電気事業法 第115条
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- 電気事業の用に供する電気工作物を損壊し、その他電気事業の用に供する電気工作物の機能に障害を与えて発電、蓄電、変電、送電又は配電を妨害した者は、五年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 2.みだりに電気事業の用に供する電気工作物を操作して発電、蓄電、変電、送電又は配電を妨害した者は、二年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 3.電気事業に従事する者が正当な理由がないのに電気事業の用に供する電気工作物の維持又は運行の業務を取り扱わず、発電、蓄電、変電、送電又は配電に障害を生ぜしめたときも、前項と同様とする。
- 4.第一項及び第二項の未遂罪は、罰する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第115条は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第115条の条文原文は「電気事業の用に供する電気工作物を損壊し、その他電気事業の用に供する電気工作物の機能に障害を与えて発電、蓄電、変電、送電又は配電を妨害した者は、五年以下の拘禁刑又…」で始まります。
- 電気事業法第115条は第九章 罰則に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第115条の前の条は電気事業法第114条の2です。
- 電気事業法第115条の次の条は電気事業法第116条です。
- 電気事業法第115条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第115条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第115条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/115
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法115条は、電気事業用の電気工作物を損壊して送配電等を妨害した者を5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処す規定。無断操作や未遂も処罰される。
Q · 電柱の変圧器や送電線を壊して停電させたら、どんな罪になるの?
電気事業法115条で最長5年の拘禁刑、未遂も処罰
電気事業法115条1項により、電気事業の用に供する電気工作物を損壊し、又はその機能に障害を与えて発電・蓄電・変電・送電・配電を妨害すると、5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。権限なく操作して妨害した場合は2項で2年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金。1項・2項は未遂も処罰されます(4項)。過失を罰する規定はなく、うっかり事故は民事賠償の問題になります。
解説
停電を起こすと、迷惑行為では済まない。電力会社などが電気事業に使っている設備(発電所、蓄電設備、変電所、送電線、電柱の上の変圧器など)を壊したり、機能に障害を与えたりして送電や配電を止めた場合、電気事業法115条1項により5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科される。刑法の器物損壊罪(261条)は3年以下なので、それより重い。電気が止まれば病院の医療機器も信号機も止まり、被害が地域全体に及ぶからである。押さえるべき点は三つある。第一に、壊していなくても、権限なく設備を操作して供給を妨害すれば2項で処罰される。第二に、1項と2項は未遂も処罰される(4項)。停電が起きなくても罪になりうる。第三に、処罰されるのは故意の行為だけである。工事中のクレーンがうっかり電線に触れて停電させた場合、本条ではなく民事の損害賠償(民法709条)の問題になる。本条が守っているのはあなたの家の配線ではなく、街全体の送電網である
法的な位置づけ
電気工作物損壊等罪は、電気事業法115条に定める罪であり、電気事業の用に供する電気工作物の損壊・機能障害による供給妨害(1項)、みだりな操作による供給妨害(2項)、電気事業従事者が正当な理由なく維持・運行業務を取り扱わず供給に障害を生じさせる行為(3項)を処罰する。1項・2項は未遂も処罰され、故意犯に限られる。
よくある質問 AI による整理
Q1電気工作物損壊等罪とは
電気事業法115条が定める罪で、発電所・変電所・送電線など電気事業用の設備を壊したり無断操作したりして電気の供給を妨害する行為を処罰します。
Q2送電線 切断 罪 何年
送電線を切断して送電を妨害すれば電気事業法115条1項により5年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金です。器物損壊罪の3年以下より重い法定刑です。
Q3電柱 変圧器 いたずら 違法?
違法です。権限なく操作して配電を妨害すれば115条2項で2年以下の拘禁刑等、壊せば1項で5年以下。停電しなくても未遂として処罰されえます。
Q4電気事業法115条 未遂 どこまで
1項(損壊等)と2項(みだりな操作)は未遂も処罰されます(4項)。設備に手をかけ妨害に着手した段階で成立しえます。3項の未遂は処罰されません。
Q5停電させた 損害賠償 いくら
法定の金額はなく、復旧工事費・作業員の出動費・夜間割増などの実費が中心です。数百万円規模になる例もあるため、請求には明細と算定根拠を求めましょう。
Q6電気事業法115条 親告罪?
親告罪ではありません。器物損壊罪(刑法264条で親告罪)と異なり、電力会社と示談しても告訴取下げで終わらず、起訴される可能性があります。
Q7変電所 サイバー攻撃 電気事業法 適用される?
遠隔で遮断器を操作して供給を妨害した場合、115条2項の「みだりに操作」に当たりうると考えられます。不正アクセス禁止法違反も問題になりますが、先例は乏しい分野です。
Q8電気事業法115条 時効 何年
公訴時効は、1項の罪が5年、2項・3項の罪が3年です(刑事訴訟法250条2項)。犯罪行為が終わった時から進行します(同253条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1電線にクレーンが当たって停電させちゃったんですが、逮捕されますか?
故意でなければ本条の罪は成立しません。電気事業法115条は故意犯を処罰する規定で、過失を罰する定めがないからです(刑法38条1項)。ただし人身被害が出れば業務上過失致死傷罪(刑法211条)の問題になり、電力会社からの民事請求(民法709条)も残ります。実務のポイント:請求額の大部分は、作業員の出動費や夜間割増などの復旧費です。明細を求めずに払ってしまう業者は少なくありません
Q2自宅の太陽光パネルを誰かに壊されたら、これで重く処罰してもらえますか?
原則として難しいでしょう。本条の対象は「電気事業の用に供する」電気工作物で、自家消費が中心の家庭用設備は通常これに当たりません。その場合は器物損壊罪(刑法261条)と民法709条で対応します。実務のポイント:器物損壊罪は親告罪なので告訴期間は犯人を知った日から6か月です(刑事訴訟法235条)。防犯カメラ映像の保存期間と合わせて、早めに動く必要があります
間違えやすい点 AI による整理
- 「電柱の機械を壊しても、器物損壊で弁償すれば終わる」と思われがちだが、送配電を妨害すれば本条1項で5年以下の拘禁刑になり、器物損壊罪(刑法261条、3年以下)より重い。さらに器物損壊罪は親告罪で示談すれば告訴が取り下げられる余地があるが、本条は親告罪ではない。示談しても起訴されうる
- 深化型:停電が起きなければセーフだと思っている人は、未遂処罰の重さを知らない。4項により、損壊や無断操作の未遂も処罰される。設備に手をかけて止められた段階でも犯罪は成立しうる。ただし3項(従事者が業務を取り扱わない罪)には未遂処罰がない
- 視角転換型:工事業者から見れば、電線に接触して停電させた事故は「犯罪ではないから大丈夫」となる。だが電力会社から見れば、復旧作業費、停電で影響を受けた大口需要家への対応費用など、民法709条で請求できる損害の山である。刑事責任がないことと、財布が無事であることは別の話である
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は電気事業の妨害を刑法典の公共危険罪の一類型として処罰し、日本のように事業法内に専用罰則を置く構造とは異なる
韓国も刑法典で電気等の供給妨害を処罰し、公共の危険の発生を要件とする点に特徴がある
ドイツは公共の電力供給等に資する施設の妨害を公共企業妨害罪として刑法典で処罰し、未遂も処罰する
米国連邦法はエネルギー施設の破壊を損害額に応じた重い刑で処罰する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 工事現場のクレーンのブームが高圧線に接触し、周辺の約2,000世帯が停電した。もしあなたが現場責任者だったら、刑事責任を問われる? うっかりの事故なら本条は適用されない。本条は故意犯だけを処罰するからだ。代わりに電力会社から復旧費用と営業損害の請求書が届き、その額は数百万円になることもある
- 近所の変圧器から出る音がうるさいと腹を立てた住人が、電柱に登って機器を工具で叩き、ヒューズを外した。停電しなかったとしても、送配電を妨害する目的で手を出した時点で未遂罪(4項)の対象になる。「何も止まっていない」は弁解にならない
- あなたは電力会社の保守担当者で、夜間の巡視を「どうせ異常はない」と思って何度か記録だけ付けて済ませていた。その間に設備トラブルが放置され、広い範囲で停電した。正当な理由なく保守業務をしなかったことで供給に障害を生じさせれば、3項により2年以下の拘禁刑の対象になりうる
- ドローン空撮の練習中に機体が送電線に引っかかり、送電が止まった。故意がなければ本条の罪にはならないが、電力会社への賠償と航空法上の飛行ルールの問題は残る。あと30分で日が暮れる現場で慌てて機体を回収しようと鉄塔に登れば、それ自体が致命的な危険になる。触らずに電力会社へ通報するのが正解である
取るべき行動
被害を受けた側:停電で営業損害を受けた事業者は、まず停電の時間帯と売上減少を記録する。原因が第三者の故意による損壊なら、電力会社と警察の捜査で加害者が特定された後に民法709条で直接請求できる。電力会社の約款上の停電補償は限定的なことが多いので、加害者への請求ルートを先に確認する。被害届に必要な情報は電力会社の通報記録から取れる場合がある
訴えられた側:故意がなかったなら、その立証に必要な証拠を最優先で確保する(作業計画、指示記録、映像、同僚の証言)。本条は故意犯のみ処罰するので、過失であれば刑事責任は原則として生じない。故意を疑われて取調べを受けるなら、供述する前に弁護士に相談する。電力会社からの賠償請求は、損害額の明細と算定根拠を必ず確認し、保険(請負業者賠償責任保険など)の適用を保険会社に連絡する
時効(請求できる期限):公訴時効は、1項の罪(長期5年)が5年、2項・3項の罪(長期2年)が3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時(同253条)。民事の損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条は送電網という公共インフラの安定供給を保護法益とする特別刑罰規定であり、故意犯に限られる。刑法261条の器物損壊罪より法定刑が重く、親告罪でもない点で、個人財産の保護とは異なる公共的性格を持つと解される
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整理により、「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 時期要確認 保護対象の行為に「蓄電」が含まれているのは、蓄電事業を電気事業法に位置付けた改正に伴う改正とみられる。改正年と経緯は人の手で検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律整理により「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年(2025年)6月1日施行)
- 電気事業法 第2条電気事業の定義、本罪の客体範囲を画定
- 電気事業法 第38条事業用電気工作物の定義
- 電気事業法 第39条事業用電気工作物の技術基準維持義務
- 刑法 第261条器物損壊罪、一般法としての損壊処罰
- 刑法 第234条威力業務妨害罪、業務妨害の一般規定
- 電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律 第2条電気供給停止の争議行為禁止(通称 スト規制法)
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