道路交通法 第14条の3(遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者の義務)
クイックジャンプ
遠隔操作型小型車(道路を通行しているものに限る。)の遠隔操作を行う者は、当該遠隔操作型小型車について遠隔操作のための装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該遠隔操作型小型車の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で通行させなければならない。
この条文の基本情報
遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者の義務とは何ですか?
定義遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者の義務とは、道路交通法第14条の3に定められた規定で、「遠隔操作型小型車(道路を通行しているものに限る。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第14条の3(遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者の義務)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第14条の3の条文原文は「遠隔操作型小型車(道路を通行しているものに限る。」で始まります。
- 道路交通法第14条の3は第二章 歩行者等の通行方法に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第14条の3の前の条は道路交通法第14条の2です。
- 道路交通法第14条の3の次の条は道路交通法第14条の4です。
- 道路交通法第14条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第14条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第14条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/14_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法14条の3は、遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者に、装置を確実に操作し、道路や交通の状況に応じて他人に危害を及ぼさない速度と方法で通行させる義務を課す規定である。
Q · 歩道を走る配送ロボットが人にぶつかったら、無人だから誰も責任を取らないの?
操作者に安全通行義務があり、無人でも責任は人間に残ります
道路交通法14条の3は、道路を通行する遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者に対し、装置を確実に操作し、道路、交通及び当該車両の状況に応じて、他人に危害を及ぼさない速度と方法で通行させる義務を課しています。したがって「機械が勝手にやった」という主張は通りません。義務違反があれば操作者の過失が基礎づけられ、民法709条による損害賠償請求、運用会社に対する民法715条の使用者責任へとつながります。ロボットの欠陥が疑われる場合は、製造物責任法3条による製造者への追及も並行します。
解説
歩道をゆっくり進む箱型のロボットが、あなたの街にも現れ始めている。楽天やパナソニック、ウーバーが実証してきた自動配送ロボット、その法律上の正体が『遠隔操作型小型車』だ。2023年4月1日に改正法が施行され、これらのロボットは歩行者と同じルールで歩道を通れるようになった。14条の3が縛るのは、そのロボットを遠隔で操る人間である。装置を確実に操作し、道路や交通の状況に応じて、他人に危害を及ぼさない速度と方法で通行させる義務を負う。ここで見落としてはいけないのは、ロボットが人を轢いても『機械が勝手にやった』では済まないという点だ。操作者に義務が課されている以上、事故の責任は最終的に人間へ向かう。あなたが物流やECでロボット配送を検討しているなら、この一条があなたの事業リスクの起点になる。
法的な位置づけ
道路交通法14条の3は、遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者の安全通行義務を定める規定である。道路を通行する遠隔操作型小型車について、操作者は遠隔操作のための装置を確実に操作し、道路、交通及び当該車両の状況に応じて、他人に危害を及ぼさない速度と方法で通行させなければならない。無人走行下でも責任主体を操作者に固定する機能を持つ。
手順
- 1.走行前に公安委員会への届出と車両基準を確認 遠隔操作型小型車として歩道を走らせる前に、都道府県公安委員会への届出を済ませ、大きさ・構造・最高速度(6km/h)の政令基準を満たしているかを機体ごとに確認する。届出は入口にすぎず、通過点として扱う
- 2.監視員一人あたりの同時監視台数を社内基準として明文化 14条の3の「確実に操作し」を満たすため、監視員一人が同時に見る台数の上限、交代サイクル、通信断時の自動停止条件を運用マニュアルに書き込む。この一行が事故後に会社と担当者個人を守る
- 3.ルート・時間帯ごとの速度と走行可否を設定 「道路、交通及び状況に応じ」の要件に応えるため、通学時間帯、駅前の混雑帯、視覚障害者誘導ブロック付近などを地図上で分類し、減速区間・走行禁止時間帯を設定して制御に反映させる
- 4.走行データの保全ルールと保険付保を先に固める カメラ・センサー・遠隔停止ログの保存期間と上書き周期を決め、事故発生から数時間以内に保全指示が飛ぶ社内フローを作る。同時に施設賠償・生産物賠償責任保険の補償範囲を確定させる
よくある質問 AI による整理
Q1遠隔操作型小型車とは何ですか?
遠隔操作によって走行する小型の車で、道路交通法上は歩行者に準じた扱いを受けます。宅配・配送ロボットが典型例で、大きさや最高速度などの基準は政令で定められています。
Q2配送ロボットは歩道を走れますか?
走れます。2023年4月1日施行の改正法により、遠隔操作型小型車は歩行者に準じて歩道等を通行できます。ただし操作者は14条の3の安全通行義務を負い、自由に走れるわけではありません。
Q3配送ロボットの最高速度は何 km/h ですか?
遠隔操作型小型車の最高速度は政令で6km/h とされています。歩行者の歩く速度と同程度に抑えることで、歩道上の安全を確保する設計です(最新の改正状況をご確認ください)。
Q4遠隔操作型小型車に運転免許は必要ですか?
運転免許は不要とされています。ただし走行させるには事前に都道府県公安委員会への届出が必要で、免許不要は無責任を意味せず、操作者は14条の3の義務を負います。
Q5私有地を走る配送ロボットにも14条の3は適用されますか?
条文は「道路を通行しているものに限る」と明示しており、私有地内の走行には適用されません。ただし敷地内の事故でも民法709条や施設管理者の責任は別途問題となります。
Q6監視員は一人で何台まで遠隔監視できますか?
条文に台数の上限はありません。だからこそ「確実に操作し」の義務を満たせる体制かが争点になり、無理な同時監視台数は事故時に過失を基礎づける材料になります。
Q7配送ロボットが信号を無視したらどうなりますか?
遠隔操作型小型車は歩行者に準じて扱われるため、原則として歩行者用信号に従う必要があります。違反すれば操作者の義務違反として評価され、事故時の過失認定に直結します。
Q8配送ロボットの事故で保険は使えますか?
運用事業者が施設賠償責任保険や生産物賠償責任保険に加入しているケースが多く、被害者はまず事業者に保険の有無を確認すべきです。個人の加害者より回収可能性は高めです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1配送ロボットって、勝手に歩道を走らせていいんですか?
無条件ではありません。遠隔操作型小型車として走らせるには事前に都道府県公安委員会への届出が必要で、車体の大きさや最高速度(6km/h)などの基準も政令で定められています。そのうえで操作者は14条の3の安全通行義務を負います。実務のポイント: 届出さえ出せば自由に走れると誤解する事業者が多いが、実際は運用ルートの歩行者密度や地域の自治体調整が実質的なハードル。届出は入口にすぎず、運用設計の方が事業の成否を分ける(最新の改正状況をご確認ください)
Q2ロボットが事故を起こしたら、遠隔で見てた担当者個人が罪に問われるんですか?
状況次第です。民事では操作者個人と運用会社(民法715条の使用者責任)の双方が賠償責任を負いえます。刑事では、注意義務違反が重大なら業務上過失致傷(刑法211条)が問題となる余地も理論上あります。実務のポイント: 実務では担当者個人より、会社の運用体制(一人で何台監視させていたか)が過失評価の中心になる。無理な監視体制なら責任は個人でなく組織設計へ向かう。だからこそ監視台数の社内基準を文書化しておくことが、結果的に担当者個人を守る
Q3うちの子が歩道でロボットにぶつけられたら、泣き寝入りするしかない?
そんなことはありません。14条の3が操作者に安全通行義務を課しているため、義務違反があれば民法709条で賠償請求できます。ロボット車体には通常、運用事業者の表示があり請求先を特定できます。実務のポイント: 配送ロボットの運用事業者は事業として保険(生産物、施設賠償責任保険)に加入しているケースが多い。個人の加害者と違い『取れない相手』であることは少なく、諦めずに事業者と保険の有無を確認するのが得策
間違えやすい点 AI による整理
- 「配送ロボットは無人だから、事故が起きても責任者は不在」と思われがちだが、逆である。14条の3が『遠隔操作を行う者』に明確に義務を課しているため、無人であっても操作者という責任主体が必ず存在する。無人化は免責ではなく、責任の所在を操作者に固定する仕組みだ
- あなたから見ればロボットは『歩道を走る機械』だが、法から見れば操作者の身体の延長である。この落差が、事業者を予期せぬ賠償責任に引きずり込む。ロボットの一挙手一投足は、遠隔にいる人間の運転行為として評価される
- 『ロボットは歩行者扱いだから気楽だ』とまでは知っていても、その歩行者扱いが逆に厳しい注意義務を生むことを見落としている。歩道は子ども、高齢者、視覚障害者が行き交う空間であり、そこを走らせる以上、車道より高い『他人に危害を及ぼさない』水準が求められる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の名宛人 | 14条の3:遠隔操作型小型車の遠隔操作を行う者 | 10条:歩行者本人(通行区分) 12条:歩行者本人(横断の方法) |
| 義務の中身 | 装置の確実な操作+状況に応じた危害を及ぼさない速度と方法 | 歩道と車道の区別がある道路では歩道を通行すること 横断歩道等での横断、危険な横断方法の回避 |
| 違反時に向く責任 | 操作者個人+運用会社(民法709条・715条) | 歩行者本人の過失(過失相殺の場面が中心) 歩行者本人の過失(過失相殺の場面が中心) |
| 適用範囲の限定 | 「道路を通行しているものに限る」=私有地内は対象外 | 道路上の歩行者全般(遠隔操作型小型車も準用) 道路上の歩行者全般(遠隔操作型小型車も準用) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は個別法で規律せず、期間・区域を限定した実証実験(サンドボックス)の枠組みで無人配送載具を扱う。日本のように通行類型を道路交通法本体に組み込む方式ではない
韓国も2023年に実外移動ロボットを歩行者に含める改正を行い、日本とほぼ同時期に歩道通行を解禁。歩行者概念の拡張という手法が日本と共通する
ドイツは歩道を通行しうる特別な移動手段の枠組みを持つが、自動配送ロボットについて日本のような専用類型を道路交通法本体に置く方式は採っていない
米国は連邦統一法がなく、州ごとに歩道走行の可否・速度上限・保険加入義務を定める。州によって規制水準が大きく異なる点が日本の全国一律規制と対照的
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたの物流会社が配送ロボットを歩道で走らせ始めた。ある区間で歩行者に接触し軽傷を負わせた。『遠隔監視は一人で複数台を見ていた』という運用が、14条の3の『確実に操作し』の義務違反と評価されうる。監視員一人が何台まで見ていたか、その記録が過失認定の分水嶺になる
- 歩道でロボットにぶつけられて転倒し、スマホが割れた。誰に賠償を求めればいい? 操作者個人か、ロボットを運用する会社か、それとも製造元か。14条の3の義務違反は、その責任の入口をまず操作者と運用会社に向ける
- ロボットが事故を起こした。走行データは古いものから上書きされていく。あと数時間で消える。今すぐ保全を要求せよ。
- 近所の歩道を毎朝ロボットが通る。子どもや高齢者の多い時間帯に、あの速度は本当に適切なのか。14条の3は『道路、交通及び状況に応じ』た速度を求めており、時間帯や混雑を無視した一律運用は義務違反になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. ロボットに接触して負傷したら、その場で車体の表示(事業者名、連絡先、識別番号)を撮影する。多くの機体には運用者情報が表示されている2. 走行データ(カメラ、センサー記録)の保全を事業者に即座に書面で要求、上書きされる前に動く3. 治療記録と目撃者を確保4. 賠償請求は操作者と運用会社へ(民法709条、715条の使用者責任)。製造上の欠陥が疑われれば製造元へ製造物責任法3条で無過失責任を追及する
訴えられた側:1. 運用事業者側なら、事故時点の監視体制(監視員数、同時監視台数、遠隔停止ログ)を直ちに保全し、14条の3の義務を尽くしたことを客観記録で示す2. 速度、走行場所、時間帯が『状況に応じた』ものだったかを走行データで検証3. 被害者との示談は早期に、運用停止と再発防止策の記録を残す4. 保険(施設賠償、生産物賠償責任保険)の適用可否を保険会社に確認し、補償範囲を早期に確定する
時効(請求できる期限):14条の3自体に特有の時効はない。事故による損害賠償請求は、被害者が損害及び加害者を知った時から5年(人の生命または身体の侵害、民法724条の2)、不法行為時から20年で除斥(民法724条)。道路交通法違反としての取締りは犯罪の公訴時効に従い別途進行する(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正、令和5年(2023年)4月1日施行 自動配送ロボットの社会実装に対応するため『遠隔操作型小型車』の類型を新設し、その遠隔操作を行う者に、確実な操作と状況に応じた安全な速度、方法での通行義務を課す本条を新設した
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:自動配送ロボットの社会実装に対応するため「遠隔操作型小型車」の類型を新設し、その遠隔操作を行う者に、確実な装置操作と状況に応じた安全な速度・方法での通行義務を課す本条を新設。令和5年(2023年)4月1日施行
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める