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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第180条(条件付債権等に係る債務の弁済)

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  1. 清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。この場合においては、これらの債権を評価させるため、裁判所に対し、鑑定人の選任の申立てをしなければならない。
  2. 2.前項の場合には、清算受託者は、同項の鑑定人の評価に従い同項の債権に係る債務を弁済しなければならない。
  3. 3.第一項の鑑定人の選任の手続に関する費用は、清算受託者の負担とする。当該鑑定人による鑑定のための呼出し及び質問に関する費用についても、同様とする。
  4. 4.第一項の申立てを却下する裁判には、理由を付さなければならない。
  5. 5.第一項の規定による鑑定人の選任の裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
  6. 6.前各項の規定は、清算受託者、受益者、信託債権者及び第百八十二条第一項第二号に規定する帰属権利者の間に別段の合意がある場合には、適用しない。

この条文の基本情報

条件付債権等に係る債務の弁済とは何ですか?

定義条件付債権等に係る債務の弁済とは、信託法第180条に定められた規定で、「清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第180条(条件付債権等に係る債務の弁済)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第180条の条文原文は「清算受託者は、条件付債権、存続期間が不確定な債権その他その額が不確定な債権に係る債務を弁済することができる。」で始まります。
  3. 信託法第180条は第二節 信託の清算に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第180条の前の条は信託法第179条です。
  7. 信託法第180条の次の条は信託法第181条です。
  8. 信託法第180条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第180条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第180条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/180

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法180条は、清算受託者が額の不確定な債権を弁済する場合、裁判所に鑑定人の選任を申し立て、その評価額に従って弁済すべきことを定める。関係者の合意があれば適用されない。

Q · 信託の清算で金額の決まらない借りが残ったら、どうすれば終われる?

裁判所が選んだ鑑定人の評価額で払い切れる

信託法180条1項により、清算受託者は条件付債権や存続期間が不確定な債権など、額の決まらない債権に係る債務も弁済できます。その際は裁判所に鑑定人の選任を申し立て、鑑定人の評価に従って弁済しなければなりません(2項)。選任手続の費用は清算受託者の負担です(3項)。ただし清算受託者・受益者・信託債権者・帰属権利者の間で別段の合意があれば、裁判所の手続を使わずに処理できます(6項)。

解説

家族信託が本当に終わるのは、親が亡くなった日ではない。清算受託者(信託を片付ける役の人)が、最後の借りを返し終えた日である。やっかいなのは、金額が決まらない借りだ。たとえば「元家政婦に本人が亡くなるまで毎月3万円を払う」約束や、「欠陥が見つかれば補修費を負担する」約束がこれにあたる。条件付債権や存続期間が不確定な債権が一つでも残っていると、181条の制限があるため、残余財産を帰属権利者へ自由には渡せない。清算はそこで止まってしまう。180条はこの状態から抜け出すための出口である。清算受託者が裁判所に鑑定人の選任を申し立て、鑑定人が出した評価額で今払い切って終わらせることができる。評価が出たあとは、受託者はその額に従って払わなければならず、自分で値段を決めることはできない。ただし6項により、関係者の間で別の合意ができれば、裁判所を通さずに自分たちで決めてよい。鑑定には費用も時間もかかる。まず合意を目指し、まとまらなければ鑑定に進む。この順番を知っているかどうかで、清算の長さは大きく変わる。

法的な位置づけ

信託法180条は、信託の清算において、清算受託者が条件付債権、存続期間が不確定な債権その他額が不確定な債権に係る債務を弁済するための手続を定める規定である。清算受託者は裁判所に鑑定人の選任を申し立て、その評価に従って弁済する義務を負い、選任手続の費用を負担する。関係者間に別段の合意があれば適用が排除される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.額の不確定な債務を洗い出す 清算を始めたら、条件付債権、存続期間が不確定な債権(生涯払いの約束など)、その他額の不確定な債権をすべてリスト化し、根拠となる契約書を集める
  2. 2.6項の合意を打診する 清算受託者、受益者、信託債権者、182条1項2号の帰属権利者に評価額案を示し、別段の合意で処理できないか交渉する。鑑定に進んだ場合の費用と期間の試算を添えると合意につながりやすい
  3. 3.合意できなければ鑑定人選任を申し立てる 合意が整わない場合、裁判所に鑑定人の選任を申し立てる。選任手続費用と、鑑定のための呼出し・質問の費用は清算受託者の負担となる(3項)
  4. 4.評価額どおりに弁済する 鑑定人の評価が出たら、その評価に従って債権者に弁済する(2項)。独自に増減した額で払わない
  5. 5.残余財産を帰属権利者へ引き渡す 債務の弁済を終えたことを確認し、残余財産を帰属権利者に給付して清算の手続を進める

よくある質問 AI による整理

Q1信託法180条とは何ですか?

信託の清算で、額の決まらない債務を鑑定人の評価額で弁済できるようにする規定です。清算受託者が裁判所に鑑定人の選任を申し立て、評価に従って払います。

Q2条件付債権とはどんな債権ですか?

将来の不確実な事実が起きたときに効力が生じたり消えたりする債権です。たとえば「欠陥が見つかれば補修費を負担する」約束から生じる債権がこれにあたります。

Q3家族信託の清算はいつまでかかる?

法定の期限はありません。額の決まらない債務が残っていると、181条により残余財産の引渡しが制限され、180条の鑑定や合意で処理するまで清算が終わりにくくなります。

Q4鑑定人の選任はどこの裁判所に申し立てる?

信託に関する非訟事件の管轄規定に従い、原則として受託者の住所地を管轄する地方裁判所に申し立てます。具体的な管轄は申立て前に確認してください。

Q5鑑定人の評価額に従わずに払ってもいい?

鑑定人の選任を申し立てて弁済する場合、清算受託者は評価に従って弁済しなければなりません(180条2項)。独自に計算した額での弁済は、責任を問われるおそれがあります。

Q6債務が残ったまま残余財産を分配できる?

原則としてできません(181条)。ただし、弁済に必要と認められる財産を留保した場合は分配できます。留保・鑑定・合意のどれを選ぶかを費用と時間で比べます。

Q7180条6項の合意は書面でないとだめ?

条文上、書面要件は定められていません。ただし後の紛争を避けるため、清算受託者・受益者・信託債権者・帰属権利者の全員が署名した書面で残すのが実務上安全です。

Q8鑑定人の選任に不服申立てはできる?

できません。180条5項により、鑑定人の選任の裁判には不服を申し立てられません。一方、申立てを却下する裁判には理由を付けなければなりません(4項)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1鑑定人の費用って誰が払うんですか?信託のお金から出せます?

180条3項により、選任手続の費用も、鑑定のための呼出しや質問にかかる費用も、清算受託者の負担とされている。債権者に回すことはできない。最終的に信託財産から償還を受けられるかは、48条(費用等の償還)の問題になり、実務上も解釈が分かれうる。実務のポイント:債権額が小さいと、鑑定費用のほうが高くつくことがある。だから実務では、鑑定申立ての可能性を交渉材料にしながら6項の合意でまとめる流れが多い

Q2きょうだいの一人がどうしても合意してくれない場合、どうなるんですか?

180条6項は、清算受託者、受益者、信託債権者、182条1項2号の帰属権利者の間で別段の合意がある場合に限り、1項から5項を適用しないとしている。必要な合意がそろわなければ、原則どおり鑑定人の手続に戻る。実務のポイント:反対している人に一番効く説得材料は、「鑑定に進めば費用と時間がかかり、そのぶん分配が減って遅れる」という具体的な試算である。感情論ではなく数字で示すほうが、合意は早くまとまる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「額が決まらない債務は、決まるまで待つしかない」と考えがちだが、実際はそうではない。180条によって鑑定人の評価額で今払い切ることができ、181条ただし書のように必要な財産を手元に残しておく(留保する)道もある。待つことは選択肢の一つにすぎない
  • 受託者の目線では「鑑定人に値段を付けてもらうだけ」に見える。しかし法律の目線では、評価が出た時点で、その額に従って払う義務(2項)が生まれる。鑑定を経ずに独自の計算で多めに払えば帰属権利者の取り分を削ることになり、少なめに払えば債権者との紛争が残る。どちらに転んでも、受託者自身の責任問題になりうる
  • 6項で裁判所の手続を外せることは知られている。ただ、その重みは見落とされやすい。合意の当事者には、清算受託者と債権者だけでなく、受益者と帰属権利者も挙げられている。分配を受ける人を抜きにして、受託者と債権者の二人だけで金額を決めてしまうと、6項の合意として認められないおそれがある(実務上、必要な合意の範囲については解釈が分かれうる)
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象信託法180条:額が不確定な債権に係る債務の弁済方法信託法181条:債務弁済前の残余財産給付の制限
信託法177条:清算受託者の職務
清算受託者がすべきこと鑑定人選任の申立て→評価に従い弁済(または関係者の合意)債務を弁済した後、または必要な財産を留保した後に分配
現務の結了、債権の取立て・債務の弁済、残余財産の給付
違反した場合の典型的リスク独自算定の弁済による債権者・帰属権利者との紛争先行分配による受託者の責任追及
職務懈怠による責任追及

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
信託法第68條

台湾の信託法は、信託関係消滅時に受託者が結算書・報告書を作成し承認を得ることを定めるが、額未確定債権を鑑定人評価で弁済する明文規定は確認できない

韓国
상법 제259조

韓国では会社清算において、条件付債権など額の不確定な債権を裁判所が選任した鑑定人の評価で弁済する規定があり、日本の会社法501条・信託法180条と同じ発想をとる

ドイツ
BGB § 52

ドイツの社団清算では、直ちに弁済できない債務や係争中の債務について債権者に担保を提供する方式をとり、評価による一括弁済とは異なるアプローチである

アメリカ
Uniform Trust Code § 817

米国の統一信託法典は信託終了時の分配手続を定めるが、未確定債務の扱いは州法と裁判所の監督に委ねられる部分が大きい

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父の家族信託が終わり、長男のあなたが清算受託者になった。ところが父が生前に結んだ「元家政婦に本人死亡まで月3万円」の契約が残っている。相手があと何年生きるかは誰にも分からない。この債務が片付かないと、181条により妹への残余財産の引渡しが止まる。妹からは毎週「いつ終わるの」とLINEが届き、帰属権利者への分配期限として話していた年度末まであと2か月しかない
  • 清算受託者が独自に計算した低い金額を振り込んできて、「これで全部終わりです」と一方的に言ってきたら、どうなる? 180条の鑑定も、6項の合意も経ていない支払いである。残りの請求権まで消えたと決めつける必要はない
  • 鑑定人の選任に納得できず、不服を申し立てたいと考えた。だが5項により、選任の裁判に対しては不服申立てができない。争えるのは、選任の手続に入る前の段階である

取るべき行動

被害を受けた側:1. 信託が終了したと知ったら、自分の債権の根拠書類(契約書、生涯払いの合意書など)をすぐにそろえる。2. 受託者が独自計算の低い額を「最終払い」として提示してきても、清算書にすぐ署名しない。180条の鑑定人評価を求めるか、6項の合意として条件を交渉する。3. 帰属権利者への分配が先に進んでいないかを確認する。181条に反する分配であれば、受託者の責任を追及できる余地がある

訴えられた側:1. 清算を始めたら、条件付・期間不確定・額不確定の債務をすべて洗い出す。2. 債権者、受益者、帰属権利者と、6項の合意で評価額を決められないか打診する。3. まとまらなければ裁判所に鑑定人の選任を申し立て、評価額どおりに払う。4. 鑑定費用は清算受託者の負担(3項)なので、債権額と釣り合うか先に試算する。5. 合意も鑑定もないまま分配すると、181条違反の責任を負うリスクがある

時効(請求できる期限):180条自体に申立ての期限はない。ただし信託債権そのものには一般消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される。条件付債権の時効は、原則として条件が成就した時から進む

学説

条文構造からの一般的理解:会社法501条と同構造の規定として、清算の迅速な結了と、額未確定債権を持つ債権者の保護との調整を図るものと理解される。評価を中立の鑑定人に委ね、受託者の恣意的な算定を排除する点に意義がある

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法制定 旧信託法を全面的に改めた現行信託法の制定に伴い、清算の章に条件付債権等の弁済規定として設けられた。その後の手続法整備に伴う改正の有無と内容は要確認

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法を全面的に改めた現行信託法(平成18年法律第108号)の制定に伴い、信託の清算に関する規定の一つとして設けられた

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 信託の清算

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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