電気事業法 第46条の8(方法書についての勧告)
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- 経済産業大臣は、第四十六条の五の規定による方法書の届出があつた場合において、環境影響評価法第十条第一項の都道府県知事の意見又は同条第四項の政令で定める市の長の意見及び同条第五項の都道府県知事の意見がある場合にはその意見を勘案するとともに、第四十六条の六第二項の規定による届出に係る同法第八条第一項の意見の概要及び当該意見についての事業者の見解に配意して、その方法書を審査し、その方法書に係る特定対象事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされることを確保するため必要があると認めるときは、第四十六条の五の規定による届出を受理した日から経済産業省令で定める期間内に限り、特定事業者に対し、その特定対象事業に係る環境影響評価の項目並びに調査、予測及び評価の手法について必要な勧告をすることができる。
- 2.経済産業大臣は、前項の規定による勧告をする必要がないと認めたときは、遅滞なく、その旨を特定事業者に通知しなければならない。
- 3.経済産業大臣は、第一項の規定による勧告又は前項の規定による通知を行うときは、併せて特定事業者に対し、環境影響評価法第十条第一項の書面又は同条第四項の書面及び同条第五項の書面がある場合にはその書面の写しを送付しなければならない。
この条文の基本情報
方法書についての勧告とは何ですか?
定義方法書についての勧告とは、電気事業法第46条の8に定められた規定で、「経済産業大臣は、第四十六条の五の規定による方法書の届出があつた場合において、環境影響評価法第十条第一項の都道府県知事の意見又は同条第四項の政令で定める市の長の意…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第46条の8(方法書についての勧告)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第46条の8の条文原文は「経済産業大臣は、第四十六条の五の規定による方法書の届出があつた場合において、環境影響評価法第十条第一項の都道府県知事の意見又は同条第四項の政令で定める市の長の意…」で始まります。
- 電気事業法第46条の8は第三款 環境影響評価に関する特例に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第46条の8の前の条は電気事業法第46条の7です。
- 電気事業法第46条の8の次の条は電気事業法第46条の9です。
- 電気事業法第46条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第46条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第46条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/46_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法46条の8は、発電所の方法書について経済産業大臣が知事意見等を勘案して審査し、省令で定める期間内に限り、評価項目と調査・予測・評価手法の修正を勧告できると定める。
Q · 発電所の方法書に大臣が勧告したら、風車やメガソーラーの建設は止まるの?
止まらない。勧告できるのは調査項目と手法の修正だけ
電気事業法46条の8に基づく経済産業大臣の勧告は、環境影響評価の項目と、調査・予測・評価の手法に限られます。建設の可否や事業の中止を命じる規定ではありません。また勧告できるのは方法書の届出受理から経済産業省令で定める期間内に限られ、勧告不要と判断した場合も事業者への通知と知事意見等の写しの送付が義務づけられています。
解説
風力発電所や大規模な太陽光発電所の計画が地元に持ち上がったとき、最初に「何を、どう調べるか」を決める書類が方法書(環境アセスメントの調査設計図)である。この設計図には法律上の関門がある。経済産業大臣は、知事や政令市長の意見と住民意見の概要を考慮したうえで、事業者に対し、調査項目と手法の修正を勧告できる。ただし、勧告できるのは届出の受理から経済産業省令で定める期間内に限られる。勧告で直せるのは「何を測るか」「どう予測するか」だけで、事業の中止は命じられない。だから住民にとっての勝負所は、建設の賛否を叫ぶことよりも、「この項目が抜けている」「この調査期間では渡り鳥の季節を外す」と具体的に指摘することになる。調査の網から漏れた影響は、後の準備書でも評価書でも、まず浮かび上がってこないからである。
法的な位置づけ
電気事業法第46条の8は、発電所に係る環境影響評価方法書の審査と勧告を定める規定である。経済産業大臣は、都道府県知事・政令市長の意見を勘案し、住民意見の概要と事業者の見解に配意して方法書を審査し、届出受理から省令で定める期間内に限り、評価項目および調査・予測・評価の手法について特定事業者に勧告できる。勧告不要の場合は通知し、意見書面の写しを送付する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.縦覧の公告を確認し期限を記録する 事業者が行う方法書の公告(自治体の掲示板・事業者ウェブサイト等)を確認し、縦覧期間(1か月)と意見書提出期限(縦覧満了翌日から2週間)を記録する
- 2.方法書の調査項目・地点・時期を読み込む 方法書の環境影響評価項目一覧と、調査地点・調査時期・予測手法の表を確認し、地元の知識から漏れている項目(湧水、猛禽類の営巣地、渡り鳥の季節、通学路の騒音など)を洗い出す
- 3.具体的な手法の修正案を書いた意見書を出す 「どの項目を追加し、どの手法・期間をどう変えるべきか」を根拠写真や記録とともに記載し、期限内に事業者へ提出する
- 4.自治体の環境部局にも同内容を届ける 知事・政令市長の意見形成に反映されるよう、都道府県や政令市の環境部局に同じ指摘を届ける。知事意見は経済産業大臣の審査で勘案される材料になる
- 5.勧告・通知の結果と準備書を追跡する 大臣の勧告または勧告不要の通知の有無を確認し、次の準備書で指摘した項目・手法がどう扱われたかを照合する。反映されていなければ準備書段階で再指摘する
よくある質問 AI による整理
Q1環境アセスメントの方法書とは何ですか?
発電所などの事業で、どの環境要素を、どんな手法で調査・予測・評価するかを示す計画書です。アセスの「調査設計図」にあたり、縦覧と意見募集の対象になります。
Q2発電所の方法書は誰が審査しますか?
電気事業法46条の8により経済産業大臣が審査します。知事・政令市長の意見を勘案し、住民意見の概要と事業者の見解に配意して判断します。
Q3方法書への意見書はいつまで出せる?
環境影響評価法8条により、縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までです。縦覧は公告の日から1か月間行われます。
Q4方法書への意見書は誰でも出せる?
環境保全の見地からの意見を持つ人であれば、地元住民に限らず提出できます。提出先は事業者で、具体的な調査手法の指摘が効果的です。
Q5経済産業大臣の勧告に従わないとどうなる?
本条自体に罰則はありませんが、準備書・評価書の段階で同じ点を再度指摘され、手続の遅延や評価書の変更を求められるリスクが高まります。
Q6風力発電は環境アセスの対象になる?
一定規模以上の風力発電所は環境影響評価法と電気事業法の対象事業です。対象規模は政令で定められており、最新の基準を確認する必要があります。
Q7大臣が勧告しない場合、知事意見はどうなる?
勧告不要の通知とあわせて知事意見等の書面の写しが事業者に送付されます(本条3項)。事業者は意見を勘案して項目・手法を選定します。
Q8方法書の段階で建設に反対できる?
意見書で反対の意思を書くことはできますが、本条の勧告対象は調査項目と手法です。調査の欠落を具体的に指摘するほうが手続上の効果は大きくなります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1大臣が『勧告なし』にしたら、住民の意見は捨てられたってことですか?
そうではない。勧告が不要と判断された場合でも、本条第3項により知事意見等の写しは事業者に送付される。さらに事業者は、環境影響評価法第11条に基づき、知事意見などを勘案して調査項目と手法を選定しなければならない。実務のポイント:勧告がなかったからといって論点が消えるわけではない。準備書段階の住民意見や知事意見で、同じ論点を「方法書段階から指摘済み」として再提起すると、行政も事業者も無視しにくくなる
Q2この勧告って、裁判で取り消しを求めたりできるんですか?
本条の勧告は、事業者に調査設計の見直しを求めるものであり、勧告それ自体が権利義務を直接確定させる処分(役所が直接下す具体的な決定)に当たるかについては、慎重に考える必要がある。住民側がこの勧告を対象に争う道は、実務上狭いとみられている。実務のポイント:住民にとって実際に効くのは訴訟より手続上の記録である。方法書段階で意見を出した記録が残っていると、後の段階で調査不足を争う際の土台になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「大臣の勧告が出れば計画は止まる」と期待する住民は多いが、本条の勧告の対象は環境影響評価の項目と、調査・予測・評価の手法に限られる。建設の可否を判断する条文ではない。勧告をきっかけに計画が止まるとすれば、調査をやり直した結果、事業者が採算や工程を見直した場合である
- 方法書は「どうせ形式的な書類」と軽く見られがちだが、深刻度が理解されていない。方法書で外れた調査項目は、準備書・評価書と段階が進むほど追加しにくくなる。アセス全体の網の目の細かさは、この段階でほぼ決まってしまう
- 環境問題なら環境大臣が見ているはずだと考える人が多いが、本条の方法書段階で法律上の審査主体として登場するのは経済産業大臣であり、意見を述べるのは都道府県知事と政令で定める市の長である。環境大臣が意見を述べる正式な場面は、配慮書や準備書・評価書の段階に置かれている。どの段階で誰が発言権を持つのかを取り違えると、要望書を送る相手を間違える
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する手続 | 46条の8:方法書の審査と大臣勧告 | 46条の5:方法書の届出 46条の6:住民意見概要と事業者見解の届出 |
| 主な行為者 | 経済産業大臣 | 特定事業者 特定事業者 |
| 期間・タイミング | 届出受理から省令で定める期間内に限り勧告可 | 勧告期間の起算点となる届出 住民意見提出期間の後に届出 |
| 住民との関係 | 住民意見の概要に配意して審査 | 直接の関与なし 住民意見の概要と事業者見解を大臣に届ける |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では第二階段環評に進んだ案件で主管機関が範疇界定を行う。日本は方法書を全対象事業で経る点が異なる
ドイツでは事業者の申請等により管轄庁が調査範囲を事業者に通知するスコーピングが置かれている
米国 NEPA では EIS 作成時に連邦機関が公開のスコーピングを行い、検討すべき論点と範囲を決める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 隣の山の尾根に風車20基を建てる計画の方法書が、町役場に縦覧(誰でも閲覧できる公開)として置かれた。縦覧は1か月、意見書の提出は縦覧期間満了の翌日から2週間までである。この約1か月半を逃すと、方法書の段階で調査項目について住民が意見を言える正式な窓口は閉じる
- あなたは発電事業者のアセス担当者である。方法書を届け出たあと、経済産業大臣から「低周波音の予測手法を見直せ」という勧告が届いた。無視すれば、次の準備書段階で同じ点を指摘され、工程は半年単位で遅れうる。勧告に沿って手法を修正するか、修正しないなら合理的な理由を準備書に書き込むかの判断を迫られる
- 知事意見で「希少猛禽類の営巣調査を2繁殖期実施すべき」と書かれていたのに、大臣が勧告しなかったら、知事意見は無意味になるのか? ならない。第3項により知事意見の写しは事業者に送られ、環境影響評価法上、事業者はその意見を勘案して項目と手法を選定する義務を負う
- 太陽光パネル用地の買収を進めていた不動産会社が、方法書の段階で出た勧告によって調査が一年延び、資金計画が崩れた。アセスの日程は、土地の値段にも跳ね返る
取るべき行動
被害を受けた側:1. 縦覧の公告を確認し、意見書の提出期限(縦覧期間満了の翌日から2週間)を手帳に書く2. 方法書の調査項目・地点・時期の一覧表を読み、地元の知識から抜けている項目を探す(湧水、猛禽類の営巣地、通学路の騒音など) 3. 写真や観察記録を添え、「どの手法をどう変えるべきか」まで書いた意見書を事業者に提出する4. 同じ内容を都道府県や政令市の環境部局にも届け、知事意見への反映を求める
訴えられた側:1. 届出の時点から、省令で定める勧告期間をスケジュールに組み込み、その間は詳細調査に着手しすぎない2. 住民意見の概要に付ける「事業者の見解」は、大臣が審査の際に配意する対象なので、具体的に書く3. 勧告や知事意見の写しが届いたら、手法を変更するかどうかとその理由を記録し、準備書で説明できるようにしておく4. 勧告を軽視すると、準備書段階での指摘や評価書の変更につながり、工程遅延のコストが膨らむ
時効(請求できる期限):大臣が勧告できるのは、方法書の届出を受理した日から経済産業省令で定める期間内に限られる(最新の改正状況をご確認ください)。住民意見は、環境影響評価法第8条により、縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日まで提出できる
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成9年(1997年) 改正:環境影響評価法の制定に合わせ、発電所の環境影響評価について電気事業法に特例規定を整備し、方法書等の段階で経済産業(当時は通商産業)大臣が関与する仕組みを設けた
- 電気事業法 第46条の5方法書の届出、勧告期間の起算点
- 電気事業法 第46条の6住民意見概要と事業者見解の届出
- 電気事業法 第46条の4配慮書段階の勧告(現行効力を要確認)
- 環境影響評価法 第8条方法書に対する住民意見提出
- 環境影響評価法 第10条知事・政令市長の方法書意見
- 環境影響評価法 第11条意見を勘案した項目・手法の選定
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