民事再生法 第236条(再生計画の取消し)
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小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が、再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債権に対する配当の総額を下回ることが明らかになったときも、裁判所は、再生債権者の申立てにより、再生計画取消しの決定をすることができる。この場合においては、第百八十九条第二項の規定を準用する。
この条文の基本情報
再生計画の取消しとは何ですか?
定義再生計画の取消しとは、民事再生法第236条に定められた規定で、「小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が、再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第236条(再生計画の取消し)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第236条の条文原文は「小規模個人再生において再生計画認可の決定が確定した場合には、計画弁済総額が、再生計画認可の決定があった時点で再生債務者につき破産手続が行われた場合における基準債…」で始まります。
- 民事再生法第236条は第一節 小規模個人再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第236条の前の条は民事再生法第235条です。
- 民事再生法第236条の次の条は民事再生法第237条です。
- 民事再生法第236条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第236条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第236条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/236
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法236条は、個人再生の認可確定後でも、計画弁済総額が破産配当総額を下回ると明らかになったとき、再生債権者の申立てで再生計画を取り消せると定める。
Q · 個人再生って、認可が確定したらもう二度と取り消されないの?
いいえ。破産より不利と判明すれば取り消される
民事再生法236条により、小規模個人再生の認可決定が確定した後であっても、計画弁済総額が認可時に破産していた場合の配当総額を下回ることが明らかになったときは、再生債権者の申立てで裁判所が再生計画を取り消せます。個人再生の土台にある清算価値保障原則(231条)が事後的に崩れたときの安全弁です。財産の申告漏れや認可後の相続などで清算価値が跳ね上がると、確定したはずの計画が覆り、189条2項の準用で計画弁済の効力が失われます。
解説
個人再生で借金を5分の1に圧縮してもらった。認可も確定した。もう逃げ切れたと胸をなで下ろした半年後、債権者から裁判所に取消しの申立てが届く。理由は「破産させていたら、あなたの退職金や保険の解約返戻金から、もっと配当が取れたはずだ」。民事再生法236条は、認可決定が確定した後であっても、計画弁済総額が破産配当総額を下回ることが明らかになったとき、再生債権者の申立てで再生計画を取り消せると定める。個人再生の根っこには清算価値保障原則がある。破産したときの配当より、個人再生での弁済の方が債権者の取り分が少なくなる計画は、そもそも認可されない。236条は、認可後にその前提が崩れたときに作動する最後の安全弁だ。あなたが財産を過少に申告していたり、認可後に隠し資産や相続が発覚したりすれば、確定したはずの計画が事後的に吹き飛ぶ。
法的な位置づけ
民事再生法236条は、小規模個人再生における再生計画取消しの特則を定める規定である。認可決定の確定後であっても、計画弁済総額が認可時の破産配当総額を下回ることが明らかになった場合には、再生債権者の申立てにより裁判所が計画を取り消すことができる。清算価値保障原則を認可後にも事後的に担保する仕組みである。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.清算価値が計画弁済総額を上回る根拠を集める 再生債権者として、認可決定時の財産評価が過少だった、または認可後の相続等で清算価値が上昇したことを示す資料を収集する。退職金規程、保険証券、不動産査定書、相続発生を示す戸籍などが決定的証拠になる
- 2.認可決定時の財産目録と評価方法を突き合わせる 認可時に提出された財産目録・清算価値算定書を取り寄せ、自己申告に依存した甘い評価がなかったかを確認する。清算価値の算定基準時は認可決定時である点を押さえ、単なる事後の値上がりだけを根拠にしていないか整理する
- 3.再生裁判所に取消しの申立てを行う 計画弁済総額が破産配当総額を下回ることが明らかであると疎明し、再生債権者として再生裁判所に236条に基づく再生計画取消しの申立てを行う。申立権者は再生債権者に限られる
- 4.取消し確定後の回収戦略を組み直す 取消しが認められると189条2項準用により計画弁済の効力が失われる。原債権額を前提に回収計画を再設計し、必要に応じて債務者への破産申立てや個別和解も選択肢に含めて検討する
よくある質問 AI による整理
Q1清算価値保障原則とは何ですか?
個人再生の弁済総額は、破産していた場合の配当総額を下回ってはならないという原則です。民事再生法231条が根拠で、この下限が最低弁済額を決めます。
Q2個人再生の清算価値はどうやって計算しますか?
破産したと仮定して換価できる財産を合算します。預貯金、退職金見込額の一部、生命保険の解約返戻金、自動車、不動産、将来の相続見込みなどが算入されます。
Q3退職金は個人再生でいくら財産として計算されますか?
在職中なら退職金見込額の8分の1が清算価値に算入されるのが実務の一般的な扱いです。退職間近だと4分の1になる場合もあります。
Q4生命保険の解約返戻金は個人再生に影響しますか?
影響します。解約返戻金は清算価値に算入される財産です。申告漏れがあると認可後に発覚したとき236条の取消し原因になります。
Q5民事再生法236条の取消しはいつまで申し立てられますか?
条文自体に明確な期間の定めはありませんが、破産配当を下回ると判明した後は速やかに申し立てる必要があり、長期放置は権利濫用と評価されるおそれがあります。
Q6小規模個人再生と給与所得者等再生の違いは何ですか?
小規模個人再生は債権者の消極的同意が要件、給与所得者等再生は同意不要な代わり可処分所得の2年分以上の弁済が必要です。236条は245条で後者にも準用されます。
Q7個人再生で財産を隠すとばれますか?
退職金規程、保険証券、不動産登記、相続の記録などから発覚しやすく、認可後でも236条の取消しに直結します。隠すことが最大のリスクになります。
Q8再生計画が取り消されると弁済はどうなりますか?
236条後段が189条2項を準用するため、計画弁済の効力が失われます。債権者は本来の債権額に基づいて回収を図れるようになります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人再生って、認可が確定したらもう絶対に取り消されないんですよね?
そうとは限りません。民事再生法236条は、計画弁済総額が破産配当総額を下回ることが認可確定後に明らかになった場合、再生債権者の申立てで取消しを認めています。個人再生の前提である清算価値保障原則(231条)が崩れたときの安全弁です。実務のポイント:実務で取消しが現実に問題化するのは、退職金や保険の解約返戻金を過少申告していたケースです。申告段階で財産を出し切っていれば、認可後に財産が増えても認可時評価が基準になるので守られやすい。隠すことが最大のリスクになります
Q2個人再生の途中で親が亡くなって遺産が入ったら、どうなりますか?
認可前なら清算価値が上がり、最低弁済額が増える可能性があります。認可後でも、相続で清算価値が破産配当を上回る状態になれば236条の取消し対象になりえます。実務のポイント:相続放棄(民法915条、原則3か月以内)を使えば相続財産を清算価値の計算から外せる場合がありますが、他の相続人との関係や税務で判断が分かれる論点です。個人再生中に相続が起きたら、弁護士と相続放棄の可否を最優先で詰めるべき局面になります
Q3債権者なんですが、相手の個人再生で取り分が少なすぎる。後から取り消せますか?
計画弁済総額が、破産していた場合の配当総額を下回ることが明らかなら、236条で取消しを申し立てられます。鍵は清算価値の再評価です。実務のポイント:裁判所の財産評価は債務者の自己申告に依存しがちで、退職金見込額や不動産の評価が甘く出ていることがあります。債権者側が独自に退職金規程や不動産査定を取り、清算価値が計画弁済額を上回ることを数字で示せれば、取消しは絵に描いた餅ではなくなります
間違えやすい点 AI による整理
- 「認可が確定すれば、もう絶対に取り消されない」と思われているが、236条は確定後の取消しを正面から認めている。清算価値保障の前提が崩れれば、認可の確定は安全を意味しない
- 清算価値保障原則という言葉は知っていても、その「清算価値」に退職金見込額の一部、生命保険の解約返戻金、自動車、不動産、将来の相続見込みまで広く含まれることを軽く見ている人が多い。申告漏れ一つで保障ラインが跳ね上がり、計画全体が破綻する。深刻さの桁が違う
- 「いくら減額できるか」ばかり気にする人が多いが、個人再生で本当に問われているのは「破産したら債権者にいくら配当されるか」。問いの立て方が逆さまで、清算価値の計算こそが弁済額の下限を決めている。減額の話は、その下限が決まった後の話にすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 236条:認可確定後に清算価値保障が崩れたときの取消し | 231条:認可の前提となる清算価値保障原則そのもの 174条:再生計画の認可・不認可の決定(入口段階) |
| 作動タイミング | 認可決定の確定後(事後的な安全弁) | 認可決定の段階(要件審査) 計画案提出後の認可判断時 |
| 効果・準用 | 取消しで189条2項準用、計画弁済の効力喪失 | 要件を欠けばそもそも認可されない 不認可なら手続は原則廃止・破産移行を検討 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も更生(rehabilitation)手続を持ち、清算価値に相当する『清算分配額』を下回らない弁済が求められる。認可後の事情変動による更生取消しの発想は日本と近い。
韓国の個人回生も清算価値保障に相当する基準を持ち、認可後の重大な事情変更で再生計画が取り消される余地がある点で構造が類似する。
ドイツの消費者倒産・残債務免責(Restschuldbefreiung)は、免責決定後でも隠匿財産の発覚等で取消し(Widerruf)される。事後発覚に対する取消しの思想は共通する。
米国 Chapter 13は、認可決定が詐欺により取得された場合に180日以内の申立てで認可取消しを認める。日本の236条は清算価値保障を基準とする点で射程が異なる。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが貸した相手が個人再生で借金を圧縮し、認可も確定した。だが後日、相手が認可時に退職金見込額を実額の半分しか申告していなかったと判明する。本来の清算価値で計算し直せば、破産配当の方があなたの取り分は多い。236条で取消しを申し立てられる
- 個人再生の認可が確定して安堵していたあなたのもとに、裁判所から取消し申立ての通知が届く。認可後に親の相続が発生し、あなたが受け取る財産で清算価値が跳ね上がっていた。隠したつもりはなくても、計画弁済総額が破産配当を下回る状態になってしまった
- もし、個人再生の手続中に解約返戻金80万円の生命保険を申告し忘れていたら、どうなる? 認可後に発覚すれば、債権者はその80万円を清算価値に加算し、計画弁済では足りないとして取消しを求められる
- 債権者として取消しを狙うなら、清算価値が計画弁済総額を上回ると判明した瞬間が勝負どころ。退職金規程と不動産査定を固めて、申立てを急げ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 認可決定確定後でも、計画弁済総額が破産配当総額を下回ると疑う根拠を集める(退職金規程、保険証券、不動産査定、相続発生の記録) 2. 債務者の財産が認可時に過少評価されていた、または認可後の事情で清算価値が上昇したことを示す資料を整理3. 再生裁判所に取消しの申立てを行う、申立権者は再生債権者4. 取消しが認められれば189条2項の準用により計画弁済の効力が失われる。回収戦略を、債務者への破産申立てを含めて組み直すことを検討
訴えられた側:1. 申立ての根拠とされている財産が本当に清算価値に含まれるか、評価額が過大に見積もられていないか精査する2. 認可時の財産目録と評価方法を弁護士と再確認し、過少評価ではなく適正評価だったと反論できるか検討3. 清算価値の算定基準時は認可決定時、その後の単なる値上がりだけを理由にされていないか確認4. 取消しが避けられない場合でも、債権者との個別和解や自己破産への移行を早期に設計し、被害を最小化する
時効(請求できる期限):236条自体には申立期間の明確な定めはないが、計画弁済総額が破産配当総額を下回ることが「明らかになったとき」が前提。判明後は速やかに申し立てるべきで、長期の放置は信義則違反や権利濫用と評価されるおそれがある。準用される189条の取消し手続全体の運用と合わせ、最新の実務をご確認ください
学説
通説:236条は清算価値保障原則(231条)を認可確定後にも担保する事後的安全弁であり、算定基準時は認可決定時と解されている。単なる認可後の資産価値上昇のみを理由とする取消しには慎重であるべきとされる。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年) 民事再生法本体は平成11年(1999年)成立。小規模個人再生を含む個人再生手続は平成12年(2000年)改正で新設され(平成13年4月施行)、本条もこのとき新設された。清算価値保障原則を認可後にも担保する事後的安全弁として置かれた
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:民事再生法本体(平成11年成立)に対し、平成12年改正で小規模個人再生を含む個人再生手続が新設され(平成13年4月施行)、本条も清算価値保障原則を認可後に担保する事後的安全弁として置かれた。
- 民事再生法 第189条再生計画取消しの効果、本条が第2項を準用
- 民事再生法 第231条小規模個人再生の認可要件、清算価値保障原則の根拠
- 民事再生法 第174条再生計画の認可・不認可の決定
- 民事再生法 第229条小規模個人再生における最低弁済額の基準
- 民事再生法 第245条給与所得者等再生への小規模個人再生規定の準用
- 破産法 第193条破産手続における配当、清算価値算定の比較基準(現行効力を要確認)
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