電気事業法 第99条の8(地域間売買取引の決済に係る利益の納付)
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卸電力取引所は、推進機関が行う広域系統整備交付金交付等業務に要する費用に充てるため、推進機関に対し、経済産業省令で定めるところにより、翌日市場における地域間の売買取引の決済に係る収入からその決済に要する費用を控除した金額を納付するものとする。
この条文の基本情報
地域間売買取引の決済に係る利益の納付とは何ですか?
定義地域間売買取引の決済に係る利益の納付とは、電気事業法第99条の8に定められた規定で、「卸電力取引所は、推進機関が行う広域系統整備交付金交付等業務に要する費用に充てるため、推進機関に対し、経済産業省令で定めるところにより、翌日市場における地域間の売…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第99条の8(地域間売買取引の決済に係る利益の納付)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第99条の8の条文原文は「卸電力取引所は、推進機関が行う広域系統整備交付金交付等業務に要する費用に充てるため、推進機関に対し、経済産業省令で定めるところにより、翌日市場における地域間の売…」で始まります。
- 電気事業法第99条の8は第七章 卸電力取引所に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第99条の8の前の条は電気事業法第99条の7です。
- 電気事業法第99条の8の次の条は電気事業法第99条の9です。
- 電気事業法第99条の8には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第99条の8 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第99条の8(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/99_8
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法第99条の8は、卸電力取引所に対し、翌日市場の地域間取引で生じる値差収益から決済費用を控除した額を、推進機関へ納付するよう定める。
Q · 電力市場が東西で分断したときに生まれる差額は、どこへ行くの?
決済費用を除き、送電網増強の財源として推進機関へ納付される
電気事業法99条の8により、卸電力取引所は、翌日市場で地域間の売買取引を決済した際の収入から決済に要する費用を控除した金額を、電力広域的運営推進機関に納付します。この資金は広域系統整備交付金交付等業務、つまり地域間連系線などの送電網整備を支える交付金の費用に充てられます。納付の具体的な算定・方法は経済産業省令で定められます。
解説
電気料金の明細には決して載らないお金の流れがある。卸電力取引所(JEPX)の翌日市場(前日に翌日分の電気を売り買いする市場)では、地域をつなぐ送電線(地域間連系線)が混み合うと、市場が地域ごとに分かれ、東と西、北と南で値段が変わる「市場分断」が起きる。このとき、高い地域の買い手が払う額と、安い地域の売り手が受け取る額の間に差額が生まれる。いわゆる「値差収益」である。本条は、この差額から決済費用を差し引いた残りを、取引所が電力広域的運営推進機関(推進機関、全国の送電網の運用を調整する組織)へ納めるよう定めている。使い道は広域系統整備交付金、つまり地域間連系線を太くする工事の資金だ。仕組みとしては、送電線が詰まるほど詰まりを解消するための資金が貯まる。電気を買う側にいるあなたにとって、市場分断で払わされた割高分は、ただ消えたのではない。その一部は、次の分断を減らすための投資に回っている。この流れを知っていれば、電力会社の値上げ説明や系統増強のニュースを「誰のお金で、何のために」という目で読めるようになる。
法的な位置づけ
電気事業法99条の8は、卸電力取引所の納付義務を定める規定であり、翌日市場における地域間の売買取引の決済に係る収入(いわゆる値差収益)から決済に要する費用を控除した金額を、広域系統整備交付金交付等業務の費用に充てるため、電力広域的運営推進機関に納付させる旨を規定する。納付の方法は経済産業省令に委任される。
よくある質問 AI による整理
Q1値差収益とは何ですか?
JEPX の翌日市場で市場分断が起きた際、高い地域の買い手の支払額と安い地域の売り手の受取額の間に生じる差額のことです。
Q2市場分断とはどういう意味ですか?
地域間連系線の送電容量が足りなくなり、卸電力市場の価格が地域ごとに分かれて決まる状態です。エリアプライスに差が生じます。
Q3広域系統整備交付金とは何ですか?
地域間連系線など全国規模の送電網整備を支えるための交付金で、電力広域的運営推進機関が交付等業務を担います。
Q4値差収益は誰に納付されますか?
電気事業法99条の8により、卸電力取引所から電力広域的運営推進機関(推進機関)へ納付されます。
Q5値差収益から差し引かれる費用は?
条文上は「決済に要する費用」です。具体的な範囲や算定方法は経済産業省令で定められるため、最新の省令を確認する必要があります。
Q6エリアプライスとシステムプライスの違いは?
システムプライスは連系線制約がない場合の全国一律の価格、エリアプライスは市場分断時に地域ごとに決まる価格です。
Q7連系線増強で電気代は下がる?
直接の値下げは約束されていませんが、連系線が太くなると地域間の価格差が縮みやすくなり、分断による割高な調達は減りやすくなります。
Q8値差収益の納付は違法になることがある?
本条は取引所の納付義務を定めるもので、省令に沿わない算定や不納付は問題になり得ます。具体的な扱いは経済産業省令の確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市場分断で高く買わされた分って、電力会社とか取引所が儲けてるんですか?
値差の部分は特定の誰かの利益にはならない。電気事業法99条の8により、取引所は決済費用を差し引いた額を推進機関へ納め、地域間連系線の増強に使う交付金の財源になる。実務のポイント:分断が多い年ほど納付額は増える。値差の総額を追っていくと、どのエリアの送電網がどれだけ足りないかが金額で見えてくる
Q2連系線が太くなったら、うちの電気代は安くなりますか?
直接的な値下げは約束されていない。ただし連系線が増強されれば、安い地域の電気を高い地域へ流しやすくなり、エリア間の価格差は縮まりやすい。本条はその増強資金の一部を値差収益でまかなう仕組みである。実務のポイント:増強が完了すると分断が減り、財源である値差収益も細る。この財源は、うまく機能するほど小さくなる性質を持っている
間違えやすい点 AI による整理
- 「値差収益は取引所の儲けだ」と思われがちだが、本条は決済費用を差し引いた残りを推進機関へ納付するよう定めている。取引所の内部留保として自由に使える余剰金という位置づけではない
- 市場分断は電力市場の欠陥にすぎず、どうにもならないと受け止められやすい。しかし法律から見ると、分断は送電容量が足りないことを示す価格シグナルであり、そこで生じた差額を増強投資に回すことまで制度に組み込まれている。分断がどこで頻発しているかは、次にどこへ送電網投資が向かうかを読む手がかりになる
- 「連系線の増強費用は結局、電力会社が全部負担する」という問いの立て方自体が実態とずれている。広域系統整備の費用負担は、値差収益、再エネ賦課金を原資とする交付金、受益に応じた事業者負担などが組み合わされる設計であり、誰か一者が全額を払う構図ではない(具体的な負担割合は案件ごとの整備計画で決まるため、最新の状況を要確認)
他国ではどう定めているか 2 か国
EU では送電系統運用者が得る混雑収入の使途を、連系容量の確保・増強などに優先的に充てるよう規律している。日本は取引所から推進機関へ集約する点で設計が異なる
米国の地域送電機関では、混雑収入を金融的送電権(FTR)保有者へ配分するのが基本で、系統増強財源へ直接納付する日本型とは発想が異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 新電力の調達担当として、北海道エリアの顧客向けに JEPX で電気を買っている。連系線が混雑した日、北海道のエリアプライスだけが跳ね上がり、その月の粗利が吹き飛んだ。あなたが払った割高分のうち値差にあたる部分は、本条を通じて連系線増強の財源へ流れている
- 市場分断で生まれた差額は、いったい誰の財布に入るのか? 取引所の利益になると思われがちだが、本条によって決済費用を除いた額は推進機関へ納付される。取引所が自由に使えるお金ではない
- あなたは自治体のエネルギー政策担当で、議会から「地元の再エネを都市部へ送る連系線の増強費用は誰が負担するのか」と質問された。答弁まであと二日。財源の一部は再エネ賦課金、もう一部は本条に基づく値差収益だと整理できれば、答弁の骨格はできる
- 電力系統の投資案件を検討しているファンドのアナリスト。交付金の原資として値差収益は安定した収入ではなく、市場分断の頻度しだいで年ごとに大きく変わる。原資がこのように変動することを見落とすと、事業計画の前提が狂う
取るべき行動
被害を受けた側:市場分断で調達コストが膨らんだ小売電気事業者や大口需要家の場合:1. JEPX が公表するエリアプライスとシステムプライスの差を月ごとに記録し、値差による負担額を数字で把握する2. 分断が頻発するエリアの増強計画を推進機関の公表資料で確認する3. 調達の中長期戦略に増強完了の時期を織り込む4. 制度改善の意見募集(パブリックコメント)が出たら、実際の負担データを添えて意見を出す
訴えられた側:納付の当事者になる取引所や、制度対応を担う関係者の場合:1. 納付額の算定根拠となる経済産業省令の最新規定を確認する2. 「決済に要する費用」として控除する範囲を社内で文書化し、説明できる状態にしておく3. 地域間取引の決済データと納付額の対応関係を監査できる形で保存する4. 解釈に迷う論点は、経済産業省(資源エネルギー庁)への事前照会で確認しておく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効や期限の定めはない。納付の時期と方法は経済産業省令に委ねられているため、最新の省令規定を確認すること。民事上の請求権が問題になる場面では、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和2年(2020年) 新設:強靱かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(令和2年法律第49号)により、広域系統整備交付金の制度とあわせて新設。2022年4月施行(施行日は要確認)
- 電気事業法 第28条の40推進機関の業務範囲、交付金交付等業務の根拠(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第97条卸電力取引所の指定、納付主体の地位(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第2条電気事業の定義、小売・送配電事業者の区分
- 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法 第28条賦課金を原資とする系統整備交付の財源(条番号・現行効力を要確認)
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