前条の罪を犯し、よって女子を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
要点刑法 216 条は、不同意堕胎を犯して女子を死傷させた者を、傷害の罪と比較して重い刑で処断する結果的加重犯である。死傷の結果には因果関係が必要となる。
Q · 妊娠中の女性に暴力をふるって流産させたら、ただの傷害事件で終わりますか?
終わりません。不同意堕胎致傷で刑が上乗せされます
刑法 216 条により、不同意堕胎(215 条)を犯して女子を死傷させた場合、「傷害の罪と比較して重い刑」で処断されます。致傷なら傷害罪(拘禁刑 15 年以下、刑法 204 条)、致死なら傷害致死罪(拘禁刑 3 年以上、205 条)と比較され、重い方が適用されます。単なる傷害ではなく、女性の身体と自己決定という別の法益侵害が法的に上乗せされる構造です。加害者が妊娠を認識していたかが分かれ目になります。
堕胎罪なんて今どき使われない、母体保護法があるから中絶は合法だろう。そう思っているなら、この条文の本当の射程を見落としている。216 条が罰するのは「本人の同意なしに」胎児を堕ろさせ、その結果として女性を死傷させた行為だ。母体保護法が合法化したのは女性本人が選んだ中絶であって、誰かが勝手に堕ろさせる行為ではない。妊娠中の交際相手の飲み物にこっそり堕胎薬を混ぜる、暴力で流産させる。これらは 215 条の不同意堕胎罪に当たり、女性が死傷すれば 216 条で「傷害の罪と比較して重い刑」により処断される。致傷なら傷害罪(拘禁刑 15 年以下)、致死なら傷害致死罪(拘禁刑 3 年以上)と比べて重い方が適用される。単なる傷害事件として流されるのではなく、女性の自己決定と身体という別の被害が法的に上乗せされる構造だ。
刑法 216 条は不同意堕胎致死傷罪を定める結果的加重犯であり、不同意堕胎罪(215 条)を基本犯として、その実行行為から女子の死傷という重い結果が生じた場合に、傷害の罪と比較して重い刑により処断する旨を規定する。死傷の結果に別個の故意は要しないが、堕胎行為と死傷との間に因果関係を要する。
女性本人の同意を得ずに堕胎させる罪です(刑法 215 条)。その結果女子を死傷させると 216 条で傷害の罪と比較した重い刑により処断されます。
致傷・致死いずれも比較対象の傷害罪・傷害致死罪に準じ、公訴時効は概ね 10 年です(刑事訴訟法 250 条)。起算点は犯罪行為終了時、致死は死亡時です。
基本犯(不同意堕胎)に故意があれば、そこから生じた死傷という重い結果について別個の故意がなくても加重処罰される犯罪類型です。因果関係が必要です。
妊娠の事実と外力・薬物の関与を記録した診断書、堕胎を迫るメッセージ、薬の購入履歴や容器などで、加害者の堕胎の故意と妊娠の認識を示します。
母体保護法が合法化したのは指定医師が本人の同意を得て行う中絶だけです。本人の同意なく堕ろさせる行為は今も 215・216 条で処罰される生きた条文です。
本人に無断で堕胎薬を摂取させる行為は不同意堕胎に当たり、女性が死傷すれば 216 条の射程です。購入履歴や容器が故意立証の決め手になります。
致傷は傷害罪(拘禁刑 15 年以下)と比較した重い刑、致死は傷害致死罪(拘禁刑 3 年以上)と比較されます。結果の重大性と動機で幅があります。
できます。刑事とは別に民法 709 条・710 条で慰謝料を請求でき、刑事告訴と民事請求は同時並行で進められます。
合法なのは母体保護法に基づき、指定医師が女性本人の同意を得て行う中絶だけです。本人の同意なしに堕ろさせる行為は刑法 215 条の不同意堕胎罪で、その結果女性が死傷すれば 216 条で傷害の罪と比較した重い刑になります。業界裏話ヒント:実務では「堕胎罪は使われない」という誤解が根強く、妊婦への暴力が傷害だけで立件されかけることがある。被害者側がこの 216 条の存在を知っていると、捜査の方向そのものを変えられる
妊娠を認識した上での暴行で流産させれば、傷害罪の評価に加えて不同意堕胎致傷(216 条)が問題になります。致傷は傷害罪(拘禁刑 15 年以下、刑法 204 条)と比較して重い刑、致死なら傷害致死罪(拘禁刑 3 年以上、205 条)と比較されます。業界裏話ヒント:分水嶺は「妊娠を知っていたか」。知らなければ通常の傷害にとどまる余地があり、知っていれば一段重くなる。だからこそ捜査では妊娠の告知があったか、LINE や会話に痕跡が残っているかが徹底的に調べられる
はい。暴行だけでなく、薬物を本人に無断で摂取させて堕胎させる行為も不同意堕胎に当たり、女性が死傷すれば 216 条の射程です(前提として 215 条の不同意堕胎罪が成立)。業界裏話ヒント:海外から個人輸入した中絶薬を相手に黙って飲ませる事例が実際にある。薬を渡した・混入させた証拠(購入履歴、容器、メッセージ)が残っていれば故意の立証は一気に進む。発覚を恐れて証拠を消す前に、被害者側が確保できるかが勝負
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 本人の同意 | 216 条:同意なし(215 条が基本犯) | — |
| 結果による刑の比較対象 | 致傷→傷害罪(204)、致死→傷害致死罪(205) と比較し重い刑 | — |
| 保護法益 | 胎児の生命 + 女性の身体・自己決定 | — |
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