受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第270条(過料に処すべき行為)

クイックジャンプ
  1. 受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託管理人、信託監督人、受益者代理人又は検査役は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
  2. 一この法律の規定による公告若しくは通知をすることを怠ったとき、又は不正の公告若しくは通知をしたとき。
  3. 二この法律の規定による開示をすることを怠ったとき。
  4. 三この法律の規定に違反して、正当な理由がないのに、書類又は電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写を拒んだとき。
  5. 四この法律の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をしたとき。
  6. 五この法律の規定による調査を妨げたとき。
  7. 六第三十七条第一項、第二項若しくは第五項の書類若しくは電磁的記録又は第百二十条の議事録(信託行為に第四章第三節第二款の定めるところによる受益者集会における多数決による旨の定めがある場合に限る。)を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
  8. 七第百五十二条第二項若しくは第五項、第百五十六条第二項若しくは第五項又は第百六十条第二項若しくは第五項の規定に違反して、信託の併合又は分割をしたとき。
  9. 八第百七十九条第一項の規定に違反して、破産手続開始の申立てをすることを怠ったとき。
  10. 九第百八十一条の規定に違反して、清算中の信託財産に属する財産の給付をしたとき。
  11. 2.受益証券発行信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人、信託監督人又は受益権原簿管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
  12. 一第百二十条の議事録(信託行為に第二百十四条の別段の定めがない場合に限る。)又は第百八十六条の受益権原簿を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
  13. 二第百八十七条第一項又は第二百二条第一項の規定に違反して、書面の交付又は電磁的記録の提供を拒んだとき。
  14. 三第百九十条第一項の規定に違反して、第百八十六条の受益権原簿を備え置かなかったとき。
  15. 四第二百七条の規定に違反して、遅滞なく、受益証券を発行しなかったとき。
  16. 五第二百九条の規定に違反して、受益証券に記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたとき。
  17. 3.限定責任信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者又は信託財産法人管理人は、次のいずれかに該当する場合には、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。
  18. 一第九章第三節の規定による登記をすることを怠ったとき。
  19. 二第二百二十二条第二項の会計帳簿、同条第三項の貸借対照表又は同条第四項若しくは第七項の書類若しくは電磁的記録を作成せず、若しくは保存せず、又はこれらに記載し、若しくは記録すべき事項を記載せず、若しくは記録せず、若しくは虚偽の記載若しくは記録をしたとき。
  20. 三清算の結了を遅延させる目的で、第二百二十九条第一項の期間を不当に定めたとき。
  21. 四第二百三十条第一項の規定に違反して、債務の弁済をしたとき。
  22. 4.会計監査人設置信託の受託者、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法人管理人又は信託監督人は、第二百五十条第三項の規定に違反して、会計監査人の選任の手続をすることを怠ったときは、百万円以下の過料に処する。ただし、その行為について刑を科すべきときは、この限りでない。

この条文の基本情報

過料に処すべき行為とは何ですか?

定義過料に処すべき行為とは、信託法第270条に定められた規定で、「受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第270条(過料に処すべき行為)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第270条の条文原文は「受託者、第六十条第一項に規定する前受託者の相続人等、信託財産管理者、民事保全法第五十六条に規定する仮処分命令により選任された受託者の職務を代行する者、信託財産法…」で始まります。
  3. 信託法第270条は第十三章 罰則に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第270条の前の条は信託法第269条です。
  7. 信託法第270条の次の条は信託法第271条です。
  8. 信託法第270条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第270条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第270条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/270

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法270条は、受託者や信託監督人が帳簿の不作成、報告の懈怠、閲覧の不当拒絶などをした場合に百万円以下の過料を科す規定。刑罰が科されるときは適用しない。

Q · 家族信託の受託者が帳簿をつけていないと、何か制裁はあるの?

はい。帳簿の不作成は最大100万円の過料対象です

信託法270条1項6号により、受託者が37条の帳簿等を作成・保存せず、または虚偽の記載をした場合は百万円以下の過料に処されます。商事信託と民事信託(家族信託)の区別はありません。報告をしない(4号)、閲覧謄写を正当な理由なく拒む(3号)ことも過料事由です。過料は刑罰ではないため前科にはなりませんが、違反事実は受託者解任(58条4項)の判断材料にもなりえます。

解説

家族信託で親の財産を預かった長男も、信託銀行の担当役員も、受託者であることに変わりはなく、同じ条文の下に立つ。信託法270条は、受託者・信託監督人・受益者代理人などが「書類を作らない」「報告しない」「見せない」「嘘を書く」といった手続上の義務を怠った場合に、最大100万円の過料を科すと定める。過料は刑罰ではなく、秩序罰(ルール違反に対する金銭的な制裁で、前科にはならないもの)である。適用対象は信託会社だけではない。親子間の民事信託でも、37条の帳簿を作らず、受益者への報告を拒んだ時点で、1項の要件に該当しうる。重要なのは金額よりも、この条文が「受託者の義務は努力目標ではなく、制裁付きの法的義務である」と明示している点である。受託者の立場なら、帳簿と報告の記録があなたを守る盾になる。受益者側の家族なら、報告を求めたのに無視されたという事実は、交渉の材料として重い意味を持つ。

法的な位置づけ

信託法270条は、受託者その他信託の機関・関係者が、信託法上の手続的義務(公告、通知、開示、報告、帳簿等の作成・保存、閲覧謄写への応諾など)に違反した場合に、百万円以下の過料を科す秩序罰規定である。当該行為に刑罰が科されるときは適用されず、特殊な信託類型については2項から4項が固有の過料事由を定める。

よくある質問 AI による整理

Q1信託法270条とは何ですか?

受託者や信託監督人などが、帳簿作成・報告・開示・通知といった信託法上の手続義務に違反したとき、百万円以下の過料を科す規定です。

Q2家族信託の受託者も過料の対象になりますか?

なります。信託法は商事信託と民事信託を区別しておらず、親子間の家族信託の受託者も270条1項の対象です。

Q3過料と罰金の違いは?

罰金は刑罰で前科がつきますが、過料は秩序罰で前科になりません。信託法270条は過料で、刑を科すべきときは適用しないと定めています。

Q4受託者が報告を拒否したらどうすればいい?

36条に基づく報告請求を日付入りの書面で行い、拒否の記録を残します。そのうえで過料の端緒としての申出や解任申立てを弁護士と検討します。

Q5信託監督人も過料を科されますか?

科されます。270条1項は信託監督人を名指しで対象としており、法律上の通知・報告等を怠れば監督人個人に過料が科されます。

Q6過料を信託財産から払ってもいい?

過料は受託者個人への制裁のため、信託財産から支払うと忠実義務(30条)違反を疑われます。受託者の固有財産から支払うべきです。

Q7信託法の過料事件はどこの裁判所が扱う?

非訟事件手続法により、原則として当事者(受託者等)の普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が扱います。

Q8信託の帳簿はいつまで保存が必要?

信託法37条により、帳簿等は原則として作成から10年間の保存が求められます。保存しないことも270条1項6号の過料事由です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1家族信託の受託者が帳簿つけてないって、本当に罰金になるんですか?

罰金ではなく、最大100万円の過料(信託法270条1項6号)である。37条の帳簿を作成しないこと自体が要件に該当する。実務のポイント:過料は裁判所が違反を知らなければ動かない。実務上は、受益者側の家族からの申出で端緒をつかむことが多い。家族関係がこじれたときに初めて表面化するリスクだと考えておくべきである

Q2過料を払ったら前科がつきますか? 信託財産から払ってもいい?

過料は行政上の秩序罰であって刑罰ではないため、前科にはならない。ただし、受託者個人に科される制裁である以上、信託財産から支払えば、忠実義務(30条)違反を疑われる。実務のポイント:本当に怖いのは過料の金額よりも、違反の事実が解任申立て(58条4項)の「重要な事由」として使われることである。過料の通知を受けた時点で、受託者の地位そのものが揺らぎ始めている

Q3信託監督人を頼まれました。名前を貸すだけでも大丈夫ですか?

大丈夫ではない。270条1項は信託監督人を名指しで過料の対象としており、法律の規定による通知や報告を怠れば個人として責任を問われる。実務のポイント:民事信託で専門職が監督人に就任する際、報酬が安すぎるために実働が伴わない例は少なくない。引き受ける前に、年何回の監督と報告を行うかを契約で決め、その記録を残すことが自分を守る唯一の手段になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「家族信託は家族内の私的な約束だから、帳簿なんて形式にすぎない」と考えがちだが、信託法は商事信託と民事信託を区別せず、37条の帳簿作成義務と270条の過料はどちらにも及ぶ。家族だからという理由で義務が軽くなる規定は存在しない
  • 過料が刑罰ではないことは知っていても、その周辺で起こる連鎖の深刻さまで知る人は少ない。過料自体は前科にならないが、帳簿を作らず報告もしないという事実は、受託者解任(58条4項)や損失てん補責任(40条)の立証で決定的な材料になる。100万円で済むと思っていた問題が、信託そのものを失う問題へと広がる
  • 受益者側にいると「いつ不正の証拠をつかめるか」と考えがちだが、その問いの立て方がずれている。270条の下では、不正を証明できなくても、報告を拒んだこと、閲覧を拒んだことそれ自体が違反になる。追いかけるべきは横領の証拠ではなく、「求めたのに応じなかった」という記録である
比較の観点この条文ほかの条文
規定の性質信託法270条:手続義務違反への過料(秩序罰)信託法37条:帳簿等の作成・報告・保存義務そのもの
信託法58条:任務違反等を理由とする受託者解任
効果受託者等個人に百万円以下の過料義務の内容を定めるのみ(違反の制裁は270条等)
受託者の地位を失わせる
誰が動かすか裁判所(非訟手続)。受益者等の申出が端緒になることが多い受益者は36条・38条で報告や閲覧を請求できる
委託者・受益者の合意、または受益者等の申立てによる裁判所の解任

他国ではどう定めているか 2 か国

台湾
信託法第31条・第32条・第87条

台湾も受託人の帳簿作成義務と委託人・受益人の閲覧請求権を定めるが、罰鍰規定は主に公益信託の受託人に向けられており、私益信託の手続義務違反を広く過料で担保する日本とは構造が異なる。

アメリカ
Uniform Trust Code § 813

米国は受託者の情報提供・報告義務を定めるが、違反の効果は主に受託者の解任や損害賠償などの民事救済であり、行政的な過料ではない。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父の賃貸アパートを家族信託で預かって3年。家賃は自分の口座と同じ感覚で管理し、帳簿は一度も作っていない。妹が「信託の収支を見せて」と言ってきた。37条の帳簿を作っていない、閲覧を拒んだ、という二つの事実が、そのまま270条1項3号と6号の構成要件に重なる
  • 受益者である母のために兄が受託者を務めているが、何度頼んでも収支報告が届かない。そのとき、何ができるのか? 書面で36条に基づく報告を求めた記録が残っていれば、それを裁判所への過料事件の端緒とし、さらに受託者解任申立て(58条4項)の根拠として使える
  • 司法書士として信託監督人に就任した。忙しさにかまけて、受託者の監督も受益者への通知も止まっている。270条1項は信託監督人も名指ししている。専門職の名義貸しに近い就任は、過料のリスクを自分個人で背負うことになる
  • 信託財産が債務を返せないことが清算中に明らかになった。清算受託者に残された猶予はない。179条1項は「直ちに」破産手続開始の申立てをするよう求めており、受益者への分配を先に済ませたり申立てを怠ったりすれば、1項8号・9号の過料の対象となる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 受益者または信託管理人として、36条に基づく報告請求を日付入りの書面で行う2. 38条に基づき帳簿等の閲覧・謄写を書面で請求し、拒否された日時と理由を記録する3. 拒否が続く場合は、受託者の住所地を管轄する地方裁判所に過料事件の職権発動を促す申出を行う。あわせて受託者解任の申立て(58条4項)を弁護士と検討する4. 財産の流出が疑われるなら、損失てん補請求(40条)に向けて、入出金記録の確保を急ぐ

訴えられた側:1. 未作成の帳簿は、今日から通帳・領収書をもとに遡って作成する。作り直す過程で虚偽の記載をすれば6号の別の違反になるため、事実だけを書く2. 報告・閲覧を求められたら、遅れても応じ、応じた記録を残す3. 過料の通知を受けたら、正当な理由(求めの範囲が不明確だった等)の有無を整理し、略式手続であれば異議を検討する4. 専門家に依頼して帳簿の形式を整え、再発を防ぐ

時効(請求できる期限):本条の過料について特定の時効規定はないが、受託者の任務懈怠による損失てん補請求等には一般消滅時効(民法166条:知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。帳簿等の保存期間は原則10年(37条4項・5項)。過料の裁判に対する不服申立期間は非訟事件手続法による(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年法)を全面的に改める新信託法の制定に伴い、受益証券発行信託・限定責任信託・会計監査人設置信託の各類型を含む過料規定として設けられた。その後の改正の有無と内容は人的検証を要する

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法(平成18年法律第108号)の制定により新設。旧信託法を全面的に改め、受益証券発行信託・限定責任信託・会計監査人設置信託の各類型に対応する過料規定を整備した。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第十三章 罰則

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›