電気事業法 第27条の30(事業の届出)
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- 特定卸供給事業を営もうとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。
- 一氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
- 二主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地
- 三特定卸供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要と見込まれる供給能力の確保に関する事項
- 四第二条第一項第十五号の二の経済産業省令で定める方法に関する事項
- 五事業開始の予定年月日
- 六その他経済産業省令で定める事項
- 2.前項の規定による届出をする場合には、経済産業省令で定める書類を添付しなければならない。
- 3.第一項の規定による届出をした者(次項から第六項までにおいて「届出者」という。)は、その届出が受理された日から三十日を経過した後でなければ、特定卸供給事業を開始してはならない。
- 4.経済産業大臣は、届出者が特定卸供給事業を開始することが電気の使用者の利益の保護並びに一般送配電事業者及び配電事業者の電気の供給に支障を及ぼすおそれがないと認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。
- 5.経済産業大臣は、届出者が特定卸供給事業を開始することにより電気の使用者の利益の保護又は一般送配電事業者若しくは配電事業者の電気の供給に支障を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該届出者に対し、その届出を受理した日から三十日(次項の規定により第三項に規定する期間が延長された場合にあつては、当該延長後の期間)以内に限り、その届出の内容を変更し、又は中止すべきことを命ずることができる。
- 6.経済産業大臣は、届出者が特定卸供給事業を開始することにより電気の使用者の利益の保護又は一般送配電事業者若しくは配電事業者の電気の供給に支障を及ぼすおそれがあるかどうかについて審査するため相当の期間を要し、当該審査が第三項に規定する期間内に終了しないと認める相当の理由があるときは、三十日の範囲内において、同項の期間を延長することができる。この場合において、経済産業大臣は、当該届出者に対し、遅滞なく、当該延長後の期間及び当該延長の理由を通知しなければならない。
- 7.特定卸供給事業者は、第一項第三号又は第四号に掲げる事項を変更するときは、経済産業省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
- 8.第二項から第六項までの規定は、前項の規定による変更の届出に準用する。この場合において、第三項中「特定卸供給事業を開始してはならない」とあるのは「当該届出に係る事項を変更してはならない。ただし、経済産業省令で定める軽微な変更については、この限りでない」と、第四項から第六項までの規定中「特定卸供給事業を開始する」とあるのは「当該届出に係る事項を変更する」と読み替えるものとする。
- 9.特定卸供給事業者は、第一項各号(第三号及び第四号を除く。)に掲げる事項に変更があつたときは、経済産業省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を経済産業大臣に届け出なければならない。
この条文の基本情報
事業の届出とは何ですか?
定義事業の届出とは、電気事業法第27条の30に定められた規定で、「特定卸供給事業を営もうとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第27条の30(事業の届出)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第27条の30の条文原文は「特定卸供給事業を営もうとする者は、経済産業省令で定めるところにより、次に掲げる事項を経済産業大臣に届け出なければならない。」で始まります。
- 電気事業法第27条の30は第五節の二 特定卸供給事業に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第27条の30の前の条は電気事業法第27条の29の6です。
- 電気事業法第27条の30の次の条は電気事業法第27条の31です。
- 電気事業法第27条の30には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の30 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の30(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/27_30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法27条の54は、アグリゲーター等の特定卸供給事業に届出を義務づけ、受理から30日を経過した後でなければ事業を開始できないと定める。延長は最大30日。
Q · アグリゲーターの届出を出したら、いつから事業を始められるの?
受理から30日経過後。延長されれば最大60日
電気事業法27条の54第3項により、特定卸供給事業は届出の受理日から30日を経過した後でなければ開始できません。経済産業大臣は支障のおそれがないと認めれば期間を短縮でき(4項)、審査に時間を要する相当の理由があれば30日の範囲で延長できます(6項)。この期間内に限り、大臣は届出内容の変更や事業の中止を命ずることができます(5項)。
解説
三十日。工場の自家発電、家庭の蓄電池、EV の電池を束ねて小売電気事業者に卸すアグリゲーターが、届出から事業開始までに必ず空けなければならない期間である。登録でも許可でもなく「届出」なのだから、出せば翌日から動けると考える起業家は多い。本条はそれをはっきり否定している。届出の受理から三十日間は開業禁止である。その間、経済産業大臣は届出内容の変更や事業の中止を命じることができる(行政処分:役所が届出者に直接下す具体的な命令)。審査が長引けば、さらに最大三十日延長される。つまり最悪の場合は六十日かかる。資金調達の計画も、顧客に約束する供給開始日も、この日数を前提に組まなければならない。反対に、供給能力の確保計画と電気の集約方法を最初から丁寧に書いておけば、大臣はこの期間を短縮できる(4項)。開業後の手続も見落とされやすい。供給能力の確保(1項3号)や集約方法(同4号)を変える場合は、事前に届け出て同じ待機期間を待つ。住所や代表者が変わった場合は、変更後に遅滞なく届け出れば足りる。変更の種類によって、手続が二通りに分かれている。
法的な位置づけ
電気事業法第27条の54は、特定卸供給事業の参入手続を定める規定である。事業者は氏名、営業所、供給能力の確保、電気の集約方法、事業開始予定日等を経済産業大臣に届け出、受理日から30日を経過した後でなければ事業を開始できない。大臣は当該期間内に限り、届出内容の変更または中止を命ずることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社スキームが特定卸供給事業に当たるか確認 電気事業法2条1項の特定卸供給・特定卸供給事業の定義(集約方法と規模の要件)に自社の事業が当てはまるかを確認する。当てはまらなければ本条の届出は不要
- 2.所管課への事前相談 資源エネルギー庁の所管課に事前相談し、供給能力の確保計画と集約方法の説明を詰めておく。4項の期間短縮が認められる余地を広げ、延長や命令を受けるリスクを下げる
- 3.届出書と添付書類を揃えて提出 1項各号(氏名・営業所・供給能力の確保・集約方法・事業開始予定日等)を記載した届出書に、省令所定の添付書類を付けて提出する。補正が出ると受理が遅れるため初回で完全に揃える
- 4.待機期間を前提に開業日を確定 受理日から30日経過後を最短の開業日、延長された場合の最大60日を最悪の開業日として、資金計画・顧客への供給開始日・プレスリリース日を設計する
- 5.延長通知・命令への対応 延長通知が届いたら記載された理由を分析し、期間内に補足資料や届出内容の修正で懸念を解消する。変更・中止命令を受けた場合は、審査請求・取消訴訟の可否を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1特定卸供給事業とは何ですか?
家庭や工場の分散電源・蓄電池等から集約した電気を小売電気事業者等に卸す事業です。定義は電気事業法2条1項にあり、参入には27条の54の届出が必要です。
Q2アグリゲーターの届出先はどこですか?
経済産業大臣です。実務上の窓口は資源エネルギー庁です。経済産業省令で定める様式に従い、所定の添付書類を付けて提出します(27条の54第1項・2項)。
Q3特定卸供給事業の届出から開業まで何日かかりますか?
原則として受理日から30日を経過した後です。大臣が審査期間を延長すると最大30日加算されます。反対に、支障がないと認められれば期間が短縮されることもあります。
Q4アグリゲーターに登録や許可は必要ですか?
登録制でも許可制でもなく、届出制です。ただし受理後30日の待機期間があり、その間は大臣が変更命令や中止命令を出せるため、実質的な審査を伴います。
Q5届出前に特定卸供給を始めたら違法ですか?
届出前の開始や待機期間中の開始は、27条の54第3項に反します。罰則の内容は電気事業法の罰則規定で確認が必要です。見切り発車は避けるべきです。
Q6特定卸供給事業の変更届はいつ必要ですか?
供給能力の確保と集約方法を変える場合は事前届出と待機期間が必要です(7項・8項)。名称・住所・代表者等の変更は、変更後に遅滞なく届け出れば足ります(9項)。
Q7アグリゲーターの軽微な変更とは何ですか?
経済産業省令で定める軽微な変更は、事前届出後の待機期間の対象外です(8項の読替え)。具体的な範囲は省令で確認する必要があります。
Q8審査期間の延長はどう通知されますか?
大臣は延長する場合、届出者に遅滞なく延長後の期間と延長の理由を通知しなければなりません(6項後段)。この理由から大臣の懸念点を読み取ることができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1届出って、窓口に出したら終わりじゃないんですか?「受理」って何が違うんですか?
行政手続法37条では、形式上の要件を満たした届出は、提出先に到達した時点で義務を果たしたことになる。一方、本条3項は「受理された日」から三十日を数える。この「受理」が到達と同じ意味なのかは、実務上、解釈が分かれうる。実務のポイント:添付書類(2項)に不備があって補正を求められると、事実上、起算日が後ろにずれていく。最初の提出で書類を完全に揃えることが、開業までの最短ルートになる。
Q2社名と本社の住所が変わるんですけど、また三十日待たないといけないんですか?
待つ必要はない。名称、住所、代表者、営業所、事業開始予定日などは9項の対象で、変更後に遅滞なく届け出れば足りる。三十日の待機がかかるのは、供給能力の確保(3号)と集約方法(4号)を変える場合だけである(7項・8項)。実務のポイント:事後届出で済む変更ほど、届け出ること自体を忘れやすい。M&A で代表者が交代した直後などに届出が漏れる例は少なくない。
間違えやすい点 AI による整理
- 「届出なのだから、受理されれば即日開業できる」と考えがちだが、実際は逆である。受理された日から三十日が経過するまでは、事業を始めることが禁じられている(3項)。さらに審査が長引くと、最大三十日延長される(6項)。
- 「うちが取るべきなのは登録か、許可か」と考える人が多いが、その問い自体がずれている。特定卸供給事業は届出制である。最初に確かめるべきなのは、自社のスキームが第2条第1項の「特定卸供給」と「特定卸供給事業」の定義(集約方法と規模の要件)に当てはまるかどうかである。当てはまらなければ、本条の届出そのものが要らない。
- 変更届はただの事務作業だと思われがちだが、その重さを見誤っている。供給能力の確保(3号)と集約方法(4号)を変える場合は、三十日の待機期間がかかり、大臣の変更命令・中止命令の対象にもなる。仕様を変えるたびに、事業が止まるリスクを抱えるということである。省令で定める軽微な変更は待機期間の対象外なので(8項の読替え)、どこまでが軽微な変更かを先に確認しておくことが運用設計の要になる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 参入規制の形式 | 電気事業法27条の54:特定卸供給事業の届出制(受理後30日の待機期間あり) | 電気事業法2条の2:小売電気事業の登録制 電気事業法2条:特定卸供給・特定卸供給事業の定義(参入規制の適用範囲を決める) |
| 行政の介入手段 | 受理後30日(延長後の期間)以内に限り、変更命令・中止命令 | 登録の審査と登録拒否(要件は同法の登録規定で確認) 定義規定のため、それ自体に介入手段はない |
| 事業者が最初に確認すべき点 | 届出事項・添付書類の完備と、待機期間を前提にした開業日設計 | 卸先の小売電気事業者が登録済みかどうか 自社スキームが集約方法・規模の要件に当てはまるか |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾では需量反應や儲能等の聚合資源が電力交易平台を通じて補助サービス市場に参加する仕組みが整備されている。日本の本条のような事業開始前の届出・待機期間制度と同一の構造かは要確認
韓国は小規模分散電源を束ねて取引する事業を電気事業法上の事業類型として位置づけている。参入手続の細部は要確認
ドイツはアグリゲーターが既存の供給契約の外で需要側資源を活用する際のルールを定める。EU 電力市場指令の国内法化の一環
フランスは需要抑制(effacement)を市場で売る事業者の制度を早くから整備している
米国は連邦レベルで分散型エネルギー資源のアグリゲーションを卸電力市場に参加させるよう各 RTO/ISO に求めた
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは蓄電池ベンチャーの代表で、4月1日に VPP サービスを始めるとプレスリリースまで出した。届出を出したのは3月20日である。受理から三十日が過ぎるまで、一キロワットも卸すことはできない。リリース日を守ろうとして見切り発車すれば、届出前に事業を始めたのと同じ扱いを受けるおそれがある。
- 受理から二十五日目に、大臣から「供給能力の確保が不十分」として中止を命じられたら、どうなる? この中止命令は行政処分なので、審査請求や取消訴訟で争うことができる。ただし、争っている間も事業は止まったままである。
- 開業から半年後、制御方式をクラウドからの指令型から、現地 EMS(エネルギー管理システム)による自律制御へ切り替えた。これは1項4号の「集約方法」の変更にあたる。事前に届け出ずに切り替えた時点で、本条違反になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 取引相手のアグリゲーターが本条の届出を済ませているかを、公表情報や書面で確認する2. 契約書に、相手が変更命令・中止命令を受けたときの通知義務と、報酬精算の条項を入れておく3. 届出をせずに事業を行っている疑いがあれば、経済産業省(資源エネルギー庁)に情報提供する4. 損害が出た場合は、契約責任(民法415条)にもとづく請求を検討する
訴えられた側:1. 延長通知や命令書に書かれた理由を読み込み、大臣の懸念点を特定する2. まだ期間内であれば、計画を修正して自ら届出内容を変更し、命令が出る前の決着をめざす3. 命令を受けた場合は、審査請求または取消訴訟を起こせるか弁護士と検討し、執行停止の申立ても視野に入れる4. 取引先と資源提供者には早めに状況を説明し、信用への影響を最小限に抑える
時効(請求できる期限):事業を始められるのは、届出の受理日から三十日が経過した後である(短縮されることも、最大三十日延長されることもある)。大臣の変更命令・中止命令は、受理日から三十日(延長された場合は延長後の期間)以内に限って出せる。命令を争う場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分があったことを知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に行う(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)公布、令和4年(2022年)4月施行 強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(通称 エネルギー供給強靱化法)により、アグリゲーターを対象とする特定卸供給事業の届出制として新設されたとみられる。その後の改正の有無を含め、人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 新設:強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(エネルギー供給強靱化法)により、特定卸供給事業の届出制が設けられたとみられる。令和4年(2022年)施行。その後の改正の有無は要検証
- 電気事業法 第2条特定卸供給・同事業の定義規定
- 電気事業法 第2条の2卸先となる小売電気事業の登録制
- 電気事業法 第27条の27発電事業の届出制(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第37条届出の効力発生時点の一般原則
- 行政不服審査法 第18条変更・中止命令への審査請求期間
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