電気事業法 第27条の31(特定卸供給義務)
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特定卸供給事業者は、一般送配電事業者又は配電事業者に、特定卸供給によりその一般送配電事業又は配電事業の用に供するための電気を供給することを約しているときは、正当な理由がなければ、特定卸供給を拒んではならない。
この条文の基本情報
特定卸供給義務とは何ですか?
定義特定卸供給義務とは、電気事業法第27条の31に定められた規定で、「特定卸供給事業者は、一般送配電事業者又は配電事業者に、特定卸供給によりその一般送配電事業又は配電事業の用に供するための電気を供給することを約しているときは、正当…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第27条の31(特定卸供給義務)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第27条の31の条文原文は「特定卸供給事業者は、一般送配電事業者又は配電事業者に、特定卸供給によりその一般送配電事業又は配電事業の用に供するための電気を供給することを約しているときは、正当…」で始まります。
- 電気事業法第27条の31は第五節の二 特定卸供給事業に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第27条の31の前の条は電気事業法第27条の30です。
- 電気事業法第27条の31の次の条は電気事業法第27条の32です。
- 電気事業法第27条の31には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の31 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の31(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/27_31
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法27条の55は、特定卸供給事業者が一般送配電事業者等への電気供給を約しているとき、正当な理由なく特定卸供給を拒むことを禁じる。契約前は義務が生じない。
Q · アグリゲーターは、市場で高く売れるときに送配電会社への供給を断れるの?
約束後は正当な理由なく断れず、価格高騰は理由になりにくい
電気事業法27条の55により、特定卸供給事業者(アグリゲーター)は、一般送配電事業者や配電事業者へ電気の供給を約しているとき、正当な理由がなければ特定卸供給を拒めません。契約前に供給を強制されることはありませんが、約束した後は系統安定を支える法律上の義務になります。市場価格の高騰による損得は、正当な理由とは解されにくいと考えるのが一般的です。
解説
電力の世界で「供給を拒んではならない」と命じられているのは、大型発電所だけではない。工場の自家発電、ビルの空調、家庭用蓄電池、EV。こうした小さな資源を束ね、一つの発電所のように動かす事業者、いわゆるアグリゲーターも、2022年4月から同じ土俵に立たされた。これが特定卸供給事業者である。本条は、特定卸供給事業者が一般送配電事業者(地域の送配電網を管理する会社、例:東京電力パワーグリッド)や配電事業者に電気を供給すると約束しているとき、正当な理由なく拒むことを禁じる。鍵は「約しているとき」という限定だ。契約前なら供給を強制されない。だが契約を結んだ瞬間、ただの民間取引の債務を超えて、電力系統の安定を支える公的な義務へと性格が変わる。市場価格が跳ね上がり、別の相手に売った方が儲かる夜でも、送配電事業者との約束が優先する。あなたが蓄電池の運用を任せている事業者も、この義務を負っている。
法的な位置づけ
電気事業法27条の55は、特定卸供給事業者の供給義務を定める規定である。特定卸供給事業者が、一般送配電事業者または配電事業者の事業の用に供する電気を特定卸供給により供給することを約している場合、正当な理由がない限り、その特定卸供給を拒むことを禁止する。
手順
- 1.上流契約の義務範囲を確認する 送配電事業者との契約や取引規程を読み、供給量、応動の時間、不可抗力条項、正当な理由に関する定めを洗い出す。本条の義務が生じる範囲を特定する
- 2.下流の需要家契約にリスク移転条項を入れる 工場などの需要家と結ぶ契約に、応動できなかったときの補填、離脱を通知する期限、安全上の例外を明記する。上流の契約に署名する前に固める
- 3.指令の受信と応動の体制を冗長化する 指令の受信システムに二重化やバックアップ回線を用意し、資源が不足したときの代替手配と連絡の順番を手順書にまとめる
- 4.未達時の記録を保全し、理由を説明する 供給が未達になったら、直後に原因を時系列で記録する。天災、故障、通信障害など、経済的な理由ではない事情を証拠とともに整理し、照会に備える
よくある質問 AI による整理
Q1特定卸供給事業者とは
分散型の電源や蓄電池、需要家の節電(DR)などを束ね、送配電事業者などに電気を供給する事業者で、いわゆるアグリゲーターのことです。定義は電気事業法2条に置かれています。
Q2電気事業法27条の55いつから
2020年に公布されたエネルギー供給強靱化法による改正で新設され、特定卸供給事業の制度とともに2022年4月1日から施行されています。
Q3アグリゲーター 供給拒否 違法?
一般送配電事業者や配電事業者への供給を約している場合、正当な理由のない拒否は電気事業法27条の55に違反します。契約上の精算とは別に、行政監督の対象にもなりえます。
Q4特定卸供給 正当な理由 具体例
天災や設備の故障、需要家の安全に関わる事情などは認められやすいとされます。一方で、市場価格の変動のような経済的な理由は認められにくいと考えるのが一般的です。
Q5アグリゲーター 契約前 供給義務 ある?
ありません。本条の義務は「約しているとき」に限られます。契約するかどうか、どの条件で契約するかは、事業者の判断に委ねられています。
Q6需給調整市場 アグリゲーター 参加できる?
一定の要件を満たせば、アグリゲーターも調整力を提供できます。応札して約定すれば、その範囲で本条の供給義務を負うと考えるべきです。具体的な要件は市場の取引規程で確認してください。
Q7アグリゲーター 指令に応じられない場合 どうなる
契約や取引規程にもとづくペナルティの精算が生じ、拒否に正当な理由がなければ行政上の問題にもなりえます。原因を時系列で記録しておくことが防御の基本です。
Q8配電事業者 特定卸供給 関係
配電事業者は2022年の改正で新設された事業類型で、一般送配電事業者と並んで本条の供給先になります。地域の配電網を運営するために、アグリゲーターの調整力を受け取ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1アグリゲーターって、届出なしで始めても大丈夫なんですか?
一定規模を超える特定卸供給を行うには、経済産業大臣への届出が必要とされる。届出をした者が「特定卸供給事業者」として本条の義務を負う(電気事業法第2条の定義、規模の要件は省令で要確認)。実務のポイント:小さく始めても、束ねる資源が増えて規模要件を超えた時点で届出義務が生じる。急成長している事業者ほど届出のタイミングを見落としやすい
Q2市場価格が高すぎて、送配電会社に安く出すと損なんですけど、断っちゃダメですか?
本条は、正当な理由がなければ特定卸供給を拒むことを禁じている。系統安定のために結んだ契約の趣旨からすると、市場価格の変動による損得は正当な理由とは解されにくい。実務のポイント:価格リスクは入札価格や契約単価に織り込んでおくしかない。発動されてから交渉する余地はほぼないと割り切り、入札の段階で勝負する
Q3うちの工場は DR に参加してるけど、工場側も何か義務を負うんですか?
本条が義務を課している相手は特定卸供給事業者であり、需要家である工場にこの義務は直接かからない。工場側の義務は、アグリゲーターとの契約の内容で決まる。実務のポイント:アグリゲーターは本条の義務を負っているため、応動できなかったときのペナルティを契約で需要家に転嫁していることが多い。署名前に、未達時の精算条項を必ず確認しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「契約を破っても違約金を払えば済む」と考えがちだが、本条の義務は契約上の債務にとどまらず、電気事業法上の義務である。民事の精算とは別に、行政監督の対象になりうる(具体的な措置の根拠条文は最新の法令で要確認)。お金で解決できる範囲は、思っているより狭い
- 「アグリゲーターは自分で発電していないから、発電事業の規制とは関係ない」という問いの立て方自体がずれている。法律は資源の種類ではなく、「束ねて送配電事業者に供給する」という機能に着目して義務を課した。蓄電池でも DR でも、機能が同じなら同じ網にかかる
- 「正当な理由」は広く認められると楽観しがちだが、その範囲は運用と解釈の積み重ねがまだ少なく、実務上はっきりしていない。天災や設備故障は認められやすい一方、市場価格の変動のような経済的理由は認められにくいと考えるのが一般的だ。曖昧さが残る部分は、事業者に不利に解されるつもりで備えるべきである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 27条の55:特定卸供給事業者(アグリゲーター) | 17条:一般送配電事業者 27条の28:発電事業者(現行の規定内容は要確認) |
| 禁止される行為 | 約した特定卸供給の拒否 | 託送供給などの拒否 約した発電した電気の供給の拒否 |
| 義務が生じる場面 | 送配電事業者・配電事業者への供給を約しているとき | 送配電網の利用を申し込まれたとき 送配電事業者などへの供給を約しているとき |
他国ではどう定めているか 1 か国
米国は連邦エネルギー規制委員会の命令で、分散型資源のアグリゲーションを卸電力市場に参加させる。義務は主に市場ルールと契約で規律される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 冬の夕方、卸電力市場(JEPX)のスポット価格が2021年1月のように1kWh あたり200円を超える水準まで跳ね上がった。あなたの会社は送配電事業者と調整力を出す契約を結んでいる。蓄電池の電気を市場で売れば一晩で桁違いの利益が出る。だが送配電事業者から発動指令が来た場合、「市場で売った方が得だった」は正当な理由にならないと考えるべきだ
- もし束ねている工場の一つが、発動指令の直前になって「今日は生産優先なので節電に応じられない」と連絡してきたら、どうなる? 送配電事業者に対して責任を負うのは工場ではなく、資源を束ねたあなたの会社である。下流の契約でこのリスクを手当てしていなければ、穴埋めは自社で背負うことになる
- 商品によっては、指令から45分以内に応動しなければならないものもある。残り時間が刻々と減るなか、確保できている資源は契約量の7割しかない。誰に電話し、どの記録を残すか。その順番を知っているかどうかで、後で「正当な理由」を説明できるかが決まる
- 新規参入のアグリゲーターとして、システム障害で指令を受信できず、供給できなかった。これは正当な理由なのか、それとも自社の管理不足なのか。障害の原因、予見できたかどうか、冗長化の有無。その記録が、監督官庁から照会を受けたときの防御線になる
- 家庭用蓄電池を DR プログラムに登録した。あなたのバッテリーは、気付かないうちに電力系統を安定させる仕組みの一部になっている
取るべき行動
被害を受けた側:一般送配電事業者・配電事業者の立場なら:1. 発動指令の送信記録と応動実績のログを直ちに保全する2. 供給拒否または未達の理由を書面で求め、正当な理由に当たるかを検討する3. 契約上のペナルティ精算と並行して、拒否が繰り返される場合は資源エネルギー庁や電力・ガス取引監視等委員会への相談・報告を検討する4. 再発防止策を次の契約条件に反映させる
訴えられた側:特定卸供給事業者の立場なら:1. 拒否・未達の直後に、原因(設備故障、通信障害、天災、需要家の安全上の事情)を時系列で記録する2. 市場価格の高騰などの経済的理由を拒否理由として挙げない3. 需要家側の離脱が原因なら、下流の契約に基づいて求償できるか検討する4. 監督官庁からの照会に備え、指令の受信から応動までを支えるシステムの冗長化計画を示せるよう準備する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。契約に基づく金銭請求には一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。ただし実務では、需給調整市場の取引規程や契約で定める精算・異議申立ての期限の方が先に来る。各規程を必ず確認すること
改正沿革 AI による整理
- 令和2年(2020年)公布、令和4年(2022年)4月1日施行 強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(通称 エネルギー供給強靱化法)により、配電事業制度と併せて特定卸供給事業(アグリゲーター)制度が新設され、本条の供給義務が設けられた
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 新設:強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律により、配電事業制度とあわせて特定卸供給事業制度と本条の供給義務を新設。2022年4月1日施行
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