民事再生法 第237条(再生手続の廃止)
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- 小規模個人再生においては、第二百三十条第四項の期間内に再生計画案に同意しない旨を同項の方法により回答した議決権者が、議決権者総数の半数以上となり、又はその議決権の額が議決権者の議決権の総額の二分の一を超えた場合にも、裁判所は、職権で、再生手続廃止の決定をしなければならない。この場合においては、同条第七項の規定を準用する。
- 2.小規模個人再生において、再生債務者が財産目録に記載すべき財産を記載せず、又は不正の記載をした場合には、裁判所は、届出再生債権者若しくは個人再生委員の申立てにより又は職権で、再生手続廃止の決定をすることができる。この場合においては、第百九十三条第二項の規定を準用する。
この条文の基本情報
再生手続の廃止とは何ですか?
定義再生手続の廃止とは、民事再生法第237条に定められた規定で、「小規模個人再生においては、第二百三十条第四項の期間内に再生計画案に同意しない旨を同項の方法により回答した議決権者が、議決権者総数の半数以上となり、又はその議決権…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事再生法第237条(再生手続の廃止)は、日本の民事再生法に含まれる条文です。
- 民事再生法第237条の条文原文は「小規模個人再生においては、第二百三十条第四項の期間内に再生計画案に同意しない旨を同項の方法により回答した議決権者が、議決権者総数の半数以上となり、又はその議決権…」で始まります。
- 民事再生法第237条は第一節 小規模個人再生に置かれています。
- 民事再生法の公布日は平成11年12月22日です。
- 民事再生法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 民事再生法第237条の前の条は民事再生法第236条です。
- 民事再生法第237条の次の条は民事再生法第238条です。
- 民事再生法第237条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第237条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000225 - 本サイト収録
民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第237条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/411AC0000000225/237
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事再生法237条は、小規模個人再生で反対の議決権者が総数の半数以上又は議決権額の過半数超に達した場合、及び財産目録に不実記載があった場合に、裁判所が職権で再生手続を廃止すると定める。
Q · 個人再生って、債権者に反対されたら計画はつぶれるの?
反対が一定数に達すると廃止されます
民事再生法237条1項により、小規模個人再生では再生計画案に同意しない旨を回答した議決権者が「総数の半数以上」又は「議決権額の過半数超」に達したとき、裁判所は職権で再生手続廃止を決定します。逆に言えば、積極的な賛成は不要で、沈黙は同意扱いです。さらに2項では、財産目録に財産を記載しなかったり不正の記載をしたりした場合、反対が集まらなくても職権で廃止されます。全財産の正直な開示が再生存続の絶対条件です。
解説
借金が膨らんで個人再生を申し立てた。あなたが一番恐れているのは「債権者に反対されて計画がつぶれること」だろう。だが小規模個人再生の決議は、普通の多数決ではない。民事再生法237条1項が定めるのは「消極的同意」という仕組みだ。債権者が積極的に反対しない限り、沈黙は同意とみなされる。計画がつぶれるのは、反対した議決権者が頭数で半数以上、または債権額で過半数に達したときだけ。つまり、無関心な債権者はあなたの味方になる。ところが2項はまったく逆の顔を持つ。財産目録に隠し財産を書かなかったり、嘘を書いたりすれば、裁判所は職権で手続を廃止できる。全財産を正直に開示することが、再生の絶対条件だ。沈黙する債権者には救われ、自分の不誠実には足をすくわれる。それがこの条文の二つの顔だ。
法的な位置づけ
民事再生法237条は、小規模個人再生における再生手続廃止事由を定める規定である。第1項は消極的同意の下で反対の議決権者が一定数に達した場合、第2項は再生債務者が財産目録に財産を記載せず又は不正の記載をした場合に、裁判所が職権で手続を廃止できる旨を規律する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申立て前に債権額の分布を把握 債権者ごとの債権額(議決権額)を一覧化し、一社が議決権額の過半数を握っていないか確認する。過半数を握る大口債権者がいれば、その一社の反対だけで237条1項により廃止されるため、危険度を数字で把握する
- 2.財産目録を最初から完全開示 預貯金・保険解約返戻金・自動車・不動産に加え、暗号資産・フリマ売上残高・ネット証券残高・第三者名義の実質自己資産まで一つ残らず列挙する。後追いの追加は隠匿を疑われるため、初回から微細な資産まで記載して2項の廃止の足がかりを封じる
- 3.大口債権者がいる場合は手続の切替えを検討 議決権額の過半数を握る債権者がいて1項廃止のリスクが高いなら、反対投票の仕組みがない給与所得者等再生(241条)への切替えを弁護士と検討する。可処分所得要件で計画額が上がる可能性とのバランスを取る
- 4.債権者側なら回答期限内に不同意を回答 計画に不満のある届出再生債権者は、230条4項が定める期間内に所定の方法で同意しない旨を必ず回答する。沈黙は賛成扱いになるため、期限を一日でも過ぎれば反対は存在しなかったことになる
よくある質問 AI による整理
Q1小規模個人再生の消極的同意とは何ですか?
積極的な賛成を集めなくても、反対する議決権者が総数の半数以上又は議決権額の過半数超に達しなければ計画が可決される仕組みです。沈黙は同意として扱われます(民事再生法237条1項の前提)。
Q2小規模個人再生と給与所得者等再生の違いは?
小規模個人再生は債権者の消極的同意による決議があり反対で廃止されえます。給与所得者等再生は反対投票の仕組みがなく可処分所得要件で計画額が決まります(民事再生法241条)。
Q3再生計画が廃止されたらどうなりますか?
多くの場合そのまま破産手続に移行します(牽連破産、民事再生法250条)。免責の道は残りますが、住宅ローン特則による自宅維持の選択肢は失われます。
Q4財産目録にデジタル資産も書く必要がありますか?
必要です。メルカリ売上残高、暗号資産、ネット証券残高も財産です。書き漏らすと237条2項の不記載として廃止リスクになります。
Q5反対の回答はいつまでに出せばよいですか?
民事再生法230条4項が定める裁判所所定の期間内に、所定の方法で同意しない旨を回答する必要があります。期限を過ぎた回答は無効です。
Q6詐欺再生罪とはどんな罪ですか?
債権者を害する目的で財産を隠匿・損壊するなどの行為を処罰する罪で、民事再生法255条が定めます。悪質な財産隠匿は廃止だけでなく刑事罰の対象になりえます。
Q7牽連破産とは何ですか?
再生手続が廃止・不認可となった場合に、裁判所の職権で破産手続開始決定がなされ破産に移行することをいいます(民事再生法250条)。
Q8親族名義の実質自分の預金は開示しなくてよいですか?
実質的に自己の資産であれば開示対象です。第三者名義でも個人再生委員は通帳や取引履歴から追及します。不記載は237条2項の廃止事由になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1個人再生って、債権者全員の同意がいるんですか?
小規模個人再生(民事再生法237条1項の前提)は全員の同意は不要です。むしろ逆で、反対した債権者が頭数の半数以上、または議決権額の過半数に達しなければ計画は可決されます。沈黙は同意の扱いです。実務のポイント:実務では大口債権者一社が議決権額の過半数を握っているかが最大の関門。消費者金融や銀行など特定の一社に借入が集中している人は、その一社が反対すれば一発で廃止される。だから弁護士は申立て前に必ず債権額の分布を確認し、危険なら反対投票の仕組みがない給与所得者等再生を勧める
Q2財産目録にうっかり書き忘れがあったら、もうアウトですか?
故意の隠匿と単純な書き忘れは扱いが違います。237条2項は記載せず又は不正の記載を廃止事由としますが、悪質性のない軽微な漏れを発覚前に自主的に訂正すれば、廃止を回避できる余地があります。実務のポイント:本当に危険なのはバレなければいいという発想。個人再生委員は通帳の入出金や保険・不動産を必ず確認し、第三者名義の実質自己資産まで追う。悪質な隠匿は廃止だけでなく詐欺再生罪(255条)で刑事罰もありうる。結局、完全開示がいちばん安全な戦略です
間違えやすい点 AI による整理
- 「個人再生は債権者の過半数の賛成が必要」と思っている人が多いが、逆だ。小規模個人再生は積極的な賛成を必要としない。反対者が頭数の半数以上、または債権額の過半数に達しなければ、計画は可決される。賛成を集めるのではなく、反対を一定数以下に抑える戦いだ
- 「財産目録は適当に書いても、後で直せばいい」と軽く考えがちだが、その深刻さを分かっていない。237条2項の不実記載は計画廃止だけでなく、悪質なら詐欺再生罪(民事再生法255条)として刑事罰の対象にもなる。書類一枚の嘘が、再生どころか前科につながりうる
- 「廃止されたら全部終わり、また一からやり直し」と思い込んでいるが、あなたから見れば終わりでも、法律から見れば次の入口だ。再生手続が廃止されると、多くの場合そのまま破産手続に移行する(民事再生法250条、牽連破産)。再生に失敗しても免責の道は残るが、住宅を残す選択肢は消える。この落差を知らずに廃止を放置すると、家を失う
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 237条:小規模個人再生の廃止(消極的同意の反対数超過・財産隠匿) | 230条:消極的同意による再生計画案の決議手続 241条:反対投票のない給与所得者等再生 |
| 廃止・不成立の引き金 | 反対議決権者が総数の半数以上又は議決権額の過半数超/財産目録の不実記載 | 所定期間内の不同意回答の有無 可処分所得要件など計画の適法性 |
| 廃止後の帰趨 | 250条により破産手続へ移行(牽連破産)しうる | 決議不成立なら手続廃止 不認可なら破産移行しうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は消費者の再建型手続として更生を定める。日本の小規模個人再生と同様、清算型(破産)に対する再建型の選択肢を提供する点で機能が対応する。
韓国の個人回生は一定期間の弁済を条件に免責を認める再建型手続で、日本の個人再生と近い設計。日本法の影響を受けた点も指摘される。
ドイツの消費者倒産手続は残債務免責(Restschuldbefreiung)を伴う。手続の簡易化という発想は共通するが、財産開示義務と免責不許可事由の構成は異なる。
米国のチャプター13は定期収入者が弁済計画により債務を調整する再建型手続。民事再生法の母法的発想の一つで、財産の完全開示(schedules)を前提とする点は共通する。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 再生計画案を裁判所に出した。あとは債権者の回答を待つだけ。だが回答期限まであと10日、もし大口の債権者一社が議決権額の過半数を握っていたら、その一社が反対するだけで計画は廃止される。だからこそ、申立て前に債権額の分布を把握しておくことが生死を分ける
- もしあなたが債権者の立場で、相手の再生計画に納得いかなかったら? 黙っていては「賛成」とカウントされる。237条の裏側で、反対するには230条4項の期間内に、決められた方法で同意しない旨を回答しなければならない。期限を一日過ぎれば、あなたの反対は存在しなかったことになる
- 財産目録に、母名義になっている実質自分の預金を書かなかった。後で個人再生委員に見つかった。2項により、計画は廃止されうる。隠した額の大小は関係ない
- 親族から借りた100万円を「返さなくていい」と言われていたので、あえて軽く扱った。だが財産・債権関係の不実記載と疑われれば、それだけで廃止リスクになる。善意のつもりが、手続全体を吹き飛ばす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 再生債務者が財産を隠していると疑う債権者なら、財産目録を過去の通帳・登記・取引履歴と突き合わせて精査2. 隠匿の証拠があれば、届出再生債権者として237条2項に基づき手続廃止を申し立てる、または個人再生委員に情報提供3. 計画そのものに不満なら、230条4項の回答期間内に同意しない旨を所定の方法で必ず回答、期限厳守4. 廃止後に破産へ移行すれば、否認権の行使で隠匿財産を取り戻せる可能性が残る
訴えられた側:1. 廃止リスクに直面する債務者は、まず全財産を正直に再点検、預貯金・保険解約返戻金・自動車・デジタル資産・第三者名義の実質自己資産まで漏れなく開示2. 既に記載漏れがあれば発覚前に速やかに追完・訂正し、個人再生委員に経緯を説明3. 大口債権者がいて1項廃止のリスクがあるなら、反対投票の仕組みがない給与所得者等再生への切替えを弁護士と検討4. 廃止されても破産・免責の道は残るが、住宅ローン特則による自宅維持は不可能になる点を先に理解しておく
時効(請求できる期限):1項の反対回答は230条4項の定める期間内(裁判所が定める一定の期間)に所定の方法で行う必要があり、期間を過ぎた回答は無効。2項の財産隠匿による廃止には特定の申立て時効はないが、計画認可の確定までが実務上の勝負どころ(最新の運用は管轄裁判所にご確認ください)
学説
通説:237条1項の消極的同意は、積極的賛成の調達負担を軽減して債務者の経済的更生を促す趣旨とされる。他方2項は手続の誠実性を担保する規定であり、財産の完全開示が制度利用の前提条件であると解される。両項は利便性と公正性を別個に受け持つ構造と説明される。
改正沿革 AI による整理
- 平成12年(2000年)改正、平成13年(2001年)施行 民事再生法に小規模個人再生の章(第13章)が新設され、本条もこのとき新設された。消極的同意による簡易な決議と、財産隠匿に対する職権廃止を定めた
改正の年表
- 1.平成12年(2000年) 新設:民事再生法に小規模個人再生の章が新設され、本条もこのとき新設された。消極的同意による簡易な決議と、財産隠匿等に対する職権廃止を定めた(平成13年〈2001年〉施行)。
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