保険業法 第249条(株主総会等の特別決議等に関する特例)
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- 株式会社である被管理会社(外国保険会社等を除く。以下この条及び次条において同じ。)における会社法第三百九条第二項第三号(同法第百七十一条第一項に係る部分に限る。)から第五号まで、第九号、第十一号若しくは第十二号(株主総会の決議)若しくは第三百二十四条第二項第一号若しくは第四号(種類株主総会の決議)に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議又は第六十九条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百六十五条の三第二項若しくは第百六十五条の十第二項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
- 2.株式会社である被管理会社における会社法第三百九条第三項各号若しくは第三百二十四条第三項各号に掲げる株主総会若しくは種類株主総会の決議又は同法第三百二十三条(種類株主総会の決議を必要とする旨の定めがある場合)の規定若しくは第百六十五条の三第四項若しくは第六項若しくは第百六十五条の十第六項の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した株主の半数以上であって出席した株主の議決権の三分の二以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
- 3.相互会社である被管理会社における第五十七条第二項、第六十条第二項、第六十二条第二項、第六十二条の二第二項、第八十六条第二項、第百三十六条第二項、第百四十四条第三項、第百五十六条又は第百六十五条の十六第二項(第百六十五条の二十において準用する場合を含む。)の規定による決議は、これらの規定にかかわらず、出席した社員(総代会を設けているときは、総代)の議決権の四分の三以上に当たる多数をもって、仮にすることができる。
- 4.第一項の規定により仮にした決議(以下「仮決議」という。)があった場合においては、各株主に対し、当該仮決議の趣旨を通知し、当該仮決議の日から一月以内に再度の株主総会を招集しなければならない。
- 5.前項の株主総会において第一項に規定する多数をもって仮決議を承認した場合には、当該承認のあった時に、当該仮決議をした事項に係る決議があったものとみなす。
- 6.前二項の規定は、第二項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、前項中「第一項」とあるのは、「第二項」と読み替えるものとする。
- 7.第四項及び第五項の規定は、第三項の規定により仮にした決議があった場合について準用する。この場合において、第四項中「各株主」とあるのは「各社員(総代会を設けているときは、各総代)」と、同項及び第五項中「株主総会」とあるのは「社員総会(総代会を設けているときは、総代会)」と、同項中「第一項」とあるのは「第三項」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
株主総会等の特別決議等に関する特例とは何ですか?
定義株主総会等の特別決議等に関する特例とは、保険業法第249条に定められた規定で、「株式会社である被管理会社(外国保険会社等を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 保険業法第249条(株主総会等の特別決議等に関する特例)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
- 保険業法第249条の条文原文は「株式会社である被管理会社(外国保険会社等を除く。」で始まります。
- 保険業法第249条は第二款に置かれています。
- 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
- 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 保険業法第249条の前の条は保険業法第248条です。
- 保険業法第249条の次の条は保険業法第249条の2です。
- 保険業法第249条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
保険業法(平成七年法律第百五号)第249条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105 - 本サイト収録
保険業法(平成七年法律第百五号)第249条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/249
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点保険業法249条は、被管理会社の株主総会について定足数を外し、出席した株主の議決権の3分の2以上で仮決議ができると定める。仮決議は1か月以内の再度の総会で承認されて初めて効力を持つ。
Q · 破綻した保険会社の株主総会って、株主がほとんど来なくても合併を決められるんですか?
決められる。定足数が外れ、出席者の3分の2で仮決議が成立する
保険業法249条は、保険管理人の管理下にある被管理会社について、会社法309条2項等の定足数を適用せず、出席した株主の議決権の3分の2以上の多数で合併・保険契約の包括移転などを「仮に」決議できると定めます(1項)。相互会社では出席した社員(総代会があるときは総代)の議決権の4分の3以上です(3項)。ただし仮決議だけでは効力を生ぜず、仮決議の日から1か月以内に再度の総会を招集し(4項)、同じ多数で承認された時に決議があったものとみなされます(5項)。
解説
保険会社が破綻し、内閣総理大臣の処分で保険管理人の管理下に置かれた会社(被管理会社)では、株主総会のルールが書き換わる。平時であれば、合併や保険契約の包括移転を決める特別決議には「議決権の過半数を持つ株主の出席」という定足数が要る(会社法309条2項)。だが破綻会社の株式はほぼ無価値であり、株主は総会に来ない。定足数が集まらず何も決まらないまま、保険契約者の保護だけが宙に浮く。249条はこの詰みを外す。出席した株主の議決権の3分の2以上があれば「仮決議」が成立し、仮決議の日から1か月以内に開く二度目の総会で同じ多数の承認があれば、その承認の時に決議があったものとみなされる(4項、5項)。相互会社なら出席した社員、総代会があるときは総代の議決権の4分の3以上である(3項)。あなたが株主または社員として押さえるべき一点は、欠席は反対票にならないということだ。母数は「出席した者」であり、欠席者は計算から消える。会社の運命は、来なかった人を置き去りにして動く。
法的な位置づけ
保険業法249条は、被管理会社における株主総会等の決議要件の特例を定める規定である。会社法所定の定足数を適用せず、出席した株主の議決権の3分の2以上(相互会社では出席社員または総代の議決権の4分の3以上)による仮決議を認め、仮決議の日から1か月以内の再度の総会における同一水準の承認をもって決議の成立とみなす二段階構造を採用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.仮決議の通知を受け取ったら日付と議題を確定する 「仮決議の趣旨の通知」が届いたら、仮決議の日を確認し、そこから1か月の期限を逆算する。議題が合併、保険契約の包括移転、業務及び財産の管理の委託、組織変更のいずれかを特定する
- 2.自分の議決権と必要な反対票を計算する 母数は出席した株主の議決権である点を前提に、再度の総会で承認を阻止するには出席議決権の3分の1超(相互会社なら4分の1超)が必要と計算する。欠席者は母数から消えるため、出席の確保自体が数値目標になる
- 3.他の株主・社員に連絡して出席を固める 株主名簿の閲覧謄写請求(会社法125条)により連絡先を把握し、再度の総会への出席を呼びかける。相互会社では総代の構成と選出経緯を確認する
- 4.再度の総会に出席し、議事を記録する 欠席は反対の重みを持たないため必ず出席して議決権を行使する。招集通知の発送日、通知漏れの有無、議長の議事進行を書面と録音で記録し、後の争訟に備える
- 5.瑕疵があれば3か月以内に決議取消しの訴えを検討する 承認決議の招集手続や決議方法に法令違反があれば、決議の日から3か月以内に決議取消しの訴え(会社法831条1項)を提起する。期間は不変であるため弁護士への相談は通知到達直後に開始する
よくある質問 AI による整理
Q1仮決議とは何ですか?
定足数を満たせない被管理会社で、出席株主の議決権の3分の2以上により暫定的に成立させる決議です。1か月以内の再度の総会で承認されて初めて決議があったものとみなされます(保険業法249条1項、5項)。
Q2被管理会社とはどういう会社ですか?
内閣総理大臣の処分により保険管理人による業務および財産の管理を命じられた保険会社を指します。249条の特例は、この状態にある会社の総会決議にだけ適用されます。
Q3仮決議の再度の総会はいつまでに開く必要がありますか?
仮決議の日から1か月以内です(249条4項)。各株主に仮決議の趣旨を通知したうえで招集しなければならず、期限内に承認がなければ仮決議は効力を生じません。
Q4相互会社の場合の決議要件は?
出席した社員(総代会を設けているときは総代)の議決権の4分の3以上です(249条3項)。株式会社の3分の2より高い水準が維持されています。
Q5仮決議に定足数はありますか?
ありません。249条は会社法309条2項等の規定にかかわらずと定め、母数を「出席した株主の議決権」に置いています。出席者が少数でも仮決議は成立します。
Q6欠席すると反対票になりますか?
なりません。母数が出席者の議決権に限られるため、欠席は計算から外れ、結果的に賛成側が3分の2を満たしやすくなります。反対するなら出席が必要です。
Q7仮決議の対象になる議題は何ですか?
会社法309条2項3号から5号・9号・11号・12号等の特別決議事項のほか、保険業法上の保険契約の包括移転(136条2項)、業務及び財産の管理の委託(144条3項)などです。
Q8仮決議の通知漏れがあったらどうなりますか?
4項は各株主への通知を義務づけており、通知漏れは招集手続の瑕疵として、決議の日から3か月以内の決議取消しの訴え(会社法831条1項)の理由になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株主がほとんど来なかった総会でも、決議って成立しちゃうんですか?
成立する。249条1項は定足数を外し、出席した株主の議決権の3分の2以上という基準だけを残しているので、出席がごく少数でも仮決議は成立する。ただし1か月以内の再度の総会での承認が必要で、承認があった時に決議があったものとみなされる(4項、5項)。実務のポイント:実務がこの場面で本当に恐れているのは決議の成否ではなく4項の通知漏れである。株主を一人落としただけで、決議取消しの訴えにより手続全体が巻き戻る火種が残る。だから発送記録は議事録より重く保管される
Q2相互会社には株主がいないのに、どうやって決めるんですか?
相互会社では社員、つまり保険契約者が議決権を持ち、総代会を設けているときは総代が行使する。249条3項は、出席した社員または総代の議決権の4分の3以上で仮決議ができると定め、7項が通知と再度の総会についての読替えを置いている。実務のポイント:総代は会社側が組織した選考手続を経て選ばれるのが通例で、破綻局面でも会社提案に賛成が集まりやすい構造がある。契約者として声を届けたいなら、破綻してからでは遅く、平時の総代選出手続に関与しておくのが実質的に唯一の入口になる
間違えやすい点 AI による整理
- 定足数が緩和されることまでは知っていても、その緩和が「二段構え」である意味を取り違えている人が多い。仮決議は一度では終わらない。1か月以内の再度の総会で同じ多数の承認がなければ、仮決議は承認されないまま効力を持たない(4項、5項)。緩和は手続の省略ではなく、期限を切った二度打ちへの置き換えである
- 「仮決議なら、後から本決議でひっくり返せる」という問いの立て方そのものが誤っている。5項は、再度の総会で承認があった時に決議があったものとみなすと定めるだけで、仮決議の中身を審議し直す場を保障してはいない。争点は覆せるかどうかではなく、1か月以内のその一回に出席できるかどうかにある
- 株主の側から見れば、自分の会社の重要事項がごく少数の出席者で決まるのは理不尽に映る。だが法の側から見れば、破綻会社の株式価値はすでにほぼ失われ、保護すべき主役は保険契約者へ移っている。この落差を理解しないまま総会を欠席すると、あとから異議を述べるための足場すら残らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 決議の成立要件 | 保険業法249条:定足数なし、出席議決権の3分の2以上(相互会社は出席社員・総代の4分の3以上) | 会社法309条2項:議決権の過半数を有する株主の出席+出席議決権の3分の2以上 保険業法136条2項:保険契約の包括移転につき会社法の特別決議によることを要求 |
| 適用される会社 | 保険管理人の管理下にある被管理会社(外国保険会社等を除く) | すべての株式会社 保険契約の包括移転を行う保険会社一般 |
| 効力発生のタイミング | 仮決議の日から1か月以内の再度の総会で承認があった時にみなし成立(4項、5項) | 総会での可決時に即時成立 決議後、所定の手続(公告・異議申述等)を経て移転の効力が発生 |
| 前提となる処分 | 保険業法242条による保険管理人の管理処分が先行していること | 特段の行政処分を前提としない 管理処分の有無を問わない(被管理会社なら250条の特例も重なる) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は主管機関が保険会社に接管(管理)を命じる構造を採り、接管人が権限を代行する。日本のように総会決議の定足数を外す明文特例よりも、接管人への権限集中で手続を進める設計になっている点が異なる
韓国も金融当局による管理人選任と整理手続を置くが、総会決議要件そのものを出席者基準に置き換える日本型の仮決議制度に完全対応する条文は確認できていない
ドイツは監督官庁 BaFin による支払禁止命令と清算手続で対応し、会社法上の総会決議要件を破綻時に緩和するという発想は薄い
米国は州保険長官が rehabilitation / liquidation の receiver となり裁判所の監督下で処理する。株主総会の決議要件を操作するのではなく、権限を receiver へ移すアプローチ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、保有株の保険会社が保険管理人の管理下に入り、ある朝「仮決議の趣旨の通知」という郵便が届いたとしたら? 中身は、合併や保険契約の包括移転をすでに仮に決めたという報告である。あなたに残された時間は、仮決議の日から1か月以内に開かれる再度の総会まで。その一回を逃せば、承認はあなた抜きで確定し、その時点で正式な決議があったものとみなされる(5項)
- 相互会社の総代に選ばれた。総代会の席は明らかに空きが目立つのに、議長は淡々と議事を進めていく。出席した総代の議決権の4分の3、それだけで合併も解散も仮に通る盤面に、あなたは座っている
- 保険契約者として、契約条件の変更や契約の移転に関する説明会に呼ばれた側の立場。その手続の前段には株主総会や社員総会の決議が必要になる場面があり、249条はその決議が定足数不足で止まらないようにする装置である。つまり、自分の契約が動くスピードは、自分が一度も参加しない会議の決議要件によって決まっている
取るべき行動
被害を受けた側:1. 仮決議の通知が届いたら日付を確認する。再度の総会は仮決議の日から1か月以内に招集される(4項)、逆算して動ける日数を数える2. 議題が合併、保険契約の包括移転、業務及び財産の管理の委託、組織変更のどれに当たるかを特定し、自分の議決権比率を把握する3. 他の株主や社員に連絡し、出席者ベースで3分の1超を確保できるか計算する。欠席は反対にならない4. 招集手続や通知に漏れがあれば、決議の日から3か月以内の決議取消しの訴え(会社法831条1項)を視野に、総会当日の議事進行を録音と書面で記録する
訴えられた側:1. 仮決議に進む前に、通常の定足数では成立見込みがないことを出席状況と議事録で残す2. 仮決議後は4項の通知を各株主(相互会社なら各社員、総代会があるときは各総代)へ漏れなく発し、1か月の期限内に再度の総会を招集する。通知漏れは後の決議取消し事由として残り続ける3. 承認に必要な多数は仮決議と同じ水準(1項なら出席議決権の3分の2以上)である点を確認する4. 相互会社では母数が社員または総代になる読替え(7項)を取り違えないこと
時効(請求できる期限):仮決議の日から1か月以内に再度の株主総会(相互会社では社員総会、総代会を設けているときは総代会)を招集しなければならない(4項、6項、7項)。この期限内に承認がなければ仮決議は効力を生じない。決議の効力自体を争う場合は、決議の日から3か月以内の決議取消しの訴え(会社法831条1項)
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