電気事業法 第10条(事業の譲渡し及び譲受け並びに合併及び会社分割)
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- 一般送配電事業の全部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 2.一般送配電事業者の合併及び会社分割(一般送配電事業の全部を承継させるものに限る。次条において同じ。)は、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。
- 3.第五条の規定は、前二項の認可に準用する。
この条文の基本情報
事業の譲渡し及び譲受け並びに合併及び会社分割とは何ですか?
定義事業の譲渡し及び譲受け並びに合併及び会社分割とは、電気事業法第10条に定められた規定で、「一般送配電事業の全部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第10条(事業の譲渡し及び譲受け並びに合併及び会社分割)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第10条の条文原文は「一般送配電事業の全部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。」で始まります。
- 電気事業法第10条は第一款 事業の許可に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第10条の前の条は電気事業法第9条です。
- 電気事業法第10条の次の条は電気事業法第11条です。
- 電気事業法第10条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第10条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第10条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/10
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法10条は、一般送配電事業の全部の譲渡や、一般送配電事業者の合併・会社分割に経済産業大臣の認可を求め、認可がなければ効力を生じないと定める。
Q · 送配電会社の事業を丸ごと買う契約は、調印すればすぐ有効になるの?
大臣の認可がなければ効力を生じない
電気事業法10条1項により、一般送配電事業の全部の譲渡し及び譲受けは、経済産業大臣の認可を受けなければ効力を生じません。2項は、一般送配電事業者の合併と、事業の全部を承継させる会社分割にも同じ認可を求めています。3項で許可基準(5条)が準用されるため、買い手や承継会社は新規参入者と同じ基準で審査されます。株主総会決議など会社法上の手続を終えても、認可がなければ取引は成立しません。
解説
電力会社の送電網部門を丸ごと売る契約書に、両社の社長が実印を押し、株主総会も通ったとする。それでも、その契約は法律上まだ何の効力もない。電気事業法10条は、一般送配電事業(あなたの家まで電気を届ける電柱・電線・変電所を運営し、停電時に復旧を担う事業)の全部の譲渡と譲受け、そして事業の全部を承継させる合併・会社分割について、経済産業大臣の認可を効力発生の条件にしている。ここでいう認可は、行政法でいう「補充行為」(役所の同意が加わって初めて私人間の契約が完成する仕組み)にあたる。認可を飛ばすと、罰せられるかどうか以前に、取引そのものが成立しない。さらに3項は、許可の基準を定めた5条をこの認可に準用している。つまり買い手は、新しく参入する事業者と同じ基準に照らして審査を受け直す。送電網の持ち主には、お金を積めば誰でもなれるわけではない。
法的な位置づけ
電気事業法10条は、一般送配電事業の全部の譲渡し及び譲受け並びに一般送配電事業者の合併・会社分割(事業の全部を承継させるものに限る)について、経済産業大臣の認可を効力要件とする規定である。認可は私人間の法律行為を補充して効力を完成させる講学上の認可に当たり、その審査には同法5条の許可基準が準用される。
よくある質問 AI による整理
Q1一般送配電事業とは何ですか?
自ら維持・運用する送電線や配電線、変電所を使って、供給区域内で電気を届ける事業です。電気事業法3条により経済産業大臣の許可が必要です。
Q2電気事業法10条の認可申請はどこに出しますか?
認可権者は経済産業大臣です。実務上は資源エネルギー庁の担当課と事前相談を重ねてから申請書を提出するのが一般的です。
Q3送配電事業の譲渡認可の審査基準は?
本条3項により、一般送配電事業の許可基準を定めた5条が準用されます。事業を確実に遂行できる経理的基礎や技術的能力などが審査されます。
Q4送配電会社の合併は独占禁止法の審査も必要?
必要になりえます。本条の認可は電気事業法上の審査であり、独占禁止法15条の合併規制や公正取引委員会への届出は別途検討が必要です。
Q5電気事業法10条に違反すると罰則はありますか?
本条の核心は罰則ではなく効力要件です。認可のない譲渡や合併はそもそも効力を生じず、取引が成立していない状態として扱われます。
Q6送配電の法的分離で会社分割したときも認可は必要だった?
一般送配電事業の全部を承継させる会社分割は本条2項の対象です。旧一般電気事業者による送配電子会社への分割も、認可を経て行われました。
Q7認可前に合併の効力発生日が来たらどうなる?
認可がない以上、合併は効力を生じません。実務では効力発生日の延期など、会社法上の手続を改めて検討する必要が出てきます。
Q8不認可処分に不服があるときはどうする?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、知った日から6か月以内に取消訴訟を検討できます(行政不服審査法18条、行政事件訴訟法14条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大手電力の送配電会社が別の会社に買われたら、うちの停電対応とかはどうなるの?
送配電事業の全部の譲渡や合併には経済産業大臣の認可が必要で(電気事業法10条)、買い手は5条の許可基準に準じた審査を受ける。基準を満たさない相手には、そもそも引き継げない仕組みである。実務のポイント:小売の電力会社を乗り換えても、家まで電気を運ぶ送配電事業者は地域ごとに決まっていて変わらない。選べない相手だからこそ、その持ち主の交代に国が関所を置いている
Q2とりあえず合併したことにして、認可は後からもらえばいいんじゃないの?
本条は認可がなければ「効力を生じない」と定めており、認可前の合併や譲渡は法的に成立していない。行政法でいう講学上の認可(私人の契約を補充して完成させる行為)の典型例である。実務のポイント:行政書士試験などで問われる「許可と認可の違い」は、この条文で確かめるのが早い。許可なしの行為は原則として有効だが処罰されうる、認可なしの行為はそもそも無効、という整理である
Q3一部の地域の送配電網だけを売るなら、この認可はいらないの?
本条1項が対象にするのは一般送配電事業の「全部」の譲渡で、2項の会社分割も全部を承継させるものに限られる。一部の譲渡は本条の射程外だが、供給区域や設備の扱いについて別の規定が関わりうるため、自由にできると即断するのは危険である。実務のポイント:括弧書き「全部を承継させるものに限る」は、スキーム設計の段階で弁護士が真っ先に線を引く箇所であり、取引構造の選び方で必要な手続が丸ごと変わる
間違えやすい点 AI による整理
- 「株主総会の特別決議を経れば合併は有効」と考えがちだが、一般送配電事業者の場合は、会社法の手続をすべて終えても大臣の認可がなければ効力を生じない(本条2項)。会社法の手続と本条の認可はどちらか一方では足りない二重の鍵であり、片方だけ開けても扉は動かない
- 「認可を取らなかったら罰金はいくらか」という問いの立て方そのものがずれている。本条の認可は効力要件であり、問題は罰則の重さではなく、取引がそもそも成立しないことにある。成立していない譲渡を前提に事業を始めれば、今度は許可(3条)を持たないまま一般送配電事業を営む問題が生じうる
- 会社分割なら必ず本条の認可が要ると思われがちだが、2項の対象は括弧書きで「一般送配電事業の全部を承継させるもの」に限られている。会社側から見れば同じ分割でも、法律から見れば全部か一部かで別物になる。一部だけを切り出す場面は本条の射程外であり、別の規定や手続を確認しなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 電気事業法10条:既存の一般送配電事業の全部譲渡・合併・全部承継分割 | 電気事業法3条:一般送配電事業を新たに営むこと 電気事業法5条:許可にあたっての審査基準 |
| 行政行為の性質 | 認可(効力要件。認可がなければ私法上の効力を生じない) | 許可(無許可営業は禁止される) 許可・認可の判断基準(本条3項で準用) |
| 欠いた場合の帰結 | 譲渡・合併・分割そのものが効力を生じない | 無許可で事業を営むことになり、違法状態となる 基準不適合なら許可・認可が得られない |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では輸配電業を国営・一社に限る構造をとるため、送配電網の担い手の交代そのものが法律上強く制限されている
韓国も電気事業の譲受け・法人の分割合併に主務長官の認可を求める構造で、日本と類似する
ドイツでは送配電網の運営開始に規制当局の承認が必要とされ、担い手の適格性を入口で審査する点で共通する
米国では公益電気事業者の合併や送電設備の処分に FERC の承認が必要で、公益性の観点から審査される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし送配電子会社の買収契約に調印した翌日、認可が下りる前に設備の名義変更や従業員の転籍を急いだらどうなる? 本条は認可を効力要件にしているため、その移転は法的に宙に浮く。巻き戻しの手間とコストはすべて自社が負うことになる
- あなたは地方の送配電会社の法務担当である。親会社との合併の効力発生日まであと30日というところで、経済産業省から認可申請の補正指示が返ってきた。効力発生日を延期する取締役会決議を取るか、補正資料を数日で仕上げるか、今夜中に決めなければならない
- 合併を承認する株主総会は終わった。だが大臣の認可はまだ下りていない。送電網は、まだ旧会社のものである。
- 再エネ発電所を運営する友人から「接続先の送配電会社が合併するらしい。系統接続の契約はどうなる?」と相談された。まず確かめるべきは、合併の認可が下りたかどうかと効力発生日である。それまでは契約相手は旧会社のままだ
取るべき行動
被害を受けた側:取引相手や関係者として不利益を受けそうな場合:1. 相手方の譲渡・合併が認可済みかを、経済産業省の公表資料や相手方の開示で確認する2. 認可前に代金支払いや設備引渡しを求められたら、認可取得を停止条件とする条項を入れるよう求める3. 認可が得られず取引が効力を生じなかったときは、既払金の返還を不当利得(民法703条)や契約の解除条項で整理する4. 金額が大きければ早めに弁護士へ相談する
訴えられた側:申請する側の場合:1. 調印前に経済産業省の担当課へ事前相談し、5条準用の基準に沿った財務・技術資料を準備する2. 効力発生日は認可見込み時期から逆算して余裕を持たせる3. 不認可処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)を受けたら理由を精査し、審査請求か取消訴訟を検討する4. 認可前に事業を承継したかのような運用は行わない
時効(請求できる期限):本条自体に時効はなく、認可は取引の効力発生前に取得しておく必要がある。不認可処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
学説
通説:本条の認可は講学上の認可(補充行為)であり、認可を欠く一般送配電事業の全部譲渡・合併・全部承継分割は私法上も効力を生じない。許可(3条)とは法的効果の次元が異なると整理される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法の制定。電気事業の譲渡・合併等を主務大臣の認可に係らせる規律が置かれた
- 2.平成26年(2014年) 改正:電力システム改革に伴う改正で事業類型が再編され、一般送配電事業を対象とする現行の規定構造となった
- 電気事業法 第3条一般送配電事業の許可制
- 電気事業法 第5条許可の基準、本条3項で準用
- 電気事業法 第18条託送供給等約款の認可(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第22条の2送配電部門の兼業規制(現行効力を要確認)
- 会社法 第467条事業譲渡の株主総会承認との二重要件
- 会社法 第748条合併契約の締結、会社法上の手続
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第15条合併の制限(通称 独占禁止法)
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