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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第35条(信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務)

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  1. 第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。
  2. 2.第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託したときは、受託者は、当該第三者に対し、信託の目的の達成のために必要かつ適切な監督を行わなければならない。
  3. 3.受託者が信託事務の処理を次に掲げる第三者に委託したときは、前二項の規定は、適用しない。ただし、受託者は、当該第三者が不適任若しくは不誠実であること又は当該第三者による事務の処理が不適切であることを知ったときは、その旨の受益者に対する通知、当該第三者への委託の解除その他の必要な措置をとらなければならない。
  4. 一信託行為において指名された第三者
  5. 二信託行為において受託者が委託者又は受益者の指名に従い信託事務の処理を第三者に委託する旨の定めがある場合において、当該定めに従い指名された第三者
  6. 4.前項ただし書の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

この条文の基本情報

信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務とは何ですか?

定義信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務とは、信託法第35条に定められた規定で、「第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第35条(信託事務の処理の委託における第三者の選任及び監督に関する義務)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第35条の条文原文は「第二十八条の規定により信託事務の処理を第三者に委託するときは、受託者は、信託の目的に照らして適切な者に委託しなければならない。」で始まります。
  3. 信託法第35条は第二節 受託者の義務等に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第35条の前の条は信託法第34条です。
  7. 信託法第35条の次の条は信託法第36条です。
  8. 信託法第35条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第35条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第35条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/35

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法35条は、信託事務を第三者に委託する受託者に、信託の目的に照らした適切な選任と委託後の監督を義務づける。指名された委託先なら、不適任を知った時の通知・解除義務に限られる。

Q · 家族信託で管理会社に任せたら、受託者の責任はなくなる?

なくならない。選任と監督の義務が受託者に残る

なくなりません。信託法28条で委託そのものは認められますが、35条1項により信託の目的に照らして適切な業者を選ぶ義務、2項により委託後も必要かつ適切な監督を続ける義務が受託者に残ります。これを怠って信託財産に損失が出れば、40条の損失てん補責任を問われえます。ただし信託契約で委託先が指名されていれば、残るのは不適任等を知ったときの通知・委託解除などの措置義務です(3項)。

解説

家族信託で親の賃貸アパートを預かった息子が、管理を不動産会社に丸投げした。家族信託は増えているが、多くの家庭はこの形のまま動いている。信託法は受託者が仕事を外に出すこと自体は認めている(28条)。問題は、外に出した後である。本条は受託者に二つの義務を課す。一つ目は、信託の目的に照らして適切な相手を選ぶこと。二つ目は、委託した後も目的の達成に必要な監督を続けること。手数料が一番安いという理由だけで選んだ業者が家賃を使い込んだ場合、選び方と見張り方が甘かった受託者は、信託財産の損失を埋める責任を問われうる(40条)。ただし逆側の出口もある。信託契約の中で委託先をあらかじめ名指ししておけば、選任・監督の一般義務は外れる。残るのは「不適任だと知ったら受益者に知らせ、委託を解除するなど必要な措置をとる」義務だけになる(3項)。契約書の一行で、受託者が負う責任の重さが変わる。

法的な位置づけ

信託法35条は、受託者が信託事務の処理を第三者に委託する場合の選任義務および監督義務を定める規定である。受託者は信託の目的に照らして適切な者に委託し、委託後は目的達成に必要かつ適切な監督を行わなければならない。信託行為で指名された第三者等への委託ではこれらの義務が外れ、不適任等を知った後の通知・委託解除等の措置義務のみが残る。

手順

  1. 1.信託契約で委託先の扱いを確認・設計する 信託契約書に委託先の指名条項があるかを確認する。起案段階なら、管理会社等を名指しし、不適任時の対応手順を4項の別段の定めとして書き込むことを司法書士・弁護士に相談する
  2. 2.信託目的に照らして委託先を比較選定する 複数社から見積りと業務内容を取り寄せ、登録・実績・手数料・報告体制を比較する。信託目的(生活費の安定確保など)との適合性を基準に選び、選定理由をメモに残す
  3. 3.委託後の監督ルーティンを作る 月次報告書を必ず開封し、入金額と信託口座の通帳を突き合わせる。確認日と気づいた点を記録し、空室・修繕・敷金の管理状況に異常があれば書面で是正を求める
  4. 4.不適任・不正を知ったら直ちに措置をとる 委託先の不誠実や事務処理の不適切を知った時点で、受益者へ通知し、委託解除や後任業者の選定など必要な措置を検討・実行する。通知と対応の経過は書面で残す

よくある質問 AI による整理

Q1信託法35条とは?

受託者が信託事務を第三者に委託するときの選任義務と監督義務を定めた条文です。信託行為で指名された委託先には特則があり、知った後の措置義務だけが残ります。

Q2受託者の監督義務はどこまで求められる?

信託の目的の達成に必要かつ適切な範囲です。報告書の受領・確認、入金と通帳の照合、異常時の是正要求など、委託が続く限り継続的な見張りが求められます。

Q3「信託行為において指名された第三者」とは?

信託契約や遺言などで委託先として名指しされた者、または委託者・受益者の指名に従って選ぶと定められた場合の被指名者です。選んだのが受託者でないため一般義務が外れます。

Q4委託先が不適任と知ったら受託者は何をすべき?

受益者への通知、委託の解除その他必要な措置をとる義務があります(35条3項ただし書)。指名された委託先であっても、知った後の放置は任務違反になりえます。

Q5委託先の選任が「適切」かはどう判断される?

業者の知名度ではなく、信託の目的に照らして判断されます。生活費の安定確保が目的なら、高リスク運用業者の選任は不適切とされる可能性があります。

Q6信託銀行が業務を外部委託した場合も35条だけ?

信託会社等には信託業法も重ねて適用され、委託要件(22条)や委託先が加えた損害の賠償責任(23条)が加わります。家族受託者より重い責任構造です。

Q735条の義務は信託契約で軽くできる?

委託先を信託行為で指名すれば1・2項の一般義務は外れます(3項)。さらに3項ただし書の措置義務も、信託行為の別段の定めで変更できます(4項)。

Q8委託先の使い込みで受託者が責任を負うのはいつまで?

損失てん補責任の債権は債務不履行の例により、知った時から5年・行使可能時から10年で時効消滅し、損失発生から20年でも消滅します(信託法43条)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1家族信託の受託者になったけど、不動産管理って全部業者に任せていいの?

任せてよい。信託法28条は、信託行為に定めがある場合や信託の目的に照らして相当な場合に第三者への委託を認めている。ただし35条により、適切な業者を選び、委託後も監督する義務が残る。実務のポイント:契約書作成時に司法書士へ「管理会社を契約書で指名する条項を入れられないか」と一言聞くだけで、受託者が負う義務を通知・解除義務に絞れる場合がある

Q2管理会社の手数料って、受託者の自腹なんですか?

信託事務の処理に必要と認められる費用は、信託財産から支出でき、固有財産から立て替えた場合は信託財産から償還を受けられる(48条)。実務のポイント:費用を払うのが信託財産である以上、高すぎる手数料の業者を選べば受益者から選任の適切さを問われる。複数社の見積りを取った記録を残しておくことが、受託者自身の盾になる

Q3兄が受託者で、委託した業者がひどい。兄に直接文句を言う以外に何ができる?

受益者は受託者に処理状況の報告を求められ(36条)、帳簿等の閲覧も請求できる(38条)。業者の問題を具体的事実とともに書面で兄に伝えておけば、3項ただし書の「知ったとき」の要件を満たしやすくなり、その後の放置は任務違反として争いやすい。実務のポイント:信託監督人(131条)が置かれていれば、その人に動いてもらうのが感情的な衝突を避ける近道になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「プロの会社に任せたのだから、何かあっても受託者は悪くない」と思われがちだが、本条1項は「プロかどうか」ではなく「信託の目的に照らして適切か」を問う。高齢の親の生活費を守る信託で、攻撃的な運用会社を選べば、その会社がどれほど有名でも選任が不適切とされうる
  • 選任の義務はよく知られているが、2項の監督義務の重さは見落とされている。委託契約を結んだ日で義務が終わるのではなく、信託が続く限り報告を受け取り、異常があれば是正を求める義務が続く。家族信託で受託者が五年間一度も管理報告を読んでいなければ、それ自体が監督の欠如として不利に働く
  • 「受託者が責任を取るなら、賠償金は受益者である私に払われる」という前提そのものがずれている。40条の責任は原則として信託財産への損失てん補または原状回復であり、お金は受益者個人ではなく信託財産に戻る。受益者が手にするのは、その後の信託からの給付を通じてである
比較の観点この条文ほかの条文
規律の対象信託法35条:委託先の選任・監督の義務信託法28条:第三者に委託できる要件
信託法40条:任務懈怠時の損失てん補・原状回復責任
問われる場面委託した後(誰を選び、どう見張ったか)委託する前(そもそも委託してよいか)
損失が生じた後(責任をどう取るか)
信託行為による調整委託先の指名で1・2項が外れ、3項ただし書は4項で変更可信託行為の定めがあれば委託可能
受益者の請求により信託財産への補てんが原則

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国信託法第25条・第26条

受託者の自己処理を原則とし、信託行為の定めややむを得ない事由があれば第三者に処理させることができる。その場合、受託者は第三者の選任と職務執行の監督についてのみ責任を負う構造で、日本の選任・監督義務と発想が近い

韓国
신탁법 제42조

2011年の全面改正で信託事務の委任を規定。正当な事由がある場合の委任を認め、受託者は選任・監督について責任を負い、信託行為や受益者が指名した者を選任した場合の免責を定める構造とされる

中国
信托法 第30条

受託者の自己処理を原則とし、信託文書の定めややむを得ない事由があれば委託できるが、受託者は委託先の行為そのものについて責任を負う。選任・監督の義務に限定する日本より受託者に厳しい

アメリカ
Uniform Trust Code § 807

受託者は委任先の選任、委任範囲の設定、定期的な監視について合理的な注意を払うことで、委任先の行為について受益者に対する責任を免れうる。日本の選任・監督義務と同じく「選ぶ・見張る」を軸にした規律

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 認知症になる前の父と信託契約を結び、長男が受託者になった。アパート管理は地元の管理会社に任せ、毎月の送金を確認するだけで、空室の報告書は一度も開かなかった。二年後、管理会社が敷金を流用していたことが発覚した。「任せていた」は弁解にならず、監督の中身そのものが問われる
  • あなたが受託者として預かった金融資産を、知人の紹介で無登録の投資業者に預けたら、どうなる? 信託の目的が「父の生活費の安定確保」なら、高リスク運用業者の選任自体が本条1項違反を疑われる
  • 妹が受益者で、兄が受託者。兄が選んだ管理会社の対応がずさんで、修繕が半年放置されている。妹にできるのは兄への苦情だけではない。報告請求(36条)、帳簿の閲覧請求(38条)を通じて、兄の監督の実態を書面で確かめることができる
  • 信託契約に「管理は A 社に委託する」と明記してあった。受託者は A 社の選定について責任を負わない。だが A 社の担当者が入金を遅らせ始めたと気づいた瞬間から、受益者への通知と委託解除の検討という別の義務が走り出す
  • 管理会社の決算が赤字続きで、入居者からの家賃が三か月分未着。受託者のあなたが今週中に動かなければ、問題を「知った」後の不作為として、3項ただし書の措置義務違反を問われかねない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 受託者に信託事務の処理状況の報告を書面で請求する(36条)。委託先の名前、選んだ理由、監督の方法を具体的に聞く2. 帳簿や財産状況開示資料の閲覧・謄写を請求する(38条) 3. 損失が出ていれば、信託財産への損失てん補・原状回復を請求する(40条) 4. 受託者が動かず著しい損害が出ているなら、裁判所への解任申立て(58条4項)を弁護士と検討する

訴えられた側:1. 委託先を選んだ時点の資料(比較した見積り、業者の登録・実績、選定理由のメモ)を今すぐ揃える2. 委託後の監督記録(報告書の受領、問い合わせ、是正要求のやり取り)を時系列に整理する3. 信託契約で委託先が名指しされていないか確認する。名指しされていれば、争点は3項ただし書の「知った後の対応」に絞られる4. 問題を知ったのに放置しているなら、受益者への通知と委託解除の検討を直ちに行う

時効(請求できる期限):受託者の損失てん補責任に係る債権の消滅時効は、債務不履行責任の例による(信託法43条1項)。原則として権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年(民法166条)。加えて、任務懈怠により信託財産に損失が生じた時から20年で消滅する(信託法43条4項)(最新の改正状況をご確認ください)

学説

立案趣旨:旧信託法の自己執行原則を改め、28条で委託を広く認めた代償として本条で選任・監督義務を明文化した。信託行為で委託先が指名された場合は、選んだのが委託者側であることから一般義務を外し、知った後の措置義務のみを課すという責任配分を採る

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)新信託法制定 大正11年制定の旧信託法26条は、受託者が自ら信託事務を処理することを原則とし、委託はやむを得ない事由がある場合等に限っていた。新法は28条で委託を認める範囲を広げ、本条で選任・監督義務と、指名された委託先についての特則を定めた

改正の年表

  1. 1.大正11年(1922年) 新設:旧信託法制定。26条は受託者が自ら信託事務を処理することを原則とし、第三者への委託は信託行為に別段の定めがある場合ややむを得ない事由がある場合に限っていた
  2. 2.平成18年(2006年) 新設:新信託法(平成18年法律第108号)制定。28条で委託可能な範囲を広げ、本条で選任・監督義務と、指名された委託先についての特則(3項・4項)を定めた

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 受託者の義務等

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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