戸籍法 第80条
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親権若しくは管理権を辞し、又はこれを回復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第80条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第80条の条文原文は「親権若しくは管理権を辞し、又はこれを回復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。」で始まります。
- 戸籍法第80条は第八節 親権及び未成年者の後見に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第80条の前の条は戸籍法第79条です。
- 戸籍法第80条の次の条は戸籍法第81条です。
- 戸籍法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法80条は、親権・管理権を辞任または回復する者に届出を義務付ける規定。家庭裁判所の許可を得たうえで、届出をした日に初めて効力が生じる。
Q · 家庭裁判所で親権辞任の許可が出たら、それで親権はなくなるの?
いいえ。許可後に役所へ届け出て初めて効力が生じます
民法837条により、やむを得ない事由があれば家庭裁判所の許可を得て親権や管理権を辞任できます。ただし戸籍法80条はその旨の届出を求めており、この届出は創設的届出と解されるため、許可審判の謄本を添えて本籍地または所在地の役所に届け出た日に初めて辞任の効力が生じます。回復も同じ手順です。届出期間の定めはありませんが、届け出るまでは法律上の親権者のままです。
解説
家庭裁判所から許可の審判書が届いても、その時点ではまだ親権を辞めたことにはならない。実務上の通説では、戸籍法80条の届出は「創設的届出」(出すことで初めて法律上の効果が生じる届出)とされている。民法837条は、やむを得ない事由があれば家庭裁判所の許可を得て、親権や管理権(子の財産を管理する権限)を辞任できると定める。ただし、許可は入口にすぎない。役所の窓口に届書を出した日に、初めて辞任の効力が生じる。回復も同じ仕組みだ。審判書を引き出しにしまったままでは、法律上はずっと親権者のままであり、子の法律行為の同意も財産管理の責任もあなたに残る。もう一点、親権を辞めても親子関係は消えない。扶養義務も、互いの相続権もそのまま残る。辞任で手放せるのは「権限」であって、「親であること」ではない
法的な位置づけ
戸籍法80条は、親権もしくは管理権を辞し、またはこれを回復しようとする者に対し、その旨の届出を義務付ける規定である。民法837条に基づく家庭裁判所の許可を前提とし、通説上は届出によって辞任・回復の効力が生じる創設的届出と解される。届書には許可審判の謄本を添付する(戸籍法38条2項)。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.やむを得ない事由の資料をそろえる 辞任なら診断書・入院証明・在監証明・赴任命令など、回復なら退院証明や帰国の記録など事由の消滅を示す資料を集める。資料が具体的なほど家裁の審理が早く進む
- 2.子の住所地の家庭裁判所に許可を申し立てる 民法837条に基づき、親権(管理権)辞任または回復の許可審判を子の住所地の家庭裁判所に申し立てる(家事事件手続法167条)。ほかに親権者がいない辞任なら、未成年後見人の候補者も同時に決めておく
- 3.未成年後見人の選任請求を並行させる 辞任によって子の親権者がいなくなる場合、辞任した親自身が遅滞なく未成年後見人の選任を家裁に請求する(民法841条)。許可と同時進行にすれば法定代理人の空白を最小化できる
- 4.許可審判の謄本を添えて役所に届け出る 許可審判が出たら、親権(管理権)辞任届または回復届に審判書謄本を添付し、本籍地または所在地の市区町村役場に提出する(戸籍法80条・38条2項・25条)。届出の日が効力発生日となる
- 5.戸籍の記載と関係先への通知を確認する 戸籍に辞任・回復が記載されたことを戸籍謄本で確認し、学校・金融機関など子に関する手続の窓口に新しい法定代理人を伝える。窓口が確認するのは審判書ではなく戸籍である
よくある質問 AI による整理
Q1親権辞任届とは何ですか?
家庭裁判所の許可を得て親権や管理権を辞めるときに、役所へ出す届書です。戸籍法80条が根拠で、届け出た日に辞任の効力が生じます。
Q2親権辞任届はどこに出す?
届出人の本籍地または所在地の市区町村役場に提出します(戸籍法25条)。許可審判の謄本を添付する必要があります。
Q3親権辞任届の必要書類は?
親権(管理権)辞任届の届書、家庭裁判所の許可審判の謄本、届出人の本人確認書類が基本です。詳細は提出先の役所で事前確認を。
Q4親権の辞任はどんな理由ならできる?
民法837条の「やむを得ない事由」が必要です。重い病気での長期入院、服役、長期の海外赴任などが典型で、単なる負担感では許可されにくいです。
Q5親権辞任届 いつまでに出す?
戸籍法上の届出期間はありません。ただし届け出るまで辞任の効力は生じず、親権者としての責任が残るため、許可後すぐの提出が安全です。
Q6辞任した親権は取り戻せる?
辞任の事由が消滅すれば、家庭裁判所の許可を得て回復できます(民法837条2項)。回復にも戸籍法80条の届出が必要です。
Q7管理権だけ辞任することはできる?
できます。民法837条は親権全体のほか、子の財産を管理する権限(管理権)だけの辞任も認めており、その場合も本条の届出が必要です。
Q8親権辞任の許可申立てはどこの家裁?
子の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます(家事事件手続法167条)。許可審判が出た後に役所への届出へ進みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1親権を辞めたら、もう養育費は払わなくていいんですか?
払う義務は残ります。親権辞任(民法837条、戸籍法80条)で失うのは監護や財産管理の権限であって、親子関係そのものではありません。扶養義務(民法877条)も相続権もそのままです。実務のポイント:養育費の負担を避ける目的の辞任申立ては、「やむを得ない事由」がないとして家裁に退けられる可能性が高い。動機が透けると、申立ての段階でつまずく
Q2許可の審判書、役所に出し忘れてたんですけど、何かペナルティありますか?
辞任の届出は創設的届出とされ、届出期間がないため、遅れたことによる過料(戸籍法137条)は通常問題になりません。ただし出すまで辞任の効力は生じず、あなたは親権者のままです。実務のポイント:ペナルティがないことが一番の落とし穴。その間に子に関する契約や事故が起きると、親権者としての責任を問われるのはあなたになる。審判書を受け取ったら、すぐ窓口へ
間違えやすい点 AI による整理
- 「審判が出たら自動的に戸籍に載る」と思われがちだが、親権喪失や親権停止の審判と違って、辞任の許可審判では裁判所書記官からの戸籍記載嘱託はない。本人が届書に審判書謄本を添えて出さない限り(戸籍法38条2項)、戸籍には何も記載されず、効力も生じない(実務上の通説)
- 「親権を辞めれば養育費や扶養から解放される」という前提そのものが誤っている。辞任で失うのは身上監護・財産管理の権限であり、親子関係は存続する。扶養義務(民法877条)も相続関係も一切変わらない。辞任は縁切りの手段ではない
- 当事者の感覚では「自分が退くだけ」の話でも、法律から見ると子の保護に空白ができる出来事になる。ほかに親権者がいなければ、辞任した親自身が遅滞なく未成年後見人の選任を家裁に請求しなければならない(民法841条)。退いた側にも、後始末の義務が残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 届出の対象 | 戸籍法80条:親権・管理権の辞任または回復 | 戸籍法81条:未成年後見の開始 |
| 届出の性質 | 創設的届出(届出によって効力が生じる、通説) | 報告的届出(後見人の就職という既成事実を報告) |
| 届出期間 | 定めなし(届出まで効力は生じない) | 未成年後見人が就職の日から10日以内 |
| 届出人 | 辞任または回復しようとする親本人 | 未成年後見人 |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾には親が自ら親権を辞任する制度はなく、裁判所による親権停止の宣告が近似する。日本の辞任制度は親の申出を出発点とする点で異なる
韓国も法院の許可を得て法律行為の代理権・財産管理権を辞任・回復できる制度を持ち、日本法と構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 病気で長期入院が決まった父子家庭の父親が、家裁の許可を得て親権を辞任した。ところが届出を後回しにしていたため、その間に子の銀行口座の手続で「親権者の同意」を求められ、病床の父に書類が回ってくる。許可だけでは何も変わっていなかった
- 親権の辞任を認める審判書は受け取った。あとは届出だけだが、戸籍法上の届出期間はない。では出さずに放っておいたら、どうなる? 辞任の効力が生じないまま、親権者としての義務と責任が宙に浮いたように残り続ける
- 元配偶者が数年前に親権を辞任し、祖父母が未成年後見人になっている。回復の届出が出されて戸籍に記載されれば、後見は終わり、祖父母は子の財産の管理の計算と引継ぎをすることになる。後見人の立場からは、相手の回復手続がどこまで進んでいるか、戸籍の記載で確かめるのが確実だ
取るべき行動
被害を受けた側:親権者が病気・服役などで子の面倒を見られないのに辞任の手続が止まっている場合:1. 子の祖父母など親族は、親権者に民法837条の辞任許可の申立て(子の住所地の家裁、家事事件手続法167条)を促す2. 許可が出たら、審判書謄本を添えて本籍地または所在地の役所に届け出てもらう3. ほかに親権者がいなければ、未成年後見人の選任請求(民法840条、841条)を同時に準備する4. 親権者が協力しないまま子の利益が害されているなら、親権停止・管理権喪失の審判(民法834条の2、835条)も選択肢に入る
訴えられた側:辞任を考える親、または回復を求める親の側:1. 「やむを得ない事由」を具体的な資料で示す(診断書、在監証明、赴任命令など)。単なる養育の負担感では許可は出にくい2. 許可後は審判書謄本を添付して速やかに届け出る。届出の日が効力発生日になる3. 辞任しても扶養義務は残るので、養育費や生活費の分担は別途取り決める4. 回復するときは事由の消滅を立証し、未成年後見人との財産の引継ぎ方法も事前に詰めておく
時効(請求できる期限):戸籍法上の届出期間は定められていない(創設的届出と解されるため)。したがって期間徒過による過料の問題も原則生じないが、届出の日まで辞任・回復の効力は発生しない。家裁の許可は届出の前提要件であり、許可の審判書謄本を添付する必要がある(戸籍法38条2項)
学説
通説:戸籍法80条の届出は創設的届出であり、家庭裁判所の許可は届出の前提要件にとどまる。辞任・回復の効力は届出の受理によって生じるため、届出期間の定めはなく、期間徒過の過料も原則として問題にならない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法(昭和22年法律第224号)の制定に伴い、親権・管理権の辞任および回復の届出規定として設けられた
- 戸籍法 第38条許可審判の謄本の届書への添付
- 戸籍法 第25条届出地(本籍地又は所在地)
- 戸籍法 第81条未成年後見開始の届出
- 民法 第837条親権・管理権の辞任と回復の実体要件
- 民法 第841条辞任した親の後見人選任請求義務
- 家事事件手続法 第167条親権に関する審判の管轄(子の住所地)
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