要点道路交通法117条の6は、運転中の携帯電話使用等により道路における交通の危険を生じさせた者を、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処すると定める。保持のみの場合より重い。
Q · 運転中にスマホを見ていただけで、刑務所に入ることなんてあるんですか?
ながら運転で危険を生じさせると一年以下の拘禁刑もありえます
道路交通法117条の6は、同法71条5号の5(携帯電話使用等の禁止)に違反して道路における交通の危険を生じさせた者を、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処すると定めます。単に携帯電話を保持していただけであれば118条(六月以下の懲役又は十万円以下の罰金)の範囲にとどまり、多くは反則金で処理されます。分岐点は事故の有無ではなく、他の車や歩行者に急ブレーキ・急ハンドルを強いるなど、現実に交通の危険が生じたかどうかです。本条は同時に、免許の質問票への虚偽記載、公安委員会の報告徴収に対する虚偽報告、特定自動運行計画の遵守義務違反も同じ法定刑で処罰します。
赤信号で止まっている間にLINEを返す、これはセーフ。だが動き出した車の中でスマホの画面を注視した瞬間、あなたは道路交通法71条5号の5の線を踏んでいる。そして、それが原因で自転車とぶつかりそうになった、歩行者が慌ててよけた、その「道路における交通の危険を生じさせた」瞬間、罰は一気に跳ね上がる。117条の6が定めるのは、ながら運転で交通の危険を生じさせた者への一年以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金だ。ただ持っていただけの場合(118条、六月以下)とは桁が違う。事故が起きたかどうかではなく、危険を生じさせたかどうかで刑事事件になる、ここが多くの人の盲点だ。しかもこの条文は、それだけを罰する条文ではない。免許の質問票に持病を偽って書いた者、公安委員会の報告要求に嘘をついた者、そしてレベル4自動運転の運行計画に違反した事業者まで、性質の異なる違反を一本の罰則に束ねている。あなたが踏みうる線は、たいてい最初の一つ、手の中のスマホだ。
道路交通法117条の6は、性質の異なる複数の義務違反に共通の法定刑を定める罰則規定である。携帯電話使用等の禁止に違反して道路における交通の危険を生じさせた行為、免許の申請・更新時の質問票への虚偽記載、公安委員会の報告徴収に対する虚偽報告、および特定自動運行計画の遵守義務違反について、一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金を定める。
道路交通法71条5号の5が禁じる、走行中に携帯電話等を保持して通話したり、画像表示部分を注視する行為です。停止中は対象外ですが、動き出した瞬間から規制が及びます。
交通の危険を生じさせた場合は117条の6で一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金。保持のみなら118条で六月以下の懲役又は十万円以下の罰金にとどまります。
停止中の操作は71条5号の5の対象外です。ただし停止状態が解けて動き出した時点から規制が及ぶため、発進前に手放しておく必要があります。
保持していなくても、走行中に画面を注視すれば71条5号の5違反です。ホルダー固定は「保持」を免れるだけで、注視による危険までは免責されません。
衝突や負傷の発生は必要ありません。他の車両や歩行者が急ブレーキ・急ハンドルを強いられるなど、現実に危険な状態が生じれば足りると解されています。
危険を生じさせた場合は反則行為から除かれ、赤キップとして最初から刑事手続に乗ります。保持のみであれば反則金による処理が通例です。
懲役と禁錮を一本化した刑名で、令和4年改正刑法により令和7年6月1日から施行されました。本条の刑名もこれに合わせて改められています。
運転者が乗車しないレベル4相当の自動運行で、公安委員会の許可と運行計画の遵守が必要です。75条の18に違反した者は本条2項で処罰されます。
「触っていただけ」で交通の危険が生じていなければ、道路交通法118条の保持の罪(六月以下の懲役又は十万円以下の罰金)の範囲で、多くは反則金処理です。だが71条5号の5違反で実際に危険を生じさせると117条の6が適用され、一年以下の拘禁刑もありえます。業界裏話ヒント:「危険を生じさせた」ながら運転は反則金制度の対象外の非反則行為で、青キップではなく最初から刑事手続(赤キップ)に乗る。ここを知らずに現場で危険側の事実を自分から話してしまうと、反則金で済んだはずが刑事事件に切り替わる
一定の病気等に関する質問票に虚偽の記載をすると、117条の6第1項により一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金の対象になります。加えて、事故時に発覚すれば免許の取消し・停止にもつながります。業界裏話ヒント:質問票とは別に、医師が公安委員会に任意で届け出られる制度がある。つまり本人が黙っていても情報が届くルートが存在し、「書かなければ分からない」という前提自体が崩れている。正直に書いた上で診断書を添える方が、免許を保てる可能性はむしろ高い
済みません。人を死傷させた場合は、自動車運転死傷行為処罰法(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)が適用され、過失運転致死傷や、悪質性によっては危険運転致死傷として、117条の6よりはるかに重い刑になります。業界裏話ヒント:この条文が働くのは被害者が出なかった「危険どまり」の場面まで。だからこそ、事故直後に相手の怪我の有無がどう記録されるかで、適用される法律も刑の重さも別世界に分かれる。人身か物損かの初動の扱いが、その後を決める
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 成立要件 | 117条の6:71条5号の5違反 + 道路における交通の危険を現実に生じさせたこと | — |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金 | — |
| 手続の入口 | 非反則行為(赤キップ)として最初から刑事手続 | — |
| 現場での分岐点 | 他車・歩行者が急ブレーキや回避を強いられたか | — |
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