電気事業法 第11条(承継)
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一般送配電事業の全部の譲渡しがあり、又は一般送配電事業者について合併若しくは会社分割があつたときは、一般送配電事業の全部を譲り受けた株式会社又は合併後存続する株式会社若しくは合併により設立した株式会社若しくは会社分割により当該一般送配電事業の全部を承継した株式会社は、一般送配電事業者の地位を承継する。
この条文の基本情報
承継とは何ですか?
定義承継とは、電気事業法第11条に定められた規定で、「一般送配電事業の全部の譲渡しがあり、又は一般送配電事業者について合併若しくは会社分割があつたときは、一般送配電事業の全部を譲り受けた株式会社又は合併後存続する株…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第11条(承継)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第11条の条文原文は「一般送配電事業の全部の譲渡しがあり、又は一般送配電事業者について合併若しくは会社分割があつたときは、一般送配電事業の全部を譲り受けた株式会社又は合併後存続する株…」で始まります。
- 電気事業法第11条は第一款 事業の許可に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第11条の前の条は電気事業法第10条です。
- 電気事業法第11条の次の条は電気事業法第12条です。
- 電気事業法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法11条は、一般送配電事業の全部譲渡・合併・会社分割があったとき、事業の全部を承継した株式会社が一般送配電事業者の地位を承継すると定める。前提として10条の認可が必要。
Q · 送配電会社が合併や会社分割をしたら、事業の許可は取り直しになるの?
認可を得た全部承継なら、取り直しは不要です
電気事業法11条により、一般送配電事業の全部の譲渡し、合併、会社分割による全部承継があった場合、承継した株式会社が一般送配電事業者の地位をそのまま引き継ぐため、許可の取り直しは不要です。ただし同法10条の経済産業大臣の認可がなければ、譲渡し・合併・分割の効力自体が生じません。また事業の一部だけを移す場合は、本条による地位の自動承継の対象外です。
解説
電柱や送電線、スマートメーターを動かしている会社の名前は、2020年に全国でほぼ一斉に変わった。関西電力から関西電力送配電へ、中部電力から中部電力パワーグリッドへといった具合である。それでも停電の復旧手順も、託送料金(電気代に含まれる送電網の利用料)のルールも、あなたの家の電気も、一日も止まらなかった。それを可能にしたのが本条である。一般送配電事業を「全部」譲り受けた株式会社、合併後の会社、会社分割で事業の全部を承継した株式会社は、元の事業者の「地位」をそのまま受け継ぐ。地位とは、経済産業大臣の許可を受けた事業者としての立場と、それに伴う供給義務や約款上の義務のことである。ただし条件が二つある。第一に、前条(10条)の経済産業大臣の認可がなければ、譲渡も合併も分割もそもそも効力を生じない。第二に、対象は事業の「全部」に限られる。一部だけ切り出した場合は本条の自動承継に乗らない。M&A の現場で「地位はどうせ付いてくる」と思い込むと、この二つの条件で計画全体が止まる
法的な位置づけ
一般送配電事業者の地位の承継とは、電気事業法11条に基づき、一般送配電事業の全部の譲渡し、合併または会社分割があった場合に、事業の全部を譲り受け又は承継した株式会社が、同法3条の許可を受けた事業者としての公法上の地位を当然に引き継ぐことをいう。同法10条の認可を前提とする。
手順
- 1.承継の形式と効力発生日を確認する 再編通知を受け取ったら、事業譲渡・合併・会社分割のどれにあたるか、効力発生日はいつかを確認する。本条の対象は事業の「全部」の承継に限られるため、承継範囲の記載も併せて確認する
- 2.10条の経済産業大臣の認可の有無を確認する 認可がなければ譲渡し・合併・分割の効力が生じず、地位も承継されない。公表資料や通知文面で認可の取得状況を確認し、記録として保存する
- 3.個別契約の引継ぎ条件を書面で照会する 接続契約、工事費負担金、出力制御の条件などが承継会社にどう引き継がれるかを効力発生日前に書面で照会し、回答を保存する
- 4.不利な条件変更には専門窓口へ相談する 従前の条件と異なる扱いを示された場合、地位承継を根拠に義務の継続を求め、電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口や弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1一般送配電事業者とは何ですか?
自らの送配電網を使って電気を送り、供給区域内の電圧や周波数を維持する事業者です。経済産業大臣の許可(電気事業法3条)を受けて事業を営みます。
Q2電気事業法11条の地位の承継とは?
事業の全部を譲り受けた会社や、合併・会社分割で全部を承継した株式会社が、許可を受けた事業者としての立場をそのまま引き継ぐ仕組みです。
Q3送配電事業の一部譲渡で事業者の地位は移る?
本条の自動承継は「全部」の譲渡しや承継に限られます。一部の移転では地位は当然には移らないため、許可関係の扱いを所管官庁と事前に協議する必要があります。
Q4認可前に合併の効力発生日が来たらどうなる?
10条の経済産業大臣の認可がなければ合併等は効力を生じず、地位も承継されません。会社法上の日程と認可審査の時期を整合させることが不可欠です。
Q5送配電部門の法的分離はいつから?
送配電部門を別会社とする法的分離は2020年4月1日に施行されました。多くの大手電力会社は会社分割により送配電事業を子会社に承継させました。
Q6地位の承継で引き継がれる義務は?
託送供給の義務や託送供給等約款に基づく義務など、一般送配電事業者に課される公益的義務も承継会社が負います。権利だけを選んで受け継ぐことはできません。
Q7送配電会社の再編で託送料金は変わる?
地位の承継そのものによって託送料金が変わるわけではありません。料金は託送供給等約款と国の制度に基づき、別途の手続を経て改定されます。
Q8株式会社以外も一般送配電事業者の地位を承継できる?
本条が承継主体として定めるのは株式会社です。条文上、事業の全部を譲り受け又は承継した「株式会社」に限られています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1会社が合併したら、送配電の許可って取り直しになるんですか?
取り直しは不要である。電気事業法11条により、合併後に存続する株式会社または新設会社は一般送配電事業者の地位を承継する。ただし前提として、10条の経済産業大臣の認可を受けなければ合併そのものが効力を生じない。実務のポイント:再編スケジュールが狂うのは許可の取り直しではなく認可審査の待ち時間である。株主総会の日程よりも先に、所管官庁との事前相談の日程を押さえる
Q2送配電会社が変わったら、うちの太陽光の接続契約はどうなるんでしょう?
相手方の一般送配電事業者としての地位は承継会社に移る(11条)。合併や会社分割であれば会社法上の承継も重なるため、通常は契約が新会社に引き継がれる。ただし事業譲渡の形をとる場合など、個別契約の移り方は形式によって議論がありうる。実務のポイント:通知書の「承継」の一語で安心せず、工事費負担金や出力制御の条件が従前どおりかを書面で確認しておくと、後の紛争で強い証拠になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「合併すれば許可も契約も会社法で自動的に移る」と考えがちだが、それは前提が違う。会社法の包括承継が扱うのは私法上の権利義務であり、経済産業大臣の許可に基づく公法上の「事業者の地位」を移す根拠は、電気事業法の本条である。しかも10条の認可がなければ、合併の効力自体が生じない
- 「名義が変わっただけ」と軽く見る人は多いが、その深刻さを知らない。承継会社が受け継ぐのは権利だけでなく、正当な理由なく託送供給を拒めない義務などの重い公益的義務もまとめてである。再編後に「旧会社の約束は知らない」と主張する余地は、地位の承継によって大きく狭まる
- 発電事業者の目線では「相手方の社名が変わった、それだけ」に見える。しかし法の目線では、許可を受けた事業者そのものの入れ替わりである。承継の形式(事業譲渡か、合併か、会社分割か)によって個別契約の移り方の議論は変わりうるため、実務上、通知を読み流さず契約の継続性を確認しておくべきだと考えられている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 電気事業法11条:事業者の地位の承継(効果) | 電気事業法10条:譲渡し・合併・分割の認可(前提要件) 電気事業法3条:一般送配電事業の許可(地位の源) |
| 主体・行為 | 事業の全部を譲り受け又は承継した株式会社が当然に承継 | 当事者が経済産業大臣の認可を受ける 事業を営もうとする者が経済産業大臣の許可を受ける |
| 欠けた場合の帰結 | 全部承継でなければ地位は自動的に移らない | 認可がなければ譲渡し・合併・分割は効力を生じない 許可なく事業を営むことはできない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も2017年改正で発電・輸配電・售電を区分し、輸配電業を許可制の下に置く。事業の移転には主管機関の関与が求められる
韓国も電気事業の許可制を採り、事業の譲受けや法人の合併・分割に伴う事業者地位の承継を規定する
ドイツは送配電網の運営を許可制とし、包括承継や組織再編法上の承継の場面での許可の扱いを定める
米国は公益事業者の合併や設備の処分に連邦エネルギー規制委員会(FERC)の承認を要求し、日本の10条認可に近い機能を持つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 郊外で2MW の太陽光発電所を運営している。ある日、系統連系の相手方から「当社は会社分割により事業を承継しました」という通知が届いた。接続契約は作り直しになるのか? 一般送配電事業者としての地位は承継会社に移るため、新会社が引き続き相手方になる。ただし個別契約の条件まで当然にすべて維持されるかは、承継の形式と契約内容で確認が要る
- 法務担当として、送配電事業を含む企業グループの再編を任された。取締役会は来月の効力発生日を前提に動いている。経済産業大臣の認可(10条)が下りていなければ、効力発生日が来ても地位は一ミリも動かない。認可申請の審査期間から逆算すると、残された時間はもう足りないかもしれない
- 供給区域の一部だけを別会社に移したいと相談されたら、あなたは何と答える? 本条の対象は「全部」の譲渡しや承継に限られる。一部の切り出しで地位が自動的に移ると考えて計画を組むのは危険だ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再編通知を受け取ったら、承継の形式(事業譲渡、合併、会社分割)と効力発生日を確認する2. 経済産業大臣の認可(10条)が下りているかを公表資料や通知文面で確認する3. 自社の接続契約や工事費負担の約束が新会社にどう引き継がれるかを書面で照会し、回答を保存する4. 不利な条件変更を示唆されたら、地位承継を根拠に従前の義務の継続を求め、必要に応じ電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口や弁護士に相談する
訴えられた側:1. 再編を計画する側は、まず取引が事業の「全部」承継に当たるかを確定させる2. 10条の認可申請から審査完了までの期間を逆算し、会社法上の効力発生日と整合させる3. 承継後も供給義務や約款上の義務が続く前提で、利用者・発電事業者への通知文を準備する4. 一部の切り出しを検討する場合は、本条の自動承継に頼らない別途の手当てを所管官庁と事前に協議する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、承継後の契約上の請求には一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される。地位の承継は10条の認可を得たうえで、事業譲渡や合併等の効力が生じた時点で起こる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
行政法の一般的理解:事業者の能力等に着目した許可は対人的性格が強く、当然には移転しないと解されている。本条のような明文規定があって初めて、許可に基づく地位の承継が認められる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:電力システム改革の第2弾改正により一般送配電事業の類型が設けられ、本条は一般送配電事業者の地位承継規定として整理された(2016年4月施行)
- 電気事業法 第10条譲渡し・合併・分割の認可、承継の前提
- 電気事業法 第3条一般送配電事業の許可、承継される地位の源
- 電気事業法 第17条託送供給等の義務、承継される義務の中核(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第18条託送供給等約款、承継後も続く約款上の規律(現行効力を要確認)
- 会社法 第750条吸収合併の効力発生と包括承継の一般規定
- 会社法 第759条吸収分割による権利義務承継の一般規定
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