電気事業法 第107条(立入検査)
クイックジャンプ
- 主務大臣は、第三十九条、第四十条、第四十七条、第四十九条及び第五十条の規定の施行に必要な限度において、その職員に、原子力発電工作物を設置する者又はボイラー等(原子力発電工作物に係るものに限る。)の溶接をする者の工場又は営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、原子力発電工作物、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 2.経済産業大臣は、前項の規定による立入検査のほか、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、電気事業者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務若しくは経理の状況又は電気工作物、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 3.経済産業大臣は、第二十二条の三から第二十三条の三まで、第二十七条の十一の三から第二十七条の十一の六まで又は第二十七条の十二の十三において準用する第二十二条の三、第二十三条(第四項を除く。)、第二十三条の二若しくは第二十三条の三の規定の施行に必要な限度において、その職員に、一般送配電事業者の特定関係事業者、送電事業者の特定関係事業者又は配電事業者の特定関係事業者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務若しくは経理の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 4.経済産業大臣は、第一項の規定による立入検査のほか、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、自家用電気工作物を設置する者、自家用電気工作物の保守点検を行つた事業者又はボイラー等の溶接をする者の工場又は営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、電気工作物、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 5.経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、一般用電気工作物の設置の場所(当該一般用電気工作物が小規模発電設備以外のものである場合にあつては、居住の用に供されているものを除く。)に立ち入り、一般用電気工作物を検査させることができる。ただし、居住の用に供されている場所に立ち入る場合においては、あらかじめ、その居住者の承諾を得なければならない。
- 6.経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、推進機関の事務所に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 7.経済産業大臣は、第三十七条の四から第三十七条の十二までの規定の施行に必要な限度において、その職員に、認定電気使用者情報利用者等協会の事務所に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 8.経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、登録適合性確認機関、登録安全管理審査機関又は登録調査機関の事務所又は事業所に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 9.経済産業大臣は、この法律の施行に必要な限度において、その職員に、指定試験機関又は卸電力取引所の事務所に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 10.経済産業大臣は、第百三条の二の規定の施行に必要な限度において、その職員に、届出者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、業務の状況又は帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
- 11.前各項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
- 12.経済産業大臣は、必要があると認めるときは、推進機関に、第二項の規定による立入検査(次に掲げる事項を調査するために行うものに限る。)を行わせることができる。
- 一第二十八条の四十三の規定による情報の提供が適正に行われていること。
- 二第二十八条の四十四第一項の規定による指示を受けた推進機関の会員がその指示に係る措置をとつていること。
- 13.経済産業大臣は、前項の規定により推進機関に立入検査を行わせる場合には、推進機関に対し、当該立入検査の場所その他必要な事項を示してこれを実施すべきことを指示するものとする。
- 14.推進機関は、前項の指示に従つて第十二項に規定する立入検査を行つたときは、その結果を経済産業大臣に報告しなければならない。
- 15.第十二項の規定により立入検査をする推進機関の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを提示しなければならない。
- 16.経済産業大臣は、必要があると認めるときは、独立行政法人製品評価技術基盤機構(次項、次条及び第百二十七条において「機構」という。)に、第四項(ボイラー等の溶接をする者に係る部分を除く。)又は第五項の規定による立入検査を行わせることができる。
- 17.第十三項から第十五項までの規定は、機構の行う立入検査に準用する。
- 18.第一項から第十項までの規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
この条文の基本情報
立入検査とは何ですか?
定義立入検査とは、電気事業法第107条に定められた規定で、「主務大臣は、第三十九条、第四十条、第四十七条、第四十九条及び第五十条の規定の施行に必要な限度において、その職員に、原子力発電工作物を設置する者又はボイラー等(原…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第107条(立入検査)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第107条の条文原文は「主務大臣は、第三十九条、第四十条、第四十七条、第四十九条及び第五十条の規定の施行に必要な限度において、その職員に、原子力発電工作物を設置する者又はボイラー等(原…」で始まります。
- 電気事業法第107条は第八章 雑則に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第107条の前の条は電気事業法第106条です。
- 電気事業法第107条の次の条は電気事業法第107条の2です。
- 電気事業法第107条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第107条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第107条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/107
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法107条は、経済産業大臣等の職員が施行に必要な限度で事業場に立ち入り、電気工作物や帳簿を検査できると定める。住居への立入りには居住者の承諾が必要。
Q · 経産省の立入検査は断れるの?
正当な理由なく拒めば罰金の対象になりうる
電気事業法107条は、経済産業大臣などの職員が、法律の施行に必要な限度で事業場に立ち入り、電気工作物や帳簿を検査できると定めます。行政調査なので原則として令状は不要で、正当な理由なく拒めば罰則の対象になりえます。ただし、職員は求められれば身分証明書を提示しなければならず(11項)、住居に立ち入るには居住者の事前承諾が必要です(5項)。また、この権限を犯罪捜査に使うことは認められていません(18項)。
解説
電気事業法は、職員が扉を力ずくで開けることを認めていない。認めているのは、拒めば罰金になりうるという間接的な圧力である。107条は、経済産業大臣(原子力関係は主務大臣)の職員が立ち入り、帳簿や設備を調べられる場所を並べた条文だ。対象は発電所、送配電会社とそのグループ会社、キュービクル(ビルや工場にある高圧受電設備の箱)を持つ事業者、電力取引所、さらに自宅の屋根に載せた太陽光パネルまで及ぶ。検査を受けるあなたが押さえるべき線は三本ある。第一に、検査は「この法律の施行に必要な限度」に限られる。電気の保安や市場の監視と関係のない書類まで出せという要求には、本条の根拠がない。第二に、職員は身分を示す証明書を携帯し、求められれば提示しなければならない(11項)。第三に、住居に立ち入るには居住者の事前承諾が必要である。屋根置き太陽光のような小規模発電設備以外の一般用電気工作物(家庭の配線など)であれば、住居部分はそもそも検査対象から外れる(5項)。さらに18項は、この権限を犯罪捜査のためのものと解釈してはならないと明記している。
法的な位置づけ
電気事業法107条は立入検査を定める規定であり、主務大臣または経済産業大臣が、法律の施行に必要な限度において、その職員に電気事業者、自家用電気工作物の設置者、特定関係事業者、卸電力取引所等の事業場に立ち入らせ、業務・経理の状況や電気工作物、帳簿書類を検査させる権限を定める。身分証明書の携帯・提示義務と、犯罪捜査目的の否定を併せて規定する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.身分証明書と根拠条項を確認する 検査開始時に職員の身分証明書の提示を求め、氏名・所属を控える(107条11項)。あわせて、どの項に基づく検査か、目的は何かを確認して記録に残す
- 2.保安関係書類を棚卸しする 保安規程、月次・年次点検記録、電気主任技術者の選任届、外部委託契約書を揃える。欠落があっても後から作り直さず、欠落の事実と是正計画を整理する
- 3.要求ごとに必要な限度かを確認する 求められた書類や場所ごとに、電気事業法の施行に必要な限度に入るかを確認する。範囲外と思われる場合は拒否せず根拠を尋ね、やり取りをメモに残す
- 4.指摘事項に改善計画を先に出す 指摘を受けたら、処分が検討される前に改善計画を自分から書面で提出する。是正の実績を先に示すことで、命令でなく指導で収まる余地が広がる
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法の立入検査とは?
経済産業大臣などの職員が、電気事業者や自家用電気工作物の設置者などの事業場に立ち入り、設備や帳簿を調べる行政調査です。根拠は電気事業法107条です。
Q2立入検査に令状は必要?
行政調査なので、原則として裁判官の令状は不要です。ただし職員は身分証明書を携帯し、求められれば提示しなければなりません(107条11項)。
Q3立入検査は予告なしで来る?
法律上、事前の予告は義務づけられておらず、予告なしで実施される場合もあります。日頃から点検記録や保安規程を整理しておくことが重要です。
Q4太陽光パネルがある家にも立入検査は来る?
小規模発電設備の設置場所は検査対象になりえます。ただし住居部分に立ち入るには、居住者の事前承諾が必要です(107条5項)。
Q5立入検査を拒否したら違法?
正当な理由なく拒む、妨げる、または忌避すると、罰金の対象になりえます。ただし職員が鍵を壊して入るような実力行使は認められていません。
Q6キュービクルの立入検査で何を見られる?
自家用電気工作物そのもののほか、保安規程、点検記録、主任技術者の選任状況などの帳簿書類が対象になります(107条4項)。
Q7産業保安監督部の立入検査とは?
経済産業省の地方組織である産業保安監督部の職員が、107条に基づき工場やビルの電気設備の保安状況を確認する検査です。
Q8立入検査の結果に不服があるときは?
検査後に技術基準適合命令などの処分を受けた場合、処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、6か月以内に取消訴訟を提起できます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1立入検査って、断ったらどうなるんですか?
正当な理由なく検査を拒む、妨げる、または忌避すると、罰金の対象になりうる(電気事業法の罰則規定。最新の改正状況をご確認ください)。ただし、職員が鍵を壊して押し入るような実力行使までは、107条は認めていない。強制はあくまで罰則による間接的なものである。実務のポイント:拒否と日程調整は別物である。理由を示して日時の変更を相談することまで、ただちに拒否として扱われるわけではない
Q2検査で見せた書類が、あとで警察に使われたりしませんか?
107条18項は、立入検査の権限を犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないと定めており、捜査目的で検査を使うことは許されない。実務のポイント:ただし最高裁(最決平成16.1.20、国税の質問検査の事案)は、取得した資料が後に犯則事件で使われうると想定できても、それだけで捜査目的の行使にはならないと判断した。この考え方が電気事業法にも及ぶかは、解釈の余地がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「令状がなければ立入検査は断れる」と考える人は多いが、行政調査(役所が法律の執行のために行う調査)は、原則として裁判官の令状を必要としない。最高裁は川崎民商事件(最大判昭和47.11.22)で、憲法35条の保障は刑事手続以外にも及びうるとしつつ、同事件の税務検査に令状は要らないと判断した。正当な理由なく拒めば罰金の対象になりうる
- 検査の場で「見せるか、見せないか」の二択で悩むこと自体、問いの立て方を誤っている。本当に問うべきは「その要求が電気事業法の施行に必要な限度に入っているか」である。範囲内なら協力し、範囲外と思えば根拠を尋ねる。この問いに置き換えた瞬間、対立ではなく確認の作業になる
- 点検漏れが検査で見つかることを恐れる事業者は多いが、それ以上に深刻なのは、検査の直前に後から作った記録が見つかる場合である。漏れは是正計画で取り戻せるが、虚偽の記録は事業者の信用を根本から崩す。その後の技術基準適合命令(40条)などの処分判断にも、厳しい影響が及びうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 調査の方法 | 107条:職員が事業場に立ち入り、設備・帳簿を直接検査 | 106条:報告の徴収(書面等で報告させる) 40条:検査後の技術基準適合命令(是正手段) |
| 性質 | 情報収集のための行政調査 | 情報収集のための行政調査 不利益処分 |
| 受ける側の争い方 | 必要な限度・証明書提示・住居承諾で線を引く | 報告事項の範囲を確認 審査請求・取消訴訟 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も主管機関による電業・電気設備の検査権限を定める。行政調査の一般原則は行政程序法が補う
ドイツでは規制当局に情報提供要求と営業所への立入権限が認められ、エネルギー市場の監視に用いられる
米国では FERC が調査権限を持ち、電力市場の監視や規制違反の調査に用いる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 工場の電気主任技術者であるあなたに、明日、産業保安監督部が立入検査に来ると連絡が入った。残りは18時間。保安規程で定めた月次点検の記録が三か月分抜けている。今夜やるべきは記録を後から作ることではない。欠落の事実と是正計画を整理することだ。改ざんが見つかれば、点検漏れよりはるかに深刻な問題になる
- 自宅の屋根に太陽光パネルを載せている家に、経産省の職員を名乗る人がインターホン越しに「設備を確認したい」と言ってきたら、家に上げる義務はあるのか? 住居部分への立入りには事前の承諾が必要で、その場で断っても違法ではない。まず身分証明書を見せてもらい、所属先へ自分で電話して確認する。これで、公的機関を装った詐欺も見分けられる
- 新電力に転職した友人が「前の送配電会社では、グループの小売会社にない顧客情報も見られた」と漏らした。そうした情報の扱いをめぐっては、送配電会社だけでなくグループ会社の事務所も3項の立入検査の対象になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:検査を受ける側として行き過ぎを感じた場合の手順である。1. 身分証明書の提示を求め、氏名と所属を控える(11項)。2. 求められた書類ごとに、どの規定の施行に必要なのかを丁寧に確認し、やり取りをメモに残す。3. 住居部分への立入りには事前の承諾が必要なので(5項)、その場で即答せず、日程の調整を申し出てよい。4. 明らかに範囲外の要求が続く場合は、その場で拒否するのではなく、法務担当や弁護士と協議したいと伝え、その経過を記録しておく
訴えられた側:違反の疑いで検査対象になった事業者の手順である。1. 検査の前に、保安規程、点検記録、主任技術者の選任状況を棚卸しする。2. 記録に欠落があっても、後から作り直さない。3. 正当な理由なく検査を拒む、妨げる、または忌避すると、罰金の対象になりうる(電気事業法の罰則規定。最新の改正状況をご確認ください)。4. 検査後に命令などの処分を受けた場合は、審査請求や取消訴訟で争う道がある
時効(請求できる期限):立入検査そのものに時効はなく、予告なしで実施される場合もある。検査の結果、技術基準適合命令などの処分を受けた場合は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求ができる(行政不服審査法18条)。取消訴訟は、処分があったことを知った日から6か月以内に提起する必要がある(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:行政調査は任意調査と間接強制調査に分かれ、本条の立入検査は罰則による間接強制調査にあたる。実力による強制は認められず、目的外の利用や必要な限度を超える調査は違法となりうる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法の制定とともに、立入検査の規定が設けられた
- 電気事業法 第106条報告の徴収、立入検査と並ぶ調査権限
- 電気事業法 第40条技術基準適合命令、検査後の是正手段
- 電気事業法 第23条一般送配電事業者の禁止行為(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第57条一般用電気工作物の調査義務
- 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律 第68条原子力施設に対する立入検査の特則
- 行政手続法 第3条情報収集目的の処分の適用除外(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める