道路交通法 第73条(妨害の禁止)
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交通事故があつた場合において、当該交通事故に係る車両等の運転者等以外の者で当該車両等に乗車しているものがあるときは、その者は、当該車両等の運転者等が第七十二条第一項前段に規定する措置を講じ、又は同項後段に規定する報告をするのを妨げてはならない。
この条文の基本情報
妨害の禁止とは何ですか?
定義妨害の禁止とは、道路交通法第73条に定められた規定で、「交通事故があつた場合において、当該交通事故に係る車両等の運転者等以外の者で当該車両等に乗車しているものがあるときは、その者は、当該車両等の運転者等が第七十二条第…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第73条(妨害の禁止)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第73条の条文原文は「交通事故があつた場合において、当該交通事故に係る車両等の運転者等以外の者で当該車両等に乗車しているものがあるときは、その者は、当該車両等の運転者等が第七十二条第…」で始まります。
- 道路交通法第73条は第二節 交通事故の場合の措置等に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第73条の前の条は道路交通法第72条の2です。
- 道路交通法第73条の次の条は道路交通法第74条です。
- 道路交通法第73条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第73条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第73条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/73
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法73条は、交通事故があった場合に、運転者等以外の同乗者に対し、運転者等が行う負傷者の救護と警察への報告を妨げてはならないと定める。
Q · 運転していない同乗者にも、事故のあとに守るべき義務はあるの?
あります。運転者の救護と通報を妨げない義務が課されています
道路交通法73条は、事故に遭った車両等に乗っていた運転者等以外の者に対し、運転者等が負傷者の救護(72条1項前段)と警察への報告(同項後段)を行うのを妨げてはならないと定めています。求められているのは自ら救護することではなく、運転者の義務履行を妨げないという不作為義務です。本条違反そのものに道路交通法上の直接の罰則はありませんが、逃走を促したり通報を思いとどまらせたりすれば、刑法上の教唆・幇助として救護義務違反(117条)の共犯に問われる可能性があります。
解説
友人の運転する車の助手席。バイクと接触事故を起こし、青ざめた友人が『やばい、行こう』とアクセルに足をかけた。ここであなたが『そうだね、逃げよう』と一言添えたら、ハンドルを握っていないあなたも法の視野に入る。道路交通法73条は、事故に遭った車両の運転者以外の同乗者に対し、運転者が72条の救護(負傷者を助け危険を除く)と警察への報告を果たすのを『妨げてはならない』と命じる。多くの人は、事故後の義務は運転者だけの話だと思っている。だが法律は、車内のあなたにも静かに義務を置いている。しかも見落としがちな事実がある。73条違反そのものに道交法上の直接の罰則はない。それでも、運転者の逃走を後押しすれば、あなたは刑法上の教唆・幇助として、ひき逃げの共犯に問われうる。罰則がないことは、安全を意味しない。
法的な位置づけ
道路交通法73条は、交通事故に係る車両等に乗車している者のうち運転者等以外の者に対し、運転者等が同法72条1項前段の救護等の措置を講じ、又は同項後段の報告をするのを妨げてはならない旨を定める規定である。同乗者に積極的な救護行為を求めるものではなく、運転者等の義務履行を妨げないという不作為義務を課す点に特徴がある。
手順
- 1.まず運転者に「止まって」と声を出す 事故直後、運転者が発進しようとしたら、迷わず停止を促す。同乗者の一言が運転者の救護義務履行を左右する数十秒であり、73条が禁じる「妨げる」行為の反対の行動をとることが、自分自身を共犯リスクの外に置く最短ルートになる
- 2.負傷者の救護と二次事故防止を手伝う 運転者が72条1項前段の措置をとれるよう、ハザード点灯、停止表示器材の設置、負傷者への声かけなどを補助する。運転者が負傷・パニックで動けない場合は、同乗者自身が119番へ通報する
- 3.警察への報告が行われたか確認する 72条1項後段の報告が実際になされたかを確認し、運転者が報告をためらう場合は同乗者から110番する。報告を思いとどまらせる発言をしないことが、73条上の義務の核心である
- 4.車内での会話と自分の言動を記録に残す 他の同乗者から「黙っていよう」と持ちかけられた場合は明確に断り、その時刻と発言内容をメモやメッセージで残す。ドライブレコーダーの音声データも上書きされる前に保全する
よくある質問 AI による整理
Q1道路交通法73条とは何ですか?
事故に遭った車両等に乗っていた運転者以外の者が、運転者の救護措置と警察への報告を妨げてはならないと定める規定です。同乗者を名宛人とする不作為義務にあたります。
Q2同乗者にも事故後の義務はありますか?
あります。自ら救護する義務までは課されませんが、73条により運転者等の救護・報告を妨げない義務があります。妨げれば刑法上の共犯の問題に発展しえます。
Q3運転者が逃げた場合、同乗者はどの法律で処罰されますか?
73条自体に直接の罰則はなく、刑法61条の教唆または62条の幇助を介して、道路交通法117条の救護義務違反の共犯として処罰されうる構造になっています。
Q4事故現場で同乗者は何をすればいいですか?
まず運転者に停止と救急要請を促し、負傷者の安全確保と後続車への注意喚起を手伝います。運転者が動けない場合は自ら119番・110番へ通報するのが安全です。
Q5タクシーやバスの乗客も73条の対象ですか?
条文は「当該車両等に乗車しているもの」と規定しており、乗客であるかを問いません。タクシーやバスの乗客も、運転者の救護・報告を妨げてはならない立場にあります。
Q6会社の車で部下が事故を起こした場合、同乗した上司の責任は?
報告を止める指示をすれば73条に触れ、逃走を主導したと評価されれば刑事上の共犯となりえます。会社側の使用者責任(民法715条)とは別に個人責任が生じます。
Q7ドライブレコーダーの音声は同乗者の責任判断に使われますか?
使われます。事故直後の車内会話は誰が逃走を言い出したかを示す客観証拠になり、運転していない者の関与度を判断する重要な材料として扱われます。
Q8事故の報告はいつまでにする必要がありますか?
72条1項後段は負傷者の救護等の措置を講じた後「直ちに」報告することを求めています。時間をおいて後から届け出る運用は予定されていません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1運転してなかったのに、助手席にいた自分まで罪に問われることなんてあるんですか?
あります。道路交通法73条は同乗者に運転者の救護・報告を妨げない義務を課しています。あなたが逃走を促せば、刑法上の教唆・幇助として、ひき逃げ(道交法117条)の共犯に問われうる。実務のポイント:警察は事故直後の車内の会話を、ドライブレコーダーの音声や同乗者の供述から再現します。『行こう』の一言が録音されていれば、運転していなくてもあなたが主導者と見なされる。同乗中でも、口にする言葉がそのまま証拠になる
Q2『警察呼ばなくていいよ』って言っただけでも、本当にまずいんですか?
状況次第でまずい。73条の『妨げてはならない』は物理的な妨害だけでなく、運転者の義務履行を思いとどまらせる言動も含みうる。運転者がそれに従い現場を離れれば、あなたの発言が逃走の後押しと評価される(72条、117条)。実務のポイント:弁護士が最初に見るのは『誰が言い出したか』です。逃走を最初に口にした人物が共犯の中でも重く扱われやすい。逆に『止まろう』と言った記録が残れば、同じ車内でも立場が正反対になる
Q3罰則がないなら、73条なんて守らなくてもいいんじゃないですか?
その考えが一番危ない。確かに73条違反自体に道交法の直接の罰則はありません(最新の改正状況をご確認ください)。しかし罰がないのは『単独の禁止規定』だからで、実際の逃走に加担すれば刑法の共犯として運転者と同じ土俵で裁かれる。実務のポイント:罰則のない条文は『守らなくていい条文』ではなく『別の重い罪への入口』であることが多い。73条はまさにそれで、直接の過料すらないのに、結果的に懲役刑の共犯へ通じている
間違えやすい点 AI による整理
- 事故後にやるべきことは運転者だけの問題だと思っているが、73条は明確に『運転者以外の乗車者』を名宛人にしている。あなたが同乗者なら、妨げないという義務の主体はあなた自身だ
- 『73条は罰則がないから軽い』と知って安心しているなら、その深刻度を見誤っている。罰則がないのは単独違反の話で、逃走に加担した瞬間、あなたは運転者と同じ重さのひき逃げ共犯という別次元に移る
- あなたから見れば『ただ乗っていただけ』でも、法律から見ればあなたは救護を妨げうる立場にいた当事者だ。この『乗客』と『義務主体』の落差に気づかないまま一言発すると、その落差があなたを共犯にする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 73条:運転者等以外の同乗者 | 72条:車両等の運転者その他の乗務員 117条:救護義務を負う運転者 |
| 義務の性質 | 73条:妨げてはならないという不作為義務 | 72条:救護・危険防止措置と報告という作為義務 117条:72条違反に対する制裁規定 |
| 直接の罰則 | 73条:直接の罰則規定なし | 72条:違反時は117条・117条の5で処罰 117条:救護義務違反(ひき逃げ)の刑事罰 |
| 違反時の実際の帰結 | 73条:刑法の教唆・幇助を介して117条等の共犯に発展しうる | 72条:本人が正犯として刑事責任を負う 117条:法定刑に従い刑事処分を受ける |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は事故時の停止・救護・報告義務を運転者に課すが、同乗者を名宛人とする明文はなく、逃走への加担は刑法第30条の幇助として処理される
韓国も事故時の措置義務を運転者中心に構成し、同乗者の関与は刑法の종범(従犯)規定で捕捉する枠組みをとる
ドイツは事故現場からの無断離脱を刑法典で直接処罰し、加えて一般的な救助義務違反(§ 323c)が同乗者を含む現場の第三者にも及びうる点で日本より広い
米国は州ごとに事故後の停止・報告義務を定め、同乗者の関与は aiding and abetting の一般法理で評価される。州により義務の範囲と法定刑に大きな差がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 友人の車の助手席、人身事故の直後。パニックの友人に『大丈夫、行っちゃえ』と言った。その一言が、あなたを共犯の側に立たせる
- もし後部座席のあなたが『警察に言わないほうがいい』と言い、運転者がそれに従って現場を離れたら、あなたの立場はどうなる? 運転者だけが罰せられ自分は無関係だと思っているなら、その前提そのものが危うい
- 事故が起きてから運転者が救護と通報を判断するまで、勝負は最初の数十秒。あなたが『止まろう』と言うか『行こう』と言うか、その一言でこの数十秒の結末が確定する
- 会社の営業車で、運転する部下が歩行者と接触。同乗する上司のあなたが『報告は会社に戻ってからでいい』と指示したら、73条違反に加え、逃走を主導した者として重い刑事責任に向かう
取るべき行動
被害を受けた側:あなたが運転者で、同乗者から『逃げよう』『黙っていよう』と迫られている場合。1. その声を無視し、まず車を止めて負傷者を救護、二次事故防止の措置をとる(72条前段) 2. すぐ警察へ通報する(72条後段)。この二つを果たせば、あなた自身が救護義務違反に問われない3. 同乗者の妨害発言があった事実を、通報時に警察へ伝えておく4. ドライブレコーダーの音声が残っていれば保全する
訴えられた側:あなたが同乗者で、運転者の逃走を後押ししたと疑われている場合。1. 道交法73条違反それ自体に直接の罰則はないが、逃走を教唆・幇助したとされれば刑法上の共犯として立件されうる点をまず理解する2. あなたが逃走を促していない、むしろ止めようとした事実(発言、通報の働きかけ)を具体的に主張3. ドライブレコーダーや同乗者の証言など客観証拠を確保4. 早い段階で弁護士に相談し、供述の方針を固める
時効(請求できる期限):道交法73条違反自体には直接の罰則規定がなく、固有の公訴時効もない。運転者の逃走を教唆・幇助した共犯として問われる場合は、基礎となる救護義務違反(道交法117条)等の公訴時効に従う。人を負傷させた事故での救護義務違反は法定刑が10年以下の懲役で、公訴時効は事故時から7年(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:73条は同乗者に対する禁止規定であるが罰則を欠くため、単独では制裁を伴わない。実務上は、逃走への加担が認められる場合に刑法の共犯規定を介して72条・117条の救護義務違反として評価され、73条は共犯性を基礎づける行為規範として機能すると理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:旧道路交通取締法を全面改正して道路交通法が制定され(昭和35年法律第105号、同年6月25日公布)、事故時の措置義務体系の一部として本条が置かれた
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