刑事訴訟法 第138条
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- 正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。
- 2.前項の罪を犯した者には、情状により、罰金及び拘留を併科することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第138条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第138条の条文原文は「正当な理由がなく身体の検査を拒んだ者は、十万円以下の罰金又は拘留に処する。」で始まります。
- 刑事訴訟法第138条は第十章 検証に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第138条の前の条は刑事訴訟法第137条です。
- 刑事訴訟法第138条の次の条は刑事訴訟法第139条です。
- 刑事訴訟法第138条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第138条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第138条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/138
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法138条は、正当な理由なく身体検査を拒んだ者を十万円以下の罰金又は拘留に処すと定める。拒否しても139条の直接強制で検査は実行される。
Q · 身体検査を拒んだら、どうなるんですか?
十万円以下の罰金か拘留、しかも結局は強制検査されます
刑事訴訟法138条により、正当な理由なく身体検査を拒んだ者は十万円以下の罰金又は拘留に処せられます。さらに2項では罰金と拘留の併科も可能です。重要なのは、拒否しても139条の直接強制で押さえつけてでも検査が実行される点です。つまり拒否は検査を止める手段にならず、罰金と前科を上乗せするだけの選択になりがちです。争うべきは拒否そのものではなく、健康上の理由や検査方法の不相当といった『正当な理由』、そして131条の注意義務違反による検査方法の適正さです。
解説
交通事故やわいせつ事件の加害者として疑われ、裁判所の令状であざや傷の身体検査を命じられたとする。恥ずかしいから、怖いから、拒みたい。だが刑訴法138条は、正当な理由なく身体検査を拒んだ者に十万円以下の罰金または拘留を科すと定める。さらに2項では、罰金と拘留を同時に科すことすらできる。ここで知っておくべきは、身体検査の拒否には三重の網がかかっているという事実だ。137条の過料(金銭制裁)、138条の刑罰、そして139条の直接強制(押さえつけてでも実行する力ずくの執行)。つまりあなたが拒んでも、最終的には強制的に検査され、その上で罰金と前科まで背負う。「嫌だから断る」が素朴に通用する場面は、実はほとんど存在しない。あなたに残された現実的な選択は、拒否そのものではなく「正当な理由」を組み立てられるか、そして検査方法の適正さを突けるかにある。
法的な位置づけ
刑事訴訟法138条は、令状等に基づく身体検査を正当な理由なく拒否した者に対する罰則を定める規定である。法定刑は十万円以下の罰金又は拘留であり、2項では情状により両者の併科を認める。137条の過料(間接強制)および139条の直接強制と並び、身体検査の実効性を担保する制裁体系の一翼を担う。
よくある質問 AI による整理
Q1身体検査令状とは何ですか?
裁判所が発付する、被疑者等の身体を検査するための令状です。刑訴法218条等に基づき、これがなければ強制的な身体検査はできません。138条の罰則も令状による検査の拒否を前提とします。
Q2身体検査を拒否すると前科はつきますか?
138条の罰金は刑罰なので、有罪となれば前科がつきます。137条の過料は行政上の制裁で前科にはなりません。同じ金銭負担でも就職や資格審査への影響が大きく異なります。
Q3刑事訴訟法138条の罰金はいくらですか?
十万円以下の罰金、または拘留です。2項では情状により罰金と拘留を併科することもできます。金額より、前科が残る点が実務上の重い負担になります。
Q4身体検査の直接強制とはどういう意味ですか?
139条に基づき、拒否する者を押さえつけてでも検査を実行することです。138条の罰則と併用され、拒んでも結局は検査され、その上で処罰される構造になっています。
Q5身体検査の正当な理由とは何ですか?
健康上の重大な支障、検査方法が著しく不相当、令状の効力範囲外などが典型です。単に恥ずかしい、怖い、予定があるといった事情は正当な理由になりません。
Q6拘留と勾留は何が違うのですか?
138条の拘留は有罪確定後に科される刑罰(1日以上30日未満)です。起訴前の勾留は捜査・裁判のための身柄拘束で刑罰ではありません。読み方が同じでも法的性質は別物です。
Q7鑑定のための採血は拒否できますか?
鑑定のための身体検査は172条を通じて本条の規律につながります。令状が出れば拒否は138条の罰則対象となり、139条で強制もされ得ます。任意採取なら拒否できますが境界は微妙です。
Q8身体検査拒否罪の公訴時効は何年ですか?
138条は罰金に当たる罪なので、公訴時効は3年です(刑訴法250条2項)。起算点は拒否行為が終わった時です。最新の改正状況は確認してください。
この条文についての質問 AI による整理
Q1身体検査を拒んだら、逮捕されちゃうんですか?
138条は罰金または拘留という罰則であって、拒否がただちに逮捕につながるわけではありません。ただし139条で直接強制(押さえつけての執行)ができるので、拒んでも結局は検査されます。実務のポイント:実務では、拒否されると捜査機関はまず直接強制で検査を実行し、その上で138条の処罰を検討します。つまり拒否は『検査を止める手段』ではなく『罰金と前科を上乗せする選択』になりがち。止めたいなら拒否ではなく方法の適正さを争う
Q2過料も罰金も両方取られるって本当ですか?
137条の過料は行政上の金銭制裁、138条の罰金は刑罰で、性質が異なるため別個に科されうると解されています。さらに138条2項は罰金と拘留の併科まで認めています。実務のポイント:見落とされがちな差は『前科』です。過料は前科になりませんが、罰金は有罪判決として前科がつきます。金額の多寡より、就職・資格・各種更新審査に響く前科の有無こそ本当のダメージ。略式命令を安易に受け入れる前に確認する
Q3女性なのに男性の捜査官に身体検査されそうです、断れますか?
全面的に断ると138条の罰則対象になりかねませんが、131条2項は女子の身体検査について医師または成年の女子を立ち会わせなければならないと定めています。これを満たさない検査は方法の適法性を争えます。実務のポイント:拒否すると罰則ですが、『立会い要件を満たして』と求めるのは正当な権利行使です。この一線を知っているかどうかで、屈辱的な検査を回避し、後に違法収集証拠として争う足場も残せる
間違えやすい点 AI による整理
- 「拒否するかどうか」を悩むこと自体が、問いの立て方を間違えている。139条で直接強制ができる以上、あなたが拒んでも物理的には検査される。だから本当に考えるべきは「拒むか従うか」ではなく「正当な理由を主張できるか」「131条の注意義務違反で検査方法を争えるか」である。前者の問いに時間を使うほど、罰金と前科だけが積み上がる
- 過料(137条)の存在は知っていても、138条の罰金が「前科」になることの重さを軽く見ている人が多い。過料は行政上の金銭制裁で前科にはならないが、138条の罰金は刑罰であり、有罪判決として前科がつく。同じ「お金を払う」でも、就職・資格・更新審査に響くかどうかで結果はまるで違う
- 「拘留」と「勾留」を同じものだと思い込んでいる。138条の拘留は刑罰としての身柄拘束(1日以上30日未満)で、有罪確定後に科される。一方、起訴前の「勾留」は捜査・裁判のための身柄拘束で、刑罰ではない。読み方が同じでも法的性質は別物、混同すると自分の置かれた段階を見誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 制裁の性質 | 138条:刑罰(罰金又は拘留、併科あり) | 137条:過料(行政上の秩序罰)+ 費用賠償 139条:直接強制(物理的執行) |
| 前科の有無 | 罰金は刑罰のため前科がつく | 過料は前科にならない 制裁ではなく執行のため前科なし |
| 機能 | 刑罰予告による心理的抑止 | 金銭負担による間接強制 押さえつけての強制執行(実効性確保) |
| 検査自体を実現できるか | できない(事後制裁にとどまる) | できない(事後制裁にとどまる) できる(物理的に検査を実現) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も身体検査に強制力を用い得るが、拒否に対する独立した刑罰規定として構成する点は日本と異なる
韓国も身体検査を規定するが、拒否への制裁体系を過料・刑罰・直接強制と三段に明文化する構造は日本ほど明確ではない
ドイツは被疑者の身体検査を裁判官(緊急時は検察官)の命令で行い医師による侵襲も許容。直接強制が中心で、日本のような拒否罪は置かない
米国は令状に基づく強制採血を合憲とするが、修正4条・5条の枠で個別判断。拒否罪ではなく証拠法・適正手続で規律する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 飲酒運転の疑いで止められ、令状に基づく身体検査として採血を求められた。針が怖い、その日の予定がある、そんな理由で腕を引っ込めたら正当な理由にはならない。138条の罰金か拘留が待ち、しかも139条で結局押さえつけられて採血される。拒否のコストだけが上乗せされる
- もし、性犯罪の被害者として、加害者を立証するための傷やDNAの身体検査を求められたら、どうなる? 検査対象になるのは被疑者だけではない。被害者であっても証拠保全のための身体検査を拒めば、理論上は制裁の射程に入る。だからこそ「誰が、どこまで、どう検査するか」を最初に確認する権利を知っておく必要がある
- あなたが参考人として呼ばれ、身体の特徴(タトゥー、手術痕)が事件と関係するとして検査を命じられた。被疑者ですらないのに拒否すれば罰金。納得いかないなら、拒むのではなく令状の効力範囲と131条の注意義務を盾に争う
- 身体検査令状を持った捜査官が目の前にいる。あなたに考える猶予は数分しかない。今ここで拒めば罰金と前科、従えば屈辱。この一瞬の判断を誤らないために、拒否の自由はほぼ存在せず、勝負は『検査方法の適正さ』にあると、頭に入れておく
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず令状を見せてもらい、検査の対象(誰の、どの部位を、何のために)と方法を確認する2. 拒否は139条の直接強制で覆され罰金まで招くと理解し、全面拒否ではなく『正当な理由』の有無を冷静に検討する3. 健康上の理由、検査方法の不相当、131条2項の立会い要件(女子の場合)など、争える点があれば即座に主張する4. 可能なら検査前に弁護士へ連絡し、方法の適正さを記録に残す
訴えられた側:1. 拒否したことに『正当な理由』があったか(疾病、検査方法が著しく不相当、令状の効力外など)を具体的に整理する2. 過料(137条)と罰金(138条)は性質が異なり併存しうるが、罰金は前科がつく点を踏まえ、略式手続より正式裁判で争う余地を弁護士と検討する3. 検査が違法に強行された場合は、得られた証拠の証拠能力(違法収集証拠排除)を本案で争う4. 拘留と罰金の併科(138条2項)の可能性も視野に、情状を主張する
時効(請求できる期限):138条の罪は罰金に当たる罪であり、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。起算点は拒否行為が終わった時。なお身体検査令状の執行自体に応じるかどうかの判断には実質的な猶予がほとんどなく、その場で対応を決める必要がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:137条の過料(間接強制)、138条の刑罰、139条の直接強制という三段構造により、身体検査の拒否を多層的に抑止しつつ、131条の注意義務によって身体への侵襲を必要最小限に抑えると解する。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和23年(1948年) 新設:現行刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)の制定に伴い規定。憲法35条の令状主義の枠内で、身体検査拒否への罰則を定める。
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