医師、助産師、薬剤師又は医薬品販売業者が女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させたときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させたときは、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法214条は、医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者が女子の同意を得て堕胎させた場合に3月以上5年以下の拘禁刑を定める。母体保護法14条の要件を満たせば違法性が阻却される。
Q · 医師が女性の同意を得て中絶手術をしたら、堕胎罪になるんですか?
原則は業務上堕胎罪。ただし母体保護法の要件を満たせば不可罰です。
刑法214条により、医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者が女子の同意を得て堕胎させると、業務上堕胎罪として3月以上5年以下の拘禁刑に処せられます。一般の同意堕胎罪(213条)より重いのは、専門知識を持つ者が行うからです。ただし母体保護法14条が指定する医師が、本人と配偶者の同意を得て適応事由を満たして行えば違法性が阻却され、処罰されません。よって女子を死傷させた場合は6月以上7年以下に加重されます。
日本の刑法には、今も堕胎罪が生きている。先進国でこれは珍しい。だが現実には、毎年十数万件の人工妊娠中絶が合法的に行われている。なぜそんなことが可能なのか。鍵は刑法214条ではなく、母体保護法14条にある。214条は、医師、助産師、薬剤師、医薬品販売業者が女性の同意を得て堕胎させた場合に3月以上5年以下の拘禁刑を定める。普通の同意堕胎より刑が重いのは、専門知識を持つ者がやるからだ。ところが母体保護法が指定する医師(指定医師)が、本人と配偶者の同意を得て、経済的理由などの適応事由を満たして行えば、違法性が阻却されて処罰されない。つまりこの条文は、誰がどんな手続で中絶を行えるかという見えない関門を、裏側から規定している。あなたが知るべきは、合法と犯罪を分ける一本の線が、医師の資格と母体保護法の手続にあるという点だ。
刑法214条は業務上堕胎罪を定める規定であり、医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者が女子の嘱託または承諾を得て堕胎させる行為を、同意堕胎罪(213条)の加重類型として処罰する。主体が医療・医薬の専門職である点に着目した身分犯であり、母体保護法14条の要件を満たす場合は違法性が阻却される。
医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者が女子の同意を得て堕胎させる罪です。刑法214条が定め、専門職による加重類型として3月以上5年以下の拘禁刑が科されます。
公訴時効は拘禁刑5年以下の本体で5年、致死傷の加重類型(7年以下)で7年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為終了時となります。
同意堕胎罪(213条)は一般人が主体で2年以下の懲役、業務上堕胎罪(214条)は医療・医薬の専門職が主体で3月以上5年以下と重く設定されています。
母体保護法の指定医師でない者が行う中絶は違法性が阻却されず、女性の同意があっても業務上堕胎罪に問われうる点が、合法と犯罪の分水嶺になります。
堕胎によって女子を死傷させた場合、刑が6月以上7年以下の拘禁刑に加重されます。さらに業務上過失致死傷罪との関係も問題になり得ます。
刑法214条は薬剤師・医薬品販売業者も主体に含めます。母体保護法の指定医師の管理下を外れて中絶薬を交付すれば業務上堕胎罪の射程に触れえます。
法定刑は3月以上5年以下の拘禁刑。営利性、女性の同意の有無、医学的必要性、結果の重大性などが量刑事情として考慮されます。
母体保護法14条の指定医師・適応事由・同意の要件をすべて満たした場合に限り違法性が阻却されます。要件を欠けば214条が現に適用されます。
刑法214条は今も生きていますが、母体保護法14条が「指定医師が本人と配偶者の同意を得て、経済的理由などの適応事由を満たして行う中絶」の違法性を阻却するからです。つまり別の法律が合法の通路を開けている構造です。業界裏話ヒント:経済的理由は実務上かなり広く解釈されており、これが日本で中絶が事実上アクセス可能になっている最大の理由です。だからこそ「指定医師かどうか」が合法と犯罪を分ける本当の境界線になる
母体保護法14条は原則として配偶者の同意を要求します。ただし配偶者が不明・意思表示できない・死亡している場合、本人の同意のみで足ります。業界裏話ヒント:厚生労働省は、DV 被害や事実上の婚姻関係の破綻がある場合、配偶者の同意は不要との解釈を示しています。「夫の同意が取れないから無理」と窓口で諦める前に、DV や別居の事情を医師に伝えるかどうかで結論が変わる(最新の通知をご確認ください)
母体保護法に基づく人工妊娠中絶が可能なのは妊娠22週未満です。これを過ぎると、たとえ指定医師でも合法的に中絶を行えず、行えば堕胎罪の射程に入りうる。業界裏話ヒント:この22週という線は法律本体ではなく行政上の運用で定められており、過去に短縮された経緯があります。妊娠週数の数え方は最終月経からなので、気づいた時点で残り時間は思ったより短い。期限管理が決定的に重要(最新の運用状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 主体 | 214条:医師・助産師・薬剤師・医薬品販売業者(業務者) | — |
| 女子の同意 | 嘱託または承諾あり(同意あり) | — |
| 法定刑(基本) | 3月以上5年以下の拘禁刑 | — |
| 致死傷の加重 | 6月以上7年以下に加重 | — |
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