電気事業法 第15条(事業の許可の取消し等)
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- 経済産業大臣は、一般送配電事業者が第七条第一項の規定により指定した期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間。次条第一項において同じ。)内に事業を開始しないときは、第三条の許可を取り消すことができる。
- 2.経済産業大臣は、前項に規定する場合を除くほか、一般送配電事業者がこの法律又はこの法律に基づく命令の規定に違反した場合において、公共の利益を阻害すると認めるときは、第三条の許可を取り消すことができる。
- 3.経済産業大臣は、前二項の規定による許可の取消しをしたときは、理由を記載した文書をその一般送配電事業者に送付しなければならない。
この条文の基本情報
事業の許可の取消し等とは何ですか?
定義事業の許可の取消し等とは、電気事業法第15条に定められた規定で、「経済産業大臣は、一般送配電事業者が第七条第一項の規定により指定した期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第15条(事業の許可の取消し等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第15条の条文原文は「経済産業大臣は、一般送配電事業者が第七条第一項の規定により指定した期間(同条第三項の規定による延長があつたときは、延長後の期間。」で始まります。
- 電気事業法第15条は第一款 事業の許可に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第15条の前の条は電気事業法第14条です。
- 電気事業法第15条の次の条は電気事業法第16条です。
- 電気事業法第15条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第15条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第15条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/15
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法15条は、一般送配電事業者が指定期間内に事業を開始しないとき、または法令違反で公共の利益を阻害すると認めるとき、経済産業大臣が許可を取り消せると定める。
Q · 送配電会社が法律違反をしたら、許可は取り消されるの?
違反だけでは足りず、公益阻害の認定と大臣の裁量判断が必要
電気事業法15条2項によれば、一般送配電事業者が同法またはこれに基づく命令に違反しただけでは許可は取り消されません。経済産業大臣が「公共の利益を阻害する」と認めることが必要で、しかも「取り消すことができる」という裁量規定です。一方、1項の指定期間内に事業を開始しない場合には公益要件がありません。取り消したときは、理由を記載した文書を事業者へ送付しなければなりません(3項)。
解説
あなたの家の電線と電柱を管理する会社は、全国で10社しかない。東京電力パワーグリッド、関西電力送配電など、地域ごとに独占が認められた「一般送配電事業者」である。独占の見返りに国は首輪を一本付けた。それが本条の許可取消しである。取り消せる場面は二つに分かれる。1項は、許可を受けたのに指定された期間内に事業を始めない場合で、違反の重さや公益への影響を問わず取消しができる。2項は、電気事業法やそれに基づく命令に違反し、かつ大臣が「公共の利益を阻害する」と認めた場合で、要件が二重に絞られている。3項は、取り消したときは理由を書いた文書を送らなければならないと定める。ここで見落とされがちな点がある。送配電網を担う会社の許可を本当に取り消せば、その地域の電気が止まりかねない。そのため実務では、取消しは「抜かれないことに意味がある刀」として後ろに控え、表に出るのは業務改善命令などの段階的な措置である。2023年に送配電会社による新電力の顧客情報の不正閲覧が発覚したときも、発動されたのは取消しではなく業務改善命令だった。この構造が分かっていれば、ニュースの「行政処分」という見出しを見て、それがどの段の処分なのかを読み分けられる。
法的な位置づけ
電気事業法15条は、一般送配電事業の許可の取消しを定める規定である。経済産業大臣は、事業者が7条1項で指定された期間内に事業を開始しない場合、または同法もしくは同法に基づく命令に違反し公共の利益を阻害すると認める場合に、3条の許可を取り消すことができ、取消し時は理由を記載した文書を送付しなければならない。
よくある質問 AI による整理
Q1一般送配電事業者とは?
地域の送電線・配電線を維持運用し、電気を需要家まで届ける事業者です。電気事業法3条の許可を受け、地域ごとに事業を担います。
Q2電気事業法15条の許可取消しの要件は?
1項は指定期間内に事業を開始しないこと、2項は法令違反に加え大臣が公共の利益を阻害すると認めることです。いずれも裁量規定です。
Q3事業開始期間を過ぎたらすぐ取り消される?
取消しは「できる」規定で自動ではありません。ただし期間は7条3項で延長されうるため、間に合わない場合は期間内の延長申請が重要です。
Q4許可取消しの前に聴聞はある?
許可の取消しは不利益処分にあたり、行政手続法13条により原則として聴聞が必要です。事業者は意見を述べ、証拠を提出できます。
Q5許可取消しに不服があるときはどうする?
審査請求(処分を知った日の翌日から3か月以内)または取消訴訟(知った日から6か月以内)で争えます。執行停止の申立ても検討します。
Q6送配電会社による顧客情報の不正閲覧は違法?
一般送配電事業者には、業務で得た情報の目的外利用などを禁じる行為規制が電気事業法上課されています。違反は行政処分の対象になります。
Q7取消しの「理由を記載した文書」とは?
15条3項により、大臣が許可を取り消したときに事業者へ送る書面です。どの事実がどの要件に当たるかが示され、争う際の出発点になります。
Q8送配電会社を自分で選ぶことはできる?
できません。小売の電力会社は選べても、電線を管理する送配電会社は地域ごとに決まっています。だからこそ国が許可で規律しています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1情報流出とか不正閲覧とか、あれだけ不祥事があったのに、なんで許可は取り消されないんですか?
本条2項は、法令違反に加えて「公共の利益を阻害する」という大臣の認定を要件としており、しかも「取り消すことができる」という裁量規定です。送配電会社は地域で唯一の送電網の担い手で、取り消せば電気の供給そのものが危うくなります。実務のポイント:だからこそ当局は、取消しを最後に残し、業務改善命令や報告徴収といった手前の手段で締め上げます。処分の重さを見るなら、取消しの有無ではなく改善命令の具体的な中身と、その後の履行報告を追ったほうがよい
Q2許可が取り消されたら、うちの家の電気は止まっちゃうんですか?
制度上、取消しと同時に送配電網が放置されることは想定されていません。ただし本条自体は取消しの要件を定めるだけで、その後の承継の手順まで書き込んではいません。実務のポイント:取消しが「抜かれない刀」と言われる最大の理由がここにあります。代わりに網を引き受ける主体を用意できない限り、取消しは消費者を巻き込む自爆技になる。だからこそ当局の実際の矛先は、経営陣の刷新や組織分離の徹底といった、網を止めずに中身を入れ替える方向へ向かう
間違えやすい点 AI による整理
- 「法令違反があれば許可は取り消される」と考えがちだが、2項はそう書いていない。法令違反に加え、大臣が「公共の利益を阻害する」と認めることが必要で、しかも「取り消すことができる」という裁量規定である。違反と取消しの間には、二つの関門と大臣の判断が挟まっている
- 1項と2項を同じ重さだと思っていると読み違える。2項には公益阻害の要件があるが、1項の「期間内に事業を開始しない」には公益要件がない。違反の悪質性ではなく、事業を始めなかったという事実だけで発動できる。軽そうに見える1項のほうが、要件の上ではむしろ発動しやすい
- 消費者から見れば、送配電会社の不祥事は「電力会社の問題」にすぎない。だが法律から見れば、送配電会社は小売の電力会社とは別の許可を持つ独占事業者であり、規律の水準もまったく違う。あなたがどの新電力と契約していても、電線の会社は選べない。その事実こそが、本条の首輪が存在する理由である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の段階 | 15条:許可の取消し(事後の退場措置) | 3条:一般送配電事業の許可(入口の参入規制) 7条:事業開始期間の指定と延長(許可後の義務) |
| 主体・判断 | 経済産業大臣が要件充足時に裁量で取り消す | 経済産業大臣が申請を審査して許可する 経済産業大臣が期間を指定し、申請により延長しうる |
| 相互の関係 | 1項は7条の期間徒過を、2項は法令違反を取消事由とする | 15条による取消しの対象となる許可 15条1項の取消事由の前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は輸配電業を国営の台湾電力が担う構造で、事業許可と執照の管理を経済部が行う。日本のような地域別の複数事業者体制とは異なる
韓国も電気事業の許可取消し・事業停止を定め、事業不開始や法令違反を事由とする点で日本と類似する
ドイツは配電網運営に許可を要し、許可の撤回は一般行政手続法の撤回規定と分野法の組合せで規律される
米国では州の公益事業委員会が事業認可を所管し、取消しは州法により異なる。実務では罰金や改善命令が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 送配電会社の社員が、新電力の顧客情報を自社グループの小売部門に流していた。こうした事態が起きたら、許可そのものが取り消されることはあるのか? 2項の要件上は理論的にありうる。ただし、法令違反に加えて「公共の利益を阻害する」という大臣の認定が必要で、地域の電気を止めるわけにはいかないという現実が、その判断を極めて慎重にさせる
- あなたは新電力の経営者で、送配電会社が競合する自社グループの小売部門を優遇しているのではと疑っている。取消しを求めるより先に、電力・ガス取引監視等委員会への情報提供が現実的な一手になる。2項の「法令違反」を根拠づける材料を積み上げることが、最終的には本条の発動可能性を背負った交渉力になる
- 送配電会社のコンプライアンス担当として、社内調査で情報の目的外利用の痕跡を見つけた。公表と当局への報告まで、残された時間は数日。隠蔽が後から発覚すれば、違反は「一過性のミス」から「組織的な公益阻害」へと評価が一段上がる
- 許可を得たのに、指定された期間内に事業を始められなかった。1項の取消しに公益要件はない。延長申請をしなかったら、それで終わりである
取るべき行動
被害を受けた側:1. 新電力事業者や需要家として被害を受けたら、送配電会社とのやり取りをメール、議事録、接続検討の回答書で時系列に保存する2. 情報の目的外利用や差別的な取扱いが疑われる場合は、電力・ガス取引監視等委員会へ具体的事実を添えて情報提供する3. 損害が生じていれば、行政処分とは別に民法709条による損害賠償を検討する4. 取消しは大臣の裁量であり、第三者が求めて発動させる仕組みではない。現実的な狙いは、改善命令と再発防止策の実効性にある
訴えられた側:1. 違反の兆候を把握したら、社内調査、当局への報告、公表の順序と期限を早期に決める2. 許可取消しは不利益処分として、行政手続法上の聴聞を経るのが原則であり、聴聞では違反の程度と「公共の利益の阻害」の有無が争点になる3. 3項の理由記載文書と行政手続法上の理由提示を精査し、事実誤認や裁量の逸脱がないか確認する4. 処分に不服があれば、審査請求または取消訴訟を検討し、執行停止の申立ても並行して視野に入れる
時効(請求できる期限):取消処分に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)。いずれも処分の日から1年を経過すると原則として請求・提訴できない。1項の事業開始期間は、7条1項により大臣が指定し、同条3項により延長されうる(延長申請は期間内に行う必要がある。最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:本条の「取消し」は、適法に成立した許可を事後の事情により将来に向かって失効させるもので、講学上の撤回にあたる。2項の発動には法令違反と公益阻害の双方が必要で、比例原則による裁量統制が及ぶ。
改正沿革 AI による整理
- 平成26年(2014年)改正(電力システム改革第2弾、平成28年(2016年)4月施行) 小売全面自由化に伴い事業類型が再編され、「一般送配電事業者」の許可制度が整備された。本条も同改正による再編を経て現行の形になったとみられるが、旧規定からの改正か新設かの区別と細部の文言の変遷は、人による検証が必要
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法制定。事業許可とその取消しの枠組みが置かれた(当時の事業類型・条文構成は現行と異なる)
- 2.平成26年(2014年) 改正:電力システム改革第2弾の改正(平成28年(2016年)4月施行)で事業類型が再編され、一般送配電事業者の許可制度が整備された。本条の文言変遷の細部は要検証
- 電気事業法 第3条一般送配電事業の許可、取消しの対象
- 電気事業法 第7条事業開始期間の指定と延長、1項取消しの前提
- 電気事業法 第23条送配電事業者の禁止行為、2項違反の典型(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条許可取消しに先立つ聴聞手続
- 行政手続法 第14条不利益処分の理由提示、3項と重なる要請
- 行政事件訴訟法 第14条取消処分を争う取消訴訟の出訴期間
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