女子の嘱託を受け、又はその承諾を得て堕胎させた者は、二年以下の拘禁刑に処する。よって女子を死傷させた者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法213条は、女子の承諾を得て堕胎させた者を二年以下の拘禁刑に処すると定める同意堕胎罪である。母体保護法の要件を満たす指定医師による中絶のみが適法となる。
Q · 相手に頼まれて、または同意をもらって中絶させたら罪になるの?
原則は犯罪。母体保護法の要件を満たす中絶だけが適法です
刑法213条の同意堕胎罪により、女子の嘱託または承諾を得て堕胎させた者は二年以下の拘禁刑に処されます。重要なのは「同意があっても」成立する点です。同意は罪を消す盾ではなく、より重い不同意堕胎罪(215条)との境界線にすぎません。中絶が適法になるのは、母体保護法14条に基づき指定医師が妊娠22週未満で要件を満たして行う場合に限られ、違法性が阻却されるからです。その枠を一歩外れた施術、個人輸入薬の使用、無資格者の関与は213条の射程に入り、女子を死傷させれば三月以上五年以下に加重されます。
日本では毎年十数万件の人工妊娠中絶が行われ、その大半は問題なく処理されている。だが多くの人が知らない事実がある。刑法は今も堕胎を犯罪として規定している。213条は、女性本人の依頼や同意を受けて堕胎させた者を二年以下の拘禁刑に処すると定める。つまり中絶という行為そのものは、刑法の建前では犯罪なのだ。ではなぜクリニックでの中絶が罪に問われないのか。答えは母体保護法という別の法律にある。指定医師が、妊娠二十二週未満で、定められた要件を満たして行う中絶だけが、違法性を消されて適法になる。この例外から一歩外れた瞬間、つまり二十二週を過ぎた中絶、ネットで個人輸入した薬を恋人が飲ませる行為、無資格者の施術は、すべて213条の射程に入る。さらにその結果、女性が死傷すれば刑は三月以上五年以下に跳ね上がる。あなたが「中絶は合法」と信じているその安心は、母体保護法という一枚の薄い膜の上に乗っているにすぎない。
刑法213条の同意堕胎罪は、妊婦本人の嘱託または承諾を得て第三者が堕胎を実行した場合に成立する犯罪である。前段は二年以下の拘禁刑を、後段は堕胎により妊婦を死傷させた場合の加重として三月以上五年以下の拘禁刑を定める。母体保護法に基づく指定医師の適法な中絶は違法性が阻却され、本罪は成立しない。
女子の嘱託または承諾を得て第三者が堕胎させた場合に成立する罪です。刑法213条が根拠で、二年以下の拘禁刑、死傷の結果が生じれば三月以上五年以下に加重されます。
自己堕胎罪(212条)は妊婦本人が堕胎する罪、同意堕胎罪(213条)は同意を得て第三者が堕胎させる罪です。同じ中絶薬でも飲んだ本人と渡した相手で罪名が分かれます。
母体保護法の運用上、人工妊娠中絶が認められるのは妊娠22週未満までです。これを超えた中絶は違法性が阻却されず、堕胎罪の射程に入ります。
2025年6月施行の改正で懲役と禁錮を統合した自由刑です。213条の刑も従来の懲役から拘禁刑に置き換わりましたが、刑の重さ自体は維持されています。
医師・助産師等が業務として同意堕胎を行うと、より重い業務上堕胎罪(214条)が適用されます。213条は職業上の資格を持たない者の同意堕胎が対象です。
同意堕胎により女子を死傷させると213条後段により三月以上五年以下の拘禁刑になります。前段の二年以下から刑の下限・上限とも引き上げられます。
前段(二年以下)は原則三年、後段の致死傷(五年以下)は原則五年です。ただし女子を死亡させた場合は時効の取り扱いに解釈の幅があります。
適法な人工妊娠中絶は母体保護法の指定医師に限られます。指定医師以外の施術は違法性が阻却されず、213条の堕胎罪に該当します。
刑法の建前では堕胎は犯罪です(212条、213条)。ところが母体保護法14条が、指定医師による一定要件を満たした中絶の違法性を消すため、クリニックでの中絶は適法になります。つまり「合法な中絶」は例外で、原則は犯罪のままです。業界裏話ヒント:この原則と例外の順序を知っているかどうかで、行動が変わります。週数超過や指定医師以外の施術は例外の外に出るため、同じ中絶でも一気に堕胎罪に転落する。クリニック選びの段階で、その医師が母体保護法の指定医師かを確認するだけで、リスクの大半は避けられる
飲んだ女性自身は自己堕胎罪(212条)、薬を渡したり飲ませたりした相手は同意堕胎罪(213条)の対象になりえます。さらに無許可の医薬品授与として薬機法違反も重なります。業界裏話ヒント:日本でも経口中絶薬は2023年に正式承認されましたが、それは医師の管理下での使用が前提です。ネット個人輸入の薬は成分も用量も保証がなく、大量出血で救急搬送に至れば213条後段の致死傷(五年以下)に跳ね上がる。安さと引き換えに刑が重くなる構造を、売る側も買う側も知らないまま手を出している
母体保護法14条は原則として配偶者の同意を求めています。ただし、配偶者が不明・意思表示できない場合や、DV等で事実上婚姻関係が破綻している場合は、本人の同意のみで足りるという運用が厚生労働省の通知で示されています。業界裏話ヒント:この『DV例外』を知らない医療機関の窓口で、形式的に夫の署名を求められて立ち往生する人が後を絶ちません。困ったら、母体保護法の指定医師がいる病院や女性相談窓口に「DVケースの配偶者同意の取り扱い」を直接尋ねるのが近道。法律は逃げ道を用意しているのに、その存在が現場まで届いていない(最新の運用をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為主体 | 213条:同意を得た第三者(無資格者) | — |
| 女子の同意 | 嘱託または承諾あり | — |
| 基本刑 | 二年以下の拘禁刑 | — |
| 致死傷の加重 | 三月以上五年以下(213条後段) | — |
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