信託法 第191条(受益者に対する通知等)
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- 受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先を当該受託者に通知した場合にあっては、その場所又は連絡先)にあてて発すれば足りる。
- 2.前項の通知又は催告は、その通知又は催告が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
- 3.受益証券発行信託の受益権が二人以上の者の共有に属するときは、共有者は、受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告を受領する者一人を定め、当該受託者に対し、その者の氏名又は名称を通知しなければならない。この場合においては、その者を受益者とみなして、前二項の規定を適用する。
- 4.前項の規定による共有者の通知がない場合には、受益証券発行信託の受託者が受益権の共有者に対してする通知又は催告は、そのうちの一人に対してすれば足りる。
- 5.この法律の規定により受益証券発行信託の受託者が無記名受益権の受益者に対してすべき通知は、当該受益者のうち当該受託者に氏名又は名称及び住所の知れている者に対してすれば足りる。この場合においては、当該受託者は、その通知すべき事項を官報に公告しなければならない。
この条文の基本情報
受益者に対する通知等とは何ですか?
定義受益者に対する通知等とは、信託法第191条に定められた規定で、「受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第191条(受益者に対する通知等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第191条の条文原文は「受益証券発行信託の受託者が受益者に対してする通知又は催告は、受益権原簿に記載し、又は記録した当該受益者の住所(当該受益者が別に通知又は催告を受ける場所又は連絡先…」で始まります。
- 信託法第191条は第一節 総則に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第191条の前の条は信託法第190条です。
- 信託法第191条の次の条は信託法第192条です。
- 信託法第191条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第191条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第191条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/191
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法191条は、受益証券発行信託の受託者が受益権原簿上の住所に通知・催告を発すれば足り、通常到達すべき時に到達したとみなすと定める。
Q · 信託の受託者から送られた通知が届かなかったら、通知はなかったことになるの?
原簿の住所に発送すれば足り、届かなくても到達扱いになる
信託法191条1項により、受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿に記載された受益者の住所(受益者が別の連絡先を届け出ていればその連絡先)にあてて通知・催告を発すれば足ります。さらに同条2項により、その通知・催告は通常到達すべきであった時に到達したものとみなされます。そのため、住所変更を届け出ていなかった受益者が実際には受け取っていなくても、原則として通知の効力は否定されません。原簿上の住所を最新に保つことが受益者側の自衛策になります。
解説
引っ越しの届け出を一枚出し忘れただけで、届いていない通知が「届いた」ことになる。受益証券発行信託(受益権を証券化し、売買できるようにした信託)の受託者は、受益権原簿(受益者の名簿)に載っている住所あてに通知や催告(相手に一定の行動を求める正式な呼びかけ)を発送すれば、義務を果たしたことになる。受益者が別の連絡先を届け出ていれば、そちらが宛先になる(1項)。そして通知は、通常届くはずだった時点で到達したものとみなされる(2項)。郵便が宛先不明で戻ってきても、あなたが封を開けていなくても、法律上は「知らされた」扱いになる。受益権を共有しているなら、通知を受ける代表者を一人決めて届け出る義務がある。届け出なければ、受託者は共有者の誰か一人に送れば足りる(3項、4項)。無記名の受益権であれば、住所が分かっている者への通知と官報公告で済む(5項)。名簿の住所を最新に保つ責任は、受託者ではなくあなたの側にある。
法的な位置づけ
信託法191条は、受益証券発行信託における受託者から受益者への通知・催告の方法と効力を定める規定である。受益権原簿記載の住所または受益者が届け出た連絡先にあてて発すれば足り、通常到達すべき時に到達したものとみなされる。共有受益権の代表受領者制度および無記名受益権に対する官報公告義務もあわせて定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.受益権原簿上の住所と連絡先を確認する 受託者または受益権原簿管理人に、自分の原簿上の住所と届出連絡先が現在どう記録されているかを照会する。証券口座経由で保有している場合は証券会社の登録情報もあわせて確認する
- 2.引っ越し前に住所変更・別連絡先を届け出る 転居の前に新住所への変更、または通知・催告を受ける別の場所・連絡先を受託者に届け出る。届出連絡先は191条1項括弧書きにより宛先となるため、移行期間の空白を防げる。届け出は記録が残る形で行う
- 3.共有になったら代表受領者を一人届け出る 相続などで受益権を共有した場合、共有者間で通知・催告を受領する者を一人決め、その氏名を受託者に通知する(191条3項)。届け出がないと受託者は共有者の誰か一人に送れば足りる(同4項)ため、共有者間で通知内容を共有する取り決めも同時に作る
- 4.届いた通知・催告の期限を管理する 通知・催告は通常到達すべき時に到達したとみなされるため、受け取ったら発送日から逆算して期限を確認し、カレンダー等で管理する。不明点は受託者に早めに書面で問い合わせる
よくある質問 AI による整理
Q1受益証券発行信託とは何ですか?
受益権を表示する受益証券を発行する旨を信託行為で定めた信託です。信託法185条以下が規律し、受益権の流通・売買を想定した仕組みです。
Q2受益権原簿とは何ですか?
受益証券発行信託の受託者が作成する受益者の名簿です。受益者の氏名や住所などが記載され、信託法191条の通知の宛先の基礎になります。
Q3信託の受託者に住所変更を届け出る方法は?
受託者または受益権原簿管理人に変更を届け出ます。証券口座経由で保有している場合は、まず証券会社の住所変更手続きを確認してください。
Q4信託法の「みなし到達」とは?
通知・催告が実際に届いたかに関係なく、通常到達すべきであった時に到達したものと扱うルールです。信託法191条2項が定めています。
Q5無記名受益権の受益者への通知はどうなる?
受託者は、氏名・名称と住所が分かっている受益者に通知すれば足ります。そのかわり、通知すべき事項を官報に公告しなければなりません(191条5項)。
Q6信託の催告の期限はいつから数える?
催告は通常到達すべきであった時に到達したとみなされるため、催告で定められた期間は原則としてその時点から進行します。実際に読んだ日ではありません。
Q7金ETFやJDRの投資家にも信託法191条は適用される?
受益証券発行信託の仕組みを使う商品であれば対象になりえます。ただし振替制度の有無など商品ごとに仕組みが異なるため、目論見書等で確認が必要です。
Q8届け出た連絡先を無視して旧住所に送られた通知は有効?
191条1項括弧書きは、届出連絡先があればそちらを宛先としています。旧住所への発送は同項の保護を受けられないおそれがあり、効力を争う余地があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1郵便が宛先不明で戻ってきた場合でも、通知したことになるんですか?
原則としてなる。信託法191条1項は、原簿上の住所にあてて発送すれば足りるとし、2項は、通常到達すべき時に到達したとみなしている。民法97条の到達主義を修正する特則である。実務のポイント:届かないリスクを負うのは受益者の側であり、受託者の実務は「原簿どおりに送った記録」を守ることに集中している。住所変更の届け出は、あなたが主導するしかない
Q2兄弟で受益権を共有していますが、通知は全員には来ないんですか?
共有者は、通知を受ける代表者を一人決めて受託者に届け出なければならない(191条3項)。届け出がなければ、受託者は共有者のうち一人に通知すれば足りる(同4項)。実務のポイント:誰に送るかは受託者が選べる。関係の悪い共有者にだけ通知が届いても、原則として通知は有効である。代表者の届け出と、共有者どうしで通知内容を共有する取り決めを同時に作っておくのが実務の定石
間違えやすい点 AI による整理
- 「郵便が届かなかったのだから、通知はなかったことになる」と思いがちだが、2項は、通常到達すべきであった時に到達したとみなすと定めている。郵便が届かなかったことや、封を開けていなかったことは、原則として通知の効力を失わせない
- 「受託者はちゃんと自分に連絡してくれるだろうか」という問いの立て方そのものがずれている。本条が受託者に求めているのは、原簿上の住所(または届出連絡先)に発送するところまでで、あなたの手元に届けることではない。問うべきは「自分の原簿上の住所と連絡先は、今正しいか」である
- 共有者が代表受領者を決めて届け出る義務(3項)を知っている人はいても、怠った場合の重さを知る人は少ない。届け出がなければ、受託者は共有者のうち一人に通知すれば足りる(4項)。他の共有者が知らなかったとしても、原則として通知の効力には影響しない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 信託法191条:受託者から受益者への通知・催告の宛先と効力 | 信託法186条:受益権原簿の記載事項 信託法190条:受益権原簿の備置きと閲覧等請求 |
| 受益者にとっての意味 | 原簿上の住所・届出連絡先が通知の宛先となり、みなし到達が働く | 宛先の基礎となる住所等が原簿に記載される 原簿を閲覧して自分の記載内容を確認できる |
| 受託者の主な義務 | 原簿上の住所等にあてて発送、無記名受益権は官報公告 | 法定事項を原簿に記載・記録する 原簿を備え置き、閲覧等の請求に応じる |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾の信託法本体には受益証券発行信託の一般規定がなく、受益証券の発行は証券化関連の特別法で規律される。受益者への通知・公告の具体的方法は各条例・関連規則の確認が必要
韓国は2011年の信託法全部改正で受益証券発行信託を導入しており、日本の制度設計と近い。通知規定の細部は条文確認が必要
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続で兄弟三人が、親の持っていた信託の受益権を共有することになったら、受託者からの通知は誰に届く?代表者を届け出ていなければ、受託者は三人のうち一人に送れば足りる(4項)。長男だけが通知を受け取り、残る二人は重要な手続の存在を知らないまま期限が過ぎる。そういう構図が合法的に成立してしまう
- 転勤で住所が変わって三か月。旧住所に送られた受託者からの催告は、通常届くはずだった日にすでに到達したとみなされている。回答期限は、もう残り数日しかないかもしれない
- あなたは信託銀行の事務担当で、数千人の受益者に重要事項を通知する立場にある。原簿上の住所に発送した記録を残せば、原則として義務は果たせる。ただし、受益者から別の連絡先が届け出られていたのにそれを見落とし、旧住所に送った場合は、本条1項の保護を受けられないおそれがある。届出連絡先の管理漏れが、そのまま手続の瑕疵になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受託者(または受益権原簿管理人)に対し、自分の原簿上の住所と届出連絡先、そして問題の通知の発送日・宛先を書面で照会する2. 別の連絡先を事前に届け出ていたのに旧住所へ送られていた場合は、1項括弧書きに反する発送だとして通知の効力を争う余地がある3. 共有の場合は、代表受領者の届け出の有無と、誰に送られたかを確認する4. 今後のために、連絡先の届け出は記録が残る形で行う
訴えられた側:1. 発送は必ず原簿上の住所にあて、届出連絡先があればそちらを優先する。発送日・宛先・内容の記録を保存する2. 共有受益権については代表受領者の届け出状況を原簿で管理し、未届けなら共有者の一人に送った事実を記録する3. 無記名受益権への通知では、知れている者への通知に加えて官報公告を必ず行う。公告漏れは5項違反になる4. 宛先不明で戻ってきた郵便も記録し、再発送の要否を社内ルールで定めておく
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。通知・催告は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなされ(2項)、通知・催告で定められた期間はその時点から進行する。受益債権には信託法102条の消滅時効が適用される(最新の改正状況をご確認ください)。その他の債権には一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される
学説
立法趣旨の整理:本条は会社法126条(株主に対する通知等)と同型の規定であり、受益者が多数かつ流動的な受益証券発行信託において、受託者の通知事務を定型化し、到達リスクを宛先管理の責任とともに受益者側に配分する趣旨と理解される
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法を全面的に置き換えた現行信託法において、受益証券発行信託の制度とともに新設された。その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により、受益証券発行信託制度とともに新設。平成19年(2007年)9月30日施行。その後の本条改正の有無は要確認
- 信託法 第185条受益証券発行信託の成立根拠
- 信託法 第186条受益権原簿の記載事項、宛先の基礎
- 信託法 第190条受益権原簿の備置きと閲覧請求
- 民法 第97条到達主義の一般原則を本条2項が修正
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