電気事業法 第16条
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- 経済産業大臣は、第八条第一項の許可を受けた一般送配電事業者が同条第二項において準用する第七条第一項の規定により指定した期間内にその増加する供給区域において事業を開始しないときは、その許可を取り消すことができる。
- 2.経済産業大臣は、一般送配電事業者がその供給区域の一部において一般送配電事業を行つていない場合において、公共の利益を阻害すると認めるときは、その一部について供給区域を減少することができる。
- 3.前条第三項の規定は、前二項の場合に準用する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第16条は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第16条の条文原文は「経済産業大臣は、第八条第一項の許可を受けた一般送配電事業者が同条第二項において準用する第七条第一項の規定により指定した期間内にその増加する供給区域において事業を…」で始まります。
- 電気事業法第16条は第一款 事業の許可に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第16条の前の条は電気事業法第15条です。
- 電気事業法第16条の次の条は電気事業法第17条です。
- 電気事業法第16条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第16条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第16条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/16
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法16条により、経済産業大臣は、指定期間内に増加区域で事業を開始しない一般送配電事業者の許可を取り消し、事業未実施で公共の利益を阻害する区域を減少できる。
Q · 送配電会社の供給区域って、一度決まったらずっとその会社のものなの?
いいえ。始めない・使わない区域は大臣が取消しや減少をできる
電気事業法16条1項により、経済産業大臣は、供給区域を増やす許可(8条1項)を受けた一般送配電事業者が、指定期間内に増加区域で事業を開始しないときはその許可を取り消すことができます。2項では、区域の一部で事業を行っておらず、公共の利益を阻害すると認めるときは、その部分の区域を減少できます。ただし、いずれも「できる」規定であり、発動するかどうかは大臣の裁量に委ねられています。住民や自治体に発動を請求する権利はありません。
解説
電力の「縄張り」は、地図に線を引けば永久に保証されるものではない。東京電力パワーグリッドや関西電力送配電のような一般送配電事業者(電線網を持ち、地域の電気を運ぶ会社。電気を売る小売電気事業者とは別の存在)は、供給区域を広げるときに経済産業大臣の許可を受け(8条1項)、大臣が指定した期間内に新しい区域で事業を始めなければならない。本条1項は、その期間内に事業を始めなければ、増加の許可を取り消すことができると定める。2項はさらに踏み込む。許可済みの区域のうち一部で実際には事業をしておらず、それが公共の利益を阻害すると大臣が認めれば、その部分を区域から外すことができる。つまり、線だけ引いて電線を延ばさない囲い込みは、法律上いつまでも守られる構造にはなっていない。自治体の担当者、団地の開発業者、地域マイクログリッドを構想する事業者であれば、送配電会社の「そこは弊社の区域ですので」という一言の背後に、この条文があることを知っておく価値がある。ただし、どちらも「できる」規定で、発動するかどうかは大臣の裁量に委ねられている。
法的な位置づけ
電気事業法16条は、一般送配電事業者の供給区域に関する監督規定である。経済産業大臣は、区域増加の許可を受けた事業者が指定期間内に増加区域で事業を開始しない場合には当該許可を取り消すことができ、区域の一部で事業を行わず公共の利益を阻害すると認める場合には当該部分の供給区域を減少させることができる。
手順
- 1.対象地の供給区域と許可状況を確認 対象地がどの一般送配電事業者の供給区域に属するか、区域増加の許可を受けた時期と、大臣が指定した事業開始期間を所管の経済産業局に確認する
- 2.事業未実施の実態を書面で記録 供給申込みへの回答、配電線延伸計画の有無、協議の経過などを日付入りで書面化し、区域の一部で事業が行われていない事実を客観的に示せるようにする
- 3.代わりの担い手と計画を整理 配電事業者や地域マイクログリッドなど、代わりにその地域を担える主体の有無と具体的な事業計画を整理し、公共の利益の比較材料を用意する
- 4.所管官庁へ相談・情報提供 経済産業局や電力・ガス取引監視等委員会に、整理した実態と代替案を示して相談する。本条は大臣の裁量規定であり請求権はない点を前提に、供給義務の観点からの指導も含めて働きかける
よくある質問 AI による整理
Q1一般送配電事業者の供給区域とは?
一般送配電事業者が電線網を維持し、託送供給などを担う地理的範囲です。電気事業法の許可により定められ、区域ごとに原則1社が電線網を担います。
Q2供給区域を増やすには何が必要?
電気事業法8条1項の経済産業大臣の許可が必要です。許可の際には事業開始の期間が指定され、その期間内に増加区域で事業を始める必要があります。
Q3指定期間内に事業を始めないとどうなる?
電気事業法16条1項により、経済産業大臣は区域増加の許可を取り消すことができます。ただし取消しは義務ではなく、大臣の裁量に委ねられています。
Q4供給区域の減少はどんなときにできる?
区域の一部で一般送配電事業を行っておらず、それが公共の利益を阻害すると大臣が認めるときです(16条2項)。二つの要件がそろう必要があります。
Q5住民が区域減少を請求できる?
本条は大臣の権限を定めた規定で、住民や自治体に発動を請求する権利を与えるものではありません。経済産業局への相談や情報提供という形で働きかけることになります。
Q6区域の取消しや減少は違法になることがある?
要件を欠く処分や裁量の逸脱・濫用があれば違法となりえます。不服がある場合は審査請求や取消訴訟で争う道があります。
Q7区域増加許可の取消しに聴聞はある?
許可の取消しは行政手続法13条1項1号イの聴聞の対象となりえます。電気事業法上の手続特則の有無は、最新の条文で確認が必要です。
Q8取消処分に不服があるときの期限は?
審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内が原則です(行審法18条、行訴法14条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1地元の送配電会社が区域を取り上げられることって、本当にあるんですか?
条文上はありうる。本条1項は区域増加の許可の取消し、2項は区域の一部の減少を定め、事業全体の許可の取消しは15条が扱う。いずれも「できる」規定で、大臣の裁量に委ねられている。実務のポイント:公表された発動例はほとんど見当たらない。実務では「抜かれない刀」として、行政指導や協議の場の背後で効いている。だからこそ、協議の場で条文を静かに示すだけで相手の姿勢が変わることがある
Q2区域が減らされたら、その地域の家は停電するんですか?
直ちに停電を意味するものではない。2項の前提は、その事業者が区域の一部で「事業を行っていない」ことであり、もともとその事業者の電線網が使われていない場所が対象になる。実務のポイント:行政が区域減少に踏み切るには、代わりに誰がその地域を担うかという答えが必要になる。担い手の候補を示さずに減少だけを求めても、行政は動きにくい
間違えやすい点 AI による整理
- 「電力会社は自由に選べるのだから、供給区域なんて自分には関係ない」という問いの立て方そのものがずれている。電力自由化で選べるようになったのは小売電気事業者であり、電線網は区域ごとに一般送配電事業者1社が担う。区域の線引きは、あなたの家まで誰が電線を延ばす責任を負うかを決める線である
- 送配電会社から見れば、許可を得た区域は守るべき資産である。法律から見れば、区域は事業を行う義務とセットになった枠であり、使われていない部分は削られうる。ただし本条は大臣の権限を定めた「できる」規定で、住民や自治体に発動を請求する権利を与えるものではない。公表された発動事例もほとんど見当たらない。この温度差を知らずに「条文があるのだから取り上げられるはずだ」と迫ると、交渉は空振りする
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる処分 | 16条:区域増加許可の取消し(1項)・供給区域の一部減少(2項) | 15条:一般送配電事業の許可そのものの取消し等 8条:供給区域の変更(増加等)の許可 |
| 発動の場面 | 指定期間内に増加区域で事業を開始しない/区域の一部で事業を行わず公共の利益を阻害 | 事業者の義務違反などを理由とする事業全体への監督 事業者の申請に基づき区域を変更する場面 |
| 効果の範囲 | 増加した区域または未実施の一部区域に限定 | 事業許可全体に及びうる 区域の拡大(7条1項準用で開始期間を指定) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は台湾電力が全国の送配電を一元的に担うため、日本のような地域別供給区域の取消し・減少という論点はほとんど生じない
中国も供電営業区を行政が画定し、1つの営業区に1つの供電企業を置く地域独占の構造をとる
ドイツは自治体が配電網のコンセッションを期間付きで付与し、期間満了ごとに競争的に再選定する仕組みで区域の固定化を防ぐ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 山間部の分譲地で開発許可は取れたのに、送配電会社から「区域内ではあるが、配電線の延伸計画は未定」と言われ続けたら、どうなるか。まずは供給義務の観点から経済産業局に相談するのが現実的な順序である。それでも区域の一部が事業未実施のまま放置され、公共の利益を阻害していると言える状態なら、本条2項の区域減少が論点になる
- あなたは送配電会社の設備計画担当である。供給区域を増やす許可は取れたが、資材不足で工事が遅れ、大臣が指定した事業開始期間の期限まで残り3か月になった。期限を過ぎてから説明するのでは遅い。今のうちに工程表と遅延理由を文書にまとめ、所管の経済産業局と協議を始める必要がある(期間延長の規定がどこまで準用されるかは要確認)
- 自治体の地域エネルギー担当者が、送配電会社の「区域内なので」という一言で協議を打ち切られた。区域が永久の既得権ではないと知っていれば、次の会議でする質問は変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 対象地がどの一般送配電事業者の供給区域か、区域増加の許可時期と指定期間を所管の経済産業局に確認する2. 申込みへの回答や延伸計画の有無など、事業が行われていない実態を書面で記録する3. 代わりの担い手の有無と計画を整理する4. 経済産業局や電力・ガス取引監視等委員会に相談し、供給義務の観点からの指導や本条の運用を求める。本条は大臣の権限規定であり、発動を請求する権利があるわけではない点を前提に交渉を組み立てる
訴えられた側:1. 指定期間内の事業開始が危ういと分かった時点で、工程と理由を文書化し、所管官庁と早めに協議する2. 区域内で事業を行っていない部分を洗い出し、延伸計画や代替措置を説明できる状態にしておく3. 許可の取消しは行政手続法上の聴聞(13条1項1号イ)の対象となりうるため、意見と証拠を準備する(電気事業法上の手続特則の有無は要確認) 4. 処分に不服があれば、審査請求または取消訴訟を検討する
時効(請求できる期限):本条自体に時効はない。1項の発動の基準日は、事業開始の指定期間(8条2項で準用する7条1項)の経過である。処分に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条1項)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条1項)(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法(昭和39年法律第170号)制定。電気事業者の供給区域と事業許可に関する監督の枠組みが整えられた
- 2.平成26年(2014年) 改正:電力システム改革に伴う改正で一般送配電事業者の類型が設けられ(2016年施行)、本条も一般送配電事業者の供給区域を対象とする規定として整理された
- 電気事業法 第3条一般送配電事業の許可の根拠
- 電気事業法 第7条事業開始期間の指定と開始義務
- 電気事業法 第8条供給区域変更の許可、本条1項の前提
- 電気事業法 第15条許可の取消し等、3項が本条に準用
- 電気事業法 第17条託送供給義務、区域内の供給責任
- 行政手続法 第13条許可取消し時の聴聞手続
- 行政事件訴訟法 第14条取消・減少処分を争う出訴期間
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