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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第190条(受益権原簿の備置き及び閲覧等)

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  1. 受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。)にあってはその主たる事務所、受益権原簿管理人が現に存する場合にあってはその営業所)に備え置かなければならない。
  2. 2.委託者、受益者その他の利害関係人は、受益証券発行信託の受託者に対し、次に掲げる請求をすることができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
  3. 一受益権原簿が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
  4. 二受益権原簿が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
  5. 3.前項の請求があったときは、受益証券発行信託の受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。
  6. 一当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
  7. 二請求者が不適当な時に請求を行ったとき。
  8. 三請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
  9. 四請求者が前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
  10. 五請求者が、過去二年以内において、前項の規定による閲覧又は謄写によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
  11. 4.第百八十六条第三号又は第四号に掲げる事項(第百八十五条第二項の定めのない受益権に係るものに限る。)について第二項の請求があった場合において、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

この条文の基本情報

受益権原簿の備置き及び閲覧等とは何ですか?

定義受益権原簿の備置き及び閲覧等とは、信託法第190条に定められた規定で、「受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第190条(受益権原簿の備置き及び閲覧等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第190条の条文原文は「受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿をその住所(当該受託者が法人である場合(受益権原簿管理人が現に存する場合を除く。」で始まります。
  3. 信託法第190条は第一節 総則に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第190条の前の条は信託法第189条です。
  7. 信託法第190条の次の条は信託法第191条です。
  8. 信託法第190条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第190条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第190条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/190

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法190条は、受益証券発行信託の受託者に受益権原簿の備置きを義務づけ、利害関係人が理由を示して閲覧・謄写を請求できると定める。拒否できるのは3項の五つの場合に限られる。

Q · 受益証券発行信託の受益者は、ほかの受益者の名簿を見せてもらえるの?

理由を示せば請求でき、拒否は3項の五つの場合だけ

信託法190条2項により、委託者・受益者その他の利害関係人は、請求の理由を明らかにして受益権原簿の閲覧・謄写を請求できます。受託者が拒めるのは、調査目的以外の請求、不適当な時期の請求、事務妨害目的、名簿売却目的、過去2年以内の売却歴という3項の五つの場合に限られます。ただし受益証券が発行される受益権の受益者の氏名・住所等は、信託行為の別段の定めで閲覧範囲が制限されることがあります(同条4項)。

解説

受益者の名前が並んだ一冊の帳簿がある。受益権原簿である。受益証券発行信託の受託者は、この原簿を自分の住所(法人なら主たる事務所、原簿管理人がいればその営業所)に置いておく義務を負う。委託者、受益者その他の利害関係人は、請求の理由を明らかにすれば、原簿の閲覧や謄写(コピー)を求めることができる。受託者が断れるのは、3項に並ぶ五つの場合に当たると認められるときだけだ。たとえば目的が権利の確保や行使のための調査ではない、請求の時期が不適当、信託事務を妨げる目的、名簿を売る目的、過去2年以内に名簿を売ったことがある、といった場合である。つまり、あなたが受益者で受託者の運用に疑問を持ったとき、ほかの受益者と連絡を取るための名簿は「お願い」で手に入るものではない。法律上の請求権として取りに行けるものだ。ただし受益証券が発行される受益権の受益者の氏名・住所・取得日については、信託行為(信託契約など)に別段の定めがあればそちらが優先する。請求の前に信託契約を一度確認しておくべきなのはこのためである。

法的な位置づけ

信託法190条は受益権原簿の備置き及び閲覧等の請求を定める規定であり、受益証券発行信託の受託者に対し受益権原簿を所定の場所に備え置く義務を課すとともに、委託者・受益者その他の利害関係人に理由を明示した閲覧・謄写請求権を認める。受託者は同条3項所定の五つの事由に該当する場合に限り請求を拒絶できる。

手順

  1. 1.信託契約で閲覧の制限と請求先を確認 信託契約(約款)を開き、受益権原簿管理人の有無と、4項に基づく別段の定めで受益者の氏名・住所・取得日の閲覧が制限されていないかを確認する。請求先が受託者の主たる事務所か管理人の営業所かもここで決まる
  2. 2.権利行使の目的を具体的に書いた請求書を作成 理由欄に「受託者の任務懈怠の有無を調査し、受益者集会での議決権行使に備えるため」など、行使したい権利を具体的に記載する。抽象的な理由は3項1号による拒否の口実になる
  3. 3.記録が残る方法で請求を送付 受託者の住所(法人なら主たる事務所、管理人がいればその営業所)宛てに、内容証明郵便など配達記録の残る方法で請求書を送る。営業時間内の訪問請求なら2号の「不適当な時」の主張を避けられる
  4. 4.拒否されたら根拠の号を特定させ、法的手段へ 拒否された場合は、3項のどの号に該当するとしたのかを書面で回答させる。受益者集会など期日が迫っていれば仮処分、そうでなければ閲覧謄写請求訴訟を弁護士と検討し、請求書と拒否回答を証拠として保管する

よくある質問 AI による整理

Q1受益権原簿とは何ですか?

受益証券発行信託で、受益者の氏名・住所や受益権の内容などを記載する帳簿です。記載事項は信託法186条が定め、受託者が作成・備置きします。

Q2受益権原簿はどこに置かれていますか?

受託者の住所に備え置かれます。受託者が法人なら主たる事務所、受益権原簿管理人がいる場合はその営業所です(信託法190条1項)。

Q3受益権原簿の閲覧を請求できるのは誰ですか?

委託者、受益者その他の利害関係人です。請求の際は理由を明らかにする必要があります(信託法190条2項)。

Q4受益権原簿のコピーはもらえますか?

もらえます。条文は閲覧だけでなく謄写も認めています。電磁的記録で作られている場合は、法務省令で定める方法で表示したものを閲覧・謄写します。

Q5受益権原簿の閲覧を拒否できるのはどんな場合ですか?

調査目的以外、不適当な時期、事務妨害や共同利益を害する目的、名簿を売る目的、過去2年以内に名簿を売った者による請求の五つです(3項)。

Q6受益権原簿の閲覧に手数料はかかりますか?

信託法190条自体は費用について定めていません。謄写費用の扱いは信託契約や受託者の実務によるため、請求前に確認するのが確実です。

Q7受益権原簿の閲覧を拒否されたらどうすればいいですか?

拒否の根拠となる号を書面で特定させ、反論を整理します。急ぐ場合は閲覧謄写を求める仮処分、通常は閲覧謄写請求訴訟を弁護士と検討します。

Q8信託契約で受益者名簿の閲覧を制限できますか?

一部できます。受益証券が発行される受益権に関する受益者の氏名・住所・取得日などは、信託行為に別段の定めがあればそれに従います(4項)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1受益者だけど、他の受益者の連絡先って本当に教えてもらえるの?

理由を明らかにすれば請求でき、受託者が拒めるのは3項の五つの場合に限られる(190条2項・3項)。ただし受益証券が発行される受益権については、受益者の氏名・住所・取得日の閲覧を信託行為で制限できる(同条4項)。実務のポイント:受託者は「個人情報なので」と最初に断ってくることがある。それは3項の拒絶事由ではない。どの号に当たるのか書面で特定するよう求めるだけで、態度が変わる例は多い

Q2理由って、どこまで詳しく書かなきゃいけないの?

条文は「請求の理由を明らかにして」と求めるだけで(190条2項)、詳細さの基準までは書いていない。ただ、受託者が1号の「権利の確保又は行使に関する調査以外の目的」を主張したとき、反論の材料になるのは理由欄そのものである。実務のポイント:「受託者の任務懈怠の有無を調査し、受益者集会での議決権行使に備えるため」のように、行使したい権利の名前まで書いておくと拒否の余地が大きく狭まる。逆に抽象的な理由は、受託者側の弁護士にとって最も攻めやすい

Q3閲覧を断られたら、受託者にペナルティはあるの?

正当な理由なく閲覧・謄写を拒んだ受託者は、信託法270条の過料(百万円以下)の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)。ただし過料は国に納めるもので、受益者の手元に名簿が来るわけではない。実務のポイント:実際に名簿を手に入れる道は、閲覧謄写請求訴訟か仮処分である。受益者集会の期日が迫っているなら本訴では間に合わないので、最初から仮処分を前提に証拠(請求書、拒否の回答)を揃えておく

間違えやすい点 AI による整理

  • 「個人情報保護法があるから、他人の名前と住所は絶対に見せてもらえない」と思われがちだが、問いの立て方が違う。190条は請求権と拒絶事由を法律で直接定めており、受託者が拒めるのは3項の五つの場合だけで、個人情報であることはそこに含まれていない。ただし受益証券が発行される受益権の受益者の氏名・住所・取得日は、信託行為の別段の定めで閲覧を制限できる(4項)。だから先に読むべきは信託契約だ
  • 請求には理由を明らかにする必要があることは知られている。知られていないのは、この理由が後で拒否の当否を争う材料そのものになるという点だ。「念のため」「興味があって」と書けば、1号(権利の確保・行使のための調査以外の目的)で拒否される口実を自分から渡すことになる。たった一行の理由が、請求の生死を分ける
  • 投資家の目には原簿は「ただの名簿」に映る。法律の目には、受託者を監視するための入口であり、同時に名簿屋に悪用されかねない資産でもある。この二面性があるから3項4号・5号で「売るための請求」と「過去2年以内に売った者」が名指しで排除されている。ここを知らずに名簿を外部へ流すと、自分の閲覧権を2年間失う
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる書類信託法190条:受益権原簿(受益証券発行信託)信託法38条:信託財産に係る帳簿等
会社法125条:株主名簿
請求できる者委託者・受益者その他の利害関係人受益者(帳簿等の閲覧・謄写)
株主及び債権者
拒絶事由の構造3項に五つの事由を限定列挙、理由の明示が必要38条2項に列挙された事由による拒否
125条3項に列挙された事由による拒否(同型構造)

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
公司法第210条

台湾信託法には受益証券発行信託の名簿閲覧に直接対応する規定は見当たらず、株主名簿の閲覧・抄録を定める公司法210条が構造上の対照となる

韓国
상법 제396조

韓国商法は株主名簿の備置きと株主・債権者の閲覧謄写請求を定める。受益証券型信託の名簿閲覧との対照は同型構造としての比較

アメリカ
Delaware Statutory Trust Act(12 Del. C. § 3819)、DGCL § 220

米国デラウェア州では、法定信託の受益者の情報アクセス権と、会社法における proper purpose を要件とする株主名簿閲覧権が対照となる。目的要件で濫用を防ぐ発想は本条と共通

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 不動産を裏付けにしたデジタル証券に100万円を投資した。分配金が予告なしに減り、受託者の説明は要領を得ない。ほかの投資家と声を合わせたいが、誰が持っているのか分からない。「受託者の責任追及を検討するため」と理由を書いて原簿の閲覧を請求すれば、受託者は3項の拒絶事由に当たらない限り断れない
  • 受託者の担当者が、深夜23時に事務所へ来て原簿を見せろと迫る受益者に困っている。これは「不適当な時」の請求として、その場では断ることができる。ただし翌日の営業時間内にもう一度請求されたら、同じ理由ではもう断れない
  • 受益者集会の議決が来週に迫っている。反対票を集めたいのに、受託者は「個人情報だから」と名簿の開示を渋る。残された時間は数日しかない。個人情報であることは3項の拒絶事由に入っていない。拒否されたら、理由を書いた書面での再請求と、仮処分の検討を同時に進める
  • 名簿業者から「投資家リストを高く買う」と持ちかけられた受益者がいたら、どうなる? 実際に売れば、その後2年間は閲覧を請求しても受託者に断られる立場になる
  • あなたが受託者側の法務担当だとする。同業の運用会社の社員が受益権を一口だけ買い、原簿の閲覧を求めてきた。狙いは顧客リストに見える。3項1号(権利の確保・行使のための調査以外の目的)や3号(受益者の共同の利益を害する目的)で拒めるかどうかは、相手が書いた請求理由と、それを否定できる具体的な事情をどこまで示せるかで決まる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 信託契約(約款)を開き、受益権原簿管理人がいるか、4項の別段の定めで受益者の氏名・住所の閲覧が制限されていないかを確認する2. 受託者の住所(法人なら主たる事務所、管理人がいればその営業所)宛てに、権利行使の目的を具体的に書いた閲覧・謄写請求書を、配達記録の残る方法で出す3. 拒否されたら拒否の根拠を書面で求め、3項のどの号に当たるとされたのかを特定させる4. 急ぐ事情があるなら、閲覧謄写を求める仮処分を弁護士と検討する

訴えられた側:受託者として請求を受けた場合:1. 原簿を所定の場所に備え置いているかをまず点検する2. 請求理由が明らかにされているかを確認し、拒否するなら3項のどの号に当たるのか、それを裏付ける事実(同業者であること、過去の名簿売却歴など)を記録に残す3. 4項の別段の定めがあれば、閲覧させる範囲をその定めに沿って切り分ける4. 正当な理由のない拒否は過料の対象になりうる(信託法270条、最新の改正状況をご確認ください)。迷ったら閲覧させる方向でリスクを比べる

時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。実務上の時間制限は別にあり、受益者集会の期日、受託者の責任追及の時効、3項5号の「過去2年以内」という期間が実際の締め切りとして働く

学説

通説的理解:本条は会社法の株主名簿閲覧制度にならった規定であり、閲覧は原則として認められ、受託者は3項の事由に該当することを主張・立証して初めて拒絶できると解されている。具体的な裁判例の蓄積は乏しい

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年)を全面的に改めた新信託法で、受益証券発行信託の制度とともに新設された(平成19年施行)。その後の文言改正の有無は人的検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により、受益証券発行信託の制度とともに新設。旧信託法(大正11年)には対応規定がない。施行は平成19年

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第一節 総則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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