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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第28条(信託事務の処理の第三者への委託)

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  1. 受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。
  2. 一信託行為に信託事務の処理を第三者に委託する旨又は委託することができる旨の定めがあるとき。
  3. 二信託行為に信託事務の処理の第三者への委託に関する定めがない場合において、信託事務の処理を第三者に委託することが信託の目的に照らして相当であると認められるとき。
  4. 三信託行為に信託事務の処理を第三者に委託してはならない旨の定めがある場合において、信託事務の処理を第三者に委託することにつき信託の目的に照らしてやむを得ない事由があると認められるとき。

この条文の基本情報

信託事務の処理の第三者への委託とは何ですか?

定義信託事務の処理の第三者への委託とは、信託法第28条に定められた規定で、「受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第28条(信託事務の処理の第三者への委託)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第28条の条文原文は「受託者は、次に掲げる場合には、信託事務の処理を第三者に委託することができる。」で始まります。
  3. 信託法第28条は第一節 受託者の権限に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第28条の前の条は信託法第27条です。
  7. 信託法第28条の次の条は信託法第29条です。
  8. 信託法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第28条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/28

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法28条は、受託者が信託事務を第三者に委託できる場合として、信託行為の定め、信託目的に照らした相当性、やむを得ない事由の三つを定める。

Q · 家族信託の受託者は、仕事を管理会社や税理士に任せてもいいの?

多くの場合は可能だが、選任と監督の責任は残る

信託法28条は、信託行為に委託の定めがある場合(1号)、定めがなく信託の目的に照らして相当な場合(2号)、委託禁止の定めがあってもやむを得ない事由がある場合(3号)に、受託者が信託事務を第三者に委託できると定めます。委託した後も、適切な委託先を選び監督する義務が残ります(35条)。要件を欠く委託で損失が出れば、受託者は委託しなくても損失が生じたことを証明しない限り、てん補責任を免れません(40条2項)。

解説

信託を引き受けた受託者は、原則として自分の手で仕事をする。旧信託法はこの原則を厳格に守り、他人に任せられるのは信託行為(信託を設定する契約や遺言)に定めがあるか、「やむを得ない事由」がある場合に限られていた。平成18年(2006年)の全部改正で、委託の根拠は三つになった。信託契約に「委託できる」と書いてあれば任せられる(1号)。何も書いていなくても、信託の目的から見て相当なら任せられる(2号)。「委託禁止」と書いてあっても、やむを得ない事由があれば任せられる(3号)。家族信託で親の賃貸アパートを預かった長男が管理会社や税理士に仕事を頼めるのは、この条文があるからだ。ただし、任せた時点で責任がなくなるわけではない。ふさわしい委託先を選び、その後も監督する義務が残る(35条)。要件を満たさない委託で損失が出れば、受託者は「自分でやっても同じ損失が出た」と証明しない限り、その穴埋めを免れない(40条2項)。委託できると知っているだけの人と、委託した後の責任まで知っている人では、同じ状況で取る行動が違ってくる。

法的な位置づけ

信託法28条は、受託者の自己執行義務の例外として、信託事務の処理を第三者に委託できる場合を定める規定である。信託行為に定めがある場合、定めがなく信託の目的に照らして相当な場合、委託禁止の定めがあってもやむを得ない事由がある場合の三類型を置く。委託先の選任・監督義務は同法35条が規律する。

手順

  1. 1.信託行為の委託条項を確認する 信託契約書や遺言を読み、「第三者に委託することができる」旨の定め(1号)、委託禁止の定め(3号の前提)、どちらもないか(2号)を確かめる。同意要件など独自の条件がないかも確認する
  2. 2.委託の根拠と理由を書面に残す 1号・2号・3号のどれを根拠に委託するのかを決め、事務の専門性、規模、受託者自身の時間的余裕、やむを得ない事由の内容と期間をメモにまとめる
  3. 3.委託先を比較して選ぶ 管理会社や税理士など複数の候補から見積もりを取り、実績・費用・報告体制を比べて選ぶ。選定理由、相見積もり、委託契約書を一つのフォルダにまとめる(35条1項)
  4. 4.委託後の監督を続ける 委託先から月次報告を受け取り、通帳・修繕記録・入居状況と照らし合わせる。確認した日付と気づいた点を記録し、受益者への報告に備える(35条2項・36条)

よくある質問 AI による整理

Q1信託法28条とは何を定めた条文ですか?

受託者が信託事務を第三者に委託できる場合を定めた条文です。信託行為の定め、信託目的に照らした相当性、やむを得ない事由の三つの根拠があります。

Q2家族信託の受託者は税理士に申告を頼めますか?

頼めます。信託の計算書の作成や税務申告は専門性が高く、委託条項がなくても28条2号の「相当」に当たりやすい事務です。依頼した経緯は記録しておきましょう。

Q3信託事務の委託に受益者の同意は必要ですか?

28条の要件に受益者の同意は入っていません。ただし信託行為で同意を要件にすることはでき、その場合は契約の定めに従う必要があります。

Q4委託先の業者が不正をしたら受託者の責任は?

28条の要件を満たし、35条の選任・監督義務も尽くしていれば責任は限られます。要件を欠く委託なら、40条2項により立証の負担が受託者に移ります。

Q5信託法28条3号の「やむを得ない事由」とは?

委託禁止の定めがあっても委託を認めざるを得ない事情です。受託者の入院など、信託の目的に照らして個別に判断されます。説明する責任は受託者が負います。

Q6旧信託法と現行28条の違いは何ですか?

旧法26条は信託行為の定めかやむを得ない事由がある場合に限っていました。現行28条は、信託の目的に照らして相当な場合にも委託を認めるよう緩和しています。

Q7信託事務を委託するとき契約書は必要ですか?

28条は書面を要件としていません。それでも委託範囲、報告義務、報酬を定めた委託契約書は、35条の選任・監督を尽くした証拠として欠かせません。

Q8受託者の委託違反はいつまで責任追及できますか?

損失てん補責任の債権は、知った時から5年、行使できる時から10年で時効になります(信託法43条1項・民法166条)。損失発生から20年の制限もあります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1家族信託の受託者なんですけど、物件の管理を全部管理会社に任せても大丈夫ですか?

委託すること自体は可能な場合が多い。契約に委託の定めがあれば28条1号、なくても専門性の高い賃貸管理は2号の「相当」に当たりやすい。ただし35条によって選任と監督の義務は残る。実務のポイント:トラブルになったとき効いてくるのは、管理会社の月次報告を毎月受け取り、目を通した痕跡である。受け取るだけで読まない受託者は、監督していたとは言いにくい

Q2契約書に委託禁止って書いてあるのに、兄が勝手に業者に任せてました。これって違反ですよね?

直ちに違反とは限らない。3号は、やむを得ない事由があれば禁止条項があっても委託を認めている。ただし、その事由は受託者である兄が説明すべきものだ。要件を欠けば28条違反となり、損失が出れば40条2項により、兄が「委託しなくても損失が出た」と証明しない限り穴埋めの責任を負う。実務のポイント:まず36条の報告請求で、委託の経緯を書面で出させる。口頭の言い訳と書面の説明では、後の交渉力がまったく違う

Q3信託銀行も同じルールで外部に仕事を任せているんですか?

28条はすべての受託者に適用される。それに加えて信託会社には、信託業法22条により、信託行為に委託する旨と委託先(決まっていなければ選定の基準と手続)が明らかにされていることなどの上乗せ要件がかかる。実務のポイント:信託銀行の契約書類に委託先や選定基準が細かく書かれているのはこのためだ。個人の家族信託はこの上乗せ規制の対象外なので、自分たちで契約書に書き込んでおく価値がある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「信託契約に委託禁止と書けば、受託者は絶対に他人に任せられない」と考えがちだが、3号は禁止条項があっても、やむを得ない事由があれば委託を認めている。契約の文言は絶対的な歯止めにはならない。ただし「やむを得ない」のハードルは高く、受託者がその事由を具体的に説明できなければ、委託は違反になる
  • 「誰に任せるか」ばかりを気にする人は多いが、問いの立て方としては足りない。後で問われるのは、どの号を根拠に任せたのか、そして任せた後にどう監督したのかである。35条は委託先を選ぶ段階だけでなく、監督し続けることまで受託者に求めている。選び方が正しくても、放置すれば責任は残る
  • 40条2項の重さはほとんど知られていない。28条の要件を満たさずに委託して損失が出ると、通常とは逆に、受託者の側が「委託しなくても同じ損失が出た」と証明しなければならない。立証責任が受託者に移るこの仕組みを、契約書に署名する時点で想像している受託者はまずいない
  • 受託者から見れば「登記手続を司法書士に頼んだ」「引越業者に荷物を運ばせた」はただの外注である。こうした単なる補助者(手足として使う者)の利用まで28条の「委託」に当たるのかは、実務上、解釈が分かれている。境界があいまいだからこそ、外注のたびに根拠と経緯を残しておくのが安全である
比較の観点この条文ほかの条文
規律する対象信託法28条:委託してよいかどうか(三つの根拠)信託法35条:誰を選び、どう監督するか
信託法40条:損失が出たときのてん補責任
問題になる時点委託を決める前委託先の選定時と委託後の継続期間
損失または変更が生じた後
違反した場合の効果要件を欠く委託は任務違反となる選任・監督義務違反として責任が残る
28条違反の委託なら、委託しなくても損失が生じたことを受託者が証明しない限り免責されない(2項)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
台湾 信託法第25条

受託者が自ら処理することを原則とし、信託行為に定めがあるかやむを得ない事由がある場合に第三者に処理させることを認める。日本の旧26条に近い構造で、現行28条2号のような相当性類型はない

韓国
한국 신탁법 제42조

2011年の全部改正で信託事務の委託の規定が整理された。委託できる範囲と委託先についての受託者の責任を定める点で、日本の28条・35条と同じ問題を扱う

中国
中華人民共和国 信託法 第30条

受託者が自ら処理することを原則とし、信託文件に別段の定めがあるか、やむを得ない事由がある場合に他人へ委託できる。委託した場合も受託者が責任を負う

アメリカ
Uniform Trust Code § 807

思慮深い受託者なら適切に委託するであろう職務の委託を認め、委託先の選定、委託範囲の設定、定期的な監視について注意義務を課す。日本の28条・35条を一体にしたような規定である

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父の賃貸マンション3棟を家族信託で預かった、会社員の長男。平日は本業で手が回らず、入居者募集から修繕まで地元の管理会社にまとめて任せた。信託契約に委託条項はないが、専門性の高い賃貸管理なら2号の「相当」に当たる可能性が高い。本当の分かれ目は、管理会社を選んだ理由と、その後の監督の記録を残していたかどうかである
  • 管理会社が家賃を半年分着服して倒産したら、受託者の兄は、もう一人の受益者である弟から穴埋めを求められるのか。委託が28条の要件を満たし、選任と監督も尽くしていれば、責任の範囲は限られる。要件を満たしていなければ、40条2項の立証の壁が兄の側に立ちはだかる
  • あなたは受託者として、信託契約にある「第三者への委託禁止」の一文を知りながら、入院中の3か月だけ知人の不動産業者に家賃の回収を頼んだ。3号のやむを得ない事由に当たる余地はある。ただ、その事由を説明する責任はあなたの側にある
  • 受託者が税務署に出す「信託の計算書」の提出期限(翌年1月31日、所得税法227条)まで、残り10日。信託不動産の収支はまだまとまっていない。税理士に頼むなら、今日決めなければ間に合わない
  • 友人から「家族信託の受託者になったけど、全部管理会社に丸投げでいいよね?」とLINEで聞かれた。委託すること自体はできる。だが監督しないまま任せきりにすれば、35条2項の義務違反の責任が友人に残る

取るべき行動

被害を受けた側:1. 受託者に、誰にどの事務を委託したのか、その根拠(信託行為の定めか、相当性か、やむを得ない事由か)を書面で説明するよう求める。受益者には信託事務の処理状況について報告を求める権利がある(36条) 2. 委託先を選んだ理由と、監督の記録の開示を求める3. 損失が出ていれば40条に基づいて損失のてん補を請求する。要件を外れた委託なら、40条2項によって立証の負担は受託者側に移る4. 違反が続くなら、44条の差止請求や58条の解任も選択肢に入れる

訴えられた側:1. 委託する前に、信託行為に委託の定めがあるかを確認する。定めがなければ、2号の相当性を裏付ける事情(専門性、事務の規模、自分の時間的余裕)をメモに残す2. 委託先は複数の見積もりを比べて選び、選んだ理由を記録する(35条1項) 3. 定期報告を受け取り、通帳や修繕記録と照らし合わせる監督を続ける(35条2項) 4. 委託禁止条項がある場合は、やむを得ない事由の内容と期間を記録し、受益者に事前に知らせておく

時効(請求できる期限):28条そのものに期限はない。受託者の損失てん補責任に係る債権は、債務不履行責任の消滅時効の例による(信託法43条1項)。つまり、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年である(民法166条)。受益者が受益者に指定されたことを知るまでは時効は進行せず(同43条3項)、任務違反によって損失が生じた時から20年で消滅する(同43条4項)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:現行28条は旧法の厳格な自己執行義務を緩和し、信託の目的に照らした相当性による委託を認めた。その代わり35条の選任・監督義務と40条2項の立証責任転換で受託者の責任を確保する、という構造で理解されている

補助者の利用と委託の区別:登記手続の依頼や運送業者の利用のように、受託者の手足として補助者を使う行為まで28条の「委託」に当たるかについては、見解が分かれている。実務上は、外注のたびに根拠と経緯を記録しておくことが勧められる

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正(平成19年(2007年)9月30日施行) 旧信託法26条は、信託行為に定めがある場合か、やむを得ない事由がある場合に限って他人に信託事務を処理させることを認め、受託者の自己執行義務を厳格に採っていた。全部改正で現行28条となり、信託の目的に照らして相当な場合にも委託を認める形へ緩和された

改正の年表

  1. 1.大正11年(1922年) 新設:旧信託法26条が、信託行為に別段の定めがある場合を除き、やむを得ない事由がある場合に限って他人に信託事務を処理させることを認めた
  2. 2.平成18年(2006年) 改正:信託法全部改正(平成19年9月30日施行)で現行28条となった。信託の目的に照らして相当な場合にも委託を認め、三類型に整理した

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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