老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 217 条は、老年・幼年・身体障害・疾病で扶助を必要とする者を遺棄した者を一年以下の拘禁刑に処す。通説では「遺棄」は移置を指し、無責任者の単なる置き去りは含まない。
Q · 道で倒れている人を見捨てて立ち去ったら、遺棄罪になりますか?
保護責任がなく放置しただけなら、通説では成立しません
刑法 217 条の単純遺棄罪は、扶助を必要とする者を「遺棄」した者を一年以下の拘禁刑に処します。通説では「遺棄」を要扶助者を別の場所へ運ぶ「移置」と解し、あなたに親族・同居者・事故加害者などの特別な保護責任がなく、その場に放置して立ち去っただけなら成立しない余地があります。ただし不作為も含めるとする学説もあり実務でも解釈が分かれます。保護責任を負う立場なら、より重い 218 条(保護責任者遺棄)が問題になります。
道で倒れている高齢者を見かけて、関わりたくなくて立ち去ったら罪になるのか。多くの人は「見殺しにすれば遺棄罪だろう」と考える。だが刑法 217 条はそう単純ではない。この条文が罰するのは、老年、幼年、身体障害、疾病で「扶助を必要とする者」を遺棄した行為である。そして通説では、ここでいう「遺棄」は要扶助者を別の場所へ積極的に運んで置き去る「移置」を指し、その場に放置して立ち去るだけの「置き去り」(不作為)は、保護する責任を負わない他人には原則として成立しない。つまり、たまたま通りかかったあなたが見捨てて去っても、この条文では罰されない可能性がある。逆に、よかれと思って人気のない場所へ運んでから放置すれば 217 条に該当しうる。なお、この「置き去りも含むか」は学説上の争いがあり、実務でも解釈が分かれる論点である。そして親、配偶者、施設職員のように保護責任を負う立場なら、話は 218 条へ移り、刑は一気に重くなる。
刑法 217 条の単純遺棄罪は、老年、幼年、身体障害または疾病のために扶助を必要とする者を遺棄する行為を処罰する規定である。通説では「遺棄」を要扶助者を安全な場所から保護の乏しい場所へ移す「移置」と解し、保護責任を負わない者による単なる置き去りは原則として含まないとされる。法定刑は一年以下の拘禁刑である。
刑法 217 条が定める罪で、老年・幼年・身体障害・疾病のため扶助を必要とする者を遺棄する行為を処罰します。法定刑は一年以下の拘禁刑です。
単純遺棄罪(217 条)は保護責任のない者の遺棄、保護責任者遺棄罪(218 条)は親族・同居者・施設職員など保護責任ある者の遺棄・不保護で、刑が一年から五年へ大幅に重くなります。
単純遺棄罪は法定刑が一年以下の拘禁刑のため、公訴時効は犯罪行為終了時から 3 年です。被害者が死傷すれば 219 条の遺棄致死傷となり時効は大幅に延びます。
刑法 219 条の罪で、遺棄や不保護の結果、被害者が死傷した場合に成立する結果的加重犯です。傷害・致死の結果に応じて刑が大きく加重されます。
単純遺棄罪は一年以下の拘禁刑、保護責任者遺棄罪(218 条)は三月以上五年以下の拘禁刑です。結果死傷があれば 219 条でさらに重くなります。
運転者には判例上ほぼ自動的に保護責任が生じるため、負傷者を動かして放置すれば 218 条、死亡すれば 219 条の遺棄致死に問われ、道路交通法の救護義務違反も併発します。
逮捕後の身柄拘束は最大 23 日です。まず黙秘権を行使し当番弁護士を呼び、「保護責任があったか」「移置したか」を争点として整理することが重要です。
親や配偶者など保護責任者による遺棄は 218 条で告訴できます。捜査機関への告訴に加え、死傷結果があれば民法 709 条による損害賠償も並行して検討できます。
あなたにその人を保護する特別な立場(親族、同居者、事故の加害者など)がなく、その場に放置して立ち去っただけなら、通説では 217 条の遺棄罪は成立しません(「遺棄」を積極的な移置に限る理解)。ただし不作為も含めるとする学説もあり、実務でも解釈が分かれます。業界裏話ヒント:法律上の義務はなくても、119 番通報した記録を残しておくと、後で「見殺しにした」と疑われたときの完全な防御になる。助けられない事情があっても、通報だけはしておくのが鉄則
同居して介護していた親子のように保護する責任のある立場では、217 条ではなく一段重い 218 条(保護責任者遺棄・不保護、3 月以上 5 年以下の拘禁刑)が問題になります。刑は実質 5 倍重い。業界裏話ヒント:逮捕されたケースの多くで効いているのは「困窮して福祉に相談したか」。地域包括支援センターや市役所に相談した記録が一つでもあると、保護を完全に放棄したのではないと示せ、不起訴や執行猶予に傾く
安全な場所から保護の乏しい場所へ移した時点で「移置」にあたり、対象が要扶助者なら 217 条が成立しえます。その後に放置したかどうかは関係ありません。業界裏話ヒント:弁護側が争うのは「移した先が本当に危険だったか」。日中の人通りのある場所か、人気のない場所かで、遺棄にあたるかの評価が分かれる。移動先の客観的状況(防犯カメラ、目撃者)が決定打になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為主体(保護責任) | 保護責任を負わない者(通行人など) | — |
| 処罰される行為 | 遺棄(通説では移置に限定) | — |
| 法定刑 | 一年以下の拘禁刑 | — |
| 条文 | 刑法 217 条(単純遺棄罪) | — |
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