要点道路交通法 117 条の 7 は、事故時の救護・危険防止措置義務(72 条 1 項前段)違反を一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金で処罰する。人の死傷を伴う場合はより重い 117 条が優先する。
Q · 事故を起こしたのに何もせず立ち去ると、どの条文で罰せられますか?
物損だけの当て逃げでも成立し、前科がつきます
道路交通法 117 条の 7 第 1 項 1 号により、交通事故の場合の措置義務(72 条 1 項前段、負傷者の救護と道路上の危険防止)に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処せられます。人を死傷させたうえで救護しなかった場合は、より重い 117 条が適用され本条から除かれます。物損だけの当て逃げ、または事故の原因が自分の運転でない場合が本条の受け皿です。さらに警察への報告義務違反(117 条の 5)が併せて成立しうる点にも注意が必要です。
「コンビニの駐車場で、隣の車のドアに軽く擦った。誰も見ていない。小さな傷だから、と何もせず走り去った」。これで前科がつきうる。道路交通法72条1項前段は、事故を起こした車の運転者その他の乗務員に、直ちに停止して負傷者を救護し、道路上の危険を防ぐ措置を義務づける。117条の7は、その義務を破った者への罰則だ。ポイントは二つ。第一に、人を死傷させたひき逃げは117条(拘禁刑10年まで)だが、物損だけの当て逃げや、事故を起こしたのが自分の運転でない場合は、この117条の7(1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金)が受け皿になる。第二に、義務を負うのは「加害者」だけではない。あなたが追突された側でも、負傷者がいて何もせず立ち去れば、この条文の射程に入る。「自分は悪くない」という感覚は、措置義務を一ミリも免除しない。
道路交通法 117 条の 7 は、交通事故の場合の措置義務(72 条 1 項前段)違反、講習事務の受託者等に課された秘密保持義務違反、および特定自動運行における事故時措置義務(75 条の 23)違反を処罰する罰則規定である。法定刑は一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金であり、人の死傷を伴う救護義務違反として 117 条が適用される場合は本条の適用対象から除外される。
交通事故の際に直ちに停止して負傷者を救護し、道路上の危険を防止する義務(道交法 72 条 1 項前段)を果たさないことです。物損だけでも成立し、117 条の 7 で処罰されます。
法定刑が一年以下の拘禁刑である本罪の公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は措置を取らずに事故現場を離れた時点になります。
本罪は故意犯であり、事故の発生を認識していたことが前提です。本当に接触に気づかなかったと認められれば成立しません。ただし認識の有無は客観証拠で判断されます。
なります。十万円以下の罰金でも刑罰であり、前科として記録されます。就職・資格・海外渡航に影響しうるため、「示談金を払えば終わり」ではありません。
違法です。72 条 1 項後段の報告義務違反として 117 条の 5 が別に成立します。危険防止措置義務違反(本条)と報告義務違反は別々の罪で、同時に成立しえます。
直ちに措置を取らなかった時点で義務違反は成立します。戻った事実は情状として考慮されうるものの、成立自体を消すものではありません。まず現場に留まることが原則です。
刑法改正により懲役と禁錮を一本化した自由刑です。作業の義務づけを一律とせず、改善更生に応じた処遇を行う点が従来の懲役と異なります。本条も拘禁刑に置き換えられました。
はい。第 1 項 2 号は、講習通知事務の受託者、交通安全活動推進センター関係者などの秘密保持義務違反を、同じ一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金で処罰します。
なります。物損でも道路交通法72条1項前段の危険防止措置義務と同項後段の報告義務が生じ、前者は117条の7(1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金)、後者は117条の5(3月以下)の対象です。業界裏話ヒント:実務では、ごく軽微な物損で被害者が被害届を出さず示談が成立すれば、検察が起訴猶予にすることも珍しくない。分かれ目は、あなたが「ぶつけた事実」を認識していたか。認識がなければ本罪は成立しない。現場を離れる前に連絡先を残す一手が、前科の有無を分ける
道路交通法72条1項前段が、事故に関わった車両等の運転者・乗務員の全員に措置義務を課すからです。過失の有無や加害・被害の別を問いません。追突された側でも、負傷者を放置して立ち去れば本条(117条の7)の対象になりえます。業界裏話ヒント:多くの人は「悪いのは相手だから自分は関係ない」と現場を離れてしまう。だが後で相手が「置き去りにされた」と主張すれば立場が逆転しかねない。被害者側でもその場に留まり110番した記録を残すことが、自分の潔白の証明になる
レベル4の特定自動運行では、道路交通法75条の23が事故時の措置義務を定め、これを怠ると本条2項(1年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金)が適用されます。義務を負うのは特定自動運行主任者など、運行を管理する側です。業界裏話ヒント:自動運転の事故は「運転者がいない」ため責任の所在が曖昧に見えるが、法律は既に「主任者」へ義務を割り当て済み。自動運転バスやタクシーの導入を検討する事業者は、この措置義務の履行体制を作らないと、事故一件で刑事責任を負う。(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる違反 | 117 条の 7:措置義務(72 条 1 項前段)違反のうち 117 条に当たらないもの | — |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金 | — |
| 典型場面 | 物損のみの当て逃げ、事故原因が自分の運転でない場合の立ち去り | — |
| 自動運転への適用 | 第 2 項で 75 条の 23 の特定自動運行の措置義務違反をカバー | — |
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