信託法 第188条(受益権原簿管理人)
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受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。以下同じ。)を定め、当該事務を行うことを委託することができる。
この条文の基本情報
受益権原簿管理人とは何ですか?
定義受益権原簿管理人とは、信託法第188条に定められた規定で、「受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第188条(受益権原簿管理人)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第188条の条文原文は「受益証券発行信託の受託者は、受益権原簿管理人(受益証券発行信託の受託者に代わって受益権原簿の作成及び備置きその他の受益権原簿に関する事務を行う者をいう。」で始まります。
- 信託法第188条は第一節 総則に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第188条の前の条は信託法第187条です。
- 信託法第188条の次の条は信託法第189条です。
- 信託法第188条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第188条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第188条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/188
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法188条は、受益証券発行信託の受託者が受益権原簿管理人を定め、原簿の作成・備置きなどの事務を委託できると定める。受益者に対する受託者の地位は残る。
Q · 信託の受益者名簿の管理は、受託者以外の会社に任せてもいいの?
任せられる。信託法188条が根拠
信託法188条により、受益証券発行信託の受託者は受益権原簿管理人を定め、原簿の作成・備置きなどの事務を委託できます。管理人が置かれると、原簿は管理人の営業所に備え置かれます(同法190条)。ただし、受益者から見た義務者は原則として受託者のままです。委託先の選任・監督についての責任をどこまで負うかは、信託事務の委託に関する一般規定(同法28条・35条)との関係で解釈が分かれます。
解説
金の現物ETF、不動産のセキュリティトークン、日本型預託証券。名前はバラバラだが、中身が信託法の「受益証券発行信託」である商品は少なくない。この種の信託では、誰がどれだけ受益権を持っているかを記録する「受益権原簿」(株主名簿の信託版)がすべての土台になる。分配金の振込先、受託者からの通知の宛先、譲渡を第三者に主張できるかどうか。そのすべてが原簿の記載で決まる。188条は、受託者がこの原簿事務を丸ごと「受益権原簿管理人」に任せられると定める。つまり、あなたの権利を記録している現場は、商品パンフレットに大きく載っている運用会社でも受託銀行の窓口でもなく、証券代行会社やシステムベンダーなど、聞いたこともない第三者である場合がある。名義が違う、住所が古い、譲渡が反映されていない。そうしたトラブルで電話すべき相手は誰か。その答えを知っているかどうかで、解決までの時間がまるで変わる。
法的な位置づけ
信託法188条は受益権原簿管理人を定める規定である。受益証券発行信託の受託者は、受託者に代わって受益権原簿の作成、備置きその他の原簿に関する事務を行う者を定め、その事務を委託することができる。会社法の株主名簿管理人に相当する制度を信託に設けたものである。
よくある質問 AI による整理
Q1受益権原簿とは何ですか?
受益証券発行信託で、受益者の氏名・住所・保有する受益権などを記録する台帳です。株式でいう株主名簿にあたり、通知や分配の基準になります。
Q2受益権原簿管理人とは何ですか?
受託者に代わって受益権原簿の作成・備置きなどの事務を行う者です。信託法188条に基づき、受託者が定めて事務を委託します。
Q3受益証券発行信託とは?
信託行為で受益権を表示する受益証券を発行する旨を定めた信託です(信託法185条)。金の現物ETFや日本型預託証券などで使われる仕組みです。
Q4受益権原簿の閲覧請求はどこに出す?
管理人が置かれている場合、原簿は管理人の営業所に備え置かれます(信託法190条)。請求の理由を明らかにする必要があり、一定の場合は拒絶されえます。
Q5受益権原簿の名義書換 いつまで?
法定の期限はありませんが、分配などの基準日(信託法189条)までに書換を済ませないと、その回の権利は原簿上の名義人に帰属するのが通常です。
Q6セキュリティトークンの住所変更はどこに連絡する?
販売アプリの窓口だけでなく、目論見書等に記載された受託者または受益権原簿管理人に変更を届け出ると、原簿への反映が確実になります。
Q7受益権原簿管理人は誰でもなれる?
信託法188条の文言上、資格は限定されていません。実務では信託銀行の証券代行部門や証券代行会社などが担うことが多いとされます。
Q8受益権原簿の誤記載で損害が出たら誰の責任?
受益者から見た義務者は原則として受託者です。受託者は管理人との委託契約に基づき、管理人に求償することを検討する構図になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1受益権原簿管理人って、結局どこの会社がやってるんですか?
信託法188条は資格を限定していないので、信託行為や委託契約しだいである。実務では、信託銀行の証券代行部門や証券代行会社、トークン案件ではシステム基盤を提供する事業者が関与することもある。実務のポイント:目論見書の「関係法人」欄に小さく載っていることが多い。運用会社の名前しか覚えていない投資家は、ここを読み飛ばしている
Q2管理人がミスして分配金が別の人に行ったら、誰に文句を言えばいいの?
受益者にとっての義務者は原則として受託者である。188条は事務の委託を認めるだけで、受託者の受益者に対する責任を消すものではない。委託先についての責任の範囲には解釈の幅がある(信託法28条、35条)。実務のポイント:苦情は管理人だけでなく、受託者にも同時に書面で送る。受託者が当事者として記録に残ることで、社内の対応の優先順位が上がる
Q3原簿の中身って、受益者なら誰でも見られるんですか?
受益者などは、原簿の閲覧・謄写を請求できるが、請求の理由を明らかにする必要があり、一定の場合は拒絶されうる(信託法190条)。管理人がいる場合、備置き場所は管理人の営業所になる。実務のポイント:請求先を受託者の本店にすると、管理人への転送で時間がかかる。最初から管理人の営業所宛てに出す方が速い
間違えやすい点 AI による整理
- 「原簿事務を外部に任せたのだから、ミスがあれば管理人の責任」と受託者側が考えがちだが、受益者から見た義務者はあくまで受託者である。受託者が委託先の選任・監督についてどこまで責任を負うかについては、信託事務の委託に関する一般規定(信託法28条、35条)がそのまま当てはまるかで解釈が分かれうる。少なくとも「丸投げで免責」とはならないと考えておくべきである
- 株主名簿管理人を知っている人ほど、同じ仕組みだと思い込む。会社法123条は株主名簿管理人を置く旨を定款で定めることを求めるが、信託法188条の文言には信託行為で定めることを要件とする記載がない。似ている制度でも、設置の手続が同じとは限らない。この差は、信託行為の条項を読むときの着眼点そのものを変える
- 「受益権を持っているかどうかは、お金を払ったかどうかで決まる」という発想自体がずれている。権利の発生は契約で決まっても、受託者やほかの第三者に対して主張できるかどうかは原簿の記載に左右される場面がある。問うべきは「払ったか」ではなく「原簿に載っているか」である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 委託の対象 | 信託法188条:受益権原簿の作成・備置きその他原簿事務 | 信託法28条:信託事務一般の第三者委託 会社法123条:株主名簿の作成・備置き等の事務 |
| 適用される場面 | 受益証券発行信託に限られる | 信託一般 株式会社 |
| 設置の根拠 | 受託者が定める(条文上、信託行為での定めは要件とされていない) | 信託行為の定め・委託が相当な場合など一定の要件 定款で株主名簿管理人を置く旨を定める |
| 原簿・名簿の備置き場所 | 管理人を置けば管理人の営業所(信託法190条) | 該当なし 株主名簿管理人を置けばその営業所(会社法125条) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では受益証券の発行は証券化関連の特別法で規律され、名簿・過戸事務は実務上専門機関が担う。条番号単位の対応は要確認
韓国は2011年の信託法全面改正で受益証券発行信託を導入。名義書換代行会社は資本市場法で登録制とされる
米国では証券の名義管理を担う transfer agent を連邦証券法で登録・監督する。信託法ではなく証券規制の枠組みで処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 不動産セキュリティトークンを20万円分買った会社員。引っ越し後、分配金の案内が旧住所に届き続ける。アプリの問い合わせ窓口は「名簿は管理人の担当です」と答えるだけ。受益権原簿が誰の手元にあるのかを知らなければ、たらい回しのまま半年が過ぎる
- あなたは信託銀行の新規事業担当で、トークン化案件の原簿事務をブロックチェーン基盤ベンダーに任せようとしている。188条は委託そのものを認めるが、管理人を置けば原簿の備置き場所は管理人の営業所になる(信託法190条)。ベンダーのシステム障害で閲覧請求に応じられなかったとき、受益者が責任を問う相手は誰か。委託契約に監査権と事故時の報告義務が入っていなければ、矢面に立つのはあなたの側である
- 原簿の住所の記載が間違っていて、受託者からの重要な通知が届かなかったら、受益者は「知らなかった」で済ませられるのか? 受託者は原簿上の住所に宛てて通知すれば足りるとされる(信託法191条)。誤記載を放置した側の受益者が損をする構図になりかねない
- 知人から受益証券を発行しない受益権を相対で譲り受けた。分配の基準日まであと3日。原簿の名義書換を済ませなければ、受託者に対して自分が受益者だと主張できない(信託法195条、現行効力を要確認)。今年度の分配金は前の名義人の口座に流れる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受益証券発行信託の受益者として名義・住所・保有数に誤りを見つけたら、まず書面またはメールで受託者に訂正を求め、記録を残す2. 管理人が置かれている場合、原簿は管理人の営業所に備え置かれる(信託法190条)。閲覧・謄写を請求して記載内容を確認する3. 譲受人なら、基準日の前に名義書換を済ませる4. 対応がなければ、受託者の監督官庁や金融ADRへの申立てを検討する
訴えられた側:1. 受益者から原簿の誤りを指摘されたら、管理人任せにせず、受託者として事実関係を直ちに確認する2. 委託契約の報告義務・監査条項に基づいて、管理人から処理履歴を取り寄せる3. 原簿の記載や備置きの不備には過料の規定がありうる(信託法270条、最新の改正状況をご確認ください)。訂正と受益者への説明を速やかに行う4. 損害が生じていれば、管理人への求償を委託契約に基づいて整理する
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。実務上の期限は、分配や通知の基準日(信託法189条)までに原簿の記載を確定させることである
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法制定 旧信託法を全面的に改めた新信託法の制定にあたり、受益証券発行信託の特例(第8章)とともに新設された
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法を全面的に改めた新信託法(平成18年法律第108号)の制定にあたり、受益証券発行信託の特例(第8章)とともに新設された
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