戸籍法 第96条
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民法第七百二十八条第二項の規定によつて姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第96条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第96条の条文原文は「民法第七百二十八条第二項の規定によつて姻族関係を終了させる意思を表示しようとする者は、死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を届書に記載して、その旨を届け出…」で始まります。
- 戸籍法第96条は第十節 生存配偶者の復氏及び姻族関係の終了に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第96条の前の条は戸籍法第95条です。
- 戸籍法第96条の次の条は戸籍法第97条です。
- 戸籍法第96条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第96条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第96条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/96
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法96条は、配偶者の死亡後に姻族関係を終わらせる届出を定める。届書に亡くなった配偶者の氏名・本籍・死亡年月日を記載して提出すればよく、義両親の同意は不要。
Q · 夫が亡くなった後、義理の両親との親戚関係を法律上終わらせることはできる?
届出一枚で終わらせられる。同意不要・期限なし
できます。配偶者の死亡後、生存配偶者は民法728条2項により姻族関係を終了させる意思表示ができ、その手続が戸籍法96条の姻族関係終了届です。届書に亡くなった配偶者の氏名・本籍・死亡年月日を記載して市区町村役場に提出し、受理されると効力が生じます。義理の家族の同意は不要で期限もありません。ただし子どもと祖父母の血縁関係、すでに受けた相続、姓は変わりません。
解説
夫や妻が亡くなっても、義理の両親や義兄弟との「姻族関係」は自動では消えない。離婚なら自動で終わるのに(民法728条1項)、死別では生き残った配偶者が自分から意思表示しない限り、法律上の親戚関係はずっと続く。その意思表示の手続を定めたのが戸籍法96条であり、世間では「死後離婚」と呼ばれている。必要なのは、届書に亡くなった配偶者の氏名・本籍・死亡年月日を書いて市区町村役場に出すことだけである。義両親の同意はいらず、役所から義両親へ通知が行くこともなく、期限もない。知っておきたいのは次の三点である。第一に、すでに受け取った相続分を返す必要はない。第二に、あなたの子と祖父母との血のつながりは切れない。第三に、姓は変わらない(旧姓に戻すのは戸籍法95条の復氏届という別の手続)。つまりこの一枚で切れるのは、あなた自身と義理の家族との法律上の関係だけである。義両親の介護を当然のように求められて悩んでいる人にとって、出すか出さないかを自分で決められる紙がある。それを知っているかどうかで立場が大きく変わる
法的な位置づけ
姻族関係終了届とは、夫婦の一方が死亡した後、生存配偶者が民法第728条第2項に基づいて姻族関係を終了させる意思を表示するため、戸籍法第96条に従い市区町村長に提出する届出である。届書には死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を記載し、受理によって効力が生じる創設的届出とされる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.何を切りたいのかを整理する 義理の家族との姻族関係を終えたいのか、旧姓に戻りたいのか、その両方なのかを整理する。姻族関係の終了は戸籍法96条、旧姓への復帰は戸籍法95条の復氏届で、別々の手続である
- 2.亡くなった配偶者の本籍と死亡年月日を確認する 届書に記載が必要な死亡した配偶者の氏名、本籍、死亡の年月日を正確に確認する。不明な場合は戸籍謄本や除籍謄本で確かめる
- 3.姻族関係終了届を作成する 市区町村役場で入手できる姻族関係終了届の用紙に、届出人の情報と死亡した配偶者の氏名・本籍・死亡年月日を記入し、届出人本人が署名する
- 4.本籍地または所在地の役場へ提出する 届書を本籍地または所在地の市区町村役場の戸籍窓口に提出する。本人確認書類を持参し、戸籍証明書の添付の要否は提出先の役場で事前に確認する
- 5.子どもと義理の家族への伝え方を決める 受理後は撤回できないと考え、子どもと祖父母の血縁関係や相続権は変わらないことを含め、誰にどのように伝えるかを決めておく
よくある質問 AI による整理
Q1死後離婚とは何ですか?
配偶者の死亡後に、生存配偶者が姻族関係終了届(戸籍法96条)を出して義理の家族との親族関係を終わらせることの俗称です。法律上の離婚ではありません。
Q2姻族関係終了届はどこに出す?
届出人の本籍地または所在地の市区町村役場に提出します(戸籍法25条)。住所地の役所の戸籍窓口で受け付けてもらえます。
Q3姻族関係終了届はいつまで出せる?
期限はありません。配偶者の死亡後であれば、何年経っても生存配偶者本人がいつでも届け出ることができ、遅れによる過料もありません。
Q4姻族関係終了届は撤回できる?
受理された時点で効力が生じる創設的届出であり、後から撤回して姻族関係を元に戻す手続は用意されていないと考えておくべきです。
Q5姻族関係終了届を出すと遺族年金はどうなる?
遺族厚生年金の失権事由に姻族関係の終了は挙げられておらず、届出だけで受給資格は失われません。最新の年金制度改正の状況は年金事務所で確認してください。
Q6嫁に義両親の介護義務はありますか?
原則ありません。ただ姻族関係が続く限り、家庭裁判所が特別の事情ありとして扶養義務を課す余地(民法877条2項)が残り、届出でその余地を断てます。
Q7再婚したら姻族関係は自動で終わる?
終わりません。民法728条は離婚による終了と、死別後の意思表示による終了のみを定めています。再婚しても前配偶者の家族との姻族関係は残ります。
Q8義両親が亡くなった後でも姻族関係終了届は出せる?
出せます。姻族関係は義両親だけでなく義兄弟姉妹などとの間にも及ぶため、義両親の死亡後でも届出によってそれらの関係を終わらせる意味があります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1義理の両親に知られずに出せるものなんですか?
届出に義理の家族の同意や署名はいらず、役所から通知が行くこともありません(戸籍法96条、民法728条2項)。ただし内緒のままにできるとは限りません。実務のポイント:あなたが亡くなった配偶者の戸籍に残っている場合、義両親は『戸籍に記載されている者の直系尊属』として、その戸籍謄本を取得できる可能性があります(戸籍法10条)。そこに届出の記載が載ります。完全に知られたくないなら、復氏届などで先に戸籍を分けておくかどうかも含めて考えておくべきです
Q2出したら、子どもはおじいちゃんおばあちゃんの遺産を相続できなくなりますか?
なりません。姻族関係が終わるのはあなたと義理の家族との間だけで、子どもと祖父母の血縁関係はそのまま残ります。亡くなった配偶者の代わりに、子どもが祖父母の遺産を代襲相続する権利(民法887条2項)にも影響はありません。実務のポイント:『嫁が縁を切ったから孫にも遺産はやらない』と遺言を書かれた場合でも、孫には遺留分(民法1042条)が残ります。届出と子どもの相続権は、まったく別の問題です
間違えやすい点 AI による整理
- 「姻族関係終了届を出すと、夫の遺産を返さなければならない」と心配する人は多いが、相続は死亡の時点で確定している。届出は将来に向かって姻族関係を終わらせるだけで、すでに相続した財産にも遺族年金の受給資格にも影響しない(遺族厚生年金の失権事由に姻族関係終了は挙げられていない。最新の改正状況をご確認ください)
- 「出せば義理の家族と完全に他人になれる」と思われがちだが、残るものがある。直系姻族(義父・義母)とは、姻族関係が終わった後も結婚できない(民法735条)。さらに、子どもにとって義両親は血のつながった祖父母のままである。将来、祖父母の相続では子どもが代襲相続人になりうる。切れるのは『あなたと義理の家族』だけであり、『あなたの子と祖父母』は切れない
- 義理の家族からは『冷たい嫁が縁を切った』と見えるかもしれない。しかし法律から見れば、死別後の親族関係を続けるかどうかは生き残った配偶者の自由な選択にすぎない。この落差を知らずに、周囲の目を気にして何年も介護を背負い込む人がいる。問題は親族関係の有無ではなく、自分の意思を法的な形にしていないことだった
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的 | 戸籍法96条:死別後に姻族関係を終了させる | 戸籍法95条:婚姻前の氏に復する(復氏届) 民法728条1項:離婚による姻族関係の当然終了 |
| 届出・意思表示の要否 | 生存配偶者の届出が必要(受理で効力発生) | 生存配偶者の届出が必要 不要(離婚により自動的に終了) |
| 姓への影響 | 変わらない | 婚姻前の氏に戻る 姻族関係の終了自体は姓に影響しない |
| 義理の家族との姻族関係 | 終了する | 残る 終了する |
他国ではどう定めているか 4 か国
姻親関係は離婚・婚姻取消により消滅する。死別後に生存配偶者が一方的に姻親関係を終了させる届出制度はない
死別後は生存配偶者の再婚によって姻族関係が終了する。日本のような単独の意思表示による終了届とは設計が異なる
姻族関係は、それを生じさせた婚姻が解消されても存続する。終了のための届出制度はない
婿・嫁の義父母に対する扶養義務は、姻族関係を生じさせた配偶者とその子がすべて死亡すると消滅する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 夫の四十九日が終わった途端、義母から「長男の嫁なんだから、同居して私の面倒を見るのは当然でしょう」と言われた。法律上、嫁に義母の介護義務は原則ない。ただ姻族関係が続いている限り、家庭裁判所が特別の事情ありとして扶養義務を課す余地(民法877条2項)は残る。その余地ごと断ち切りたいなら、本条の届出が使える
- あなたが義理の立場にいるとして、亡くなった息子の妻が姻族関係終了届を出していたと、数年後に戸籍謄本を取って初めて知ったらどうなるか。届出は本人だけで完結し、あなたに撤回を求める権利はない。孫との関係は法律上まったく変わらないので、孫に会えるかどうかは、結局これまでの関係次第になる
- 妻を亡くして三年。再婚が決まり、前妻の実家との法事の付き合いをどう整理するか悩んでいる。再婚しても姻族関係は自動では消えない。けじめをつけたいなら届書一枚で済むが、出したら後から撤回はできないと考えておくべきである
- 義父の介護認定の面談が来週に迫っている。ケアマネジャーから「ご家族としてどこまで関われますか」と聞かれる前に、法律上の自分の立ち位置を整理しておきたい
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず整理する。姻族関係を終えたいのか、姓を戻したいのか、両方なのか2. 届書に亡くなった配偶者の氏名・本籍・死亡年月日を書き、本籍地または住所地の市区町村役場に提出する(戸籍法25条) 3. 本人確認書類を持参する。戸籍謄本の添付は、令和6年施行の改正で不要になった自治体が多い(最新の運用は提出先の役場で確認) 4. 出した後は撤回できないと考え、子どもへの説明と義理の家族への伝え方を先に決めておく
訴えられた側:義理の家族として届出を知った場合、法的に阻止や撤回を求める手段はない。届出は生き残った配偶者だけが出せ、義理の家族の側から姻族関係を終わらせることもできない。孫との関係は法律上そのまま続くので、争うよりも関係を再構築するほうが現実的である。扶養をめぐって対立があるなら、家庭裁判所の調停で協議する道がある
時効(請求できる期限):期限はない。配偶者の死亡後であれば、何年経っても生き残った配偶者本人がいつでも届け出られる。届出が受理された時点で効力が生じ(創設的届出)、期限がないため届出の遅れによる過料もない
学説
通説:姻族関係の終了は生存配偶者の単独の意思表示で足り、義理の家族には同意権も終了権もない。届出は創設的届出であり、効力は受理の時から将来に向かって生じ、既に確定した相続関係には影響しない。
改正沿革 AI による整理
- 昭和22年(1947年) 現行戸籍法(昭和22年法律第224号)の制定時から置かれている規定。その後に文言が改正されたかどうかは要人的検証
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法(昭和22年法律第224号)の制定時に、民法728条2項の意思表示を届出によって行う手続として規定された。
- 戸籍法 第95条復氏届、旧姓復帰は別手続
- 戸籍法 第25条届出地(本籍地または所在地)
- 戸籍法 第10条戸籍謄本の請求権者、記載が知られる経路
- 民法 第728条姻族関係終了の実体要件
- 民法 第735条終了後も直系姻族間の婚姻は禁止
- 民法 第877条三親等内親族の扶養義務の遮断
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