電気事業法 第27条の14(託送供給義務)
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特定送配電事業者は、小売電気事業者、一般送配電事業者又は配電事業者にその小売電気事業、一般送配電事業又は配電事業の用に供するための電気に係る託送供給を行うことを約しているときは、正当な理由がなければ、託送供給を拒んではならない。
この条文の基本情報
託送供給義務とは何ですか?
定義託送供給義務とは、電気事業法第27条の14に定められた規定で、「特定送配電事業者は、小売電気事業者、一般送配電事業者又は配電事業者にその小売電気事業、一般送配電事業又は配電事業の用に供するための電気に係る託送供給を行うことを…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第27条の14(託送供給義務)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第27条の14の条文原文は「特定送配電事業者は、小売電気事業者、一般送配電事業者又は配電事業者にその小売電気事業、一般送配電事業又は配電事業の用に供するための電気に係る託送供給を行うことを…」で始まります。
- 電気事業法第27条の14は第四節 特定送配電事業に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第27条の14の前の条は電気事業法第27条の13です。
- 電気事業法第27条の14の次の条は電気事業法第27条の15です。
- 電気事業法第27条の14には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の14 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の14(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/27_14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法27条の33は、特定送配電事業者が託送供給を約しているときは、正当な理由がなければ拒めないと定める。約束前の新規申込みには適用されない。
Q · 街区の電線を持つ会社に託送を断られたら、法律で何か言える?
託送を約束済みなら、正当な理由なく断れません
電気事業法27条の33により、特定送配電事業者は、小売電気事業者・一般送配電事業者・配電事業者に託送供給を約しているときは、正当な理由がなければ託送供給を拒めません。正当な理由としては設備容量の不足、保安上の支障、託送料金の不払いなどが考えられますが、判断は事案ごとです。一方、まだ託送を約束していない段階の申込みには本条は及ばないため、契約締結の順番が重要になります。
解説
電気の世界には「線を持つ者」と「電気を売る者」がいる。2016年(平成28年)の小売全面自由化で、この二つは法律上はっきり分けられた。大規模再開発の街区や工業団地で、デベロッパー系の会社などが自前の電線網を張り、経済産業大臣への届出をして運営する形態がある。これが「特定送配電事業者」(地域の大手電力会社とは別に、限られたエリアだけで電線網を運営する事業者)である。本条によれば、この事業者が小売電気事業者などに「あなたの電気をうちの線で届ける」(託送供給)と約束したときは、正当な理由がなければ拒めない。見落とされやすいのは、義務が生まれる条件が「約しているとき」に絞られている点だ。大手の一般送配電事業者は17条により、約束の有無にかかわらず原則として託送を断れない。一方、特定送配電事業者の義務は契約が先にあって初めて生まれる。だから勝負は契約を結ぶ段階で決まる。約束を取り付けた側は、拒まれても「正当な理由を示せ」と迫れる。取り付けていない側は、本条を盾にできない。
法的な位置づけ
電気事業法第27条の33は、特定送配電事業者の託送供給義務を定める規定である。特定送配電事業者が小売電気事業者、一般送配電事業者または配電事業者に対し、各事業の用に供する電気の託送供給を約している場合、正当な理由がない限り、その託送供給を拒むことを禁止する。義務の発生は約定の存在を要件とする。
手順
- 1.相手の事業類型を確認する 電線網の所有者が一般送配電事業者か特定送配電事業者かを、資源エネルギー庁の公表一覧で確認する。どちらかによって、使える条文(17条か27条の33か)が変わる
- 2.顧客獲得より先に託送供給契約を結ぶ 需要家との小売契約より先に、特定送配電事業者との託送供給契約を書面で締結する。これで本条の「約しているとき」の要件を満たした状態になる
- 3.拒否・遅延の理由を書面で求める 託送の停止や遅延を告げられたら、設備容量・保安上の支障など技術的根拠を付した書面回答を求める。口頭や曖昧な説明のまま引き下がらない
- 4.監視等委員会へ相談する 回答が不十分な場合、協議の経緯を時系列で整理し、電力・ガス取引監視等委員会に相談する。損害が出ていれば、並行して弁護士と損害賠償の可否を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1託送供給とは何ですか?
小売電気事業者などが調達した電気を、送配電事業者が自らの電線網を使って需要家のもとまで届けるサービスです。電気事業法2条で定義されています。
Q2特定送配電事業者の一覧はどこで確認できますか?
資源エネルギー庁のウェブサイトで、届出を行った特定送配電事業者の一覧が公表されています。交渉前に相手の事業類型を確認するのが第一歩です。
Q3託送を拒否されたらどこに相談できますか?
電力・ガス取引監視等委員会が相談窓口になります。託送を約した書面と、拒否の経緯の記録をそろえてから相談すると話が早く進みます。
Q4特定送配電事業者の託送拒否は違法ですか?
託送供給を約している場合に、正当な理由なく拒否すれば電気事業法27条の33違反となります。約束がない段階の拒否は本条の対象外です。
Q5託送手続の遅延も拒否にあたりますか?
条文に明記はありませんが、合理的な理由なく手続を引き延ばし続ければ、実質的な拒否と評価される可能性があります。遅延の理由は書面で確認しておきましょう。
Q6配電事業者とは何ですか?
特定の区域で配電網を運営し託送供給を行う事業者で、2020年の電気事業法改正で創設された類型です。本条の託送の相手方の一つに含まれます。
Q7託送供給契約で確認すべき点は?
供給開始日、供給地点、契約容量、料金、停止・解除の条件と事由です。停止事由が曖昧な契約は、後に「正当な理由」をめぐる争いの火種になります。
Q8本条に違反するとどうなりますか?
経済産業大臣による命令などの行政対応を受けるおそれがあるほか、契約違反として民法415条に基づく損害賠償請求を受ける可能性があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1特定送配電事業者って、そもそも普通の電力会社と何が違うんですか?
地域全体に電線網を張る一般送配電事業者と違い、限られたエリアで自前の電線網を運営し、届出によって事業を行う者です。一般送配電事業者には17条で広い託送義務がありますが、特定送配電事業者の託送義務は本条により「約しているとき」に限られます。実務のポイント:相手がどちらの事業者かで交渉の前提が根本から変わる。最初に相手の事業類型を確認しない営業担当は、本来使えない条文を振りかざして信用を落とす
Q2『正当な理由』って、具体的にどんな場合なら断られても仕方ないんですか?
一般に、設備容量が足りない、保安上の支障がある、託送料金の不払いがある、といった客観的な事情が想定されます。ただし本条は具体例を挙げておらず、どこまで認めるかは事案ごとの判断で、実務上も解釈が分かれる部分があります。実務のポイント:理由を「運用上の都合」程度の一言で済ませる相手には、数値根拠を出させるだけで態度が変わることが多い。根拠を出せない拒否は、規制当局から見ても弱い
Q3まだ託送の契約をしてない段階で断られたら、もう打つ手はないんですか?
本条は使えませんが、手が尽きたわけではありません。グループ会社だけを優遇し、他社を不当に締め出しているような場合には、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律19条(不公正な取引方法)の問題になる余地があります。実務のポイント:公正取引委員会と経済産業省は電力取引について共同で指針を出している。本条が届かない場面では、こちらの土俵に持ち込めるかが分かれ目になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「送配電網は公共インフラだから、誰が頼んでも託送してもらえる」と考えがちだが、その一般的な義務を負うのは17条の一般送配電事業者である。特定送配電事業者に対する本条の義務は、託送を約束した後に初めて生まれる。新規の申込みを当然に受けさせる条文として読むと、交渉の立て方そのものを誤る
- 拒否の禁止が明文化されていることは知っていても、「正当な理由」の中身が個別判断であることの重さは見過ごされやすい。設備容量の限界、保安上の支障、料金の不払いなどは正当な理由と評価されうるが、どこまで認めるかは事案ごとの判断になる。曖昧な説明のまま引き下がれば、本来は拒否禁止にあたる行為を自分で受け入れたことになる
- 線を持つ側から見れば、グループ外の小売会社への託送は自社の顧客を奪う行為に映る。法律から見れば、それこそ本条が防ごうとしている囲い込みである。この見え方の落差に気づかないまま手続を遅らせると、業務改善を求める行政対応を招きかねない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 27条の33:特定送配電事業者 | 17条:一般送配電事業者 |
| 義務の発生条件 | 託送供給を約しているときに限る | 約定の有無を問わず、原則として託送を拒めない |
| 事業の開始形態 | 届出(27条の13) | 許可 |
| 交渉上の要点 | 契約締結の順番が勝負を決める | 申込み時点から正当な理由の立証を相手に求められる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も2017年改正で発電・輸配電・売電を区分し、輸配電網の公平な開放を求める方向をとったが、日本の特定送配電事業者に相当する私設網の類型とは制度設計が異なる
ドイツは送配電網への第三者アクセスを原則とし、工業団地などの閉鎖配電網(geschlossene Verteilernetze)には一部規制を緩和しつつもアクセス義務自体は維持する
米国は送電網のオープンアクセスを連邦規制で義務化した。配電レベルの規制は州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新電力の営業担当として、再開発街区のオフィスビルのテナントと契約を取った。ところが街区の電線を持つ特定送配電事業者から、託送の話は聞いていないと言われる。託送契約を先に結んでいなかった時点で、本条はまだあなたの味方になっていない
- もし、託送契約を結んだ特定送配電事業者が、半年後に「系統の運用上の都合」とだけ言って託送を止めると通知してきたら、どうなる? その「都合」が本条の正当な理由にあたるのか、技術的な根拠を書面で出させるのが最初の一手になる
- あなたは工業団地の電線網を運営する会社の担当者。グループの小売会社と競合する新電力から託送を頼まれ、すでに受託契約を結んでいる。ここで料金の未払いもないのに手続を遅らせ続ければ、事実上の拒否と評価されかねない。グループの利益を守ったつもりで、会社を規制リスクにさらすことになる
- テナントの入居日まであと10日。電線を持つ会社が、託送開始の手続を理由も示さず止めている。協議の記録を残し、電力・ガス取引監視等委員会への相談を今週中に準備する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 託送を約束した書面(託送供給契約、合意メール、議事録)をすべてそろえ、「約している」ことを証明できる状態にする2. 拒否や遅延の理由を、技術的根拠(容量、保安上の支障など)とあわせて書面で回答するよう求める3. 回答が不十分なら協議の経緯を記録し、電力・ガス取引監視等委員会への相談や、あっせん・仲裁の利用を検討する4. 損害が出ていれば、債務不履行による損害賠償(民法415条)も視野に入れて弁護士と相談する
訴えられた側:1. 拒否または延期の理由が、設備容量、保安、料金不払いなど客観的に説明できるものかを社内で検証する2. グループ会社と他社とで、手続の速さや条件に差がないかを点検する。差があれば、合理的な理由を記録に残す3. 拒否する場合は根拠となる技術資料を添えて書面で通知し、代わりの供給方法や時期を提示する4. 争いが長引く前に、委員会への事前相談で自社の判断が正当な理由の範囲内かを確かめる
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。託送契約に基づく損害賠償請求には一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。実務上は、顧客への供給開始日が事実上の期限になる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成26年(2014年) 改正:電気事業法改正(平成26年法律第72号)により、2016年の小売全面自由化に向けて事業類型を再編し、特定送配電事業者の制度を整備
- 2.令和2年(2020年) 改正:エネルギー供給強靱化法による改正で配電事業者の類型を創設。本条の託送の相手方に配電事業者が加わる
- 電気事業法 第17条一般送配電事業者の包括的託送義務との対比
- 電気事業法 第2条特定送配電事業・託送供給の定義
- 電気事業法 第27条の13特定送配電事業の届出(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第66条の11監視等委員会のあっせん(現行効力を要確認)
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第19条不公正な取引方法による接続拒否の規制
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