戸籍法 第81条
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- 民法第八百三十八条第一号に規定する場合に開始する後見(以下「未成年者の後見」という。)の開始の届出は、同法第八百三十九条の規定による指定をされた未成年後見人が、その就職の日から十日以内に、これをしなければならない。
- 2.届書には、次に掲げる事項を記載し、未成年後見人の指定に関する遺言の謄本を添付しなければならない。
- 一後見開始の原因及び年月日
- 二未成年後見人が就職した年月日
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第81条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第81条の条文原文は「民法第八百三十八条第一号に規定する場合に開始する後見(以下「未成年者の後見」という。」で始まります。
- 戸籍法第81条は第八節 親権及び未成年者の後見に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第81条の前の条は戸籍法第80条です。
- 戸籍法第81条の次の条は戸籍法第82条です。
- 戸籍法第81条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第81条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第81条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/81
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法81条は、遺言で指定された未成年後見人が、就職の日から十日以内に後見開始を届け出る義務を定める。届書には遺言の謄本の添付が必要である。
Q · 遺言で子どもの後見人に指名されたら、役所に何か届け出る必要がある?
就職の日から十日以内に後見開始届を出す義務がある
戸籍法81条により、遺言で指定された未成年後見人は、就職の日から十日以内に未成年者の後見開始の届出をしなければなりません。届書には後見開始の原因と年月日、就職の年月日を記載し、遺言の謄本を添付します。届出期間は届出事件の発生日を初日として数えます(戸籍法43条)。家庭裁判所が選任した後見人は、裁判所書記官の嘱託で戸籍に記載されるため、この届出は不要です。
解説
遺言書の一文で、ある日突然、他人の子どもの「親代わり」になることがある。子どもの最後の親権者(最後に親として子を守る権限を持っていた人)が遺言で未成年後見人を指定しておけば(民法839条)、その人は家庭裁判所の選任手続を経ずに後見人になる。戸籍法81条は、その後見人に「就職の日から十日以内」に役所へ届け出る義務を課している。ここで言う就職は会社勤めの意味ではない。後見人という役目に就くことだ。起算点は原則として遺言が効力を持つ日、つまり遺言者が亡くなった日と考えられている。葬儀、相続の整理、子どもの転校や住まいの手配と重なる時期に、十日はあっという間に過ぎる。しかも届書には遺言の謄本(原本と同じ内容の写し)を添えなければならず、自筆の遺言なら原則として家庭裁判所の検認(遺言書の状態を裁判所が確認する手続)を先に済ませる必要がある。ここまで知っていれば、慌てる前に段取りを組める。反対に、家庭裁判所が選んだ後見人(民法840条)なら、戸籍の記載は裁判所書記官からの嘱託で行われ、本人がこの届出をする必要はない。自分がどちらのルートで後見人になったのか。最初に確かめるべきはそこである。
法的な位置づけ
戸籍法81条は、未成年者の後見開始の届出を定める規定である。民法838条1号により開始する後見のうち、民法839条に基づき遺言で指定された未成年後見人を届出義務者とし、就職の日から十日以内の届出を求める。届書には後見開始の原因・年月日と就職の年月日を記載し、遺言の謄本を添付する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.遺言の種類と後見人指定の有無を確認 遺言に未成年後見人の指定があるか、公正証書遺言・法務局保管の自筆遺言・保管外の自筆遺言のどれかを確認する。保管外の自筆遺言なら、すぐに家庭裁判所へ検認を申し立てる
- 2.届出期限を確定する 遺言の効力発生日(原則は遺言者の死亡日)を初日として十日目の日付をカレンダーに書き込む。戸籍法43条により初日を算入する点に注意する
- 3.遺言の謄本をそろえる 公正証書遺言なら公証役場で謄本を、法務局保管の自筆遺言なら遺言書情報証明書を、保管外の自筆遺言なら検認後の遺言書の写しを用意する
- 4.市区町村に後見開始届を提出 未成年者の本籍地または届出人の所在地の役所に、後見開始の原因・年月日と就職の年月日を記載した届書を遺言の謄本とともに提出する
- 5.期限超過時の事情記録と財産調査の開始 検認待ちなどで期限を越えそうなら、期限内に役所へ連絡し、検認申立ての控えなど遅れの事情を示す記録を残す。届出と並行して、子の財産調査と財産目録の作成(民法853条、原則一か月以内)に着手する
よくある質問 AI による整理
Q1未成年後見開始届とは何ですか?
遺言で指定された未成年後見人が、後見の開始を市区町村に届け出る手続です。戸籍法81条が根拠で、届出によって子の戸籍に後見の事実が記載されます。
Q2未成年後見開始届はいつまでに出す?
就職の日から十日以内です。遺言による指定では、原則として遺言者が亡くなった日が就職の日となり、その日を初日として数えます(戸籍法43条)。
Q3未成年後見開始届の必要書類は?
届書のほか、未成年後見人の指定に関する遺言の謄本が必要です(戸籍法81条2項)。本人確認書類も持参し、窓口で追加書類を確認しておくと安心です。
Q4未成年後見開始届はどこに出す?
未成年者本人の本籍地、または届出人の所在地の市区町村役場に提出します(戸籍法25条)。本籍地以外に出す場合は、戸籍謄本の添付を求められることがあります。
Q5未成年後見開始届を出し忘れたら違法?
正当な理由なく期間内に届け出ないと、過料の対象になりえます(戸籍法135条)。刑罰ではないため前科にはなりませんが、期限を過ぎても直ちに届け出るべきです。
Q6自筆の遺言でも後見開始届はできる?
できます。ただし法務局で保管されていない自筆遺言は、家庭裁判所の検認を済ませてから謄本を用意する必要があり、その分時間がかかります。
Q7未成年後見開始届は郵送できる?
戸籍の届書は郵送でも提出できます。ただし記載不備があると差し戻されて期限を過ぎるおそれがあるため、事前に役所へ電話で書式を確認するのが確実です。
Q8未成年後見が始まると戸籍にどう載る?
未成年者の戸籍の身分事項欄に、後見開始の日と未成年後見人の氏名などが記載されます。銀行や学校はこの記載で後見人の権限を確認します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家庭裁判所で後見人に選ばれたんですけど、私もこの届出を出さないといけないんですか?
原則として不要です。戸籍法81条の届出義務を負うのは、遺言で指定された未成年後見人(民法839条)です。家庭裁判所が選任した場合(民法840条)は、裁判所書記官が戸籍の記載を嘱託します(家事事件手続法116条)。実務のポイント:選任の審判から戸籍に反映されるまでには数日から数週間のずれが出ることがあります。銀行の手続を急ぐなら、審判書謄本と確定証明書を先に取り寄せておくのが実務の近道です
Q2遺言で指名されたけど、正直引き受けたくない。届出を出さなければ後見人にならずに済みますか?
なりません。届出は、すでに就職した後見人が戸籍に記載してもらうための報告的な手続で、出さなくても後見人の地位が消えるわけではありません。辞めるには正当な事由と家庭裁判所の許可が要ります(民法844条)。実務のポイント:放置すれば過料のリスク(戸籍法135条)と子の財産を管理する責任が両方残ります。引き受けられないなら、届出をしたうえで辞任許可と後任選任の申立てを同時に出すのが、子どもにとっても自分にとっても傷が一番浅いやり方です
間違えやすい点 AI による整理
- 「後見人なのだから、裁判所が全部手続してくれる」と思われがちだが、それは家庭裁判所に選任された後見人の話である。遺言で指定された後見人の場合、戸籍への記載は本人の届出によって始まる。黙っていれば、戸籍上は誰も子を代理していない状態が続く
- 十日という期限そのものは知っていても、それが戸籍の記載以上のものを左右することは知られていない。銀行、学校、保険会社、相続登記の窓口は、後見人の権限を戸籍の記載で確認する。届出の遅れは、子どもの生活費や相続財産を動かせない空白期間になって跳ね返ってくる
- 「届出を出せば後見人の仕事はひとまず完了」と考えるのは視点が逆である。戸籍法から見れば届出は入口にすぎない。民法から見ると、後見人は原則として一か月以内に子の財産を調査して財産目録を作らなければならない(民法853条)。届出と財産調査は同時に走らせる必要がある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 戸籍法81条:未成年者の後見の開始 | 戸籍法84条:未成年者の後見の終了 戸籍法85条:未成年後見監督人への準用 |
| 届出義務者 | 遺言で指定された未成年後見人 | 未成年後見人 未成年後見監督人 |
| 期限と添付書類 | 就職の日から十日以内、遺言の謄本を添付 | 終了から十日以内 後見人の規定を準用 |
| 期限を怠った場合 | 戸籍法135条の過料の対象になりうる | 戸籍法135条の過料の対象になりうる 戸籍法135条の過料の対象になりうる |
他国ではどう定めているか 4 か国
遺囑で指定された監護人は、知悉後15日以内に法院へ報告しなければならず、報告しないと就職を拒絶したものとみなされる。日本と異なり、期限懈怠が地位そのものに影響する
韓国も未成年後見開始の申告を後見人に義務づけるが、期限は日本より長いとされる。現行条文の確認が必要
父母が遺嘱で監護人を指定できる点は共通するが、日本の戸籍に相当する身分登記への届出義務を定める規定は置かれていない
親が遺言等で未成年者の後見人を指名でき、指名された者の受諾と裁判所への届出で効力が確定する仕組み。採用状況は州ごとに異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- シングルマザーだった姉が病気で亡くなり、公正証書遺言に「長男の未成年後見人に妹を指定する」とあった。葬儀の翌日、あなたは市役所で「後見開始の届出は十日以内です」と言われる。死亡日から数えると、残りはもう五日しかない
- 父親はすでに他界しており、母親が亡くなった。自筆の遺言が見つかったが、封がされている。検認の予約は一か月先。十日以内に謄本を添えて届け出ることは物理的にできない。この遅れは届出を怠ったことになるのか?
- 遺言で指定された叔父は届出を後回しにし、半年が過ぎた。子どもの口座を解約しに銀行へ行くと、戸籍に後見の記載がなく、窓口で止められる。役所からは過料(行政上の金銭の制裁で、前科にはならない)の手続が進む可能性を告げられる
取るべき行動
被害を受けた側:子の親族として後見の空白に困っている場合:1. 遺言に後見人の指定があるか、それが公正証書か自筆かを確認する2. 指定がなければ、親族などが家庭裁判所に後見人の選任を申し立てる(民法840条)。この場合、戸籍の記載は裁判所からの嘱託で行われる3. 指定された後見人が届出を放置しているなら、市区町村の戸籍窓口に相談する。後見人の任務が怠られているときは、家庭裁判所に解任を申し立てることも選択肢になる(民法846条)
訴えられた側:指定された後見人として期限を過ぎてしまった場合:1. 過ぎていても、今日すぐに届出を出す。遅れた届出も受理される2. 自筆遺言の検認待ちなど遅れた事情を書面にまとめ、検認申立ての控えなどを添える3. 正当な理由が認められなければ5万円以下の過料の対象となりうる(戸籍法135条、最新の改正状況をご確認ください)。届出とは別に、財産目録の作成(民法853条)も遅らせない
時効(請求できる期限):未成年後見人の就職の日から10日以内(戸籍法81条1項)。遺言による指定の場合、就職の日は原則として遺言の効力が生じた日(遺言者の死亡日)とされる。財産の調査と目録の作成は原則として1か月以内(民法853条1項)
学説
戸籍実務上の一般的理解:本条の届出は報告的届出であり、後見人の地位は遺言の効力発生によって生じる。届出はその事実を戸籍に反映させる手続にとどまり、届出をしないことで後見人の地位が消えるわけではない。
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)成年後見制度導入に伴う改正(要検証) 禁治産・準禁治産の戸籍記載が廃止され後見登記制度へ移行したことに伴い、本条の対象が未成年者の後見に限定されたとみられる。改正の年次と文言は人的検証が必要
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法(昭和22年法律第224号)の制定により、後見開始の届出に関する規定として置かれた。
- 戸籍法 第84条未成年者の後見終了の届出
- 戸籍法 第85条未成年後見監督人への準用
- 戸籍法 第135条届出期間懈怠に対する過料
- 民法 第838条未成年後見の開始原因
- 民法 第839条遺言による未成年後見人の指定
- 家事事件手続法 第116条選任後見人の戸籍記載は裁判所嘱託
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