範囲で、多くは反則金処理です。だが71条5号の5違反で実際に危険を生じさせると117条の6が適用され、一年以下の拘禁刑もありえます。実務のポイント:「危険を生じさせた」ながら運転は反則金制度の対象外の非反則行為で、青キップではなく最初から刑事手続(赤キップ)に乗る。ここを知らずに現場で危険側の事実を自分から話してしまうと、反則金で済んだはずが刑事事件に切り替わる
Q2免許の質問票で持病を書かなかったら、どうなるんですか?
一定の病気等に関する質問票に虚偽の記載をすると、117条の6第1項により一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金の対象になります。加えて、事故時に発覚すれば免許の取消し・停止にもつながります。実務のポイント:質問票とは別に、医師が公安委員会に任意で届け出られる制度がある。つまり本人が黙っていても情報が届くルートが存在し、「書かなければ分からない」という前提自体が崩れている。正直に書いた上で診断書を添える方が、免許を保てる可能性はむしろ高い
Q3ながら運転で人にケガをさせたら、この条文の罰で済みますか?
済みません。人を死傷させた場合は、自動車運転死傷行為処罰法(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)が適用され、過失運転致死傷や、悪質性によっては危険運転致死傷として、117条の6よりはるかに重い刑になります。実務のポイント:この条文が働くのは被害者が出なかった「危険どまり」の場面まで。だからこそ、事故直後に相手の怪我の有無がどう記録されるかで、適用される法律も刑の重さも別世界に分かれる。人身か物損かの初動の扱いが、その後を決める
間違えやすい点 AI による整理
- 「ながら運転は反則金を払えば終わり」というのは、単に手に持っていた(保持)だけの場合の話だと知らない人が多い。危険を生じさせた時点で青キップの世界を外れ、拘禁刑もありうる刑事事件になり、前科の可能性まで背負う。同じ「ながら」でも入口が二つに分かれている、その深刻度の落差を見落としている
- 「事故さえ起こさなければ処罰されない」という問いの立て方そのものが間違っている。条文が要求するのは「交通の危険を生じさせた」ことであって、実際に衝突や負傷が発生することではない。誰もぶつからなくても、他人が急ハンドルや急ブレーキを強いられた時点で成立しうる
- 質問票に持病を書かないのは「バレなければ問題ない」と思われがちだが、事故を起こした瞬間に医療記録から発覚し、虚偽記載罪に加えて免許の取消し・停止まで連鎖する。書かなかった一つの丸が、事故後に最も重く効いてくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 成立要件 | 117条の6:71条5号の5違反 + 道路における交通の危険を現実に生じさせたこと | 118条:走行中に携帯電話等を保持・注視したこと(危険の発生は不要) 自動車運転死傷行為処罰法:人を死傷させる結果が発生したこと |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金 | 六月以下の懲役又は十万円以下の罰金 過失運転致死傷・危険運転致死傷として本条よりはるかに重い刑 |
| 手続の入口 | 非反則行為(赤キップ)として最初から刑事手続 | 反則行為として反則金納付で終了するのが通例(青キップ) 人身事件として捜査、原則正式手続 |
| 現場での分岐点 | 他車・歩行者が急ブレーキや回避を強いられたか | 画面を保持・注視した事実のみが認定されたか 相手方に負傷の記録が残ったか |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は行政罰(罰鍰)が中心で、手持ち電話の使用自体に定額の過料を科す設計。危険の発生を要件とする刑事罰への段階的加重は日本ほど明確でない
韓国も運転中の携帯電話使用を運転者の遵守事項違反として規制し、範칙금(反則金)と벌점(点数)で処理する構造が日本と近い
ドイツは電子機器全般の「手に取る」行為を包括的に禁止し、原則として秩序違反(Ordnungswidrigkeit)として過料と点数で処理。危険や物損が生じた場合は加重される
米国は連邦統一法がなく州法に委ねられる。ハンズフリー義務、若年運転者の全面禁止など州ごとに差が大きく、死傷結果が生じれば別途重罪となりうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- カーナビの目的地を打ち直そうと画面を注視していたら、前の車の急ブレーキに気づくのが一瞬遅れ、追突寸前でハンドルを切った。物損すらなくても、あなたのその「注視」と「交通の危険」が結びつけば、反則金では終わらず刑事手続に乗る
- もし、スマホホルダーに固定していれば安全だと思っていたのに、そのホルダー越しに画面を数秒見つめて対向車をヒヤリとさせたら、どうなる? 「持っていない=セーフ」ではない。71条5号の5は注視そのものを禁じている
- 免許更新の質問票、一定の病気の欄。正直に書くと免許を止められるのが怖くて「なし」に丸をつける。これが虚偽記載罪だ
- ながら運転を疑われた事故から数日、警察はあなたのスマホの使用履歴とドライブレコーダーを照合している。書類送検までのカウントダウンが始まっている中で、任意提出に応じるかどうかをその場で判断させられる
- 自動運転車を使った移動サービスの運行主体として、あなたの会社が認可された運行計画を守らずに車両を走らせた。パラグラフ2は、ハンドルを握る人ではなく、その仕組みを回す事業者を名指しで処罰する
取るべき行動
被害を受けた側:1. ながら運転の車に追突・接触された、または危険な回避を強いられたら、まず自分のドラレコ映像と、相手が運転中にスマホを操作していた事実(目撃・状況)を記録・保存する2. 警察の現場臨場時に「相手はスマホを見ていた可能性がある」と明確に伝え、実況見分調書に残してもらう3. 怪我があれば自動車運転死傷行為処罰法の適用を視野に人身事件として扱うよう求める4. 物損・慰謝料は別途民事(民法709条)で請求、相手の使用履歴の保全を早期に検討する
訴えられた側:1. ながら運転を疑われても、スマホやドラレコの任意提出はその場で即答せず、弁護士に相談する権利がある2. 争点は「交通の危険を生じさせたか」。単に画面を見た・持っただけで実際の危険が生じていないなら、保持(118条、より軽い)の枠にとどまる可能性を主張する3. 質問票の虚偽が問われている場合は、記載時点の認識・病状の程度を整理する4. 略式手続(罰金)で終えるか正式裁判で争うかを、前科・免許への影響を踏まえて弁護士と決める
時効(請求できる期限):本罪の法定刑は一年以下の拘禁刑であり、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条)。行政処分としての免許の点数・取消しは刑事手続とは別軌道で進むため、刑事が不起訴でも行政処分は残りうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正、令和元年12月1日施行 いわゆる「ながら運転」の厳罰化。携帯電話使用等により交通の危険を生じさせた場合の法定刑を大幅に引き上げた(条番号の当該規定への割当ては要検証)
- 令和4年(2022年)改正、令和5年(2023年)4月1日施行 特定自動運行(レベル4自動運転)制度の新設に伴い、75条の18の遵守義務違反を処罰する規定が追加された(本条第2項への位置づけは要検証)
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に連動し「懲役」を「拘禁刑」に統合。本条の刑名も改められた
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 改正:いわゆる「ながら運転」の厳罰化。携帯電話使用等により交通の危険を生じさせた場合の法定刑が引き上げられ、令和元年12月1日から施行された
- 2.令和4年(2022年) 改正:特定自動運行(レベル4自動運転)制度の新設に伴い、75条の18の運行計画等の遵守義務違反を処罰する規定が加えられ、令和5年4月1日から施行された
- 3.令和4年(2022年)公布・令和7年(2025年)施行 改正:刑法改正により懲役と禁錮が拘禁刑へ一本化されたことに連動し、本条の刑名が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行)
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