道路交通法 第22条の2(最高速度違反行為に係る車両の使用者に対する指示)
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- 車両の運転者が前条の規定に違反する行為(以下この条及び第七十五条の二第一項において「最高速度違反行為」という。)を当該車両の使用者(当該車両の運転者であるものを除く。以下この条において同じ。)の業務に関してした場合において、当該最高速度違反行為に係る車両の使用者が当該車両につき最高速度違反行為を防止するため必要な運行の管理を行つていると認められないときは、当該車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、当該車両の使用者に対し、最高速度違反行為となる運転が行われることのないよう運転者に指導し又は助言することその他最高速度違反行為を防止するため必要な措置をとることを指示することができる。
- 2.前項の規定による指示に係る車両の使用者が道路運送法の規定による自動車運送事業者、貨物利用運送事業法(平成元年法律第八十二号)の規定による第二種貨物利用運送事業を経営する者又は軌道法の規定による軌道経営者(トロリーバスを運行するものに限る。)である場合における当該指示は、公安委員会が当該事業を監督する行政庁とあらかじめ協議して定めたところによつてしなければならない。
この条文の基本情報
最高速度違反行為に係る車両の使用者に対する指示とは何ですか?
定義最高速度違反行為に係る車両の使用者に対する指示とは、道路交通法第22条の2に定められた規定で、「車両の運転者が前条の規定に違反する行為(以下この条及び第七十五条の二第一項において「最高速度違反行為」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第22条の2(最高速度違反行為に係る車両の使用者に対する指示)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第22条の2の条文原文は「車両の運転者が前条の規定に違反する行為(以下この条及び第七十五条の二第一項において「最高速度違反行為」という。」で始まります。
- 道路交通法第22条の2は第二節 速度に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第22条の2の前の条は道路交通法第22条です。
- 道路交通法第22条の2の次の条は道路交通法第23条です。
- 道路交通法第22条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第22条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第22条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/22_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法22条の2は、業務に関する運転者の速度違反があり使用者が必要な運行管理を行っていないとき、公安委員会が使用者に指導・助言等の措置を指示できると定める。
Q · 社員が社用車でスピード違反したら、会社まで何か言われるんですか?
会社も公安委員会から指示を受ける可能性があります
道路交通法22条の2により、運転者の最高速度違反行為が使用者の業務に関して行われ、かつ使用者が違反防止に必要な運行の管理を行っていると認められない場合、車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会は、使用者に対し運転者への指導・助言その他必要な措置をとるよう指示できます。反則金を運転者が払えば終わり、ではありません。この指示に従わず違反が繰り返されると、同法75条の2の使用制限命令に進み、車両そのものを一定期間使えなくする処分となります。
解説
社員が社用車で営業に回っている最中にスピード違反をした。多くの経営者はそれを「運転した本人の問題」で片付ける。ところが道路交通法22条の2は、その視線を会社側へ引き戻す。運転者の速度超過が使用者(会社)の業務に関して行われ、しかも会社が違反を防ぐための運行管理をきちんとやっていないと認められると、車両の本拠地を管轄する公安委員会は、会社に対して直接「運転者を指導・助言し、違反が起きないよう必要な措置をとれ」と指示できる。切符を切られるのは運転者でも、管理不足の矢は会社そのものに向く。しかもこの指示は入口にすぎない。従わず違反が繰り返されれば、次は75条の2の使用制限命令、つまり車そのものを一定期間使えなくする処分が待っている。運送業なら車が止まる=営業が止まる。運行管理の記録一つが、会社の生命線を左右する。
法的な位置づけ
道路交通法22条の2は、最高速度違反行為に対する使用者への指示を定める規定である。運転者の最高速度違反行為が使用者の業務に関して行われ、かつ使用者が当該車両につき違反防止に必要な運行の管理を行っていると認められない場合に、車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会が、使用者に対し運転者への指導・助言その他必要な措置をとるよう指示する権限を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社の運行管理の実態を棚卸しする 速度を把握できる仕組み(デジタルタコグラフ・GPS・ドライブレコーダー)が入っているか、記録が保存されているか、ドライバーへの安全指導の履歴が文書で残っているかを確認する。記録がなければ「必要な運行の管理を行っていた」と示す手段がない
- 2.違反を生む運行計画そのものを点検する 時間指定・配達件数・拘束時間が、法定速度を守って達成できる水準かを検証する。安全運転では間に合わない計画は、それ自体が運行管理の不備と評価され得るため、計画の作り直しを記録とともに行う
- 3.指示書が届いたら改善期限を最優先で押さえる 公安委員会からの指示書に記載された内容と改善期限を確認し、期限内に実施する具体策(教育・記録体制・運行計画の見直し)を書面化する。放置は最も危険で、違反が続けば75条の2の使用制限命令へ段階が上がる
- 4.許可事業者は監督行政庁との対応を並行させる 道路運送法上の自動車運送事業者や第二種貨物利用運送事業者などは、22条の2第2項により公安委員会と監督行政庁の協議に基づいて指示が行われる。運輸局側への報告・改善対応も同時に進め、二つの窓口で説明が食い違わないようにする
- 5.実施結果を証拠化して保存する 教育の実施日・受講者・内容、速度記録の改善推移、運行計画の変更履歴を、日付入りで保存する。将来の指示や使用制限命令の場面で、必要な運行の管理を行っていたことを客観的に示す唯一の材料になる
よくある質問 AI による整理
Q1使用者への指示とは何ですか?
道路交通法22条の2に基づき、公安委員会が車両の使用者(会社)に対して、運転者への指導・助言その他速度違反を防ぐ措置をとるよう求める行政上の働きかけです。名宛人は運転者ではなく使用者です。
Q2必要な運行の管理とは具体的に何ですか?
速度を客観的に把握・是正する仕組みのことです。デジタルタコグラフやGPSによる速度記録、無理のない運行計画、ドライバーへの安全教育とその履歴保存などが典型例で、記録が残っているかが評価を分けます。
Q3使用者への指示は誰が出すのですか?
車両の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会です。運転者が違反した場所の公安委員会ではなく、その車を置いている営業所・車庫の所在地を基準に管轄が決まります。
Q4運送事業者の場合は手続が違いますか?
違います。道路運送法上の自動車運送事業者などに対する指示は、公安委員会が当該事業を監督する行政庁とあらかじめ協議して定めたところによって行われます(22条の2第2項)。窓口が二重になります。
Q5社用車の速度違反で会社が処分されることはある?
あります。指示に従わず違反が繰り返された場合、75条の2により車両の使用制限命令が出され、一定期間その車を使えなくなります。運送業では実質的な営業停止に等しい重さです。
Q6レンタカーやリース車でも使用者への指示は来ますか?
条文が名宛人とするのは「車両の使用者」であり、所有名義そのものではありません。会社が業務に用い運行を管理すべき立場にあれば、リース車・社有車を問わず対象になり得ます。
Q7指示を受けたら会社は何をすればいい?
改善期限内に、速度管理の仕組みの導入、運行計画の見直し、ドライバー教育の実施を行い、その実施を記録に残すことです。措置を「とった」だけでなく「示せる」形にすることが要点です。
Q8個人事業のドライバーにも関係ありますか?
関係します。委託ドライバーが業務中に速度違反を繰り返せば、その運行を管理すべき立場にある事業者が指示の対象となり得ます。配達件数や時間設定の作り方が管理責任の評価に直結します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちの社員が営業中にスピード違反したら、会社も何か言われるんですか?
言われる可能性があります。22条の2は、業務に関する速度違反があり、かつ会社が違反防止のための運行管理を行っていないと認められる場合、公安委員会が会社に直接「指導・助言その他必要な措置をとれ」と指示できると定めています。実務のポイント:違反1回で即座に来ることは通常なく、「繰り返し」と「管理不備」が揃ったときに動きます。そのまま放置すれば75条の2の使用制限命令へ進むので、指示の段階こそ立て直しの好機です
Q2公安委員会の指示って、無視したらどうなるんですか?
指示それ自体に直接の刑罰があるわけではありませんが、これに従わず速度違反が繰り返されると、75条の2に基づく使用制限命令、つまり車両を一定期間使えなくする行政処分に進みます。実務のポイント:運送業にとって使用制限命令は実質的な営業停止に等しい重い処分です。「指示くらい」と軽く見て動かない会社と、指示の段階で運行管理を記録化して立て直す会社とで、その後の運命が分かれます
Q3この指示に納得いかない場合、争えますか?
22条の2の指示それ自体を行政処分として直接争えるかは解釈が分かれうる論点ですが、これに従わず違反が続いた場合の75条の2の使用制限命令は明確な行政処分で、審査請求(行政不服審査法)や取消訴訟(行政事件訴訟法)の対象になります。実務のポイント:争うなら記録が命です。「必要な運行の管理を行っていた」ことを裏づけるデジタコやGPS、指導履歴といった客観記録の有無が、勝敗を分ける決め手になります
間違えやすい点 AI による整理
- 「社員のスピード違反は本人が反則金を払えば終わる」と思われているが、業務中の違反かつ会社の運行管理に不備があれば、公安委員会は会社に直接指示を出せる。責任は運転者一人に閉じない
- 指示が来たこと自体は知っていても、その深刻度を見落としている人が多い。指示は終点ではなく入口で、放置して違反が続けば75条の2の使用制限命令、つまり車両を一定期間使えなくする行政処分へと段階が上がる。運送業ではこれは実質的な営業停止に等しい
- 「会社が無理なスケジュールを組むこと」は労務問題だと考えがちだが、法律から見ると、それはこの条文でいう運行管理の不備そのものと評価されうる。あなたが労働問題だと思っている落ち度が、道交法ルートから会社への行政上の責任として跳ね返ってくる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰に何が向くか | 22条の2:公安委員会が使用者に対し、指導・助言その他必要な措置をとるよう指示する | 75条:使用者等が運転者に無免許・酒気帯び・過労・最高速度違反等の運転を下命し又は容認することを禁止する 75条の2:公安委員会が使用者に対し、当該車両を一定期間使用してはならない旨を命ずる |
| 発動の要件 | 業務に関する最高速度違反行為+違反防止に必要な運行の管理を行っていると認められないこと | 使用者等による下命・容認という積極的な関与があること 22条の2の指示に従わず、なお最高速度違反行為が行われること等 |
| 会社が受けるダメージ | 改善を求められる段階。対応すれば止められる入口 | 違反類型により罰則の対象となり得る 車両が使えなくなる。運送業では実質的な営業停止に等しい |
| 備えるべき材料 | 運行記録・安全指導履歴など、管理を行っていたことを示す客観記録 | 指示・容認がなかったことを示す運行指示書やコミュニケーション記録 指示受領後に講じた改善措置とその実施記録 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も車両所有人・使用人に責任を及ぼす構造を持ち、運輸業者には主管機関による監督処分が別途用意されている。ただし日本のような「運行管理の不備」を明示要件とする指示制度の形は取らない
韓国は運送事業者に交通安全管理規程の策定と履行を義務づけ、安全管理体制の側から使用者責任を組み立てる。速度違反という個別行為を起点とする日本の構成とはアプローチが異なる
ドイツは違反者が特定できない場合等に車両保有者へ運行記録簿の備付けを命じる行政措置を用意する。運転者個人ではなく保有者に管理負担を課す点で本条と発想が近い
米国は motor carrier に対し運転者が規則を遵守するよう求める義務を課し、安全評価・運行停止命令へと連なる。事業者の安全管理体制を正面から規律する点で本条の次段階に近い機能を果たす
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 配送ドライバーが時間指定に追われ、この半年で3回のスピード違反。ある朝、公安委員会から会社宛てに「運転者への指導と必要な措置をとれ」という指示書が届く。切符を切られた運転者個人ではなく、会社が名指しされている
- もし営業車のドライバーが立て続けに速度違反をしたら、次は何が起きる? 指示に従わず違反が続けば、75条の2により車両の使用制限命令、つまり営業車が一定期間まったく使えなくなる処分に進む
- 指示書に記された改善期限まであと2週間。運行管理体制を整えた証拠を揃えられなければ、次の一手は車両の使用停止だ
- あなたの会社が貨物運送の許可事業者なら、この指示は公安委員会が国土交通省側の監督行政庁と事前協議したルールに沿って出される。窓口が二つある分、対応も二重になる
取るべき行動
被害を受けた側:運転者として無理な速度を迫られている側なら:1. 会社から暗黙にでも速度超過を求める指示(無理な時間指定・件数ノルマ)があれば、その内容をメール・LINE・運行指示書で記録に残す2. 22条の2で使用者にも運行管理責任が及ぶことを踏まえ、安全運転では間に合わない旨を書面で申し入れる3. 改善されず違反が常態化するなら、公安委員会や労働基準監督署への相談も選択肢。過労運転は別途の規制対象でもある(道路交通法66条)
訴えられた側:指示を受けた、または受けそうな使用者なら:1. まず自社の運行管理の実態を点検(速度管理の仕組み、デジタコ・GPS記録、ドライバーへの指導履歴が残っているか) 2. 指示書が届いたら改善期限内に具体策(教育・記録体制・無理のない運行計画)を講じ、実施を記録化3. 放置は禁物、違反が続けば75条の2の使用制限命令で車両が止まる4. 許可事業者は監督行政庁(国土交通省・運輸局)との対応も並行し、二重の窓口を意識する
時効(請求できる期限):この条文自体に消滅時効の定めはない。実務上の時間軸は公安委員会が指示書で示す改善期限であり、それを徒過し違反が繰り返されると75条の2の使用制限命令に進む。指示・命令という行政処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)が起算の目安(最新の改正状況をご確認ください)
学説
実務上の議論:本条の指示について、その処分性を認めて直接争えるかは見解が分かれうる論点とされる。他方、これに従わない場合の75条の2の使用制限命令は明確な不利益処分であり、審査請求・取消訴訟の対象になると解されている。
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