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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

保険業法 第30条の11(設立時取締役等による調査)

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  1. 設立時取締役(設立しようとする相互会社が監査役設置会社(監査役を置く相互会社をいう。以下この節、第七十六条第三項第二号、第七十九条第二項、第八十四条第二項第九号、第百六十一条第一項第五号ロ及び第百六十三条第一項第五号ロにおいて同じ。)である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
  2. 一第二十四条第二項において読み替えて準用する会社法第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(第二十四条第二項において読み替えて準用する同法第三十三条第十項第二号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
  3. 二第二十四条第二項において読み替えて準用する会社法第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。
  4. 三相互会社の設立に際して募集をする基金の総額の引受けがあること。
  5. 四第三十条の三第一項の規定による払込みが完了していること。
  6. 五社員になろうとする者が百人以上であること。
  7. 六前各号に掲げる事項のほか、相互会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
  8. 2.会社法第九十三条第二項及び第三項(設立時取締役等による調査)並びに第九十四条(設立時取締役等が発起人である場合の特則)の規定は、前項の規定による調査について準用する。この場合において、同法第九十三条第二項中「設立時取締役」とあるのは「設立時取締役(保険業法第三十条の十第一項に規定する設立時取締役をいう。次項及び次条第一項において同じ。)」と、「創立総会」とあるのは「創立総会(同法第三十条の八第一項に規定する創立総会をいう。次項及び次条において同じ。)」と、同法第九十四条第一項中「監査役設置会社」とあるのは「監査役設置会社(保険業法第三十条の十一第一項に規定する監査役設置会社をいう。)」と、「設立時監査役」とあるのは「設立時監査役(同法第三十条の十第一項に規定する設立時監査役をいう。)」と、「前条第一項各号」とあるのは「同法第三十条の十一第一項各号」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。

この条文の基本情報

設立時取締役等による調査とは何ですか?

定義設立時取締役等による調査とは、保険業法第30条の11に定められた規定で、「設立時取締役(設立しようとする相互会社が監査役設置会社(監査役を置く相互会社をいう。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 保険業法第30条の11(設立時取締役等による調査)は、日本の保険業法に含まれる条文です。
  2. 保険業法第30条の11の条文原文は「設立時取締役(設立しようとする相互会社が監査役設置会社(監査役を置く相互会社をいう。」で始まります。
  3. 保険業法第30条の11は第二款 設立に置かれています。
  4. 保険業法の公布日は平成7年6月7日です。
  5. 保険業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 保険業法第30条の11の前の条は保険業法第30条の10です。
  7. 保険業法第30条の11の次の条は保険業法第30条の12です。
  8. 保険業法第30条の11には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の11
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000105
  • 本サイト収録保険業法(平成七年法律第百五号)第30条の11(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/407AC0000000105/30_11

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点保険業法30条の11は、相互会社の設立時取締役に対し、選任後遅滞なく現物出資の価額、基金の払込み、社員百人以上など六項目の調査を義務づける。違反があれば創立総会に報告する。

Q · 相互会社の設立時取締役になったら、最初に何をすればいいの?

選任後遅滞なく六項目を調査し、問題は創立総会に報告する

保険業法30条の11により、設立時取締役(監査役設置会社では設立時監査役も)は選任後遅滞なく六項目を調査します。現物出資財産等の価額が相当か、その証明が相当か、基金総額の引受けがあるか、基金の払込みが完了しているか、社員になろうとする者が百人以上いるか、設立手続が法令・定款に違反していないかです。法令違反または不当な事項があれば、会社法93条2項の準用により創立総会へ報告する義務が生じます。設立自体を差し止める権限は与えられていません。

解説

保険会社には二つの形がある。株式会社と、保険契約者そのものが構成員(社員)になる相互会社だ。後者を立ち上げるとき、設立時取締役は選ばれた直後に六つの項目を自分の目で確かめる義務を負う。現物出資の値付けが妥当か、その証明が妥当か、基金の総額の引受けがあるか、払込みが完了しているか、社員になろうとする者が百人以上いるか、そして手続全体が法令と定款に反していないか。ここを見落としたまま設立を通せば、責任は発起人ではなく、調査を怠ったあなたに返ってくる。しかも自分が発起人を兼ねている場合は、会社法94条の準用で創立総会が別に検査役を選任できる。自分で自分を検査させないという設計が、最初から組み込まれている。

法的な位置づけ

保険業法30条の11は、相互会社の設立における調査義務を定める規定である。設立時取締役(監査役設置会社では設立時監査役を含む)は、選任後遅滞なく、現物出資財産等の価額および証明の相当性、基金総額の引受けと払込みの完了、社員になろうとする者が百人以上であること、設立手続の法令・定款適合性を調査しなければならない。

手順

  1. 1.六項目チェックリストを就任直後に作成 選任の通知を受けた時点で、保険業法30条の11第1項1号から6号までを一行ずつ独立した確認項目に分解したチェックリストを作る。各項目に「確認資料」「確認日」「確認相手」の欄を設け、埋まっていない欄が残ったまま創立総会に進まない運用にする
  2. 2.現物出資財産等の価額と証明の相当性を検証 定款に記載・記録された現物出資財産等の価額について、保険業法24条2項で読み替え準用される会社法33条10項のどの場合に当たるかを特定し、該当する証明書類の内容と作成者の適格性を確認する。有価証券の場合は同項2号の範囲に限られる点も押さえる
  3. 3.基金の引受けと払込みを別項目として確認 募集をする基金の総額について引受けがあること(3号)と、保険業法30条の3第1項の払込みが完了していること(4号)を、必ず別々の資料で確認する。引受けは申込・割当の記録、払込みは払込取扱金融機関の残高証明で裏づけ、両者を一枚の記録にまとめない
  4. 4.社員になろうとする者の人数を確定 社員になろうとする者が百人以上であること(5号)を、名簿の実数で確定する。重複記載、撤回済みの申込、本人確認が取れない記載を除外した後の数で判断し、創立総会の十日前などの節目で中間確認を入れて不足を早期に発見する
  5. 5.自らが発起人を兼ねる場合は検査役選任を先回りで提案 自分が発起人であり同時に設立時取締役(または設立時監査役)である場合、会社法94条の準用により創立総会は別途検査役を選任して同項各号の事項を調査させることができる。自己監査という構図を残さないため、自分から選任の提案を行い、提案の有無を議事録に残す
  6. 6.創立総会への調査報告を書面で提出 六項目の調査結果をまとめ、法令・定款違反または不当な事項があった場合は会社法93条2項の準用により創立総会へ報告する。報告した事実と内容を議事録に残せば、それでも設立を進めた場合の責任は決議に賛成した側へ移る。報告は自分自身の防御線でもある

よくある質問 AI による整理

Q1設立時取締役の調査義務とは何ですか?

保険業法30条の11が定める六項目の確認義務です。現物出資の価額、その証明、基金総額の引受け、払込みの完了、社員になろうとする者が百人以上いること、手続の法令・定款適合性を調べます。

Q2相互会社の設立には何人必要ですか?

社員になろうとする者が百人以上必要です(保険業法30条の11第1項5号)。相互保障という組織原理が一定規模の集団を前提とするためで、九十九人では要件を欠きます。

Q3設立時監査役にも調査義務がありますか?

あります。設立しようとする相互会社が監査役設置会社である場合、条文は義務者を「設立時取締役及び設立時監査役」と明記しています。名前だけ貸すという扱いはできません。

Q4「現物出資財産等の価額が相当である」とはどういう意味ですか?

定款に記載・記録された評価額が、その財産の客観的価値に見合っているかという判断です。保険業法24条2項で読み替え準用される会社法33条10項の場合分けが前提になります。

Q5設立時取締役の調査はいつまでに終える必要がありますか?

条文の起算点は「その選任後遅滞なく」です。期間の日数は定められていませんが、創立総会で報告する構造上、実務では創立総会の開催日が事実上の期限になります。

Q6調査を怠った設立時取締役はどんな責任を負いますか?

調査懈怠は注意義務違反として評価され、設立が失敗した場合の損害賠償責任の根拠になり得ます。発起人が作業したから自分は形式確認でよい、という説明は通りません。

Q7相互会社を設立すればすぐ保険業を始められますか?

始められません。保険業を行うには内閣総理大臣の免許が必要です(保険業法3条)。本条の調査は法人としての設立手続の関門であり、免許審査とは別の段階です。

Q8調査の記録はどこまで残すべきですか?

六項目それぞれについて、どの資料に当たり誰に確認したか、いつ確認したかを分けて残します。引受けの約束と実際の着金を一つにまとめた記録は、後の紛争で最初に突かれます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1相互会社って、株式会社と何が違うんですか?

株主がいない代わりに、保険契約者そのものが社員になる社団である。出資に当たるのが基金で、剰余は社員への配当として戻る。設立時には社員になろうとする者が百人以上必要で(本条一項五号)、発起人一人でも設立できる株式会社とは前提が違う。実務のポイント:相互会社には株価がないため敵対的買収の対象にならない。買われないというこの性質が、大手生保が相互会社形態を維持する実務上の大きな理由の一つだ。

Q2基金って資本金と同じものですか?

違う。基金は償却(返済)が予定された資金で、償却する際は同額を基金償却積立金として積み立てる必要がある。株式のような持分にはならない。設立時取締役は、基金の総額の引受けがあることと払込みが完了していることを、別々の項目として確認する(本条一項三号・四号)。実務のポイント:引き受けるという約束があることと、実際に着金していることは法的に別の事実だ。この二つを一つにまとめて処理した調査記録は、後の紛争で真っ先に突かれる。

Q3発起人と設立時取締役が同じ人でも問題ないんですか?

兼任そのものは禁止されていない。ただし会社法94条が準用され、設立時取締役等が発起人である場合、創立総会は本条一項各号の事項を調査させるため別途検査役を選任できる。自己監査を制度的に相対化する仕組みだ。実務のポイント:検査役が選任されなかったという事実は、後に「創立総会が調査を追認した」という側の材料にも、「チェックが働かなかった」という側の材料にもなる。議事録に提案の有無まで残す実務が効いてくる。

Q4調査して問題が見つかったら、設立は止まるんですか?

設立時取締役に設立を差し止める権限はない。会社法93条2項の準用により、法令・定款違反または不当な事項があったときは創立総会に報告する義務が生じる。判断するのは創立総会である。実務のポイント:「報告義務しかない」と軽く見る人がいるが、報告した記録が残れば、それでも設立を強行した場合の責任は決議に賛成した側へ移っていく。報告はあなた自身の防御線でもある。

間違えやすい点 AI による整理

  • 「設立時取締役の仕事は会社が成立してから始まる」という前提そのものが誤っている。条文は「その選任後遅滞なく」と書く。選任された瞬間に調査義務が発生し、創立総会への報告までが職務の中身だ。会社の成立を待って責任が始まるのではない。
  • 六項目に「社員になろうとする者が百人以上であること」が入っていることは知られていても、その深刻さは理解されていない。株式会社は発起人一人でも設立できる。相互会社で百人という数が要求されるのは、社員相互の保障という組織原理自体が一定規模の集団を前提にしているからだ。数の不足は書類の不備ではなく、組織の本質が成立していないことを意味する。
  • あなたから見れば「発起人が全部やったのだから、自分は形式的に確認すればいい」。法律から見れば、調査義務を負っているのはあなたであり、発起人の作業を信じたこと自体が注意義務違反の評価対象になる。この落差が、設立が失敗したとき誰が賠償を負うかを決める。
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割保険業法30条の11:設立時取締役等による六項目の調査義務保険業法30条の10:設立時取締役・設立時監査役の選任
保険業法24条:現物出資等についての検査役調査の準用
義務・行為の主体設立時取締役(監査役設置会社では設立時監査役を含む)発起人(創立総会の決議による選任)
裁判所が選任する検査役
発生時点選任後遅滞なく(実務上は創立総会前まで)創立総会における選任の時点
現物出資財産等がある場合の設立手続中
問題を発見した場合の効果会社法93条2項の準用により創立総会へ報告(差止権限なし)選任の可否は創立総会が決議で判断
検査役の報告を踏まえ裁判所・創立総会側で処理

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国公司法第146条、保険法第136条

台湾は保険業の組織形態を株式会社または合作社に限り、相互会社という形態を置かない。募集設立における設立時董事の調査・創立会への報告義務(公司法146条)が、機能上もっとも近い対照条文となる。

韓国
대한민국 상법 제298조、보험업법 제3편(상호회사)

韓国は保険業法に相互会社の章を置き、設立経過の調査・報告は商法の設立規定に依拠する構造をとる。日本と同じく、調査主体は設立時の取締役・監査役である。

ドイツ
VAG §§ 171 ff.、AktG § 33

ドイツの VVaG は日本の相互会社の原型に位置づけられる。設立の経過は Vorstand と Aufsichtsrat が審査し(AktG § 33の Gründungsprüfung)、一定の場合には外部の Gründungsprüfer による審査が求められる点で、検査役制度と対応する。

アメリカ
州保険法(例:N.Y. Insurance Law § 1201 et seq.)

米国の mutual insurance company は州法で設立要件が定められ、最低加入者数・最低基金額・州保険監督官の認可が中心となる。設立時役員個人の調査義務という形では条文化されておらず、監督官の事前審査に重心がある。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 創立総会まであと十日、社員になろうとする者の名簿が九十七人分しか揃わなかったとしたら? 五号の要件を欠いたまま総会を開けば、設立時取締役は会社法93条2項の準用により、その事実を創立総会に報告しなければならない。三人足りないという一点が、設立日程そのものを吹き飛ばす。
  • あなたが発起人であり、同時に設立時取締役に選ばれた。自分が決めた現物出資の評価額を、自分で「相当である」と調査する構図になる。この瞬間に会社法94条の準用が効き、創立総会はあなたとは別に検査役を選任して調査させることができる。あなたの調査結果だけでは、通らない。
  • 基金の引受人の一社が、払込期日に着金させなかった。四号の「払込みが完了していること」が崩れる。気付かずに設立を進めれば、後の基金の返還や設立の効力を巡る争いに直結する。
  • 保険会社の設立準備会社に移った友人から、「設立時監査役に名前を貸してくれと言われた」と相談された。名前を貸すとは、監査役設置会社であれば設立時監査役もこの六項目の調査義務者に含まれるという意味だ。報酬の額とその義務が釣り合っているかを、その場で聞き返せるかどうかが分かれ目になる。

取るべき行動

被害を受けた側:社員または基金拠出者として設立に参加する側なら、創立総会の招集通知が届いた時点で、設立時取締役の調査報告が議題に入っているかを確認する。入っていなければ総会の場で報告を求める。現物出資の評価額と基金の払込状況は、後から取り戻すのが最も難しい二点だ。疑義が残るなら、会社法94条の準用による検査役選任を動議として出す道がある。

訴えられた側:調査を怠ったと責められる立場なら、まず「何を」「いつ」確認したかの記録を集める。六項目それぞれについて、どの資料に当たり誰に確認したかが残っていれば、注意義務(その職責の者として当然払うべき注意のレベル)を尽くしたという主張の土台になる。自分が発起人を兼ねていた場合は、創立総会で検査役が選任されたか、その調査結果がどうだったかが決定的な分岐点になる。

時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはなく、義務の起算点は「選任後遅滞なく」であり、実務上は創立総会の開催日が事実上の期限になる。調査懈怠を理由とする損害賠償責任について本条は特定の時効を置いておらず、一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される。

学説

通説:本条1項の調査義務は、発起人が組み上げた設立過程に別人格の目を挟み込む制度であり、与えられたのは差止権限ではなく創立総会への報告義務である。設立の主導権は発起人と創立総会に残しつつ、事実の可視化のみを必ず行わせる設計と理解される。

通説:設立時取締役が発起人を兼ねる場合に会社法94条が準用されるのは、自己監査の構図を制度的に相対化する趣旨である。検査役が選任されたか否か、その調査結果がどうであったかは、後の責任判断における重要な分岐点となる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.平成7年(1995年) 改正:保険業法の全部改正(平成7年法律第105号、1995年6月7日公布)。相互会社に関する規定が現行法の体系に整備された。
  2. 2.平成17年(2005年) 改正:会社法制定に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成17年法律第87号)により、従前の商法の準用が会社法の準用に改められた。設立時取締役等の調査と報告は会社法93条2項・3項および94条の準用によって規律される構造となった。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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