電気事業法 第33条の3(燃料調達の要請)
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経済産業大臣は、電気の安定供給の確保に支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、発電の用に供する燃料(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される製品であつて経済産業省令で定めるものに限る。次条において同じ。)の調達が特に必要であり、かつ、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構以外の者による調達を困難とする特別の事情があると認めるときは、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構に対し、当該燃料の調達を要請することができる。
この条文の基本情報
燃料調達の要請とは何ですか?
定義燃料調達の要請とは、電気事業法第33条の3に定められた規定で、「経済産業大臣は、電気の安定供給の確保に支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、発電の用に供する燃料(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらか…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第33条の3(燃料調達の要請)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第33条の3の条文原文は「経済産業大臣は、電気の安定供給の確保に支障が生じ、又は生ずるおそれがある場合において、発電の用に供する燃料(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらか…」で始まります。
- 電気事業法第33条の3は第五款 災害等への対応に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第33条の3の前の条は電気事業法第33条の2です。
- 電気事業法第33条の3の次の条は電気事業法第33条の4です。
- 電気事業法第33条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第33条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第33条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/33_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法33条の3は、電力の安定供給が危ぶまれ民間での燃料調達が困難なとき、経済産業大臣が JOGMEC に発電用燃料の調達を要請できると定める。
Q · 電力が足りなくなりそうなとき、国は誰に燃料を買わせるの?
電力会社ではなく JOGMEC に調達を「要請」する
電気事業法33条の3により、経済産業大臣は、電気の安定供給に支障またはそのおそれがあり、発電用燃料の調達が特に必要で、しかも JOGMEC 以外の者による調達を困難とする特別の事情があると認めるとき、JOGMEC に燃料の調達を要請できます。命令ではなく要請であり、対象は原油・石油ガス・可燃性天然ガス・石炭とその省令指定製品に限られます。
解説
停電が起きる原因は送電線の故障だけではない。発電所の燃料タンクが空になれば、どれほど立派な発電所でも止まる。2021年1月の寒波では LNG(液化天然ガス)の在庫が逼迫し、JEPX(日本卸電力取引所)のスポット価格は一時1kWh あたり250円を超えた。市場連動型プランを契約していた家庭には、普段の数倍の電気代が請求された。本条は、こうした事態に国が使える「最後の調達ルート」を定めている。電気の安定供給が危うく、燃料の調達が特に必要で、しかも電力会社や商社など民間では調達が難しい特別な事情があると経済産業大臣が認めたとき、大臣は独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に燃料の調達を要請できる。押さえておくべき点は三つある。第一に、これは「命令」ではなく「要請」である。第二に、対象は原油・石油ガス・可燃性天然ガス・石炭と、それらから作られる製品のうち経済産業省令で定めるものに限られる。第三に、三つの要件がすべてそろわなければ発動できない。国が燃料を買いに動くのは、民間の調達が限界に達したときだけだ。
法的な位置づけ
電気事業法第33条の3は、発電用燃料の国による緊急調達を定める規定である。電気の安定供給に支障またはそのおそれがあり、燃料調達が特に必要で、民間による調達を困難とする特別の事情がある場合に、経済産業大臣が JOGMEC に燃料の調達を要請する権限を定める。対象は化石燃料とその省令指定製品に限られる。
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法33条の3とは何ですか?
電力の安定供給が危うく民間での燃料調達が困難なとき、経済産業大臣が JOGMEC に発電用燃料の調達を要請できると定めた規定です。
Q2JOGMEC とは何をする機関ですか?
独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構の略称です。石油・天然ガス・金属資源の安定供給を担い、本条により発電用燃料の調達要請の受け手にもなります。
Q3国が燃料を調達する要件は何ですか?
①安定供給への支障またはそのおそれ、②燃料調達の特別な必要、③JOGMEC 以外の者による調達を困難とする特別の事情、の三つがすべてそろう必要があります。
Q4国の燃料調達はウランも対象ですか?
対象外です。本条の燃料は原油・石油ガス・可燃性天然ガス・石炭と、それらから作られる製品のうち経済産業省令で定めるものに限られます。
Q5燃料調達の要請は命令ですか?
命令ではなく「要請」です。条文は経済産業大臣が JOGMEC に調達を要請できると定めており、強制力の構造は命令規定とは異なります。
Q6LNG 不足で電気代は上がりますか?
上がりうります。燃料が逼迫すると卸電力のスポット価格が高騰し、市場連動型プランや燃料費調整を通じて家庭の請求額に反映されることがあります。
Q7電力需給逼迫警報とこの条文の関係は?
需給逼迫警報は需要家への節電要請の仕組みで、本条は燃料そのものの調達を国側の機関に要請する仕組みです。どちらも安定供給確保のための別ルートです。
Q8燃料調達の要請は誰が判断しますか?
経済産業大臣です。三つの要件がそろうと大臣が「認めるとき」に要請できる構造で、判断権限は大臣にあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1停電しそうになったら、国がどこからでも燃料を持ってきてくれるんですか?
そこまで万能ではありません。電気事業法33条の3が認めているのは、経済産業大臣が JOGMEC に燃料の調達を「要請」することです。しかも民間による調達が困難だという特別の事情が必要で、世界的に供給量そのものが足りないときは、JOGMEC でも買えない場合があります。実務のポイント:本当の備えは平時の在庫と長期契約にあり、国の非常ルートはあくまで補完にすぎません
Q2JOGMEC が高く買った燃料のお金って、結局だれが払うんですか?
本条には調達を要請する権限が書かれているだけで、費用負担のルールは書かれていません。調達した燃料を電力会社などにどんな条件で引き渡すか、損失を国の予算で補うかは、JOGMEC の業務規定や個別の契約、予算措置で決まります。実務のポイント:燃料の引渡し価格が電力会社の調達コストになれば、燃料費調整などを通じて最終的に電気料金へ反映されうる、という点を押さえておくとよいでしょう
Q3水素とかアンモニアの発電燃料も対象になるんですか?
電気事業法33条の3は、対象を原油、石油ガス、可燃性天然ガス、石炭と、それらから作られる製品のうち経済産業省令で定めるものに限っています。化石燃料由来ではない水素やアンモニアは、条文上は明記されていません。実務のポイント:化石燃料から作られる製品が対象に入るかどうかは省令の指定次第なので、最新の省令を確認してください(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「電力不足のときは国が電力会社に燃料を買わせる」と思われがちだが、本条で要請を受けるのは電力会社ではなく JOGMEC である。電力会社に供給を命じる仕組みは別の条文に置かれている。国は民間に買わせるのではなく、自分の側の機関に買わせるという構造になっている
- 燃料不足のリスクは「停電するかどうか」だけで語られがちだが、家計に先に響くのは価格である。停電が回避されても、高騰した燃料コストは卸電力価格、燃料費調整、市場連動型プランを通じて、数か月遅れで請求書に現れうる。本条が発動された時点で、相当深刻な局面に入っていると見てよい
- 「国はどんな燃料でも買える」と考えるのは誤りである。対象は原油、石油ガス、可燃性天然ガス、石炭と、それらから作る製品のうち省令で定めるものに限られる。ウラン燃料は対象外であり、水素やアンモニアも条文上は明記されていない。脱炭素の時代に、国の非常用の調達網は化石燃料を前提に設計されている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 役割 | 電気事業法33条の3:供給危機時の燃料の緊急調達(JOGMEC への要請) | 電気事業法29条:供給計画による平時の需給管理 |
| 発動場面 | 安定供給に支障またはそのおそれがあり、民間調達が困難なとき | 毎年度の計画策定という平時の定常手続 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は事業者に安全存量(在庫)の保有を義務づける方式が中心で、国営事業者を通じた調達が実務上の補完となる
韓国は石油の備蓄と需給調整の仕組みを法定し、公的機関による備蓄で供給危機に備える
ドイツは供給危機時に政府が広範な措置を取れる授権法を持ち、2022年以降ガス貯蔵の充填義務も強化した
米国は戦略石油備蓄(SPR)の放出という形で国家が直接燃料供給に関与する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 中東の海上輸送路で武力衝突が起き、日本向け LNG 船が数週間届かなくなったら、どうなる? 電力会社は在庫を取り崩し、スポット市場で高値の燃料を奪い合う。民間の調達力が尽きた段階で本条の要件がそろい、JOGMEC が国の信用を背景に買い付けに動く筋道ができる
- あなたは中堅の発電事業者で燃料調達を担当している。寒波の予報が出て、LNG 在庫はあと10日分しかない。長期契約の追加購入には応じてもらえず、スポット市場には売り手がいない。今の苦境を「自社だけの問題」として抱え込まず、業界団体や電力広域的運営推進機関を通じて『民間では調達困難』という事実を早く国に伝えることが、本条発動の前提をつくる
- 市場連動型プランの請求書を開いたら、電気代が先月の4倍になっていた。燃料不足は、停電より先に請求額としてあなたの家計に届く
- JOGMEC 側の担当者として要請を受けたら、価格が跳ね上がった市場で大量に買うことになる。高値で買った燃料をどの条件で誰に引き渡すのか、損失が出たら誰が負担するのか。本条には要請の権限が書かれているだけで、損失負担のルールは書かれていない。調達に入る前に、契約条件と資金の手当てを詰めておく必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:(家庭・需要家・小売電気事業者の側)1. 電気料金プランが市場連動型か固定単価型かを確認し、冬の前に見直す2. 需給逼迫注意報・警報が出たら、資源エネルギー庁と電力広域的運営推進機関の発表を一次情報として追う3. 事業者は、燃料の調達が困難になっていることを示す記録(見積りの拒否、市場の不成立)を保存し、業界団体を通じて当局に共有する4. 請求額の急騰が料金約款どおりかどうかを確認し、疑問があれば電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口を使う
訴えられた側:(要請を受ける JOGMEC や、調達燃料の引き受け先となる事業者の側)1. 要請の根拠となる三要件(安定供給への支障またはそのおそれ、調達の特別な必要、民間による調達の困難)がどのように認定されたのか、文書で確認する2. 調達した燃料の引渡し価格、数量、損失が出た場合の負担を契約で明確にする3. 本条は「要請」の権限を定めた規定にすぎないため、資金の裏付けと業務の根拠を JOGMEC 法の側で確認しておく
時効(請求できる期限):本条に特定の期限や時効は定められていない。要請に基づく調達契約から生じる代金債権などには、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
- 電気事業法 第1条安定供給確保という法目的の根拠
- 電気事業法 第29条供給計画による平時の需給管理
- 電気事業法 第31条電気事業者への供給命令等(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第33条の4本条の燃料定義を共有する後続規定(現行効力を要確認)
- 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構法 第11条機構の業務範囲、発電用燃料調達の根拠(現行効力を要確認)
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