従犯の刑は、正犯の刑を減軽する。
要点刑法 63 条は、従犯の刑は正犯の刑を減軽すると定める。これは必要的減軽であり、裁判官に減軽しない選択肢はなく、手助けした従犯は実行した正犯より必ず一段軽い刑になる。
Q · 犯罪を手伝っただけの従犯って、本当に刑が軽くなるんですか?
必ず軽くなります。従犯は必要的減軽の対象です
刑法 63 条により、従犯(幇助犯)の刑は正犯の刑を減軽すると定められています。これは必要的減軽で、裁判官に「減軽しない」という選択肢はありません。減軽の具体的計算は 68 条によります。ただし注意すべきは、検察があなたを従犯ではなく共同正犯(60 条)として起訴できれば、この減軽の保護網は丸ごと外れる点です。また人を唆した教唆犯(61 条)は減軽されず、正犯と同じ刑の幅で量刑されます。
友達に頼まれて車を貸した。その車が強盗の逃走に使われた。あなたは「ただ貸しただけ」のつもりでも、犯罪を手助けしたと評価されれば従犯(幇助犯、つまり他人の犯罪を手伝った者)になりうる。刑法63条はその従犯について、たった一行でこう定める。「従犯の刑は、正犯の刑を減軽する」。ここで決定的なのは、これが必要的減軽だという点だ。裁判官には「減軽しない」という選択肢がない。実際に手を下した正犯と同じ刑を科すことは法律上できず、必ず一段軽くなる(減軽の計算方法は68条)。さらに見落とされがちなのが、隣の61条の教唆犯との差。人を唆して犯罪をやらせた教唆犯は「正犯の刑を科す」、つまり減軽されない。同じ「自分は手を下していない」関与でも、唆したか手伝ったかで刑の天井が丸ごと変わる。あなたがどちらに分類されるかは、起訴の段階で検察官が握っている。
刑法 63 条にいう従犯とは、他人の犯罪を幇助した者をいい、本条はその刑を必要的に減軽する旨を定める規定である。実行行為を行う正犯および犯意を生じさせる教唆犯と区別され、既存の犯罪を補助したにとどまる関与類型として、責任主義に基づき正犯より一段軽い刑が科される。減軽の具体的方法は 68 条が規律する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
他人の犯罪を手助けした者を従犯(幇助犯)といいます。刑法 62 条で成立し、実行行為そのものは行わず、道具の提供や見張りなどで正犯を補助した者を指します。
裁判官が必ず刑を減軽しなければならない制度です。従犯(63 条)はこれに当たり、「減軽しない」という選択肢が裁判官に与えられていません。
刑法 68 条に従い、死刑は無期または 10 年以上の拘禁刑に、有期刑は長期・短期とも 2 分の 1 に減じられます。法定刑の枠ごと一段下がります。
ケースで分かれます。報酬の分け前、事前共謀の有無、立っていた位置などから「自分の犯罪として遂行したか」を判断し、共同正犯か従犯かが決まります。
詐欺に使われると認識し得たなら詐欺幇助、または犯罪収益移転防止法違反に問われます。「貸しただけ」でも犯罪を補助したと評価されれば従犯です。
原則として罰せられません。刑法 64 条は、拘留または科料のみに当たる罪の教唆・従犯は、特別の規定がなければ罰しないと定めています。
従犯固有の時効はなく、正犯が犯した罪の法定刑を基準に公訴時効が決まります(刑訴 250 条)。起算点は犯罪行為が終わった時です。
されます。従犯も犯罪が成立する以上、逮捕・最大 23 日の勾留の対象です。この間に共同正犯か従犯かの起訴方針が固まります。
本当です。近年の特殊詐欺事件では、末端の受け子・出し子でも共同正犯として起訴されるのが実務の主流です。共同正犯(60条)になると63条の減軽は適用されず、正犯と同じ刑の幅で量刑されます。業界裏話ヒント:弁護人は『被告人は組織の全体像を知らず自分の役割だけを担った末端で、犯罪を自分の事として遂行する意思はなかった』という構成で従犯への引き下げや量刑減を争う。同じ受け子でも、報酬額・回数・組織との結びつきの主張次第で実刑と執行猶予が分かれる
原則としてなりません。幇助犯(62条)が成立するには、正犯の犯罪を手助けするという認識(幇助の故意)が必要で、本当に犯罪利用を知らず知り得る事情もなければ故意を欠き不成立です。業界裏話ヒント:実務で争われるのは『未必の故意』、つまり『犯罪に使われるかもしれないと薄々分かっていた』レベルで足りるとされる点。口座やツールを渡すとき『何に使うの?』と一言聞いたか、不自然な高額報酬に疑問を持たなかったか、こうした事情が故意認定の分かれ目になる
教唆犯(61条)の方が重い。教唆犯は『正犯の刑を科す』で減軽されず、実行犯と同じ刑の幅です。一方、従犯(幇助犯)は63条で必要的に減軽されます。犯罪をゼロから生み出した唆しの方が、既にある犯罪を手助けしただけの幇助より重く評価されるという考え方です。業界裏話ヒント:だからこそ、唆したのか単に手伝ったのかの線引きは弁護の急所。『犯意を最初に植え付けたのは別の人物で、自分は乗っかって手伝っただけ』という主張が通れば、教唆から従犯へ刑の天井が一段下がる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 関与の性質 | 63 条(従犯):他人の犯罪を補助した者 | — |
| 刑の扱い | 正犯の刑を減軽する(一段軽い) | — |
| 減軽の有無 | 必要的減軽(裁判官に選択肢なし) | — |
| 弁護の急所 | 従犯であることを供述・証拠で固める | — |
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