電気事業法 第34条(情報の提供の求め等)
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- 経済産業大臣は、電気の安定供給の確保に支障が生ずることにより、国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処又は当該事態の発生の防止のため必要があると認める場合には、一般送配電事業者又は配電事業者に対し、関係行政機関又は地方公共団体の長に対して必要な情報を提供することを求めることができる。
- 2.一般送配電事業者又は配電事業者は、経済産業大臣から前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がない限り、速やかに、その求めに応じなければならない。
- 3.前項の場合には、当該一般送配電事業者又は配電事業者については、第二十三条第一項(第一号に係る部分に限り、第二十七条の十二の十三において準用する場合を含む。第三十七条の三第一項において同じ。)の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
情報の提供の求め等とは何ですか?
定義情報の提供の求め等とは、電気事業法第34条に定められた規定で、「経済産業大臣は、電気の安定供給の確保に支障が生ずることにより、国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処又は当該事態の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第34条(情報の提供の求め等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第34条の条文原文は「経済産業大臣は、電気の安定供給の確保に支障が生ずることにより、国民の生命、身体又は財産に重大な被害が生じ、又は生ずるおそれがある緊急の事態への対処又は当該事態の…」で始まります。
- 電気事業法第34条は第五款 災害等への対応に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第34条の前の条は電気事業法第33条の4です。
- 電気事業法第34条の次の条は電気事業法第34条の2です。
- 電気事業法第34条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第34条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第34条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/34
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法34条は、緊急事態に経済産業大臣が一般送配電事業者等へ自治体等への情報提供を求められると定め、求めに応じた提供には23条1項1号の禁止を適用しない。
Q · 停電のとき、市役所は電力会社から停電世帯の情報をもらえるの?
経済産業大臣の「求め」があれば受け取れます
電気事業法34条により、電気の安定供給に支障が生じ、国民の生命・身体・財産に重大な被害が生じる(またはそのおそれがある)緊急時、経済産業大臣は一般送配電事業者・配電事業者に対して自治体の長などへの情報提供を求められます。事業者は正当な理由がない限り速やかに応じる義務を負い、その提供には23条1項1号の目的外提供禁止が適用されません。自治体が事業者に直接命じる仕組みではありません。
解説
停電が長引くと、自治体は「どの地区の誰の家にまだ電気が来ていないか」を知りたがる。ところがその答えを持っているのは自治体ではなく、送配電網を管理する一般送配電事業者(東京電力パワーグリッドなど、電線と変電所を運営する会社)である。平時の事業者には、託送業務(電線を貸して電気を届ける業務)で知った情報を目的外に使ったり外部に渡したりしてはならないという厳しい縛りがある(電気事業法23条1項1号)。本条は、国民の生命・身体・財産に重大な被害が出る、または出るおそれがある緊急事態に限って、経済産業大臣がその縛りを外す仕組みである。大臣が求めれば、事業者は正当な理由がない限り、速やかに国の関係機関や自治体の長へ情報を出さなければならない。そのとき23条1項1号の禁止は適用されない。押さえるべきなのは情報の流れる経路だ。自治体が事業者に直接命じられる条文ではなく、大臣の「求め」が引き金になる。災害時に情報が来ないとき、どこを動かせばよいかはこの経路で決まる。
法的な位置づけ
電気事業法34条は、電気の安定供給の確保に支障が生じ、国民の生命・身体・財産に重大な被害が生じ、または生じるおそれがある緊急事態において、経済産業大臣の求めにより一般送配電事業者および配電事業者が関係行政機関または地方公共団体の長へ必要な情報を提供する義務を定め、その限りで託送業務情報の目的外提供禁止(23条1項1号)を適用除外とする規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法34条とは?
停電などで人命や財産に重大な被害が迫る緊急時に、経済産業大臣の求めで送配電事業者が自治体等へ必要な情報を提供する仕組みを定めた条文です。
Q2停電情報 自治体 共有 できる?
平時は託送業務で得た情報の目的外提供が23条で禁じられています。緊急時に経済産業大臣が求めた場合に限り、事業者は自治体の長へ情報を提供できます。
Q3一般送配電事業者とは?
東京電力パワーグリッドなど、送電線・配電線・変電所を運営し、小売電気事業者の電気を各家庭へ届ける事業者です。電気事業法2条に定義があります。
Q4配電事業者も情報提供の義務がある?
あります。本条は一般送配電事業者と並べて配電事業者にも同じ応諾義務を課しており、事業規模が小さいことは対象外となる理由になりません。
Q5電力会社は大臣の求めを断れる?
「正当な理由」がある場合に限り断れます。データが存在しない、技術的に抽出できないなど具体的な事情が必要で、理由は文書で残すのが実務上の基本です。
Q6電気事業法23条 違反になる?
大臣の求めに応じた範囲内の提供であれば、34条3項により23条1項1号は適用されません。求めがない提供や求めの範囲を超える提供は、違反の問題が残ります。
Q7災害時 電力データ 個人情報保護法は?
大臣の求めに基づく提供は、個人情報保護法の「法令に基づく場合」に当たると解されています。ただし受け取った自治体側の取扱いには引き続き規律がかかります。
Q8停電の情報提供はいつから求められる?
被害が実際に生じた後だけでなく「生ずるおそれ」がある段階から対象です。台風接近時など被害発生前の防止目的でも求めを出すことができます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1停電中に、電力会社がうちの情報を本人の同意なしで市に渡すって、個人情報的にアリなんですか?
大臣の求めに基づく提供であれば、個人情報保護法27条1項1号の「法令に基づく場合」に当たると解されており、本人の同意は不要とされる。電気事業法側でも、本条3項によって23条1項1号の目的外提供の禁止が外れる。実務のポイント:同意が不要になるのは、大臣の求めがあり、その範囲内で提供される場合に限られる。求めのない「好意の情報共有」は、この二重の免責をどちらも受けられない
Q2うちの市から電力会社に直接『停電世帯のリストを出せ』って言えないの?
本条で求めを出せるのは経済産業大臣だけで、自治体の長は情報を受け取る側である(34条1項)。市が送配電会社に直接要請しても、事業者は23条を理由に慎重になりやすい。実務のポイント:実務では、地元を所管する経済産業局に、項目を特定した要請を早めに出すのが近道である。災害対策本部の連絡員として電力会社の社員が派遣されていても、個別情報を出すかどうかは求めの有無で変わりうる
間違えやすい点 AI による整理
- 視角転換型:住民は「電力会社は自分の家の停電状況を自治体と当然共有している」と考えがちだ。法律上は逆で、平時の共有は23条1項1号が原則として禁じている。本条の求めという特別な手続を経て、はじめて情報が流れる。住民が当然と思っている前提と法律の設計がずれており、そのずれが被災直後の数日間の空白になる
- 前提錯誤型:「自治体は送配電事業者に情報提供を命令できるのか」という問いの立て方そのものが誤っている。本条で求めを出せるのは経済産業大臣であり、自治体の長は情報の受け手にすぎない。問うべきなのは、経済産業省にどれだけ早く求めを出させるかである
- 深化型:「緊急時なら何でも出せる」と考えるのも危うい。要件は国民の生命・身体・財産への重大な被害、またはそのおそれがある緊急事態への対処・防止に必要な場合である。さらに、外れるのは23条1項1号の禁止だけであり、受け取った自治体側の個人情報の取扱いまで自由になるわけではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規範の向き | 電気事業法34条:緊急時に限り情報提供を義務づける(開く規定) | 電気事業法23条1項1号:託送業務で得た情報の目的外利用・提供を禁止(閉じる規定) |
| 発動の主体 | 経済産業大臣の「求め」が引き金 | 事業者に常時課される行為規制で、発動行為は不要 |
| 適用場面 | 国民の生命・身体・財産に重大な被害が生じる(おそれのある)緊急事態 | 平時を含むすべての託送業務 |
| 両者の関係 | 3項で23条1項1号(1号部分に限る)の適用を除外 | 34条の求めの範囲外では原則どおり禁止が及ぶ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では電業法に同種の大臣求め型規定は確認できず、非公務機関の目的外利用の例外(生命・身体等への危害防止)で対応する構造となる
韓国も個人情報保護法の目的外提供の例外で緊急時の情報共有を処理する。日本のような業法側の適用除外規定とは設計が異なる
ドイツは系統運用者の情報秘匿を EnWG で定め、緊急時の個人データ処理は GDPR の生命利益条項で正当化する二層構造
米国は FERC 行為規範で送電事業者の情報共有を制限しつつ、緊急時の例外を設けている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風で市内の三割が停電して四日目。市の防災担当者は、在宅で人工呼吸器を使う住民の地区がまだ停電しているのか分からない。送配電会社の窓口に電話しても「個別情報は出せない」と言われた。こうした場合、市は経済産業省(地方の経済産業局)に本条の「求め」を出してもらうよう要請する。この経路を知らない自治体は、窓口で断られた時点で諦めてしまう
- 一般送配電事業者の系統運用部門の社員として、大臣からの求めに応じて地区ごとの停電データを県に渡したとする。後になって社内監査から「23条違反ではないか」と指摘された。本条3項で禁止規定の適用が外れていることを、求めの文書と一緒に記録しておけば足りる
- もし大臣の求めがないまま、自治体と「仲が良いから」という理由で停電世帯のデータを渡したらどうなるか。その提供には本条3項の適用除外が及ばず、23条1項1号の禁止行為の問題がそのまま残る
- 配電事業者(2020年改正で生まれた、特定地域の配電網を運営する新しい事業者)として地域の配電を担い始めたばかりのとき、大型地震が起きた。求めの宛先は一般送配電事業者だけではない。本条は配電事業者にも同じ応諾義務を課している。「うちは小さいから対象外」という思い込みは通らない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 在宅医療機器を使う家族がいるなら、平時のうちに自治体の避難行動要支援者名簿(災害対策基本法49条の10)への登録を確認しておく。電力側の情報が自治体に届いても、受け手側の名簿と照合できなければ支援につながりにくい2. 長期停電になったら、自治体には個別の状況と医療機器の電源残量を具体的に伝える3. 自治体職員であれば、経済産業局に本条の求めを要請する。そのとき、必要な情報項目と利用目的を書面で示す
訴えられた側:1. 送配電事業者・配電事業者として求めを受けたら、求めの文書、受領日時、提供先、提供した情報の範囲を記録として残す。これが3項による適用除外の根拠になる2. 拒否できるのは「正当な理由」がある場合に限られる。データが存在しない、技術的に抽出できないといった具体的な事情に限って検討し、理由は文書にする3. 求めの範囲を超えて情報を提供すると、23条1項1号の問題が残る。範囲を厳守する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。本条の応諾義務そのものには日数の定めがなく、求めを受けたら「速やかに」応じることが求められる(本条2項)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 改正:エネルギー供給強靱化法による電気事業法改正で配電事業者制度が創設され、災害時に自治体等へ電力データを提供する仕組みが整備されたとされる(本条の施行日・条番号の変遷は要確認)
- 電気事業法 第23条託送情報の目的外利用禁止、本条で適用除外
- 電気事業法 第27条の12の13配電事業者への23条準用(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第37条の323条除外を参照する情報提供規定(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第2条一般送配電事業者・配電事業者の定義
- 個人情報の保護に関する法律 第27条法令に基づく第三者提供の例外
- 災害対策基本法 第49条の10受け手側の避難行動要支援者名簿
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