電気事業法 第28条
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電気事業者及び発電用の自家用電気工作物を設置する者(電気事業者に該当するものを除く。)は、電源開発の実施、電気の供給、電気工作物の運用等の遂行に当たり、広域的運営による電気の安定供給の確保その他の電気事業の総合的かつ合理的な発達に資するように、相互に協調しなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第28条は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第28条の条文原文は「電気事業者及び発電用の自家用電気工作物を設置する者(電気事業者に該当するものを除く。」で始まります。
- 電気事業法第28条は第一款 電気事業者等の相互の協調に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第28条の前の条は電気事業法第27条の33です。
- 電気事業法第28条の次の条は電気事業法第28条の2です。
- 電気事業法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法28条は、電気事業者と発電用の自家用電気工作物の設置者に、電源開発・電気の供給・設備の運用で相互に協調する義務を課す。本条自体に罰則はない。
Q · 電力会社同士が協力し合う義務って、法律で決まっているの?
電気事業法28条が相互協調を義務づけている
電気事業法28条は、電気事業者と発電用の自家用電気工作物を設置する者に、電源開発・電気の供給・電気工作物の運用等で相互に協調する義務を課しています。目的は広域的運営による電気の安定供給の確保です。本条自体に罰則はありませんが、広域的運営推進機関への加入や供給計画の提出といった制度が協調を具体化しています。協調の対象は料金ではなく、価格の申し合わせは独占禁止法3条違反になり得ます。
解説
停電しない毎日は、電力会社一社の努力だけで成り立っているわけではない。電気事業法28条は、電気事業者に加え、工場の敷地で自前の発電機を回している事業者にも「相互に協調しなければならない」という義務を課している。協調の対象は、電源開発、電気の供給、電気工作物の運用である。目的は、広域的運営による電気の安定供給の確保と、電気事業の総合的かつ合理的な発達だ。つまり競争相手同士でも、需給がひっ迫すれば電気を融通し合い、送電設備の運用を合わせることが法律の前提になっている。2016年の小売全面自由化で多くの新電力が参入した後も、この一文は残っている。競争が激しくなるほど、この義務は「争ってよい領域」と「足並みを揃えるべき領域」を分ける境界線として重みを増す。ただし、協調は価格の相談を許す免罪符ではない。電気の融通は協調だが、料金の申し合わせは独占禁止法違反になる。同じ「話し合い」でも、中身によって結論は正反対になる。
法的な位置づけ
電気事業法28条は、電気事業者および発電用の自家用電気工作物を設置する者(電気事業者を除く)に対し、電源開発の実施、電気の供給、電気工作物の運用等の遂行にあたり、広域的運営による電気の安定供給の確保その他の電気事業の総合的かつ合理的な発達に資するよう、相互に協調すべき義務を定める規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法28条とは?
電気事業者と自家発電設備の設置者に、電気の安定供給のため相互に協調する義務を課す条文です。対象は電源開発・電気の供給・設備運用です。
Q2自家発電設備の設置者も電気事業法の協調義務を負う?
負います。本条は発電用の自家用電気工作物を設置する者を、電気事業者と並べて協調義務の主体として明記しています。
Q3電気事業法28条に違反するとどうなる?
本条単体には罰則がありません。実効性は広域的運営推進機関の指示や供給計画制度など、周辺の仕組みが担っています。
Q4広域的運営とは何ですか?
エリアの枠を越えて発電・送電を一体的に運用し、需給ひっ迫時の融通などで全国の電気の安定供給を確保する考え方です。
Q5電力会社の協調はカルテルにならない?
協調の対象は電源開発・供給・設備運用に限られます。料金や営業エリアを申し合わせれば、独占禁止法3条の不当な取引制限になり得ます。
Q6需給ひっ迫時に電力の融通はどう行われる?
広域的運営推進機関が需給状況を監視し、余力のあるエリアの事業者に地域間連系線を通じた供給を指示する仕組みがあります。
Q7新電力も電気事業法28条の対象?
対象です。小売電気事業者などの新電力も電気事業者に含まれるため、大手電力と同じく相互協調の義務を負います。
Q8住宅用太陽光発電は協調義務の対象?
通常は対象外とされます。一般家庭の小規模太陽光は一般用電気工作物に分類されることが多く、本条の自家用電気工作物には当たりにくいです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協調しなかったら、電力会社に罰金とかあるんですか?
28条自体には罰則がない。実効性を支えているのは周辺の仕組みである。電気事業者には広域的運営推進機関(電気事業法28条の4以下)の会員になる義務があり、推進機関は需給ひっ迫時に会員へ指示を出せる。実務のポイント:実務で本当に効くのは罰則ではなく、推進機関の業務規程や送配電等業務指針に書き込まれた運用ルールだ。条文だけを読んでも、現場の拘束力は見えてこない
Q2電力会社同士が協調するって、それカルテルじゃないの?
協調の対象は電源開発・供給・設備運用であり、料金ではない。価格や営業エリアの申し合わせは独占禁止法3条違反になる。2023年3月、公正取引委員会は中部電力・中国電力・九州電力などに総額約1,000億円規模の課徴金納付命令を出した。実務のポイント:関西電力はこの件で課徴金減免制度を使い、納付を免れたと報じられている。最初に申告した会社が最も得をする仕組みだ
Q3家の屋根に太陽光パネルを載せてるけど、うちもこの協調義務の対象?
通常は対象外である。本条の対象は電気事業者と「発電用の自家用電気工作物を設置する者」で、一般家庭の小規模な太陽光は一般用電気工作物に分類されることが多い。実務のポイント:義務の対象外でも、系統全体の都合による出力制御のルールは売電契約を通じて及ぶ場合がある。自分が規制の網の外にいると思い込まず、売電契約の出力制御条項を確認しておくべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「電力会社同士が協調しろと法律に書いてあるのだから、価格について話し合ってもよい」と考えるのは危険である。法律の見え方を変える必要がある。本条の協調は、電源開発・供給・設備運用という安定供給のための協調だ。料金や営業地域の申し合わせは、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律3条の不当な取引制限に当たる。2023年には電力大手のカルテル事件で、総額約1,000億円規模の課徴金納付命令が出ている
- 「自分の工場の発電機は自家用だから、電力業界のルールとは無関係」という思い込みは誤りである。本条は、発電用の自家用電気工作物を設置する者を、電気事業者と並べて名指ししている。需給ひっ迫時の増出力要請などで、自家発設置者は安定供給の担い手として扱われる立場にある
- 罰則がないから飾りの条文だ、と軽く見る人は多い。本条単体で直接罰せられることはないのは事実だが、その重さを見落としている。広域的運営推進機関への加入義務、推進機関による指示、供給計画の提出といった仕組みは、すべて本条の協調理念を具体化したものだ。理念が仕組みに組み込まれているからこそ、実際の拘束力は強い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の内容 | 電気事業法28条:事業者・自家発設置者の相互協調義務(理念) | 電気事業法28条の4以下:広域的運営推進機関の目的・業務(実施主体) 電気事業法29条:供給計画の作成と届出(計画の仕組み) |
| 義務の主体 | 電気事業者+発電用自家用電気工作物の設置者 | 推進機関と会員である電気事業者 電気事業者 |
| 拘束力の性格 | 罰則なしの協調義務、周辺制度の解釈指針となる | 推進機関による指示など具体的な運用ルール 計画の提出・届出という具体的な手続義務 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も電力調度と供電の安定を法律で規律する。2017年改正で発電・売電の開放が進められ、送配電網の運用を担う事業者の役割が整理された
ドイツは送電系統運用者に系統安定の責任を負わせ、運用者間の協力と需給調整措置を定める。協調義務の主体が主に送電事業者である点が日本と異なる
米国は電力信頼度基準を連邦レベルで義務化し、違反には制裁がある。協調を理念ではなく強制基準として組み立てている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 真冬の寒波で、あと数時間のうちにエリアの予備率が危険水準を割り込みそうな夜。あなたは工場の自家発電設備の管理責任者で、一般送配電事業者から増出力の要請が届いた。応じるかどうか、社内でどう説明するか。議論の出発点は、自家発設置者も協調義務を負うと定めた本条である
- あなたは新電力の経営企画担当者。大手電力の知人と、冬の卸調達価格や顧客獲得方針について「業界の協調だから」と情報交換するつもりでいる。それは協調ではなく、独占禁止法の地雷原である
- もし大地震で隣のエリアの大型発電所が一斉に止まったら、あなたの家の電気はどうなるのか? 他エリアから地域間連系線を通じて融通が届くかどうかは、平時から各社が協調して運用を組んでいるかで決まる
- 春の晴れた昼、太陽光発電事業者に出力制御の指令が届く。売れたはずの電気が捨てられる。その背後には、個社の利益より系統全体の安定を優先する考え方がある
取るべき行動
被害を受けた側:新電力や自家発設置者として、系統運用や情報提供で不公平な扱いを受けたと感じた場合:1. やり取りの日時・担当者・内容をメールなどの記録で残す2. 広域的運営推進機関の苦情処理・紛争解決の窓口に相談する3. 取引上の差別的な扱いが疑われるなら、電力・ガス取引監視等委員会の相談窓口やあっせん・仲裁手続を検討する4. 価格の申し合わせを持ちかけられたら、その場で明確に断り、断った記録を残す
訴えられた側:協調不足やカルテルの疑いを指摘された場合:1. 問題の行為が「供給・設備運用」と「価格・営業」のどちらに属するかを社内で切り分ける2. 他社との会合記録・議事次第・メールを保全し、議題の範囲を確認する3. 独占禁止法上のリスクがある場合は、課徴金減免制度(リニエンシー)の期限を意識して、早い段階で独禁法に詳しい弁護士に相談する4. 推進機関から指示を受けた場合は、技術的に可能な範囲と理由を文書で回答する
時効(請求できる期限):特定の時効はない。ただし一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。不法行為に基づく損害賠償であれば、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。カルテル関連では、課徴金減免申請の順位が申請の早さで決まるため、事実上の時間制限は非常に厳しい(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:現行電気事業法(昭和39年法律第170号)の制定。電気事業者等の相互協調に関する規定が置かれた
- 電気事業法 第28条の4広域的運営推進機関の目的、協調の実施主体
- 電気事業法 第28条の11電気事業者の推進機関加入義務(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第29条供給計画の作成と届出、広域調整の基礎
- 電気事業法 第31条経済産業大臣の供給命令等(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第2条の12小売電気事業者の供給能力確保義務
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第3条不当な取引制限の禁止、協調の外枠
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