電気事業法 第99条の12(秘密保持義務)
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卸電力取引所の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、市場開設業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。
この条文の基本情報
秘密保持義務とは何ですか?
定義秘密保持義務とは、電気事業法第99条の12に定められた規定で、「卸電力取引所の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、市場開設業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第99条の12(秘密保持義務)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第99条の12の条文原文は「卸電力取引所の役員若しくは職員又はこれらの職にあつた者は、市場開設業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。」で始まります。
- 電気事業法第99条の12は第七章 卸電力取引所に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第99条の12の前の条は電気事業法第99条の11です。
- 電気事業法第99条の12の次の条は電気事業法第99条の13です。
- 電気事業法第99条の12には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第99条の12 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第99条の12(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/99_12
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法99条の12は、卸電力取引所の役員・職員と元役員・元職員が、市場開設業務で知った秘密を漏らすことや盗用することを禁じる。退職後も義務は続く。
Q · JEPXを辞めた後も、仕事で知った情報の守秘義務は続くの?
続きます。条文上の期限はなく、退職後も漏えい・盗用は禁止です
電気事業法99条の12は、卸電力取引所の役員・職員だけでなく「これらの職にあつた者」にも、市場開設業務で知り得た秘密の漏えいと盗用を禁じています。条文上の期限はないため、退職・退任後も義務は続きます。誰にも話さず転職先の入札戦略に使うだけでも「盗用」に当たりうる点に注意が必要です。一方、取引所が公表済みの価格・約定量データは秘密に当たりません。
解説
日本の電力の卸売価格は、毎日、一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)の画面上で決まる。発電会社や新電力(大手電力以外の小売電気事業者)が翌日の30分ごとの電気を、いくらで何kWh売り買いするかを入札する。その入札データを丸ごと見られる立場にいるのが、取引所の役員と職員である。本条は、彼らが市場開設業務(取引の場を運営する仕事)で知った秘密を漏らすことも、自分のために使うことも禁じる。押さえておきたいのは「これらの職にあつた者」という一句だ。退職しても義務は消えず、条文上の期限もない。取引所を辞めて電力会社の需給部門に転職した人が、前職で見た各社の入札の癖を使って戦略を立てれば、漏らしていなくても「盗用」の問題になりうる。転職先に雇用契約上の秘密保持誓約がなくても、この義務は法律から直接かかっている。違反には刑事罰が予定されている(具体的な法定刑は最新の改正状況をご確認ください)。あなたが市場参加者なら、取引所出身者を採用するときにこの条文を踏まえた情報遮断を組む必要がある。あなた自身が取引所出身なら、新しい職場で前職の知識をどこまで使ってよいかを自分で線引きしなければならない。
法的な位置づけ
電気事業法第99条の12は、卸電力取引所の役員若しくは職員又はこれらの職にあった者に課される秘密保持義務を定める規定である。市場開設業務に関して知り得た秘密について、第三者への漏えいと自己または他人のための盗用の双方を禁止し、在職中に限らず離職後も適用される。
手順
- 1.内定段階で前職情報不持込の誓約書を取る 卸電力取引所出身者に内定を出した時点で、市場開設業務で知り得た秘密を持ち込まず業務に使わない旨の誓約書を取得する。入社後に疑いが出てから整えても証拠力は弱い
- 2.入札・需給部署への配属を一定期間避ける 入社直後は入札戦略や需給管理を担う部署に配属せず、一定期間の冷却期間を設ける。配属判断の理由を社内記録として残す
- 3.情報遮断ルールとアクセス権限を設定する 入札関連システムへのアクセス権限を制限し、前職情報に関わる議論への参加を控えさせる社内ルールを文書化する
- 4.分析根拠を公開データで再現できる形にする 取引所出身者が関わった市場分析は、JEPXの公表価格・約定量など公開資料のみで再現できるよう根拠を記録し、盗用の疑いに備える
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法99条の12とは?
卸電力取引所の役員・職員と、その職にあった者に対し、市場開設業務で知った秘密の漏えいと盗用を禁じる規定です。
Q2JEPX職員の守秘義務はいつまで?
条文上の期限はありません。「これらの職にあつた者」も対象のため、退職・退任後もずっと義務が続きます。
Q3秘密の「盗用」とはどういう意味?
第三者に話さなくても、業務で知った秘密を自分や転職先のために使うことです。漏えいと並んで独立に禁止されています。
Q4電気事業法99条の12に違反するとどうなる?
刑事罰が予定されています。法定刑は改正で変わりうるため、e-Gov法令検索で最新の罰則規定を確認してください。
Q5JEPXとはどんな組織?
一般社団法人日本卸電力取引所の略称で、発電事業者や小売電気事業者が電気を売買する卸電力市場を運営しています。
Q6取引所出身者を採用しても問題ない?
採用自体は適法です。ただし前職の秘密を入札業務に使わせれば盗用の受け皿になりうるため、誓約書と情報遮断が欠かせません。
Q7秘密保持の誓約書がなくても義務はある?
あります。本条の義務は法律から直接生じるため、雇用契約や誓約書の有無とは関係なく、役員・職員だった事実だけで負います。
Q8業界紙の記者に雑談で話すのも違反?
悪気のない雑談でも、特定事業者の入札行動など非公開情報を話せば「漏らし」に当たりえます。公表情報の範囲にとどめるべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1JEPXを辞めて電力会社に転職するのって、そもそも禁止なんですか?
転職自体は禁止されていません。電気事業法99条の12が禁じているのは、業務で知った秘密を漏らすことと盗用することです。問題は転職先で何をするか。実務のポイント:法的に転職できても、入札や需給の部署にすぐ配属されると「盗用していない」ことを本人が説明しにくくなります。最初の一定期間は別部署を希望し、その経緯を記録しておくのが、自分を守るいちばん安い保険です
Q2取引所が公表している価格データを使うのもダメなんですか?
公表済みのデータは誰でも見られるので、本条の「秘密」には当たりません。対象は、市場開設業務の中で知った個別参加者の入札内容など非公開の情報です。実務のポイント:境界で揉めやすいのは、公表データと内部で見た個別の札を頭の中で組み合わせた分析です。「公表データだけでこの結論に到達できたか」を説明できるように、分析の根拠を公開資料で再現しておくと強いです
Q3うちの入札情報が漏れたかもしれません。取引所を訴えられますか?
取引所の職員の漏洩で損害が出たなら、取引所の使用者責任(民法715条)や取引参加契約上の責任を問う余地があります。ただし、漏洩と損害の因果関係の立証は簡単ではありません。実務のポイント:民事で争う前に、電力・ガス取引監視等委員会に取引データの分析を促すのが近道です。当局は全参加者の約定データを照合できるので、個社では手に入らない証拠が出てくることがあります
間違えやすい点 AI による整理
- 「秘密保持は会社との雇用契約の話で、誓約書にサインしていなければ縛られない」と思われがちだが、本条の義務は法律から直接生じる。契約書の有無とは関係なく、役員・職員だった事実だけで義務を負う
- 漏らさなければ大丈夫と考える人は多いが、本条は「漏らし」と並べて「盗用」も禁じている。誰にも話さず、自分の頭の中の知識を転職先の入札戦略に落とし込むだけでも、条文上は違反になりうる。どこまでが一般的な市場知識で、どこからが業務上知り得た秘密かの線引きは個別判断で、実務上も解釈が分かれる
- 市場参加者の側から見れば「取引所が情報を守るのは当然で、自分には関係ない」話に見える。だが法の視点では、取引所の秘密保持は市場参加者全員の入札戦略を守るインフラであり、元職員を採用した参加者側が盗用の受け皿になれば、不正競争防止法上の営業秘密侵害や、市場監視当局の調査の当事者として巻き込まれる。受け取る側も無傷ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 義務を負う者 | 電気事業法99条の12:卸電力取引所の役員・職員とその職にあった者 | 電気事業法23条:送配電事業者(現行効力を要確認) 不正競争防止法21条:営業秘密を不正に取得・使用・開示した者 |
| 保護される情報 | 市場開設業務に関して知り得た秘密(入札内容など) | 託送業務で得た他の事業者の情報など 秘密管理性・有用性・非公知性を満たす営業秘密 |
| 禁止される行為 | 漏えいと盗用。退職後も期限なし | 情報の目的外利用・提供 不正の利益を得る目的などによる取得・使用・開示 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は2017年の電業法改正後に電力取引プラットフォームを整備。取引所職員の退職後守秘義務を条文で明示しているかは要確認
韓国は한국전력거래소が卸電力市場を一元運営。日本と同様に市場運営者への情報集中が生じる構造
EU域内では REMIT が卸電力市場の内部情報の不正利用と市場操作を規律し、取引所運営者にも監視義務を課す
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- JEPXで三年働いたあと、新電力の需給管理部門から高い年収で誘いが来た。面接で「前職の経験を活かして調達コストを下げてほしい」と言われる。その「経験」に、特定の発電事業者がどの時間帯にどの価格帯で売り札を入れる傾向があるかという知識が含まれているなら、使った瞬間に本条の「盗用」が問題になる
- スポット価格が急騰した翌週、取引所の職員が学生時代の友人と飲みに行き、「あの日、大手の一社が売り札を急に引っ込めたんだよ」と口を滑らせた。友人は電力系の業界紙の記者だった。悪気のない雑談でも、特定事業者の入札行動は秘密に当たりうる
- もし、競合する新電力に自社の入札価格の傾向が筒抜けになっているように見えたら、どこに何を求められる? 相手の採用履歴に取引所出身者がいるかを確かめ、取引所と経済産業省(電力・ガス取引監視等委員会)に情報管理の確認を求めるところから始まる
- 取引所の元役員が、退任から二年後に電力トレーディング会社の顧問になった。条文には退任後の期限が書かれていない。顧問契約書に秘密保持条項がなくても義務は残っている
- あなたは小売電気事業者の法務担当で、来月JEPX出身の中途社員が入社する。入社前の一か月が勝負だ。前職情報を持ち込まない旨の誓約書の書式と、需給・入札の部署に配属する場合の情報遮断ルールを今のうちに用意しておかないと、後になって「盗用を黙認した会社」として疑われる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 競合の入札が自社の札に不自然に追随した日時とコマを、取引データから時系列で抜き出す2. 競合の役員・社員に取引所出身者がいないか、公開情報で確かめる3. 取引所に情報管理体制の確認を求め、電力・ガス取引監視等委員会への情報提供を検討する4. 自社の入札戦略が営業秘密に当たるなら、不正競争防止法に基づく差止め・損害賠償を弁護士と検討する
訴えられた側:1. 使った知識が公開情報(JEPXの公表価格・約定量など)や業界の一般知識から説明できるかを整理する2. 前職の資料・メモ・データを私物の端末に持ち出していないか、すぐに確認し記録する3. 転職先には、前職情報を業務に使っていない経緯を書面で残す4. 当局から聴取が来たら、回答前に弁護士に相談する。不用意な説明が「盗用」の自白と受け取られることがある
時効(請求できる期限):本条の義務自体に期限はなく、退職・退任後も続く。民事の損害賠償は損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。刑事罰の公訴時効は法定刑により異なる(最新の改正状況をご確認ください)
- 電気事業法 第97条卸電力取引所の指定(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第98条市場開設業務の内容(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第23条送配電事業者の情報目的外利用禁止(現行効力を要確認)
- 不正競争防止法 第21条営業秘密侵害罪による刑事責任
- 民法 第715条職員の漏洩に対する取引所の使用者責任
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