刑事訴訟法 第101条
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被告人その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第101条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第101条の条文原文は「被告人その他の者が遺留した物又は所有者、所持者若しくは保管者が任意に提出した物は、これを領置することができる。」で始まります。
- 刑事訴訟法第101条は第九章 押収及び捜索に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第101条の前の条は刑事訴訟法第100条です。
- 刑事訴訟法第101条の次の条は刑事訴訟法第102条です。
- 刑事訴訟法第101条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第101条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第101条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/101
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法101条は、被疑者等が遺留した物、または任意に提出された物を、令状なしで領置できると定める。差押えと異なり裁判官の許可を要しない。
Q · 警察に「任意で見せて」と言われて物を渡したら、すぐ返してもらえるの?
令状なしで領置され、返還には還付手続が必要です
刑事訴訟法101条により、遺留した物や任意に提出した物は令状なしで領置できます。差押えと違い裁判官の許可は不要です。一度領置されると押収物となり、取り戻すには還付請求(123条)が必要で、捜査機関が「まだ必要」と判断する限り手元には戻りません。「任意」だからいつでも返ると思うのは誤解で、提出する前に写真やコピーを残しておくことが重要です。
解説
警察署で「任意で携帯を見せてもらえますか」と言われ、断る空気でもなく差し出した。その瞬間、あなたのスマホは「領置物」に変わったかもしれない。刑事訴訟法101条が定める領置とは、令状なしで物を押収できる仕組みだ。差押えと違い裁判官の許可がいらない。理由は二つ、誰かが遺留した物か、持ち主が任意に提出した物だからである。ここで多くの人が誤解する。「任意」だから「いつでも返してもらえる」と。違う。一度領置されると、それは押収物になり、取り戻すには還付の手続(123条)が必要で、捜査機関が「まだ捜査に必要」と言えば手元に戻らない。さらに見落とされるのが遺留物だ。あなたが店で捨てた紙コップ、吸い殻、レシート。手放した瞬間に遺留物となり、警察は令状なしで持ち去り、そこから DNA や指紋を採取できる。最高裁もこの手法を適法と認めている(最決平成20.4.15)。
法的な位置づけ
領置とは、刑事訴訟法101条および221条が定める押収の一類型であり、被疑者等が遺留した物、または所有者・所持者・保管者が任意に提出した物について、捜査機関や裁判所が令状なしに占有を取得・継続する処分をいう。物理的強制を伴わないため、令状主義(憲法35条)の例外として認められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.「任意提出」を求められたら拒否権を確認 警察から「任意で見せて/預かるね」と言われたら、まず任意である以上は拒否できることを認識する。応じる義務はなく、強制するなら令状が必要になる
- 2.提出前に写真・コピーを残す 提出に応じる場合でも、渡す前に必ず写真撮影やデータのバックアップ、書類のコピーを取る。原本が手元を離れると還付まで数か月かかることがある
- 3.提出物の特定を書面で確認 領置調書や受領書で、品名・数量・状態が正確に特定されているかを確認する。後の還付や争いに備え、何を渡したかを客観的に残す
- 4.早期に還付請求(123条)を出す 捜査が長引く前の早い段階で、所有者・所持者として還付請求を提出する。留置の必要がなくなれば速やかに還付が原則であり、急ぐ場合は仮還付も検討する
よくある質問 AI による整理
Q1領置とは何ですか?
刑事訴訟法101条が定める押収の一種で、遺留物や任意提出物を令状なしに占有取得する処分です。差押えと違い裁判官の許可を要しません。
Q2領置と差押えの違いは何ですか?
領置は遺留物・任意提出物を令状なしに取得する非強制処分、差押えは相手の意思に反して令状で強制的に取得する処分です。取得過程の強制力の有無が違いです。
Q3任意提出した物は返してもらえますか?
提出すると領置物(押収物)になり、提出者が一方的に取り戻すことはできません。還付請求(123条)が必要で、捜査に不要になれば速やかに還付が原則です。
Q4還付請求はどうやってするのですか?
所有者・所持者・保管者は、捜査機関に対し還付請求(刑訴123条)をいつでも出せます。留置の必要がなくなれば速やかに還付され、急ぐ場合は仮還付も選択肢です。
Q5領置に令状は必要ですか?
不要です。遺留物・任意提出物は取得に物理的強制を伴わないため、裁判官の事前審査なしに領置できます。適法性を争えるのは事後に限られます。
Q6捨てたゴミから DNA を採取するのは違法ですか?
適法とされています。手放した物は遺留物として占有放棄と評価され、令状なしの領置が認められます。最高裁も類似手法を適法と判断しています(最決平成20.4.15)。
Q7領置された物はいつ返ってきますか?
領置自体に存続期限はありませんが、留置の必要がなくなれば速やかに還付されます(123条)。黙って待つより、早期に還付請求を出すほうが返却が早まります。
Q8警察の任意提出は拒否できますか?
拒否できます。任意提出はあくまで本人の自由意思に基づくもので、応じる義務はありません。強制するなら差押え令状が必要になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1警察に「ちょっと携帯預かるね」と言われたら、断れないんですか?
断れます。101条・221条の領置は「任意に提出した物」が対象で、提出するかは本人の自由です。強制するなら差押え令状が必要になります。ただし提出してしまうと領置物となり、すぐには戻りません。実務のポイント:現場では「任意で」と言いつつ、断ると「じゃあ令状取るよ」と促す運用があります。実際に令状が取れる事案かは別問題で、提出前に拒否したらどうなるかを冷静に見極める人と、空気で渡す人では、その後の手元の証拠が変わります
Q2コンビニで捨てた吸い殻から DNA を採るって、勝手にやっていいんですか?
適法とされています。手放した物は「遺留物」となり、占有を放棄したと評価されるため、令状なしの領置が認められます。最高裁も類似の手法を適法と判断しています(最決平成20.4.15)。実務のポイント:捜査機関が DNA を採りたい相手には、わざと飲み物を出して使用後のコップを遺留物として回収する手法が現実に使われます。任意提出を拒んでも、あなたが日常的に手放す物から証拠が集まることは、ほとんど知られていません
間違えやすい点 AI による整理
- 「任意提出なら、気が変われば、いつでも返してもらえる」と思っているが、一度領置された物は押収物となり、還付という法的手続を経なければ戻らない。捜査機関が必要と判断する限り、あなたの手元には返ってこない
- 「自分のゴミなんだから、捨てても自分の物」という前提そのものが誤っている。手放した瞬間に法的には占有を放棄した「遺留物」と評価される。誰の物か、ではなく、誰が今その物を握っているか、で領置の可否が決まる
- 領置に令状がいらないことは知っていても、その意味の重さを見落としている。令状不要とは、裁判官の事前チェックがないということ。適法性を争える場が「事後」しか残らず、争う側のあなたに重い立証の負担がのしかかる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 令状の要否 | 領置(101条):令状不要 | 差押え(99条):令状が必要 捜査機関の領置(221条):令状不要 |
| 対象となる物 | 遺留物・任意提出物 | 証拠物・没収すべき物(強制取得) 遺留物・任意提出物(捜査段階) |
| 強制力 | 物理的強制を伴わない(非強制処分) | 相手の意思に反して強制取得 物理的強制を伴わない |
| 取り戻す手段 | 還付・仮還付(123条) | 還付・仮還付(123条) 還付・仮還付(123条) |
他国ではどう定めているか 4 か国
所有者・持有者・保管者が任意に提出・交付した物を令状なしに留存できる点で日本の領置とほぼ同一。扣押(強制押収)と区別される構造も同じ
所有者・所持者・保管者が任意に提出した物、または遺留した物を令状なしに押収できると定め、条文構造が日本101条と極めて近い
強制を伴わない Sicherstellung と、令状(裁判官の命令)を要する Beschlagnahme を区別する。日本の領置・差押えの二分法の母法的位置にある
収集に出したゴミには第四修正のプライバシー期待が及ばないとし、令状なしの取得を適法とした。遺留物からの無令状取得という発想で日本の領置と通底する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし職務質問の途中で「カバンの中、任意で見せて」と言われ、中の物を渡したら、それはすぐ戻ってくるのか? 領置されれば、捜査の必要がなくなるまで還付されない可能性がある
- あなたが被疑者として取調べを受け、私物のノート PC を「任意提出」した。3日後に返してほしいと頼んでも、「捜査中」を理由に拒まれる。還付請求(123条)を出さない限り、中のデータごと押収状態が続く
- ファミレスであなたが席を立った。残したコップとおしぼり。それが遺留物として回収され、DNA 照合にかけられる
- ストーカー被害を訴えに行ったあなたが、証拠として加害者からの手紙を警察に渡す。これも任意提出による領置だ。コピーを取り忘れると、原本が手元に戻るまで何か月もかかることがある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 加害者からの手紙や物品を証拠提出するときは、提出前に必ずコピー・写真を残す2. 任意提出を求められたら、提出物の特定(品名・数量)が書面で正確かを確認3. 民事訴訟など原本が必要になる場面を見越し、いつ還付されるか担当者に確認4. 捜査が一段落したら還付請求(123条)を出す、急ぐなら仮還付も選択肢
訴えられた側:1. 「任意」である以上、提出を拒否できることをまず認識する、応じる義務はない2. 応じる場合も、提出前に写真やデータのバックアップを取る3. 領置された物は還付請求(123条)で取り戻せる、捜査に不要なら速やかに還付が原則4. ゴミ等の遺留物からの DNA 採取が争点なら、占有放棄の有無・採取手続の適法性を弁護人と検討(最決平成20.4.15を踏まえる)
時効(請求できる期限):領置自体に存続期限の定めはないが、押収物は留置の必要がなくなれば速やかに還付しなければならない(刑訴法123条)。所有者・所持者・保管者からの還付請求はいつでも可能。任意提出して領置された物は、提出者が一方的に取り戻すことはできず、還付手続によることになる
学説
通説:領置は取得過程で相手の意思に反する物理的強制を伴わないため、令状主義(憲法35条)の例外として令状を要しないと解される。もっとも、任意提出の任意性や遺留物における占有放棄の有無は実質的に審査されるべきとされ、事実上の圧力下での提出や、遺留物からの重大なプライバシー情報の取得には憲法13条による牽制が及ぶ。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定により、押収を差押え・領置・提出命令に整理し、遺留物・任意提出物の令状不要の領置を明文化した
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