民事再生法 第13条(否認の登記)
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- 登記の原因である行為が否認されたときは、監督委員又は管財人は、否認の登記を申請しなければならない。登記が否認されたときも、同様とする。
- 2.登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。
- 一当該否認の登記
- 二否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記
- 三前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記
- 3.前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(再生手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。第五項において同じ。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の再生債務者への移転の登記をしなければならない。
- 4.裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、再生債務者について、再生計画認可の決定が確定したときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。
- 5.前項に規定する場合において、裁判所書記官から当該否認の登記の抹消の嘱託を受けたときは、登記官は、職権で、第二項第二号及び第三号に掲げる登記を抹消しなければならない。この場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がされているときは、登記官は、職権で、同項第二号及び第三号に掲げる登記の抹消に代えて、同項第二号に掲げる登記に係る権利の再生債務者への移転の登記をしなければならない。
- 6.裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、再生債務者について、再生手続開始の決定の取消し若しくは再生計画不認可の決定が確定したとき、又は再生計画認可の決定が確定する前に再生手続廃止の決定が確定したときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。
この条文の基本情報
否認の登記とは何ですか?
定義否認の登記とは、民事再生法第13条に定められた規定で、「登記の原因である行為が否認されたときは、監督委員又は管財人は、否認の登記を申請しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第13条(否認の登記)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第13条の条文原文は「登記の原因である行為が否認されたときは、監督委員又は管財人は、否認の登記を申請しなければならない。」で始まります。
- 民事再生法第13条は第一章 総則に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第13条の前の条は民事再生法第12条です。
- 民事再生法第13条の次の条は民事再生法第14条です。
- 民事再生法第13条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第13条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第13条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/13
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法13条は、否認された行為に基づく登記を登記官が職権で抹消する手続を定める。否認の登記より前に登記した第三者は、抹消に代えて再生債務者への移転登記により保護される。
Q · 登記まで済ませた不動産が、前の持ち主の倒産で消されることってあるの?
あり得ます。ただし否認の登記より前に登記していれば守られます
あり得ます。前の所有者の取得行為や処分行為が民事再生手続で否認されると、監督委員または管財人が否認の登記を申請し、登記官が職権であなたの登記を抹消しうるからです(民事再生法13条1項・2項)。ただし、否認の登記がされるより前に登記を済ませ、再生手続の関係でその効力を主張できる第三者であれば、単純抹消ではなく再生債務者への移転登記に切り替わり、権利が保全されます(同条3項・5項)。生き残るかどうかは登記の前後関係という一点で決まります。
解説
あなたが不動産を買って登記まで済ませた。安心していたら、前の所有者が民事再生手続に入っていて、その人があなたに売った行為が「否認」されたと連絡が来る。否認とは、再生債務者が手続開始前にこっそり財産を逃がした行為を、監督委員や管財人が後から引き戻す制度だ。13条は、その否認が起きたとき登記簿をどう書き換えるかを定める。否認されると、まず「否認の登記」が入り、否認された行為に基づくあなたの登記が職権で抹消されうる。だが3項と5項に救いがある。あなたが否認の登記より前に登記を済ませた第三者で、再生手続の関係においてその効力を主張できる立場なら、あなたの権利は単純抹消されず、再生債務者への移転登記という形に切り替えて守られる。登記簿に並んだ一行が消えるか生き残るかは、あなたが動いた順番で決まる。
法的な位置づけ
民事再生法13条は否認の登記に関する手続規定であり、再生債務者の財産逃避行為等が否認された場合に、監督委員または管財人が否認の登記を申請し、登記官が職権で否認された行為に基づく登記等を抹消する仕組みを定める。否認の登記前に登記した第三者は、抹消に代えて再生債務者への移転登記により権利が保全される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.登記事項証明書で前後関係を確認 取引相手の倒産や否認の噂を耳にしたら、まず登記事項証明書を取得し、自分の権利登記が「否認の登記」より前か後かを確認する。この前後関係が権利の生死を分ける分水嶺になる
- 2.第三者保護の立場を早期に主張 否認の登記より前に登記していた場合、自分が再生手続の関係で効力を主張できる第三者である旨を、監督委員または管財人へ早期に主張し、単純抹消ではなく再生債務者への移転登記への切替を求める
- 3.否認権の要件を検討して争えるか判断 登記が否認の登記より後で抹消を避けにくい場合は、否認権行使自体の要件(詐害意思、相当対価の有無、偏頗性、善意)や行使期間を検証し、否認自体を争えないかを弁護士と検討する
- 4.役割を分けて専門家に相談 登記の専門判断は司法書士、否認権の攻防は弁護士へと役割を分けて相談する。認可決定の確定による職権抹消のタイミングも確認し、期日を逃さない
よくある質問 AI による整理
Q1否認の登記とは何ですか?
再生債務者が手続開始前に行った財産逃避等の行為が否認された事実を登記簿に公示するための登記です。監督委員または管財人が申請義務を負います(民事再生法13条1項)。
Q2否認の登記は誰が申請しますか?
監督委員または管財人が申請します。当事者が任意で行うものではなく、否認権を行使した側に申請義務が課される点が特徴です(民事再生法13条1項)。
Q3民事再生の否認権とは何ですか?
再生債務者が手続開始前に債権者を害する形で財産を処分した行為の効力を後から否定し、逸出財産を引き戻す権利です。詐害行為否認と偏頗行為否認があります。
Q4否認の登記はいつ抹消されますか?
再生計画認可の決定が確定したとき、裁判所書記官が職権で遅滞なく抹消を嘱託します。手続開始決定の取消しや不認可・廃止の確定時も同様です(同条4項・6項)。
Q5職権抹消とは何ですか?
登記官が当事者の申請を待たず、自らの権限で登記を抹消することです。否認の登記に伴う関連登記の抹消は、この職権抹消によって行われます(同条2項)。
Q6否認された登記でも第三者は守られますか?
否認の登記より前に登記し、再生手続の関係で効力を主張できる第三者は守られます。抹消ではなく再生債務者への移転登記に切り替わります(同条3項・5項)。
Q7破産と民事再生で否認の登記は違いますか?
枠組みは類似します。破産手続では破産法260条が対応する否認の登記を定めており、民事再生法13条と同様に登記官の職権抹消と第三者保護が規律されています。
Q8否認の登記がある不動産は売却できますか?
否認の登記は権利関係が争われている警告であり、売却時の重大なリスク要因です。抹消や移転登記の帰趨が確定するまで、取引には慎重な確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1登記までちゃんとしたのに、他人の倒産で自分の不動産登記が消されるなんて、本当にあり得るんですか?
あり得る。前の所有者の取得行為や売却行為が再生手続で否認されると、それに基づくあなたの登記は職権抹消の対象になる(13条2項)。ただし否認の登記より前に登記し、再生手続の関係で効力を主張できる第三者なら、抹消ではなく再生債務者への移転登記に切り替わって守られる(13条3項)。実務のポイント:勝敗を分けるのは登記の前後関係という客観的な一点なので、取引相手の信用に不安があれば、何より先に自分の登記を完了させておくことが最大の防御になる
Q2否認の登記が入ってしまったら、もう自分の権利は取り戻せないんですか?
終わりとは限らない。あなたが否認の登記より前に登記した第三者であれば、登記官は職権で否認の登記を抹消したうえで、その権利を再生債務者へ移転登記する形であなたの地位を残す(13条3項・5項)。さらに再生計画認可決定が確定すれば、否認の登記自体が職権で抹消される(13条4項)。実務のポイント:この第三者保護に当たるかの判断は登記実務の中でも繊細で、自分から立場を主張しないと埋もれる。登記の専門家である司法書士に早めに相談し、自分が保護対象かを確認しておくと結論が変わることがある
間違えやすい点 AI による整理
- 「登記まで完了したのだから自分の権利は絶対に安泰」と信じている人が多いが、前主が倒産手続に入り取得行為が否認されると、あなたの登記が職権抹消の射程に入る。登記の完了は安全の十分条件ではなく、否認の登記との前後関係こそが勝負どころだという深刻さを見落としている
- 「否認の登記が入ったらもう自分の権利は終わり」と諦めがちだが、問いの立て方が誤っている。本当に問うべきは『自分は否認の登記より前に登記したか、再生手続の関係で効力を主張できる立場か』だ。これを満たせば3項・5項で単純抹消を免れ、再生債務者への移転登記へ切り替わる
- 登記簿の書き換えは当事者が申請してやるものだと思われているが、13条の世界では登記官と裁判所書記官が職権で動く。あなたが知らないうちに登記が抹消され、あるいは復活する。傍観していると、自分の権利の運命が職権処理だけで確定してしまう
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 13条:否認された行為の登記手続(否認の登記・職権抹消・第三者保護) | 127条:否認権(詐害行為否認)の実体的根拠 135条:否認権の行使方法(訴え・否認の請求・抗弁) |
| 主体 | 登記申請=監督委員・管財人/抹消=登記官・裁判所書記官の職権 | 否認権の帰属主体=監督委員・管財人 行使者=否認権者(監督委員・管財人) |
| 第三者への効果 | 先行登記の第三者は移転登記へ切替で保全(3項・5項) | 否認の成否で権利の帰属が変動 行使方法により手続的地位が変動 |
| 時間軸 | 認可決定確定で否認の登記が職権抹消(4項) | 行使期間の制限あり(139条、要確認) 手続内での行使が前提 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も倒産手続で否認権(撤銷権)を認めるが、否認結果の登記処理は日本ほど条文で精緻化されておらず、一般の登記・撤銷法理に委ねられる部分が大きい。
韓国の統合倒産法も否認権を規律し、日本法と近い構造を持つ。否認の効果としての登記回復も同法の枠組みで処理される。
ドイツ倒産法の否認制度が制度的淵源。否認は原則として財産の返還請求権を生じさせ、登記の回復もその効果として位置づけられる。
米国倒産法は偏頗弁済・詐害的譲渡の avoidance を定めるが、登記の職権抹消という日本型の登記官主導の処理ではなく、裁判所命令と原状回復の枠組みで処理される。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 前の所有者から買った土地、登記も完璧。ところがある日、否認の登記が入ったと法務局から連絡が来たら、あなたの登記は消えるのか、残るのか。分かれ目は、あなたの登記が否認の登記より先だったかどうかという一点だ
- あなたが監督委員に選任され、再生債務者が開始直前に親族へ移した不動産を見つけた。否認権を行使したら、それで終わりではない。1項により否認の登記を自分で申請する義務が生じる。動かなければ登記簿は嘘をついたまま放置される
- 融資先の不動産に抵当権を設定して3か月。その不動産取得が前主の再生手続で否認されそうだと噂が立つ。あと数日で否認の登記が入れば、あなたの抵当権は守られる側か抹消される側か。登記の前後関係を今すぐ確認しないと間に合わない
- 再生計画が認可され確定した。裁判所書記官が職権で否認の登記を遅滞なく抹消する。あなたが何も申請しなくても、登記簿は正しい姿に戻っていく
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の権利登記が「否認の登記」より前か後かを登記事項証明書で即確認、これが運命の分水嶺2. 否認の登記より前なら、自分が再生手続の関係で効力を主張できる第三者である旨を監督委員・管財人へ早期に主張、3項・5項による移転登記への切替を求める3. 後なら抹消を避けにくいため、否認権行使自体の要件(詐害性、自分の善意等)を争えないか弁護士・司法書士と検討4. 登記の専門判断は司法書士、否認権の攻防は弁護士と、役割を分けて相談する
訴えられた側:1. 否認の対象とされた行為について、否認権の要件(再生債務者の詐害意思、相当の対価の有無、偏頗性、自分の善意)を一つずつ検証2. 自分または後続の第三者が3項・5項の保護対象に当たらないか確認、当たれば単純抹消ではなく移転登記で権利が残る3. 否認権の行使期間を確認、期間経過後の行使なら否認自体を争える4. 否認の登記申請や職権抹消の手続的瑕疵がないかも併せて点検する
時効(請求できる期限):否認の登記の抹消そのものに当事者の申請期限はなく、再生計画認可の決定が確定したとき裁判所書記官が職権で遅滞なく嘱託する(13条4項)。ただし前提となる否認権の行使には期間制限があり、再生手続開始の日から2年、否認対象行為の日から10年で行使できなくなる(民事再生法139条、現行効力を要確認)
学説
通説:13条は、否認による逸出財産の引戻しと登記への信頼保護という二つの要請を、否認の登記との前後という客観的基準で調整するものと理解される。否認の登記前に登記した第三者に限り、単純抹消ではなく再生債務者への移転登記で権利を残す点に、取引安全への配慮が現れる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成11年(1999年) 新設:民事再生法(平成11年法律第225号)の制定に伴い新設。旧和議法に代わる再生型倒産手続として、否認権行使を登記面で実現する手続規定を整備し、第三者保護(移転登記への切替)を明文化した。
- 民事再生法 第127条否認権(詐害行為否認)の実体的根拠
- 民事再生法 第127条の3偏頗行為の否認、否認の登記が前提とする類型
- 民事再生法 第135条否認権の行使方法(訴え・否認の請求・抗弁)
- 民事再生法 第139条否認権行使の期間制限(現行効力を要確認)
- 民事再生法 第174条再生計画認可の決定、否認の登記抹消嘱託の前提
- 不動産登記法 第71条職権による登記の抹消、登記手続の一般法
- 破産法 第260条破産手続における否認の登記の対応規定
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