電気事業法 第29条
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- 電気事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての計画(以下「供給計画」という。)を作成し、当該年度の開始前に(電気事業者となつた日を含む年度にあつては、電気事業者となつた後遅滞なく)、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。
- 2.推進機関は、前項の規定により電気事業者から供給計画を受け取つたときは、経済産業省令で定めるところにより、これを取りまとめ、送配電等業務指針、広域系統整備計画及びその業務の実施を通じて得られた知見に照らして検討するとともに、意見(供給能力の確保のために必要な措置に関するものを含む。)があるときは当該意見を付して、当該年度の開始前に(当該年度に電気事業者となつた者に係る供給計画にあつては、速やかに)、経済産業大臣に送付しなければならない。
- 3.電気事業者は、供給計画を変更したときは、遅滞なく、変更した事項を推進機関を経由して経済産業大臣に届け出なければならない。
- 4.第二項の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、第二項中「これを取りまとめ、」とあるのは「これを」と、「当該年度の開始前に(当該年度に電気事業者となつた者に係る供給計画にあつては、速やかに)」とあるのは「速やかに」と読み替えるものとする。
- 5.経済産業大臣は、第二項(前項において準用する場合を含む。)の規定による推進機関の意見を踏まえ、供給計画が広域的運営による電気の安定供給の確保その他の電気事業の総合的かつ合理的な発達を図るため適切でないと認めるときは、電気事業者に対し、その供給計画を変更すべきことを勧告することができる。
- 6.経済産業大臣は、前項の規定による勧告をした場合において特に必要があり、かつ、適切であると認めるときは、電気事業者に対し、次に掲げる事項を命ずることができる。ただし、第一号に掲げる事項は送電事業者に対して、第二号に掲げる事項は小売電気事業者、発電事業者及び特定卸供給事業者に対して、第三号に掲げる事項は送電事業者、発電事業者及び特定卸供給事業者に対しては、命ずることができない。
- 一小売電気事業者、一般送配電事業者、配電事業者又は特定送配電事業者に電気を供給すること。
- 二振替供給を行うこと。
- 三電気の供給を受けること。
- 四電気事業者に電気工作物を貸し渡し、若しくは電気事業者から電気工作物を借り受け、又は電気事業者と電気工作物を共用すること。
- 五前各号に掲げるもののほか、広域的運営を図るために必要な措置として経済産業省令で定めるものをとること。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第29条は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第29条の条文原文は「電気事業者は、経済産業省令で定めるところにより、毎年度、当該年度以降経済産業省令で定める期間における電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての計画(以下…」で始まります。
- 電気事業法第29条は第四款 供給計画に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第29条の前の条は電気事業法第28条の60です。
- 電気事業法第29条の次の条は電気事業法第30条です。
- 電気事業法第29条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第29条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第29条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/29
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法29条は、電気事業者に毎年度の供給計画を作成させ、年度開始前に推進機関経由で経済産業大臣へ届け出る義務を定める。大臣は勧告を経て供給命令等を出せる。
Q · 新電力でも供給計画を出さないといけないの?締切はいつ?
必要。年度開始前、参入した年度は遅滞なく
電気事業法29条1項の義務を負うのは「電気事業者」全体です。小売電気事業者、送配電事業者、発電事業者、特定卸供給事業者も含まれ、規模の大小は問いません。毎年度、経済産業省令で定める期間の供給計画を作成し、当該年度が始まる前に推進機関を経由して経済産業大臣に届け出ます。年度の途中で電気事業者になった場合は、なった後に遅滞なく届け出ます。計画を変更したときも、遅滞なく変更届が必要です(同条3項)。
解説
電気の安定供給は、電力会社の善意や企業努力だけで守られているわけではない。毎年度、発電所を持つ事業者も、送電網を持つ事業者も、家庭に電気を売る新電力も、全員が「この先何年、どれだけ電気を用意し、どの設備をどう動かすか」という供給計画を書き、電力広域的運営推進機関(全国の需給を束ねる司令塔の役割を担う組織、通称 OCCTO)を経由して経済産業大臣に届け出る。推進機関は全社の計画を一つにまとめて足りない部分を洗い出し、意見を付けて大臣に送る。大臣は不適切と判断すれば変更を勧告し、特に必要なときは「他社に電気を供給せよ」「設備を貸せ」とまで命じることができる。ここで押さえておくべきなのは、届出が年度の始まる前の一回で終わらないことだ。計画を変えたら、そのたびに遅滞なく届け出る義務がある。新電力を立ち上げる人、電力会社と取引する人、電気代の値上げに納得できない人にとって、供給計画は日本の電力の「答え合わせ表」になる。
法的な位置づけ
電気事業法29条は、電気事業者に対し、毎年度、経済産業省令で定める期間における電気の供給並びに電気工作物の設置及び運用についての供給計画を作成させ、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出ることを義務付ける規定である。推進機関による取りまとめと意見を付した送付、大臣による変更勧告、勧告後の供給命令等という段階的な手続も併せて定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.自社が電気事業者に当たるか確認する 電気事業法2条の定義に照らし、自社が小売電気事業者、一般送配電事業者、送電事業者、配電事業者、特定送配電事業者、発電事業者、特定卸供給事業者のどれに当たるかを確定させる。事業類型によって、29条6項で命じられうる事項が変わる。
- 2.経済産業省令に沿って供給計画を作成する 経済産業省令で定める期間について、電気の供給と電気工作物の設置・運用の計画を作成する。供給力の数字には電源の調達根拠と制約を具体的に書く。届出の数字は後で推進機関の意見や勧告の根拠になる。
- 3.期限までに推進機関経由で届け出る 当該年度の開始前に、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出る。年度の途中で電気事業者になった場合は、なった後に遅滞なく届け出る。提出方法は推進機関の最新の案内を確認する。
- 4.計画を変えたら遅滞なく変更届を出す 電源の廃止、調達契約の変更、需要想定の大幅な修正などで計画を変えた場合、変更した事項を遅滞なく推進機関経由で届け出る(29条3項)。社内の稟議の完了を待つことは、遅らせる理由にならない。
- 5.勧告を受けたら修正案か反論資料を用意する 29条5項の勧告を受けたら、推進機関の意見と勧告の根拠を書面で確認する。計画を自主的に修正するか、前提資料を補強して説明するかを判断する。命令(同条6項)は勧告が前提なので、勧告の段階が最も重要な調整の場になる。
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法の供給計画とは
電気事業者が毎年度作成する、電気の供給と電気工作物の設置・運用についての計画です。電気事業法29条1項に基づき、推進機関を経由して経済産業大臣に届け出ます。
Q2供給計画の届出 いつまで
原則は当該年度の開始前です。年度の途中で電気事業者になった場合は、なった後に遅滞なく届け出ます(電気事業法29条1項カッコ書)。
Q3新電力も供給計画の届出は必要?
必要です。義務を負うのは「電気事業者」全体で、小売電気事業者も含まれます。会社の規模や参入時期による免除の規定はありません。
Q4アグリゲーターも供給計画を出す?
特定卸供給事業者として電気事業者に該当すれば、届出義務を負います。まず電気事業法2条の定義に照らし、自社が該当するかを確認します。
Q5供給計画を変更したらどうする?
変更した事項を、遅滞なく推進機関経由で経済産業大臣に届け出ます(29条3項)。推進機関は変更届にも意見を付けて大臣に送付します(同条4項)。
Q6推進機関は供給計画で何をする?
全社の計画を取りまとめ、送配電等業務指針や広域系統整備計画に照らして検討します。意見があれば付けて、年度開始前に経済産業大臣へ送付します。
Q7経産大臣の供給計画変更勧告とは
推進機関の意見を踏まえ、計画が安定供給の確保などの観点から適切でないと大臣が認めたときに、変更を促す措置です(29条5項)。命令の前段階にあたります。
Q8供給計画の取りまとめ結果は見られる?
推進機関は供給計画の取りまとめ結果を公表しています。取引先の供給力や今後の需給の見通しを確かめる資料になります。最新版は推進機関のサイトで確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1勧告って無視しても大丈夫なんですか?
勧告そのものに強制力はない。ただし第6項は、勧告をした場合で特に必要があり適切と認めるときに命令を出せると定めている。勧告を無視することは、命令への道を自分で開くことに等しい。実務のポイント:勧告の段階で修正案を持って協議に行けば、当局も命令という重い手段を使う理由を失う。勧告文の「どこが不適切か」の部分を一行ずつ潰すのが実務の定石である
Q2発電会社なのに「電気の供給を受けろ」と命令されることはありますか?
ない。第6項ただし書により、第3号(電気の供給を受けること)は送電事業者、発電事業者、特定卸供給事業者には命じられない。同じく第1号は送電事業者に、第2号の振替供給は小売電気事業者、発電事業者、特定卸供給事業者には命じられない。実務のポイント:命令を受けたら、まず自社の事業類型とただし書を突き合わせる。類型の当てはめ違いは、争う余地のある論点になる
間違えやすい点 AI による整理
- 供給計画は大手電力会社だけの義務だと思われがちだが、条文の主語は「電気事業者」だ。小売電気事業者、送配電事業者、発電事業者、特定卸供給事業者(アグリゲーター)まで含まれる。小さな新電力でも例外にはならない。
- 「届出なのだから出せば終わり」という理解は浅い。届出は推進機関が送配電等業務指針や広域系統整備計画に照らして検討し、意見を付けて大臣に送るプロセスの入口にすぎない。そこで出た意見が勧告の根拠になり、勧告が命令の前提になる。届出書の数字は、後で自社を拘束する材料になる。
- 視点を変えると見え方が違う。事業者から見れば供給計画は「社内の事業計画を役所に報告する書類」だが、法律から見れば「国全体の供給力が足りるかを判断する公的データ」である。その落差を読み違え、楽観的な数字を書いた事業者は、需給が逼迫した局面で説明責任を問われる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 電気事業法29条:各電気事業者の年度ごとの供給計画(届出・勧告・命令) | 電気事業法2条の12:小売電気事業者の供給能力確保義務(現行規定は要確認) 電気事業法31条:非常時等の電気の供給命令(現行規定は要確認) |
| 国が介入する契機 | 推進機関の意見を踏まえ、計画が適切でないと認めるとき | 個々の小売電気事業者の供給能力が不足するおそれ 需給の逼迫など、安定供給に支障が生じる緊急の場面 |
| 手続の段階 | 届出→推進機関の取りまとめ・意見→勧告→命令(勧告が前提) | 義務の履行を前提に、不足があれば行政上の措置 計画手続を経ない、より直接的な命令 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も電業法で発電業者・售電業者に備用供電容量の確保を求め、主管機関が供給の安定を監督する。日本のような全事業者による年度ごとの計画届出と、推進機関が取りまとめる構造とは設計が異なる
韓国は政府が電力需給基本計画を策定する国主導型。各事業者の計画を積み上げる日本の方式とは出発点が異なる
ドイツは連邦ネット庁などが供給の安定をモニタリングする。個別事業者への供給命令より、市場とモニタリングによる管理が中心となる
米国は NERC の信頼度基準と FERC の監督による。供給力の確保は州や地域送電機関(RTO/ISO)ごとに制度が分かれる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 登録したばかりの新電力の経営者が、営業開始の準備に追われて供給計画を後回しにしている。第1項のカッコ書きには、年度途中で電気事業者になった者は「遅滞なく」届け出るとある。登録から数か月放置すれば、規制当局から最初に付く評価は「計画を出さない事業者」になる。
- 調達先の発電所が予定より半年早く廃止されることになり、あなたの小売会社の供給力の見込みが大きく崩れた。計画を変えた事業者は、遅滞なく変更届を出さなければならない(第3項)。社内の稟議が下りるのを待って変更届を寝かせておく理由にはならない。
- もし冬の需給逼迫が予測され、大臣があなたの会社に「他の小売電気事業者へ電気を供給せよ」と命じてきたら、どうなる? 発電事業者に対しては、第6項第1号の命令は出せる。ただしその前提として、第5項の勧告が先に出ていなければならない。勧告を受けた段階が、反論と調整の最後の窓口になる。
- 自家発電設備を持つ工場の担当者が、地元の送配電事業者から「設備の共用」について打診を受けた。断ればそれで終わる話なのか。電気事業者同士の関係であれば、大臣命令の対象(第6項第4号)になりうる。まず自社が電気事業者に当たるかどうか、そこから確認する必要がある。
取るべき行動
被害を受けた側:電力の取引相手や需要家として、事業者の供給計画が実態と食い違い、その影響を受けている場合:1. 推進機関が公表している供給計画の取りまとめ結果を確認し、事業者の説明と照らし合わせる2. 契約上の供給義務と照らして不履行があれば、民法415条に基づく請求を検討する3. 系統全体の問題であれば、経済産業省(資源エネルギー庁)や電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口に情報を提供する
訴えられた側:勧告や命令を受ける側に立った場合:1. 推進機関の意見の内容と根拠を書面で確認する2. 勧告の段階で、計画の前提(電源の調達状況、需要想定)を資料で補強して説明する3. 命令は行政処分にあたる(役所が直接あなたに義務を課す具体的な決定)。原則として弁明の機会が与えられるので(行政手続法13条)、期限内に意見を出す4. 不服があれば審査請求か取消訴訟を検討する。命令違反には罰則があるため、争う場合でも命令はいったん履行する前提で動くのが安全である(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):届出は当該年度の開始前、新たに電気事業者になった年度は「遅滞なく」、変更は「遅滞なく」。第6項の命令に不服がある場合、審査請求は処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)
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