要点商法578条は、二以上の運送を一の契約で引き受けた複合運送について、運送品の滅失等に対する運送人の責任を、損害の原因が生じた区間ごとに適用される法令又は条約に従って判断すると定める。
Q · 船と陸送を組み合わせた配送で荷物が壊れたら、賠償はどう決まるの?
壊れた区間によって適用法も賠償上限も変わる
商法578条により、複合運送で運送品が滅失・損傷・延着したときの運送人の責任は、損害の原因が生じた区間ごとに適用される我が国の法令又は条約に従って判断されます。海上区間なら国際海上物品運送法のパッケージ・リミテーション、航空区間ならモントリオール条約のSDR建て限度額、陸上区間なら商法576条の引渡地価格主義です。つまり同じ段ボールでも船倉で壊れたか機内で壊れたかで戻る金額が何倍も変わり、区間不明損害では救済が宙に浮きます。
海外のメーカーから機械部品を仕入れ、船で日本の港まで運び、そこからトラックで工場へ。一つの契約だが、途中で運送モードが切り替わる。この複合運送で荷物が壊れたとき、あなたが受け取れる賠償金の額は、どの区間で壊れたかで決まる。商法578条は、滅失や損傷の原因が生じた区間に適用される法令や条約に従って運送人の責任を判断すると定める。海上区間なら国際海上物品運送法、航空区間ならモントリオール条約、陸上区間なら商法。それぞれ責任の上限も立証責任も全く違う。つまり同じ段ボールが潰れても、船倉で潰れたか機内で潰れたかで、戻る金額が何倍も変わる。そして最大の落とし穴は、どの区間で壊れたか分からない区間不明損害。ここで多くの荷主が泣き寝入りする。
商法578条は複合運送人の責任に関する規定であり、陸上・海上・航空のうち二以上の運送を一の契約で引き受けた場合の運送品の滅失等について、その責任を損害の原因が生じた区間ごとに適用される我が国の法令又は条約に従って判断する旨を定める。各運送モードの固有の責任制度をそのまま適用するネットワーク責任の原則を立法化したものである。
AI 輔助整理,以條文原文為準
陸上・海上・航空のうち二以上の運送モードを一つの契約で引き受ける運送です。商法578条が運送人の責任の準拠法を区間ごとに振り分けます。
損害が生じた区間に適用される法令・条約をそのまま適用する責任原則です。海上・航空・陸上で責任上限が異なるため、賠償額が区間で変わります。
国際海上物品運送法による1包みあたりの責任限度額です。高額商品ほど実損害との差が開き、100万円の機械が数万円しか戻らないこともあります。
商法585条により引渡しの日から1年以内に裁判上の請求が必要です。海上区間は1年、航空区間(モントリオール条約)は2年の出訴期間に従います。
どの区間で壊れたか特定できない損害です。複合運送証券の約款が準拠法を指定していることが多く、実務では責任限度の低い区間に寄せられがちです。
航空運送区間に適用されます。重量あたりのSDR建てで賠償が頭打ちになり、海上・陸上区間とは責任の枠組みが全く異なります。
利用運送事業者(フォワーダー)が複合運送を一括で引き受けた場合、その責任は損害が生じた区間の法令で判断され、有利な区間の限度額を主張できます。
使われます。商法578条2項により、区間ごとに異なる二以上の法令が適用される陸上運送を一の契約で引き受けた場合に準用されます。
一つの契約で複合運送を引き受けた運送人(フォワーダー等)一社に請求します。商法578条が決めるのは請求相手ではなく、その運送人の責任の中身がどの区間の法令で判断されるかです。業界裏話ヒント:賠償交渉では運送人側が必ず責任限度の低い海上区間での損傷だと主張してきます。荷主側は航空区間や陸上区間での損傷を示す引渡記録を先に押さえると、適用法を有利な側へ寄せられる
区間不明損害(concealed damage)では、複合運送証券の約款が適用法を指定していることが多く、実務では責任限度の低い区間の法令に寄せられがちです。業界裏話ヒント:だからこそ各区間の引渡時に検品記録を残すかが分かれ目。記録がなければ運送人は最も自社に有利な区間で損傷したと主張でき、荷主の賠償が最小化される。検品の有無が金額を決める
気にしなくてよいわけではありません。貨物保険で荷主は補償されますが、保険会社は運送人へ求償(代位)し、その場面で578条のネットワーク責任が効きます。業界裏話ヒント:求償が通りやすい区間か否かで保険会社のリスク評価が変わり、結果として荷主が払う保険料率や免責額に跳ね返る。578条は荷主に無関係どころか、保険コストの背後で効いている
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 責任の準拠法 | 商法578条:損害の原因が生じた区間ごとの法令・条約 | — |
| 賠償額の決まり方 | 区間ごと(海上=パッケージ限度/航空=SDR限度/陸上=引渡地価格) | — |
| 最大の落とし穴 | 区間不明損害で準拠法が宙に浮き、不利な区間へ寄せられる | — |
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