電気事業法 第99条の13(監督命令)
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経済産業大臣は、市場開設業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、卸電力取引所に対し、市場開設業務に関し監督上必要な命令をすることができる。
この条文の基本情報
監督命令とは何ですか?
定義監督命令とは、電気事業法第99条の13に定められた規定で、「経済産業大臣は、市場開設業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、卸電力取引所に対し、市場開設業務に関し監督上必要な命令をすることができる…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第99条の13(監督命令)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第99条の13の条文原文は「経済産業大臣は、市場開設業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、卸電力取引所に対し、市場開設業務に関し監督上必要な命令をすることができる…」で始まります。
- 電気事業法第99条の13は第七章 卸電力取引所に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第99条の13の前の条は電気事業法第99条の12です。
- 電気事業法第99条の13の次の条は電気事業法第99条の14です。
- 電気事業法第99条の13には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第99条の13 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第99条の13(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/99_13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法第99条の13は、市場開設業務の公正かつ適確な実施を確保するため、経済産業大臣が卸電力取引所に監督上必要な命令を出せると定める規定である。
Q · 電力の卸取引所の運営がおかしいとき、国は取引所に何か命令できるの?
運営が公正・適確でなければ、国は取引所に命令できる
電気事業法第99条の13により、経済産業大臣は、市場開設業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるとき、卸電力取引所に対して監督上必要な命令を出すことができます。介入の基準は価格水準ではなく、価格が決まるプロセスの公正さと適確さです。個々の電力会社の不当な取引には、本条ではなく独占禁止法など別の規律が働きます。
解説
電気料金の明細には、ほとんど誰も気にしない数字の裏側がある。新電力の多くは、日本卸電力取引所(JEPX)で毎日30分単位の電気を仕入れている。市場連動型プランを選んだ家庭の電気代は、この取引所の価格に直接連動する。本条は、その取引所に対して経済産業大臣が「監督上必要な命令」(取引所の業務について役所が出す、従わなければならない具体的な指示)を出せると定める。命令を出すかどうかの基準は「市場開設業務の公正かつ適確な実施」が確保されているかどうかである。価格の決まり方、情報公開、システム障害への対応、特定の参加者だけを有利に扱う運用などが、命令の対象として想定される。ただし本条が直接縛るのは取引所であり、市場で売り買いする電力会社そのものではない。とはいえ、「市場がおかしい」と感じた新電力や需要家にも打てる手はある。法令違反の事実を示して役所に命令を出すよう求める道(行政手続法36条の3)があり、取引監視の窓口も開かれている。電気代の高騰を「天災」とあきらめるか、「監督が届く範囲の問題」と捉えるか。どちらと捉えるかで、次に打てる手が変わる。
法的な位置づけ
電気事業法第99条の13は、卸電力取引所に対する経済産業大臣の監督命令権限を定める規定である。市場開設業務の公正かつ適確な実施の確保を発動要件とし、取引所の市場開設業務に関し監督上必要な命令を発することを認める。規律の対象は取引所の運営プロセスであり、市場価格の水準そのものではない。
よくある質問 AI による整理
Q1卸電力取引所とは何ですか?
電力会社や新電力が電気を売り買いする市場を開設する取引所です。日本では日本卸電力取引所(JEPX)が経済産業大臣の指定を受けて運営しています。
Q2JEPX を監督しているのはどこですか?
経済産業大臣が電気事業法に基づき監督します。市場の取引監視には電力・ガス取引監視等委員会も関わり、本条の監督命令はその権限の一つです。
Q3監督命令と行政指導の違いは?
監督命令は法的な義務を課す処分で、従わなければ重い措置につながりえます。行政指導は任意の協力を求めるもので、法的な強制力はありません。
Q4電力市場の価格操作は違法?
市場参加者による相場操縦的な行為は、電気事業法上の規律や独占禁止法で問題となりえます。本条は取引所の運営を対象とし、個々の参加者は対象外です。
Q5市場連動型プランのリスクとは
電気代が卸市場の約定価格に連動するため、需給逼迫時に請求額が急増するおそれがあります。契約前に価格上限の有無や連動の計算式を確認することが重要です。
Q6監督命令はどんな場合に出される?
市場開設業務の公正かつ適確な実施を確保するため必要と認められる場合です。約定処理の不具合放置、情報開示の不備、特定参加者の優遇などが想定されます。
Q7取引所の運営に問題があるとき誰に相談できる?
電力・ガス取引監視等委員会への情報提供が入口です。法令違反が明らかなら、行政手続法36条の3に基づき経済産業大臣へ処分等の求めを出す方法もあります。
Q8監督命令に不服があるときはどうする?
命令を受けた取引所は、審査請求(原則3か月以内)や取消訴訟(原則6か月以内)で争えます。命令前には弁明の機会など行政手続法上の手続も保障されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1電気代が急に高くなったのって、取引所のせいで国が何かしてくれるんですか?
本条の命令は、取引所の運営が公正でない、あるいは適確でない場合に出されるもので、価格が高いこと自体が理由になるわけではありません。実務のポイント:料金高騰の後に本当に動くのは審議会での制度見直しです。家庭が交渉の材料にするべきなのは、契約約款の価格連動条項と、高騰時の上限設定の有無です
Q2大手電力が市場で変な売り方をしてる気がする。どこに言えばいい?
本条は取引所を監督する規定なので、個々の電力会社の行為については、電力・ガス取引監視等委員会への情報提供が入口になります。独占禁止法3条が問題になる場面では公正取引委員会も関わります。実務のポイント:監視委員会には市場の約定データが集まっています。「いつ、どの時間帯の価格が、どう不自然か」を特定して伝えると、調査が動きやすくなります
Q3国が取引所に命令したら、取引所の運営って変わるんですか?
変わります。命令には従う義務があり、従わなければ、指定を受けた取引所としての地位に関わる重い措置に進む可能性があります(電気事業法の該当条文で要確認)。実務のポイント:実際の運営は、正式な命令が出る前に、報告の求めや審議会の指摘を受けて自主的に改められることが多いものです。命令を出せる権限は、抜かずに効かせる刀として働いています
間違えやすい点 AI による整理
- 経済産業大臣がこの条文で電力会社の価格つり上げを直接処分できると思われがちだが、命令の名宛人は卸電力取引所である。個々の売り手・買い手の不当な行為には、相場操縦の禁止や独占禁止法など別の規律が働く。どの法律で誰を相手にするのかを取り違えると、出す書面の宛先から間違えることになる
- 監督命令の存在は知っていても、その重みまでは知られていない。卸電力取引所は大臣が指定した唯一の取引所である。命令違反は指定取消しなどの重い措置につながりうる(具体的な効果は電気事業法の該当条文を要確認)。取引所にとっては事業の存続がかかる命令であり、軽い行政指導(役所からの任意のお願い)とはまったく性質が違う
- 「市場価格が高いのは取引所の監督不行き届きか」と問う人がいるが、問いの立て方がずれている。本条が守るのは価格水準ではなく、価格が決まるプロセスの公正さと適確さである。燃料不足で需給が逼迫して高値が付いても、決まり方が公正なら本条の出番はない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 権限の性質 | 第99条の13:取引所に是正を義務づける監督命令 | 第106条:報告の徴収(事実把握の手段) 第107条:立入検査(現場での事実確認) |
| 発動の目的 | 市場開設業務の公正かつ適確な実施の確保 | 法の施行に必要な限度での情報収集 法の施行に必要な限度での検査 |
| 相手方への効果 | 命令に従う法的義務が生じる | 報告義務が生じる(是正義務ではない) 検査の受忍義務が生じる(是正義務ではない) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2017年改正で電力交易平台を導入。運営主体と監督の構造は日本の指定取引所制度と異なり、条番号は要確認
韓国は電力取引所を法定法人として設置し、主務大臣が監督する。強制プール型で日本の任意取引所型と市場構造が異なる
ドイツの電力取引所EEXは一般の取引所法に基づき州の取引所監督に服し、加えてEU規則REMITによる市場監視が及ぶ
米国はFERCが卸電力料金と地域送電機関(RTO/ISO)の市場ルールを監督し、不当な料金・慣行の是正を命じうる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし冬の寒波で卸市場価格が数日にわたり異常に高止まりし、その原因が価格決定ルールや情報開示の不備にあると疑われたら、どうなる? 経済産業大臣は取引所に対し、業務の運用を正すよう命令を出しうる。令和3年(2021年)1月のスポット価格高騰後には、市場の在り方が国の審議会で集中的に検証された
- あなたは取引所の運営担当者である。システム更改の際に約定処理の不具合を把握したが、公表を後回しにした。取引参加者が誤った価格で約定し続けたなら、「適確な実施」を欠くとして監督命令の対象になりうる
- 新電力を経営する友人が「大手の売り入札が不自然に引っ込められている気がする」と相談してきた。あなたが最初に伝えるべきは、相手の電力会社を訴えることではない。電力・ガス取引監視等委員会への情報提供である
- 取引所が業務規程の変更を発表し、施行まであと2週間しかない。新ルールが自社のような小規模事業者に一方的に不利だと考えるなら、施行前にパブリックコメントや監督官庁への意見提出で根拠を示しておく必要がある。施行後に覆すのは、施行前に止めるよりはるかに難しい
取るべき行動
被害を受けた側:1. 市場の異常で損害を受けた新電力や需要家は、まず影響を受けた期間の約定データ、請求明細、取引所の公表資料を保存する2. 取引所の運営に問題があると考えるなら、電力・ガス取引監視等委員会に具体的な事実を添えて情報提供する3. 法令違反が明らかなら、行政手続法36条の3に基づき、経済産業大臣に命令を出すよう書面で求めることも検討する4. 個々の売り手の不当な行為が疑われる場合は、独占禁止法による申告など別の手段を並行して組む
訴えられた側:1. 取引所側が命令の前段として報告を求められたら、事実関係を時系列で整理し、迅速かつ正確に回答する2. 不利益処分(役所が特定の相手に義務を課したり権利を制限したりする決定)にあたる命令には、行政手続法上の弁明の機会などが保障される。事前の手続で根拠を示して反論する3. 命令に不服があれば、審査請求または取消訴訟を検討する4. 再発防止策を業務規程に反映し、是正の実績を示す
時効(請求できる期限):本条の命令そのものに特定の期限はない。命令に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に行う(最新の改正状況をご確認ください)
- 電気事業法 第1条目的規定、監督権限の解釈指針
- 電気事業法 第97条卸電力取引所の指定(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第106条報告徴収、命令の前提となる事実把握(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第107条立入検査による監督(現行効力を要確認)
- 行政手続法 第13条不利益処分前の聴聞・弁明の機会
- 行政手続法 第36条の3第三者による処分等の求め
- 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律 第3条市場参加者の私的独占等を禁止(通称 独占禁止法)
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