信託法 第209条(受益証券の記載事項)
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- 受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
- 一受益証券発行信託の受益証券である旨
- 二当初の委託者及び受益証券発行信託の受託者の氏名又は名称及び住所
- 三記名式の受益証券にあっては、受益者の氏名又は名称
- 四各受益権に係る受益債権の内容その他の受益権の内容を特定するものとして法務省令で定める事項
- 五受益証券発行信託の受託者に対する費用等の償還及び損害の賠償に関する信託行為の定め
- 六信託報酬の計算方法並びにその支払の方法及び時期
- 七記名式の受益証券をもって表示される受益権について譲渡の制限があるときは、その旨及びその内容
- 八受益者の権利の行使に関する信託行為の定め(信託監督人及び受益者代理人に係る事項を含む。)
- 九その他法務省令で定める事項
- 2.受益証券発行信託の受託者が二人以上ある場合における前項の規定の適用については、同項中「受益証券発行信託の受託者」とあるのは、「受益証券発行信託のすべての受託者」とする。
この条文の基本情報
受益証券の記載事項とは何ですか?
定義受益証券の記載事項とは、信託法第209条に定められた規定で、「受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならな…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第209条(受益証券の記載事項)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第209条の条文原文は「受益証券には、次に掲げる事項及びその番号を記載し、受益証券発行信託の受託者(法人である受託者にあっては、その代表者)がこれに署名し、又は記名押印しなければならな…」で始まります。
- 信託法第209条は第三節 受益証券に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第209条の前の条は信託法第208条です。
- 信託法第209条の次の条は信託法第210条です。
- 信託法第209条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第209条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第209条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/209
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法209条は、受益証券に信託報酬や費用償還の定めなど九事項と番号の記載を義務づけ、受託者全員の署名又は記名押印を求める規定である。
Q · 受益証券って、券面にいったい何が書かれているの?
信託報酬や費用控除の定めを含む九事項と受託者の署名
信託法209条1項により、受益証券には、受益証券発行信託の受益証券である旨、当初の委託者と受託者の氏名・住所、受益債権の内容、受託者に対する費用等の償還・損害賠償の定め、信託報酬の計算方法と支払方法・時期、譲渡制限、受益者の権利行使に関する定めなど九事項と番号を記載します。受託者(法人なら代表者)が署名又は記名押印し、受託者が複数なら全員が署名等をする必要があります(同条2項)。
解説
紙一枚に九つの項目を書き込み、受託者が署名するか記名押印する。信託法209条が定めているのはそれだけだ。それなのに、この九項目には投資家が本当に知るべきことがほぼ全部入っている。当初の委託者は誰か、受託者は誰か、受益債権の中身は何か、受託者が信託財産から差し引ける費用や損害賠償の定め、信託報酬(受託者の手数料)の計算方法と支払時期、譲渡制限があるか、受益者が権利をどう行使するか。要するに「この証券を持つと何がもらえて、何を差し引かれ、どこまで縛られるのか」の一覧表である。受託者が二人以上いる場合は、全員が署名しなければならない(2項)。受益証券は、法律が決めた書き方に従わなければならない要式証券(書式が法定されている有価証券)だ。そこで、記載が抜けている、あるいは事実と違うときに証券としての効力がどうなるかが問題になる。この点は信託法に明文がなく、解釈論に委ねられている。上場信託や JDR(日本版預託証券)の多くは振替制度に乗っていて紙の証券は出ない。それでも、九項目の中身は信託行為や開示書類に必ず書かれている。目論見書のどこを読めばよいか、その目次としてこの条文を使えばよい
法的な位置づけ
信託法209条は、受益証券発行信託において発行される受益証券の法定記載事項を定める規定である。受益証券である旨、当初の委託者及び受託者の氏名・住所、受益債権の内容、費用償還等に関する信託行為の定め、信託報酬、譲渡制限、権利行使に関する定め等とその番号の記載、並びに受託者の署名又は記名押印を要求し、受益証券を要式証券として位置づける。
よくある質問 AI による整理
Q1受益証券発行信託とは何ですか?
信託行為で受益権を表示する受益証券を発行すると定めた信託です(信託法185条)。受益権を証券化して流通させやすくする仕組みで、平成18年の信託法全部改正で創設されました。
Q2受益証券の記載事項はいくつありますか?
信託法209条1項は九つの記載事項を定めています。これに加えて証券の番号を記載し、受託者が署名又は記名押印する必要があります。細目の一部は法務省令に委ねられています。
Q3信託報酬はどこに書いてありますか?
受益証券では209条1項6号の記載事項として、計算方法・支払方法・支払時期が書かれます。紙の証券がない場合は、信託行為や開示書類の該当箇所で確認します。
Q4受益証券に譲渡制限は付けられますか?
記名式の受益証券で表示される受益権に譲渡制限があるときは、その旨と内容を券面に記載します(209条1項7号)。購入・譲受け前に必ず確認すべき項目です。
Q5受益証券の記載漏れがあると無効になりますか?
信託法に明文はなく、解釈に委ねられています。欠けた項目によって受益権の内容が特定できなくなるかどうかが判断の目安になり、一律に有効・無効とは言えません。
Q6受託者が法人の場合、誰が署名しますか?
法人である受託者については、その代表者が署名又は記名押印します(209条1項かっこ書)。受託者が複数ある場合は、すべての受託者について署名等が必要です。
Q7受益証券の不所持申出とは何ですか?
受益者が受託者に対し、受益証券の所持を希望しない旨を申し出る制度です(信託法208条)。紛失・盗難リスクを避けたい場合に使われます。
Q8記名式と無記名式の受益証券の違いは?
記名式は受益者の氏名・名称が券面に記載され(209条1項3号)、無記名式は記載されません。受益者は原則として相互の転換を請求できます(210条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1株を持ってるのと何が違うの?券面に書いてあることが全然違う気がするんだけど
違う。受益証券には信託報酬の計算方法や、受託者が信託財産から差し引ける費用・損害賠償の定めまで書く必要がある(信託法209条1項5号・6号)。株券にはない、受託者のコストに関する欄だ。実務のポイント:利回りを比べるとき、多くの人は分配の欄しか見ない。経験のある投資家は先に第5号を読む。費用償還の範囲が広い信託は、相場が悪い年に取り分が想像以上に削られるからだ
Q2受託者が二社いるって書いてあったけど、一社しかハンコ押してなかったらどうなるの?
受託者が二人以上いる場合、すべての受託者が署名または記名押印しなければならない(信託法209条2項)。署名が欠けた証券の効力については明文がなく、解釈が分かれうる。実務のポイント:実務では、共同受託の案件で署名欄の確認漏れが起きやすいとされる。気づいたら、受け取った側から受託者に差替えを求めるのが最も手堅い。後日の譲渡や権利行使の場面で揉める芽を、先に摘んでおける
Q3上場信託ってネット証券で買ったけど、紙の証券なんて一度も見たことないよ?
振替制度の対象となる受益権(振替受益権)は、原則として紙の受益証券が発行されない(社債、株式等の振替に関する法律)。だから券面を見る機会はない。ただ、信託報酬や費用の扱いといった中身は信託行為に定めがあり、開示書類に記載される。実務のポイント:209条の九項目を目次代わりにして開示書類を読むと、どこに何が書かれているかがすぐ分かる。経験者が目論見書を数分で読み終えられるのは、この読む順番を知っているからだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「振替制度で紙がないのだから、209条は自分には関係ない」と思うのは早い。紙の券面がなくても、記載事項の中身(信託報酬、費用償還、権利行使の方法)は信託行為に定めがあり、開示書類にも出てくる。消えたのは紙であって、約束ではない
- 受益証券は株券と同じようなものだと理解している人は多い。しかし株券には信託報酬や費用償還の欄はない。受益証券には、受託者が信託財産から何をいくら差し引けるかという、受益者の取り分を直接削るルールまで書き込まれる。読むべき重みがまったく違う
- 「記載漏れがあれば証券はすぐ無効になる」とも「多少の漏れは問題ない」とも言い切れない。どの項目が欠けたら証券の効力が否定されるのかについて、信託法に明文はなく、解釈が分かれうる。白か黒かで考えるより、その項目が欠けたことで受益者の権利内容が特定できなくなるかどうかで考えるほうが実態に近い
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 信託法209条:受益証券に書くべき内容と署名方式 | 信託法207条:受託者が受益証券を発行する義務 信託法208条:受益者による受益証券不所持の申出 |
| 主に問題となる場面 | 証券の券面作成・記載内容の確認時 | 受益証券をいつ発行すべきかの判断時 受益者が紙の証券を持ちたくない場合 |
| 受益者にとっての意味 | 報酬・費用控除・譲渡制限・権利行使方法を券面で確認できる | 証券の交付を受けられる 紛失・盗難のリスクを避けられる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の信託法自体には受益証券発行信託の一般規定はなく、証券化関連の特別法で受益證券の記載事項を規律する構造になっている
韓国も信託法の全部改正で受益証券発行信託を導入しており、日本の制度と構造が近い
米国では州法上の statutory trust が投資ビークルとして使われ、受益権の内容は主に信託証書と開示書類で定められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した書類の束から、聞いたことのない信託の受益証券が出てきた。何がもらえるのか、まず九項目のうち第4号(受益債権の内容)と第6号(信託報酬)を見る。価値の芯はこの二行に書いてある
- もし記名式の受益証券を友人に譲ろうとして、券面に「譲渡には受託者の承諾を要する」と書いてあったら、どうなる? 第7号の記載どおり、その制限は効いてくる。売買代金を受け取る前に確認しないと、取引そのものが宙に浮く
- あなたは信託会社の担当者で、受益証券の発行準備をしている。共同受託者の一社が署名欄を空けたまま、発行日まであと3日しかない。2項は「すべての受託者」の署名を求めている。一社でも欠けたまま出せば、証券の効力をめぐる争いの火種を自分で撒くことになる
- 金の上場信託を NISA で買った。紙の証券はどこにもない。それでも信託報酬や費用控除のルールは、209条と同じ項目立てで開示書類に書かれている
- 受託者が「費用の償還」として信託財産からまとまった額を差し引いた。券面の第5号に書かれた信託行為の定めと照らし合わせることが、抗議の出発点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 手元の受益証券、または信託行為や開示書類を九項目に沿って並べ、記載がない項目、または実際の扱いと食い違う項目を書き出す2. 差し引かれた費用や報酬が、第5号・第6号の定めと一致しているか計算し直す3. 食い違いがあれば、受託者に書面で根拠の説明を求める。受託者には帳簿等の作成義務(信託法37条)があり、受益者は閲覧等を請求できる(38条) 4. 損失が出ていれば、受託者の損失てん補責任(40条)を視野に、信託に詳しい弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 受託者の立場であれば、発行前に九項目と法務省令事項の記載、全受託者の署名・記名押印を、チェックリストで二重に確認する2. 記載漏れや誤りが見つかったら、受益者への通知と証券の差替え・訂正の手順を、信託行為の定めに従って速やかに進める3. 不記載や不実記載は過料の対象になりうる(信託法270条、最新の改正状況をご確認ください)。担当者個人の判断で処理せず、法務部門と記録を残しながら対応する
時効(請求できる期限):本条に特定の時効はない。受託者に対する損害賠償などの債権には、一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。発行後の訂正は遅れるほど流通が広がるため、発見したらすぐ着手する
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 受益証券発行信託の制度創設に伴い新設された(平成19年(2007年)9月30日施行)。その後の文言改正の有無は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正により、受益証券発行信託の制度創設とあわせて新設。平成19年(2007年)9月30日施行。その後の改正の有無は要確認
- 信託法 第185条受益証券を発行する旨の信託行為の定め
- 信託法 第207条受託者の受益証券発行義務
- 信託法 第208条受益証券不所持の申出
- 信託法 第210条記名式と無記名式の転換
- 信託法 第194条受益証券の交付による受益権譲渡
- 金融商品取引法 第2条受益証券を有価証券として規制対象化
- 社債、株式等の振替に関する法律 第127条の2振替受益権の特例で証券不発行(現行効力を要確認)
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