電気事業法 第39条(事業用電気工作物の維持)
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- 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。
- 2.前項の主務省令は、次に掲げるところによらなければならない。
- 一事業用電気工作物は、人体に危害を及ぼし、又は物件に損傷を与えないようにすること。
- 二事業用電気工作物は、他の電気的設備その他の物件の機能に電気的又は磁気的な障害を与えないようにすること。
- 三事業用電気工作物の損壊により一般送配電事業者又は配電事業者の電気の供給に著しい支障を及ぼさないようにすること。
- 四事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物の損壊によりその一般送配電事業又は配電事業に係る電気の供給に著しい支障を生じないようにすること。
この条文の基本情報
事業用電気工作物の維持とは何ですか?
定義事業用電気工作物の維持とは、電気事業法第39条に定められた規定で、「事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第39条(事業用電気工作物の維持)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第39条の条文原文は「事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。」で始まります。
- 電気事業法第39条は第一款 技術基準への適合に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第39条の前の条は電気事業法第38条です。
- 電気事業法第39条の次の条は電気事業法第40条です。
- 電気事業法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第39条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/39
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法39条は、事業用電気工作物の設置者に、主務省令で定める技術基準に適合するよう設備を維持する義務を課す。完成後も続く義務で、外部委託しても設置者に残る。
Q · ビルのキュービクルの点検って、法律上の義務なの?
設置者には技術基準を守り続ける義務があり、点検はその手段です
電気事業法39条により、高圧受電設備などの事業用電気工作物を設置する者は、主務省令で定める技術基準に適合するよう設備を維持しなければなりません。完成時の検査に通れば終わりではなく、劣化や損傷を放置すると維持義務違反の状態になります。保安業務を外部委託しても、改修の判断と費用負担は設置者に残ります。不適合が認められると、40条に基づき修理や使用停止を命じられることがあります。
解説
ビルの屋上や駐車場の片隅にある灰色の金属箱、キュービクル。あれを所有した時点で、あなたは国の電気保安制度の当事者になっている。電気事業法39条は、事業用電気工作物(電力会社の設備に限らない。高圧で受電するビルや工場の受電設備、一定規模以上の太陽光発電設備も含む)を設置する者に、経済産業省令で定める技術基準に「適合するように維持する」義務を課している。鍵になるのは「維持」の一語だ。完成時の検査に通れば終わり、ではない。錆びた端子、劣化した絶縁、倒れかけたフェンスを放置した瞬間から、義務違反の状態が始まる。しかも基準が守ろうとしているのは人体と物件だけではない。2項3号・4号は、あなたの設備の故障が送配電網に飛び火し、周辺一帯を停電させる「波及事故」の防止まで対象にしている。点検を業者に任せても、義務を負うのは設置者であるあなた自身のままである。
法的な位置づけ
電気事業法39条は、事業用電気工作物の設置者に対し、主務省令(電気設備に関する技術基準を定める省令等)で定める技術基準に適合するよう設備を維持する義務を定める規定である。同条2項は、当該省令が人体への危害・物件の損傷の防止、他の設備への電気的・磁気的障害の防止、一般送配電事業者等の電気供給への著しい支障の防止を内容とすべきことを定める。
手順
- 1.自分が設置者に当たるかを確認する 電力会社との需給契約で受電電圧(高圧・特別高圧か)を確認し、太陽光などの発電設備があれば出力容量も確かめる。事業用電気工作物に当たれば39条の維持義務がかかる
- 2.保安体制を確認する 電気主任技術者を選任しているか、保安法人などへの外部委託契約があるか、保安規程が作成・届出されているかを確認する。小規模事業用電気工作物の場合は基礎情報の届出状況を確認する
- 3.点検報告書の要改修項目を改修計画にする 月次・年次点検報告書の「要改修」「経過観察」欄を洗い出し、優先順位・時期・予算を決める。対応したことも記録に残す。指摘を放置した記録は、事故後に過失の証拠になる
- 4.事故発生時は直ちに報告の要否を確認する 波及事故や感電・火災が起きたら、すぐ電気主任技術者に連絡し、電気関係報告規則による報告が必要かを判断する。必要なら24時間以内の速報を産業保安監督部へ提出し、その後詳報を準備する
よくある質問 AI による整理
Q1事業用電気工作物とは何ですか?
一般用電気工作物以外の電気工作物を指します。電力会社の設備に限らず、高圧で受電するビルや工場の受電設備、一定規模以上の発電設備も含まれます。
Q2キュービクルの点検頻度はどれくらい?
点検の頻度や方法は保安規程で定めます。外部委託の場合は月次点検と年次点検の組み合わせが一般的ですが、設備の条件によって頻度が変わります。
Q3電気事業法の技術基準とは何の省令ですか?
主に「電気設備に関する技術基準を定める省令」を指します。発電設備には、太陽電池設備など設備の種類ごとに別の技術基準省令が定められています。
Q4波及事故とは何ですか?
需要家の設備の故障が送配電網に広がり、周辺一帯を停電させる事故です。39条2項3号・4号は、この供給支障の防止を技術基準の柱としています。
Q5中古の太陽光発電所を買ったら、維持義務は誰にありますか?
39条の義務を負うのは「設置する者」、つまり現在の所有者です。前の所有者の時代から続く劣化であっても、購入後の是正は買主の責任になります。
Q6マンションの高圧受電設備の設置者は誰ですか?
一般的には設備を所有する管理組合が設置者になります。ただし受電方式や契約形態によって異なるため、保安規程や電力需給契約を確認してください。
Q7電気事故の報告はいつまでに必要?
電気関係報告規則により、事故の発生を知った時から24時間以内の速報と、30日以内の詳報が求められます(最新の改正状況をご確認ください)。
Q8技術基準の「解釈」に書いていない方法は違法?
違法とは限りません。省令は性能規定で、解釈は適合方法の一例です。十分な技術的根拠があれば、解釈にない方法でも適合と判断されることがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1うちのビル、毎月保安協会に点検代を払ってるんですけど、それで責任はゼロになりますか?
なりません。39条の維持義務を負うのは設置者であり、外部委託は主任技術者の選任(43条)を代わりに行う制度にすぎません。点検者が不具合を指摘しても、改修するかどうかを決め、費用を出すのは設置者です。実務のポイント:点検報告書の「要改修」「経過観察」の欄を何年も放置している設置者は多い。事故後の調査では、指摘を受けていたのに直さなかった記録が、設置者の過失を裏付ける強い証拠になる
Q250kW 未満の太陽光なら届出も点検もいらないって聞いたんですけど?
2023年3月施行の改正以降、10kW 以上50kW 未満の太陽光は小規模事業用電気工作物として事業用電気工作物に含まれ、39条の技術基準維持義務と基礎情報の届出義務がかかります。主任技術者の選任や保安規程の届出は不要でも、基準を守る義務はなくなりません。実務のポイント:古い販売資料の「低圧なので手続不要」は改正前の話。中古案件の売り文句をそのまま信じないこと(最新の改正状況をご確認ください)
Q3技術基準に違反したら、すぐ罰金になるんですか?
39条違反そのものに直接の罰則はありません。経済産業大臣は技術基準に適合していないと認めると、修理、改造、移転、使用の一時停止や制限を命じることができ(40条)、その命令に従わないと罰則の対象になります。実務のポイント:本当に怖いのは罰金より使用停止命令である。工場なら生産ライン、発電所なら売電収入がその日から止まる。命令が出る前に自主是正を示せるかどうかが分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「点検を保安法人や電気管理技術者に外部委託したから、責任も委託先に移った」と考えるのは誤りである。外部委託は主任技術者の選任を代わりに行う仕組みにすぎず、39条の維持義務を負うのは引き続き設置者である。改修の判断と費用負担も設置者に残る
- 「うちは電力会社ではないから電気事業法は関係ない」という問い自体が外れている。法律名に「事業」とあるが、規律の対象は電気を売る者に限らない。高圧で電気を買って使うビルや工場、自家発電をする者も事業用電気工作物の設置者になる
- 現場の担当者は「技術基準の解釈に書いてある仕様どおりなら安全、書いていなければ違法」と考えがちである。法律の見方は違う。省令(電気設備に関する技術基準を定める省令)は性能規定で、解釈は適合方法の一例にすぎない。解釈にない方法でも十分な技術的根拠があれば適合と判断されうる一方、解釈どおりに作った設備でも維持を怠れば不適合になる。この差を知らないと、設計の自由も維持の責任も見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 名宛人 | 39条:事業用電気工作物を設置する者 | 40条:経済産業大臣が事業用電気工作物の設置者に命じる 56条:経済産業大臣が一般用電気工作物の所有者・占有者に命じる |
| 規定の性質 | 技術基準に適合するよう維持し続ける義務 | 不適合時の修理・改造・移転・使用停止等の命令 一般用電気工作物の不適合時の修理等の命令 |
| 違反の効果 | 条文自体に直接の罰則なし | 命令に従わない場合は罰則の対象 命令に従わない場合は罰則の対象となりうる(罰則規定を要確認) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も電業法と用電設備に関する規則で設備の安全を規律するが、日本の「自主保安+主任技術者」型とは制度設計が異なる。条文単位の対応は要確認
韓国は電気安全管理を電気事業法から独立した法律で規律し、電気安全管理者の選任などを定める
ドイツはエネルギー設備に技術的安全の確保と一般に承認された技術規則の遵守を求め、民間規格(VDE)が実質的な基準を担う
米国は連邦法ではなく民間のモデルコードを各州・各規制当局が採用する方式で、管轄によって適用が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した実家の隣に、父が投資で建てた40kW の野立て太陽光がついてきた。2023年3月施行の改正以降、10kW 以上50kW 未満の太陽光は「小規模事業用電気工作物」として事業用電気工作物に含まれ、技術基準の維持義務と基礎情報の届出義務がかかる(最新の改正状況をご確認ください)。雑草が伸び放題のパネル周りは、もう放っておいてよい資産ではない
- もしテナントビルのキュービクルが台風の浸水で地絡を起こし、近隣の数百戸が停電したら、どうなる? 事故報告の義務に加えて、近隣の店舗から営業損失を請求される可能性がある。点検記録がきちんと残っているかどうかが、過失の有無を争うときの最初の材料になる
- あなたは工場の設備担当で、予算削減のために年次点検の停電作業を一年見送った。その年、絶縁劣化から火災が起きた。保安規程どおりに点検していなかった事実は、行政の調査でも民事の損害賠償でも真っ先に指摘される
- 受電設備の事故で隣のビルまで停電させた。事故を知った時から24時間以内に速報が必要になる。今夜中に電気主任技術者をつかまえなければ間に合わない
- 中古の太陽光発電所を「利回り10%」と聞いて購入した。前の所有者の時代から、架台の錆とケーブルの垂れ下がりが放置されていた。技術基準を維持する義務は「設置する者」、つまり今の持ち主であるあなたに移っている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣設備の事故で停電や機器損傷の被害を受けたら、停電時刻、損傷した機器の写真、営業損失の記録をその日のうちに残す2. 一般送配電事業者に停電原因を問い合わせ、他者の設備から波及した事故かどうかを確認する3. 原因設備の設置者に対し、民法709条・717条を根拠に書面で損害賠償を請求する4. 自社の火災保険や店舗総合保険の補償範囲もあわせて確認する
訴えられた側:1. 事故や不具合を把握したら、すぐ電気主任技術者に連絡し、電気関係報告規則による報告が必要かを確認する2. 保安規程、月次・年次点検の記録、改修提案への対応履歴を整理する。指摘を受けて是正していた記録が、過失を否定する柱になる3. 産業保安監督部の調査には、是正計画を添えて誠実に応じる4. 被害者と交渉する前に、施設賠償責任保険が使えるかを確認する
時効(請求できる期限):39条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。設備事故による不法行為の損害賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年、民法724条、724条の2)。事故報告は、電気関係報告規則により事故の発生を知った時から24時間以内の速報と30日以内の詳報が求められる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)改正(エネルギー供給強靱化法、令和4年4月施行) 配電事業制度の創設に伴い、2項の供給支障防止の対象に配電事業者・配電事業が加えられたとみられる。改正回数と文言変更の詳細は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法の制定により、事業用電気工作物の技術基準適合維持義務が定められた
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