公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は文書等若しくは電磁的記録文書等を変造したときは、印章等又は電磁的記録印章等の有無により区別して、前二条の例による。
要点刑法156条は、公務員が職務上、行使の目的で内容虚偽の公文書を作成・変造する虚偽公文書作成罪を定める。権限ある者の無形偽造を罰する身分犯で、刑は印章の有無により前二条の例による。
Q · 本物の役所の書類なのに、中身が嘘なら犯罪になるの?
なる。作成権限ある公務員が嘘を書けば刑法156条の罪です
刑法156条は、作成権限を持つ公務員が職務に関し、行使の目的で内容虚偽の公文書を作成・変造する『虚偽公文書作成罪』を定めます。白紙から偽物を作る155条(有形偽造)と違い、本物の様式に嘘の中身を書き込む無形偽造を罰する点が核心です。主体は原則『公務員』に限られる身分犯で、一般人が職員を騙して嘘の登記等をさせた場合は156条ではなく157条(公正証書原本不実記載)で処理されます。刑は印章等の有無により前二条の例によります。
役所の窓口で受け取った証明書を、あなたは『本物だから中身も正しい』と信じている。だが本物の用紙に、権限を持つ職員自身が嘘を書き込んだとしたら。それを罰するのが刑法156条だ。外部の人間が公文書をでっち上げる155条と違い、156条は『中身を作る権限がある公務員』が、その権限を使って虚偽の内容を書く罪、いわゆる無形偽造を扱う。たちが悪いのは、書類の様式が完璧で発行ルートも正規なため、受け取った側がまず疑わない点だ。さらに重要なのは、この罪を犯せるのが原則『公務員』に限られること。一般人が職員を騙して嘘の登記や証明を作らせても、156条では裁けず、特別に定められた157条(公正証書原本不実記載)に当たる場合だけ処罰される。誰が、どの立場で嘘を書いたか。それで適用条文も刑も全く変わる。
刑法156条は虚偽公文書作成等罪を定める規定であり、公務員が職務に関し、行使の目的をもって、内容虚偽の文書・図画または電磁的記録を作成し、もしくはこれらを変造する行為を処罰する。作成権限ある者による無形偽造を対象とする身分犯であり、刑は印章等の有無により前二条(154条・155条)の例による。
作成権限を持つ公務員が、職務に関し行使の目的で内容虚偽の公文書を作成・変造する罪です。本物の様式に嘘の中身を書く無形偽造を罰します。
印章等のある類型は法定刑が1年以上10年以下の拘禁刑にあたるため公訴時効は7年(刑訴250条2項)。印章等のない類型は刑が軽く時効も短くなります。
印章等の有無で区別し、前二条の例によります。印章等のある文書なら1年以上10年以下の拘禁刑と同等の重さで処断されます。
職務権限の有無、内容が客観的に虚偽か、行使の目的があったかが争点になります。早期に弁護人を選任し供述方針を定めることが重要です。
156条は権限ある公務員自身が嘘を書く無形偽造。157条は公務員でない者が役所を騙し登記等の公正証書に虚偽を記載させる場合を捕まえる別ルートです。
対象です。条文は『電磁的記録文書等』を明示し、虚偽の電磁的公文書を作成・変造する行為も処罰します。住民基本台帳等の電子記録が典型です。
作成した虚偽文書を真正なものとして使用すると、158条の偽造公文書行使罪が別に成立します。行使される前に止められるかが被害の大小を分けます。
本罪に未遂処罰規定はありません。内容虚偽の文書を作成した時点で既遂となり、その後に行使されれば158条が別途成立します。
なります。156条は『虚偽公文書作成』といって、白紙から偽物を作る155条の偽造とは別物です。本物の用紙に、作成権限のある公務員が嘘の中身を書く『無形偽造』を罰します。業界裏話ヒント:この無形偽造は様式が完璧なので、内部の経緯を知る人間か会計検査でしか発覚しにくい。だから内部告発の有無が立件の分かれ目になり、捜査は『誰が嘘と知っていたか』の供述固めに集中する
あなた自身は原則156条では処罰されません。156条の主体は『公務員』に限られる身分犯だからです。ただし公務員に虚偽作成を働きかければ教唆犯になりえますし、登記や戸籍など特定の公正証書に虚偽を記載させた場合は157条(公正証書原本不実記載)で直接処罰されます。業界裏話ヒント:『自分は公務員じゃないから大丈夫』という思い込みが一番危ない。不動産や会社の虚偽登記は157条という別の入口で、実務上きわめて頻繁に立件されている領域だ
鍵は『作る権限があるか』です。権限のない者が公文書をでっち上げるのが155条の有形偽造、権限のある公務員が中身に嘘を書くのが156条の無形偽造です。刑は156条が155条の例によるため、印章等のある文書なら1年以上10年以下の拘禁刑(2025年6月施行の改正で懲役から名称変更)と同等です。業界裏話ヒント:量刑では『私的利益のためか、組織的圧力でやむなくか』が大きく効く。上からの指示で書かされた末端職員は、その経緯を記録で残せているかで結果が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 偽造の型 | 156条:無形偽造(権限ある者が中身に嘘) | — |
| 主体 | 原則『公務員』に限る身分犯 | — |
| 対象文書 | 作成権限のある公文書全般 | — |
| 行使の処罰 | 158条(偽造公文書行使)が別に成立 | — |
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